メンバーとしては最強戦力をぶつけに行くといったコンセプトです。
亀仙人のじっちゃんはアニメ通りに普通に戦力になります。
『全覧試合』
カカロットが全王様の所に行くと言い出したのだ。
ヒットとの戦いから、俺はビルス様とマンツーマンで修業をつけてもらっていた。
ピオーネは自宅にいる。
またもや伸びた力に対して瞑想で制御をできるようにしている。
今までは制御できていたのだが、もはや天井知らず。
未知数の伸びしろのため、おさまりが効かない可能性もあった。
「ガタバル、お前も行け」
ビルス様がカカロット一人ではやらかしかねない。
そう言って俺を向かわせる。
「おめえが来なくてもオラだって礼儀ぐれぇなんとか出来っぞ」
信用できないからこうなっているんだよ。
そう言ったことが分かっていないから頭を抱える状態になるんだ。
「とにかく、無礼なことは言わねえでくれよ」
お前が言うな。
お互いが道着の時点でいかがなものかと言われそうだが。
入ると大神官様が迎えてくださった。
「お久しぶりです」
頭を下げて挨拶をする。
全王様の所まで案内してくださった。
すると唸りながら惑星のチェスをしていた。
相手は未来から来た全王様だったのだ。
送っていたのはトランクスのようだ。
こっちに気づくが、全王様の手前、喜ぶ訳にもいかない。
「こっちの宇宙多いね」
面倒くさそうにつぶやいている。
何か恐ろしい前触れのような気がしてならない。
未来のあの風景の原因になっているのではないだろうか?
「こっちは前の事から全ての破壊神と界王神を僕の宮殿で一緒に集めて管理しているよ」
未来の方ではザマスの凶行によりすべての宇宙の破壊神と界王神に被害が及んだ。
それの余波で全宇宙の破壊神と界王神たちで会議をして破壊の対象を決めたり、生み出す生命の存在の話し合いなど、治安にさらに力を入れている。
「うーん、面倒だし……消しちゃおうかな」
俺にははっきりと聞こえた。
ぽつりとつぶやく程度ではない。
近くにいたトランクスにも聞こえていたのか青ざめる。
「あっ、悟空!!」
全王様がカカロットに気づいて声をかける。
トテトテと音が出る歩き方だ。
凄いお方なのに、子供のような印象だ。
「そう言えば、全ちゃん……前に言ってた挌闘大会なんだけどさ」
お前、軽いなぁ。
全宇宙で最強の戦士を決める戦いか。
全開の対抗戦の時にも言っていたな。
「うん、楽しそうだからやってみるのね」
負けず劣らず軽いお方だな。
そう言って笑っていた。
カカロットは分かってすらいない。
この笑みがとんでもない事を引き起こす意味がある事を知っているのか?
「あんがとな、全ちゃん」
そう言ってカカロットの奴が去っていく。
あいつ、俺を置いていく気か?
お前が提案する前に何を呟いていたか。
何を考えていたか聞かなかったのか?
「全王様、すみませんが今おっしゃったことは全て真実でしょうか?」
カカロットの奴が気づく前に俺は全王様に質問をする。
聞き間違いであってほしいと願った。
「うん、今回参加する予定の8つの宇宙で、勝った宇宙と天使を除いて消えてもらうのね」
純粋な目でこっちに返答をする。
本気でただ宇宙が多いだけでこのお方は消滅させるつもりだ。
俺はそれではまずいと全王様に提案をする。
「消滅ではなく、今の破壊神と界王神を業務の補佐にしてしまえばいかがでしょうか?」
自分でも恐れ多い事をしているのは分かる。
しかしそんな多いという理由だけで消すのならば負担が減ればいい話。
これならば別にさほど問題は無いはずだろう。
「後継者はその破壊神、界王神双方の推薦のものとして昇格ということですね」
大神官様の言葉に頷く。
すると全王様にそれでいかがですかと進言をする。
「今回で楽しい戦いが見れたとしても次は見ることができないですよ」
そこに俺が言葉をかぶせる。
そう言うと全王様が唸る。
そして……
「確かにそれなら僕も負担軽いし管理できるのね、じゃあその昇格を商品にするのね、MVPにはえっと……超ドラゴンボールにするのね」
今までの12から大幅に減る。
優勝宇宙から4位までの宇宙の破壊神と界王神に任せる。
人間レベルの上昇はその担当する上位神との話の結果で変わっていくだろう。
だがそれで納得したのは嬉しいのだが……。
「でも、そうなったら12の宇宙が参加するし多すぎたら困るから篩にかけるのね」
今の上位4つの宇宙は除外してそれ以外の宇宙は80名のバトルロワイヤル。
上位の者たちは特別扱いするということだ。
本来ならば消滅させる意味もない宇宙。
だからこその処置だろう。
その後にもう一度楽しめる催しを行う。
ただし……
「名目上は本気を出させるために『消滅』を掲げるのね」
やる気はない。
だが本気になってくれないと楽しくない。
だからこそなのだろう。
ただ……
「貴方は口が堅いですか?」
俺には完全に知られてしまっている。
これで軽い場合は消滅すら辞さないということだろう。
「はい、それについては秘密を漏らすような真似はしません」
そう言うと微笑まれた。
そして帰るために全王様の宮殿から出ると……
「悟空さん、帰ってしまいましたね」
トランクスに言われる。
全王様の宮殿から出てきたらあいつの影は無かった。
「仕方ありませんね……」
大神官様が手を取る。
トランクスも帰るようだ。
界王神界に戻るとビルス様にカカロットが怒られていた。
置いてくるとは何事だ。
「今、戻りました」
大神官様に深々と頭を下げる。
よろしいのですと一言。
そして今回の事について話し始める。
「まずは本来の戦いの前に全宇宙の破壊神、界王神、天使の前での試合、『全覧試合』を行います」
全宇宙から1名ずつ選手を選出。
第1と12、第5と8は別トーナメント。
残った八人で別トーナメント。
上位4宇宙代表と下位8宇宙代表の決勝戦という形にする。
「最強レベルを出すもよし、その後の戦いのために温存するもよしです」
そしてその後に今回の戦いの概要を伝えるらしい。
恐ろしいペナルティがある事をにおわせて帰っていった。
「おい、ガタバル……」
ビルス様が見てくる。
恨めしげな眼を向けてくる。
黙っておかないといけない。
「全王様がそうおっしゃったものを覆す事が出来ますか?」
申し訳ない顔を向ける。
ビルス様は唸っている。
破壊神の自分でもできない事を言う事なんて不毛極まりないからだ。
「こうなった以上、最強の面子を集めるしかないですよ」
そう言ってメンバー探しに着手しようとする。
だがビルス様からメンバーに当確させておく面子を言う。
人数の通達がないが真剣そのものである。
「10人と仮定して……おまえとピオーネ、悟空にベジータ、そしてブロリーとサラガドゥラは必要だ」
そこに俺は亀仙人様を加えておく。
戦闘の経験値の豊富さは俺達の比ではない。
そして絶対に欲しいのは……
「残りは4名、カカロット、お前が悟飯とピッコロ、亀仙人様を説得してこい」
そう言って俺は10人目の選手を探しにいく。
当てはあるがきっとあの人は断る。
第6宇宙への恩義があるからだ。
だったら……
「お邪魔します」
宇宙を放浪しているので界王様の力を借りて捕捉した。
フリーザの宇宙船の門に居た。
宇宙空間はしんどいのできちんと中には入っている。
「どうしたんだ?」
前回の襲来で来なかったボージャックじゃないか。
おまえ、大丈夫なのか?
「フリーザに重要な話がある」
そう言うとスイスイと通される。
Vip待遇のようなものだ。
しばらくしてフリーザが現れた。
「どうしたのですか?」
急いできた理由にワクワクしている。
面白い事があると分かっているのだろう。
だが、今回に限ってはそんな余裕もなくなるぞ。
「実はな……」
今回の戦いについて説明をする。
代表選手は定かではない。
しかし準備はしておいてほしい。
『消滅』についての説明。
そしてフリーザの興味を引いたのは……
「最も優秀だった戦士には『超ドラゴンボール』ですか……」
どんな願いでも本当の意味で叶えられる存在。
宇宙の復活すらも可能だろう。
「ただ使い道が思いつきませんけどね」
そう言ってほほ笑む。
そしてこちらに向き直って一言言ってきた。
「ほかならぬあなたの頼み、聞いてあげますよ」
それでは、概要が決まればまた教えてください。
そう言われて宇宙船から界王神界へ瞬間移動をする。
「とにかく悟飯達には話しといたぞ」
カカロットが言ってくる。
ちなみにサラガドゥラはじかに聞いていたからすぐに参戦を希望した。
師匠が消えるかもしれないのに参加しないなんてありえないといったらしい。
「あとはベジータとピオーネとブロリーか……」
しかし問題はここではない。
まずは『全覧試合』に出るのを決める。
俺が出ようとしたら……
「折角、力上げてきたのにばらす必要はない」
ビルス様に止められた。
そうなると……
「ブロリーかピッコロがいいですよ」
あの二人の実力でも決して悪いわけではない。
悟飯は仕事の都合上、この二人が候補だ。
そう思っていたら手を挙げてサラガドゥラが言う。
「久々に俺に出させてくれ」
ブウとの戦いからずっとお前戦っていないけど大丈夫なのかよ。
そう思っていると気を噴き出させる。
それはブルー状態のカカロットとほとんど同じぐらいだった。
「あれから鍛錬を怠る俺とでも思ったか?」
ニヤリと笑う。
その一言で全員がサラガドゥラで行くということになった。
そして大神官様の通達より一週間がたって、『全覧試合』が始まる。
そして第7宇宙の席には天使であるウイスさん、界王神、老界王神様、界王神候補のサラガドゥラ。
破壊神であるビルス様、破壊神候補である俺、そしてピオーネとカカロット。
大所帯であるがゆえに他の宇宙に注目されている。
ちなみに『力の大会』については全員に伝えておいた。
するとその時、ベジータが苦い顔をしていた。
事情は聞いていないが、ブルマさん関係だろう。
「しかしさすがに前哨戦で最強クラスを出すのは無いか……」
俺はざっと見渡すがシャンパ様の宇宙では今回はキャベを投入。
第2宇宙ではヤードラット星人か、懐かしい顔だ。
第3宇宙ではポラポラと言っているいかにも機械というような人。
第4宇宙では帽子をかぶった青年。
第9宇宙では蒼い狼の男。
第10宇宙では相撲取りの男。
第11宇宙はビルス様によく似た奴が代表選手。
大きな男が破壊神候補だろう。
シード組は統一したのかナンバー2クラスだろう。
しかし強さが少なくともブルーのカカロット並みは用意している。
それ以上となるとまさかとは思うが……
「流石は上位4宇宙……破壊神以上の者がいてもおかしくありませんねぇ」
ウイスさんも言う。
そしてぽつりとつぶやく。
消滅宇宙のキューブは何処に行ったのかということだ。
つまりピオーネほどではないが凄まじい相手がどこかの宇宙に潜んでいる。
「破壊神や界王神でもわからない辺境の星であればこの場に連れてこれなくても仕方ないですから」
そう言って抽選が始まる。
気になったのだがウイスさんに聞いておくことがある。
「ちなみに、人間レベル5位はどの宇宙ですか?」
ウイスさんが言おうとした瞬間に今、サラガドゥラが引いた2番と11宇宙の奴が引いた1番で試合が決まる。
それを見て笑う。
つまり……
「いきなり、下部宇宙最強とぶつかりますねぇ」
その後も抽選が進み、カードが決まる。
そして試合が始まる。
サラガドゥラと11宇宙の選手が向き合う。
大神官様が手を上げる。
「第1試合……始め!!」
その言葉で『全覧試合』が始まった。
ちなみにトーナメント参加選手。
第1宇宙:ケブルー 第12宇宙:ケージン
第2宇宙:ジーミズ 第11宇宙:ディスポ
第3宇宙:ポラレータ 第10宇宙:ナパパ
第4宇宙:ガノス 第9宇宙:ベルガモ
第5宇宙:アレキサ 第8宇宙:デンド
第6宇宙:キャベ 第7宇宙:サラガドゥラ
消滅宇宙の奴らはピオーネ程ではないですがどれも手練れ揃いです。
破壊神の強さにも序列があるのが漫画版で分かりましたから、一概に破壊神以上と言っても別宇宙の破壊神に勝てるのかという話につながりますね。
指摘などありましたらお願いします。
※2018年1月28日:
第5宇宙の破壊神のアラクと第8宇宙の破壊神のリキールが逆になっていましたので修正しました。
あと第1宇宙のケブルーをケルブーから変更しました。