「いきなりどうした。主」
ミコトさん。この小説は笑いあり、涙あり、恋愛あり、ニヤニヤあり、キマシタワーありの小説であるはずなんです。
「いくつかおかしいのがあったが・・・」
なのに・・・なのに・・・重いんですよ!今回の内容!
「そうしたのはお前だろ」
どうして・・・どうしてこうなった?
「だからお前がそうしたんだよ」
誰か!頼む!俺を、俺を止めてくれー!!!!
「寝てろ!」
バキ!
ゴハッ!
「ふう、騒がせて済まなかったな。それでは本編どうぞ」
side 霊夢
「紫、ミコトについての話って何?さっさと話しなさい」
ミコトと藍が料理に行ったあと、私は紫に話を聞こうと尋ねた。
「まあそれはあとでいいじゃない。それよりもミコトがいれたお賽銭出しなさい。変えてあげるから」
紫のやつ何もったいぶってるのよ。・・・まあ私も早く変えて欲しいと思ってたから素直に渡しておくか。
「はい」
「確かに受け取ったわ、はい」
そうしてミコトからのお賽銭と引き換えに私は幻想郷で使えるお金を受け取った。・・・こんな大金見たのいつ以来かしら。ホント、ミコトには感謝してもしたりないわね。
「嬉しそうね。霊夢」
「まあね」
いつもだったら軽く受け流していたが、今は気分がいいし。今回は素直に返しておこう。まあ・・・
「それで、ミコトに関する話って何よ」
聞くことはちゃんと聞くけどね。
「せっかちね、いつか損するわよ?」
「そんなの知っとことじゃないわ。いいから早く話しなさい」
全く。自分で話があるって言っておいて。ホント紫は何考えてるのかしら。
「・・・霊夢あなた、ミコトのことをどう思っているかしら?」
「どうって///紫には関係ないでしょ!」
いきなり何を言い出すのよ!紫は!
「・・・いいから答えなさい」
ここでようやく私は気づいた。紫はからかって言っているんじゃない。真剣に聞いていたんだ。
「・・・正直わからないわ。だって私はまだミコトのことほとんど知らないもの。だから私は知りたいの。ミコトがどういう人なのか。ミコトがどうしてあんな目をしているのか。私はミコトという存在のことを知りたい。今はそれだけよ。」
本当は知りたい以上の感情があるのかもしれない。でも私はあえて口には出さなかった。ミコトのことを知らない私が口に出していいこととは思えなかったから。
「そう・・・」
紫はそう呟くと何かを考え始めた。
(どうしたのかしら、いつもと明らかに違う)
そう、いつもとは全く違っている。今の紫にはいつもの胡散臭さが全くと言っていいほどない。今私の目の前にいる紫は幻想郷の賢者にふさわしい威厳と風格、覇気が感じられる。そんなことを思っていると紫が考えるのをやめ、重い口を開いた。
「霊夢・・・。あなたミコトのことを知りたいといったわね?」
いつもの調子じゃない。迫力ある声色だ。
「・・・ええ。言ったわ」
でも私は臆しない。さっき言ったことは本当だから。ミコトのことが知りたいから。だから私は恐れない。
「・・・わかったわ。教えてあげるわ。私が知ってしまったミコトのことを」
紫が知ってしまった。その言葉を聞いて私は一瞬戸惑った。知ってしまったということは『知りたくなかった』ともとれる。一体何を知ったの?
「直接ミコトに聞いたわけじゃないし、ミコトのことを調べたわけじゃないわ。でも私は知ってしまったわ。ミコトはかつての私の知り合いに似ていたから・・・」
・・・ミコトに似た人。なぜか私には想像つかなかった。ミコトに似た人がいるということが何故か信じられなかった。
「ミコトに似た人がいるなんて信じられないといった顔をしているわね。無理もないわ。私も信じられなかったもの。まさか、・・・あいつと同じ目をする人がいるとは思わなかったもの・・・」
一体紫とそいつのあいだに何があったのか気になる。でもそれ以上に
「・・・いいから早く話しなさい」
私は知りたい。
「・・・わかったわ。話すわよ。ミコトは・・・」
そこまで言って紫は少し口ずさんだ。そして数瞬して口を開いた。
「・・・なにものからも愛(・)さ(・)れ(・)て(・)い(・)な(・)い(・)存在よ」
・・・紫は今なんといった?愛されていない?ミコトが?私は紫が何を言ってるのかわからなかった。
「本来この世界に愛されていない存在なんていないわ。自分は孤独、自分はひとりと思っている人にだって愛してくれる人はいるわ。ただ気づいていないだけでね」
「・・・・・」
「でもミコトは違う。どういうわけか知らないけど、彼は愛されていない。彼のことを想ってくれる人はいるかもしれないわ。でもそれは愛情とは違う。」
『・・・心配する奴なんていないさ』
あの時彼が言っていた言葉。あれは自分には愛してくれる人がいないということ?彼はわかっていた?自分が愛されていないということを。だから彼は幻想郷に残った?帰る場所がないから。あの時のあの飢えた目。彼は愛に飢えている?彼は愛を求めているの?
「・・・霊夢。彼には気をつけなさい」
「・・・気をつけるって何によ」
「彼は危険すぎる」
「危険?」
「さっきも言ったでしょう。愛されていないものなどいない。それは愛されなければ生きていけないからよ。それなのに彼は生きている。愛されることなく。それはとても恐ろしいことよ」
「何がよ?」
「愛されないのは想像以上の地獄よ。きっと私やあなたじゃ耐えられない、地獄さえ生ぬるい地獄よ。彼はそれに耐えている。そんな彼が愛を求めたら?そして愛されることを拒絶されたら?そうなれば、・・・幻想郷はかつてない程の危機を迎えるでしょうね」
「ミコトが幻想郷を滅ぼすって言うの!?そんなこと・・・ミコトがするはずない!」
「あなたの考える理屈じゃあないのよ。それになんでそんなこと言い切れるの?あなたは彼のこと何も知らないでしょう?」
「それは・・・」
「それに彼には力がある。得体の知れない力が。だからこそ余計危険なのよ。」
「・・・・・」
わたしは何も言い返せなかった。
「なら・・・なんで?なんで彼を幻想郷に住ませようとしてるのよ?彼が危険なら彼の世界に帰せばいいじゃない!」
「それはダメよ。彼は外の世界では愛されていない。いつ彼が世界を滅ぼそうとするかわからない。外の世界と幻想郷はつながっている。外の世界が滅べば幻想郷も滅びるわ。だから彼はここにいなければならない。・・・いざと言うとき彼を滅するために」
「!・・・そんなこと・・・「博麗霊夢」
紫は私の言葉を遮った。
「あなたの使命は何?」
「・・・幻想郷を守ること」
「そうよ。それが博麗の巫女の使命よ」
「・・・・・」
どうして?どうしてミコトを滅っさなきゃいけないの?・・・嫌だ。ミコトを滅したくない。私は・・・ミコトと一緒にいたい。
「・・・気持ちは分かるわ霊夢。でも、それがあなたの使命よ。あなたは幻想郷に住むものを守らなければならない」
『幻想郷に住むもの』を守る?
・・・そうか。そうすればいいんだ。
「わかったは、私は幻想郷を守る。そのために・・・・ミコトを滅(・)さ(・)な(・)い(・)。」
「!・・・どういうつもり?」
「紫が言ったんじゃない。『幻想郷に住むものを守らなければならない』って。だから守るのよ。幻想郷の住人であるミコトを」
「自分が何を言ってるのか分かっているの?」
「わかってるわよ。要はミコトに幻想郷を滅ぼさせなければいいのよ。だったら・・・
私がミコトを愛するわ」
「・・・霊夢。口で言うほど簡単じゃあないのよ?今あなたが彼に抱いている感情は愛じゃない。ただの同情。もしくは愛情ごっこよ」
「だったら私は、それを本物の愛にする」
私の意志は揺るがない。たとえ誰が言おうと意志は曲げない。
「霊夢・・・わかったわ。そこまで言うなら止めない。でも覚悟しなさい。もしあなたが失敗したら・・・あなたもろとも彼を滅する」
紫が私を殺気を込めた目で睨みつける。正直いって怖い。でも
「上等よ。私は失敗しないわ。絶対に」
「・・・そう。霊夢」
「・・・何よ」
「・・・ミコトをお願いね」
なぜ紫がそう言ったのかはわからない。でも、
「任せなさい」
私は力強く答えた。この決意が消えてしまわないように。
side ミコト
「こんなものかな?」
「そうだな」
俺と藍は料理を作り終えた。
刺身に肉じゃが、けんちん汁、とんかつ、ちらし寿司、猫を探してくれている橙のために作ったカレイの煮付けに料理を作ってくれた藍のために作ったいなり寿司(もちろん三角)。そして俺のとっておき苺大福。なかなか豪勢になったな。
「それにしても、甘いもの食べれないのに作れるなんて変わっているな」
「やっぱり変か?」
「正直な。でも美味しそうだ。今度作り方教えてくれ」
「ああ。いつでもいいぞ」
俺は藍にそう答えた。今度ほかのと一緒にレシピを書いておこう。
「さて、運ぶか」
「そうだな」
そう言って俺は両手に皿を載せ、藍は両手と尻尾に皿を乗せた。・・・器用だな。ある意味羨ましい。
そうして霊夢と紫の待つ居間に向かった。
~少年、妖獣移動中~
「「お待たせ(しました)」」
そう言い居間に入る俺と藍。・・・気のせい・・・ではないな。二人の空気がとてつもなく重い。
「あら、おかえりなさい♪」
「おかえり、ミコト♪」
ふたりは重い空気に反して音符がつきそうな(というかついている)勢いで返事をした。
「あ、ああ」
「皿持つわよ」
「ああ、頼む」
気のせいだろうか、なんか霊夢の雰囲気がさっきと違うのだが。
そうして皿を机に並べていると、
「ただいま戻りました!」
橙が帰ってきた。
「お帰り、橙。どうだった」
橙の主人である藍が尋ねる。
「ダメでした・・・みんな知らないって」
「そうか」
橙はそういうと落ち込んでしまった。
「橙」
「はい?」
ポン、なでなで。
「お疲れ様」
俺は橙の頭に手を乗せなでた。
「!はい!」
どうやら橙は元気を取り戻したようだ。
((・・・いいな~))
何故か霊夢と藍が俺に視線を向ける。さらにそんなふたりを見て紫はクスクス笑っている。一体どうしたんだ?
「さて、みんな揃ったし、食事にしましょう」
紫の合図とともにみんな席に着いた。俺の隣には霊夢と藍が座った。
「はい、ミコト」
向かいの席に座った紫が俺にグラスを渡す。っていうか
「これ酒じゃねえか」
「そうよ。なにか問題ある」
「問題もなにも俺未成年だぞ」
「ミコト、この幻想郷で暮らすならひとつ教えておくわ。幻想郷では常識は通用しない」
常識が通用しないって。ふと俺が横を見ると霊夢と橙も酒の入ったグラスを持っている。(橙は20歳超えてるかもだが)俺は黙ってグラスを受け取った。
「それでいいのよ」
幻想郷では常識は通用しない。俺の中でそれを幻想郷の常識として心に刻んだ。
「それじゃあミコトの幻想郷入りを祝して・・・」
「「「「乾杯!」」」」
さあ、宴の始まりだ。
あ、あとがき座談会のコーナ~・・・
今回はミコトさんはお休みでゲストをふたり呼んでます・・・
「霊夢よ」
「藍だ。よろしくお願いします」
よろしく~・・・
「なんでそんなに疲れてるのよ」
いやだって、本編超重いですもん。
「そういうふうにしたのは主だろう。今さら何を言ってるんだ」
だって、だってしょうがなかったんですもん。この小説を書き始めたときはときはこのシーン書く予定はなかったんです。でも昨日唐突に思いついて、書かずにはいられなかったんです。
「全く。なんで自分の首絞めてるのよ」
「主は早死するタイプかもな」
うう。私もミコトさんみたいに幻想入りしてしまいたい・・・
「やめたほうがいい。主が幻想入りしても森で迷って46分で妖怪に食べられるのがおちだ」
ちょっと!そのリアルな数字やめてくださいよ!藍さんが言うと全く冗談に聞こえません!
「本気で言っているからな」
もうダメ!誰か私を癒して!
「それだけ元気なら大丈夫よ。それより聞きたいことがあるけどいいかしら?」
うう・・・何ですか。
「紫がミコトに似た人を知ってるって言ってたけど、誰?」
「それは私も気になるな。紫様から聞いたことないですし」
ああ、それですか。まあそれは唐突に思いついた話なんですけど、詳しいことはいつか書く予定の過去編に載せるつもりなんでそれまで待っててください。
「また引っ張るわね」
だって今言うとつまらないですもの。
「そう。まあ、いつか分かるならいいや」
「そうだな。ところで私からもいいか?」
はい。いいですよ。
「どういて今回のゲストはわたしたちなんだ?順番に行けば橙だろう?」
ああ、それですか。それはおふたりに言いたいことがあったからです。
「「言いたいこと?」」
はい。実はこの小説、バッドエンドパターンも考えついてしまってるんです。
「「はあ!?」」
だからおふたりを読んだのはミコトさんがバッドエンドパターンに入らないように今後も頑張って欲しいというエールを送るためになんです。
「何でバッドエンドパターンなんて考えてんのよ」
考えたんじゃありませんよ。考えついてしまったんですよ。
「「結局思いついたなら同じよ(だろ)!」」
私は基本的にぬるいと言われてもハッピーエンドが好きなんでバッドエンドには持って行きたくないんです。だからおふたりとも、バッドエンドにならないようヒロインとして頑張ってください。特に正妻の霊夢さん。
「「言われなくてもわかってる(わよ)!」」
たのもしい言葉ありがとうございます。それとこれは読んでくれている人に言いますが、どうしてもバッドエンドパターンが見たい人は感想にてお願いします。要望がありましたら適当なタイミングに載せます。
「それじゃあそろそろ締めるわよ」
「主。次回予告を」
はいそれでは
始まった歓迎会。
ミコトは久かたぶりの宴を楽しもうとする
しかし、紫が用意した酒を飲んで霊夢と藍が?
そして、ミコトと紫が相対する?
次回 東方~儚き命の理解者~ 第6話
「「「次回もまた来てね(くださいね)!」」」