とある一族の落ちこぼれ   作:勿忘草

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相手側に追加の敵です。
今回は同じ相手が何度も不死身特性なり魔術で長期戦に持ち込んできます。
こちらが実力で勝っていても面倒すぎる相手が今回の相手の特徴です。


『不死身の双頭』

戦いからカカロット達が一度現代に戻る。

情報の進展を願う。

こちらとしてはできればドミグラの撃破。

もしくは邪神像奪還。

これを行う。

それさえできれば邪悪龍との繰り返しも起こらない。

 

「ブラックの奴もブルーに目覚める可能性があるから無視は本来できないんだけどこればかりは難しい」

 

そうするには治療担当。

すなわち協力者があと一名は必要となる。

それこそが首謀者ともいえる。

 

「わざわざ過去からこっちに残ってくれるとはな……」

 

未来の自分が声をかけてくる。

仙豆のおかげでなんとか傷は治ったが寝ていないから熟睡したらしい。

強くはなっているが超サイヤ人4の倍率が違う系統だ。

もしかしたらビルス様も超えているんじゃないのか?

 

「流石に三人がかりだったら撃破が難しい」

 

魔術で結構厄介だったらしい。

追い詰めても逃げられる。

休息をとる事が出来ない。

挙句の果てには実力があるのだ。

 

「各個撃破しようにも特殊だから順番を考慮するべきだった」

 

ドミグラのような魔術へ力を注いだ存在。

こういう奴が居るだけでがらりと勢力の色が変わる。

何でも屋に近いからこいつを優先して潰さないとまずかった。

 

「今、優勢がとれる以上こちらから動いていくしかない」

 

相手を追い詰める。

後手後手になるとそれが難しい。

 

「千里眼で奴らの隠れている場所は把握できたが目まぐるしく動いてる」

 

こちらに絞らせないためだろう。

しかし、それならばあいては拠点に戻れない。

つまり体勢を立て直しにくい状況が比較的うまれる。

 

「ここで相手の体勢を崩しきっておけばカカロット達も安心して来れる」

 

バーダックさんが立ち上がって言う。

さて……行くか。

 

「邪悪龍は俺達のフュージョンでどうにかする」

 

だから二人でドミグラを倒してくれ。

そう話し合って向かっていく。

 

「はああああああ!!」

 

向かっていく最中。

轟音とともに現れたのは超一星龍。

しかしその見た目にはより禍々しさがあった。

白だった肉体はさらなる悪を取り入れたかのように灰色になっている。

 

「潰してやる……」

 

そんな事を言うのなら……

ジェスチャーで先に行くように指示をする。

 

「「フュー……」」

 

腕を伸ばしとことこと歩き始める。

奴は見ている。

邪魔をする気は無いようだ。

 

「「ジョン!!」」

 

腕を互いに遠ざけるように拳を握った形で横に振る。

間違いなどみじんもない。

 

「「ハッ!!」」

 

最後に人差し指同士とくっつける。

相変わらず完璧だ。

再度、二人の戦闘力と意識が混ざり合う。

ガーダックとして相対する。

 

「次は完全に消し飛ばす」

 

そう言って殴りあう。

全然効きはしない。

そう思って腹部へ蹴りを放つ。

しかし……

 

「体を凍り付かせてこっちまで凍結させてくるとは……」

 

特殊能力でかいくぐるか。

超高熱の肌と超低温の肌。

そして雷撃もある。

 

「がああああ!!」

 

風のバリアを纏って攻撃を仕掛ける。

それを力ずくで壊して顔面に叩き込む。

 

「毒は好きか?」

 

そう言うと立ち込めている紫の霧。

草や木が真っ黒に染まりあがっている。

 

「寄生能力で草木を操り、そこから毒を噴出させたのだ!!」

 

体の動きが鈍くなる。

だが……

 

「はああああああ!!」

 

気を爆発させて草木を吹き飛ばす。

そしてそのまま技を放つ。

 

「あまり効かないぜ」

 

そう言って殴る。

しかしまだまだやる気はあるようだ。

 

「『秒殺魔光弾』!!」

 

気弾を払いのける。

威力や量が多くても隔絶された世界。

容赦がなければ瞬く間に消し飛ばせる存在。

 

「お前は延々と増幅するかもしれないが……」

 

ドミグラがここにいない以上、もう二度とお前が出てくる事は無い。

これで終わらせる。

 

「フッ!!」

 

上段蹴りで角をへし折る。

背中に回り、気の刃で斬り落とし、翼をもぎ取ってやった。

この動きまで数秒の世界。

奴は気づく間もなく背中から血が噴き出た。

 

「お前の敗因は俺達という容赦のないサイヤ人と戦った事だ」

 

痛みに呻く間も無く斬首する。

そしてそのまま塵に還した。

前回と違いすべて頭に入っている。

対策も容易。

実力はまだまだ差がある。

勝てる要素は全くと言っていいほど相手にはなかった。

 

ドラゴンボールが落ちてきたので回収しようとする。

しかしいきなり目の前から消える。

転移魔術まで付与させていたのか。

その瞬間、邪悪な力が一気に膨れ上がる。

ドミグラが一緒に来ていないという事。

つまりそれが示す事は…

急いで俺は向かう事にした。

 

.

.

 

「こいつがマイナスエネルギーを操るから……」

 

殆ど邪悪龍を止めても意味がない。

邪神像に回帰するであろうマイナスエネルギーを自分に与え始める。

そして黒い鎧のような皮膚が重なる。

渦を巻いたように中心に暴虐の風が荒れ狂う。

 

「私が人類がなくとも繁栄可能な歴史の創生者となるのだ!!」

 

そう言ってこっちへ向かってくる。

ガタバルさんが食い止める。

元々破壊神を越えたといった力。

皮膚を砕きながら肩を掴んでいる。

 

「ハア!!」

 

腹部へ蹴りを入れてこちらに渡してくる。

それを受け止めるように『かめはめ波』を放つ。

 

「ぐあああああ……」

 

相手は無防備に喰らう。

そのままバウンドするが手ごたえはあった。

 

「おぉ!!」

 

顔面に拳を打ち込む。

呻く間にさらに一発。

徐々に相手を追い詰めていく。

だが相手は不敵な笑みを浮かべていた。

 

「この打撃では追い詰めてなどいない」

 

そう言って体を膨張させる。

そして力を入れる。

すると……

 

「ちっ……」

 

まるでハリセンボンのようになって鎧のような皮膚の部分がはじけ飛ぶ。

そのまま杖を振るって目の前から逃げる。

瞬間移動が使えるから数秒止めてしまえばいい。

それが奴の厄介さに拍車をかけていた。

 

「残念だぜ」

 

そんな事を言っていると過去のガタバルさんとバーダックさんが着いた。

どうやらドラゴンボールの回収はできなかったようだ。

途中で目の前から消えたのでおおよそ、魔術で転移させたのだろう。

しかし邪神像の回収をするのがよかったと言っていた。

気づいているあたりは流石だと思う。

 

「願いを叶える術が分かっていなかっただけよかった」

 

奴等がろくでもない願いをするのは分かりきっているから。

自分たちが正義であるというようにこちらを糾弾している。

彼らの主張はこちらからしてみれば横暴なものもある。

それに気づいているのだろうか?

 

「奴らが望むのは一体何なのでしょうか?」

 

死者の蘇生や混乱を巻き起こす願いで我々の心に動揺を与えるとか?

そう言うがそれを現代のガタバルさんが否定する

 

「人類の滅亡こそ奴らの望み、このまま手元におきたいのかもな」

 

願いを叶える術が知らないからよかった。

しかし、冷静になると叶える必要もあいつらにはない。

こっちの頼みの綱を奪い、あわよくば敵として利用する。

それでいい。

 

「だが、奴も追い詰められていないとは言うが厳しいのも事実」

 

決め手に欠ける。

力を蓄えてこそいるが元の差がある。

 

「もういっそ願いを叶えて石にすれば奴らの味方は生まれないのでは?」

 

逆転の発想ではある。

しかしデンデによって強化されているから3つの願いを叶えないといけない。

 

「3つなんて普通に思いつくだろ」

 

過去のガタバルさんがそう言っている。

下らない事でもいいし、奴らの杖を壊すなり邪神像を奪えばいい。

そういう使いかたがある。

その封じ方に決めた。

 

「こそこそと作戦を立てるのが好きなネズミどもだ」

 

そう言ってゴクウブラックが目の前に現れる。

実力的にはまだ未知数ではあるが…

 

「『神裂斬』!!」

 

気の刃を手に纏って切り裂きに来る。

それを回避してカウンターで殴る。

しかしその手応えに違和感を感じた。

 

「これは……!?」

 

残像のようだがまた違っている。

質量がある。

ドミグラの魔術による複製か?

 

「四身の拳か……」

 

だが種明かしは極めて速かった。

現代のガタバルさんが言ってくる。

どうやら天津飯さんの技で4人に分かれるらしい。

だがデメリットがあり4分の1になってしまう。

しかし……

 

「神が行えば脆弱な人間の技も完成するのだ、これこそ神の御業よ!!」

 

そう言ってゴクウブラックはさらなる動きを見せる。

頭数を揃えただけでは飽き足らないか。

 

「はあああ!!」

 

木を切り倒してこっちに攻撃をしてくる。

それを舞空術で避ける。

 

「まずは貴様からだ……孫悟飯!!」

 

そう言って4人ものゴクウブラックが襲い掛かる。

それを掴んだのはバーダックさんだった。

 

「退屈させちゃあいけねえなぁ!!」

 

そう言って殴りとばす。

そして現代と過去のガタバルさん達も向かい合うがその瞬間……

 

「がっ……」

 

ある存在に殴り飛ばされる。

確かに可能性としてはあった。

しかし、こんな時に限ってくるものか?

 

「魔人ブウ……」

 

胸にコアのようなものを埋め込まれている。

どうしたものか。

 

「あの魔術師、余計な事しかしねえ!!」

 

ブウを殴り飛ばして怒りの声をあげる過去のガタバルさん。

邪悪龍だったり自己強化。

挙句の果てには復活。

封印を解いただけのようだが……

 

「『プライド・オブ・ラクタパクシャ』!!」

 

ブウを包み込む灼熱の鳥。

しかしコアだけが脱出をする。

焼き切り、消滅させる前に抜け出したそれを中心に再生していった。

 

「コアの中に肉片があるのか?」

 

コアは魔術で動く。

結局はゴクウブラックよりはドミグラ。

奴が厄介な状況を作り出す。

 

「完全消滅を同時に行うしかないか……」

 

コアとそうでない肉体。

どちらかが残ると再生する。

二段構えでの再生と強化。

 

その間にもまたもやゴクウブラックも消えた。

こちらは消耗するが相手はこのように翻弄できる。

 

「不死身に近い奴ばっかりとか正直萎えるぜ……」

 

バーダックさんですら溜息をつく。

悟空さんの父親であり、本気の過去のガタバルと互角という最強候補の戦士。

そんな人でもこういうのは好きではないのだ。

 

「一回やって死んだら終りってのが普通だからな」

 

首を鳴らしてどうするかを決める。

さんざん言っているから誰を最優先にするのかは決まった。

 

「ドミグラ一択だ」

 

邪悪龍復活。

魔人ブウ操作。

邪神像の活用。

どう考えても首謀者と言いたくなるほど動いている。

 

「俺が出る、この命に代えてもコケにした仕返しはする」

 

そう言って過去のガタバルさんがドミグラを追いかける。

邪悪龍には太刀打ちできないはずなのに……。

 

「いい加減固まる方が面倒だ、この身と引き換えにあの桃色野郎を消し飛ばす」

 

バーダックさんは魔人ブウを追いかけた。

二人ともコケにされて怒り心頭なのだろう。

もしくは俺たちの負担を考えたり、いいところを見せようとしている。

 

「俺達はゴクウブラックをやるぞ」

 

そう言われて俺達も動き出す。

三者三様。

この時代の人たちでもないのに一人一殺道連れ。

それを決断している二人に背筋が寒くなる。

 

「速くベジータさん達が来ないととんでもない事になってしまう……」

 

あの二人の暴走を止めないと取り返しがつかないことが起こる。

倒せても最高の結果とはいえない事になる。

向かいながら別の意味での焦りが出てきていた。




邪悪龍は未来悟飯達を狙わないと多少強くなっても惨劇の的になるだけというオチです。
フュージョンでの4ゴジータは油断して消滅できなかったですが、この二人には油断が皆無ですのでこの有様です。
今回、ドミグラが魔術でブウを起こしてさらに強化です。
こいつがいなくなったらブウと超一星龍が無くなるのでこいつが一番厄介という。

何かご指摘などありましたらお願いいたします。

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