今回はフランちゃんのお話後編です!
なんというか・・・・・・フランちゃんのミコトさんへの愛情の深さが伺えるかと。
「嬉しいといえば嬉しいのだが・・・・・・少し複雑だな」
「まあミコちゃんの性格上あれはね~」
そ、それでは本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
「・・・・・今話したのがミコトが外の世界で味わってきた辛酸だよ」
「そん・・・・・な」
竜希から外の世界でのミコトの境遇を聞いたフランは愕然としていた。
フランの知る限り誰よりも優しく、誰よりも思いやりがあり、誰よりも暖かい存在であるミコト。そんなミコトが味わってきた苦しみは・・・・・・フランの想像を遥かに超えるほどのものであった。
(お兄様・・・・・)
『辛かったし苦しかった。誰も愛してくれないのに愛することが。それでも無理にでも愛しようとしていた・・・・・・それが俺にできることだったから。だから愛することを拒めなかった。余計に自分を苦しめるってわかってても愛することをなによりも大切だと思おうとした』
フランはかつて自分が救われた時にミコトに言われた言葉を思い返す。『誰からも愛されなかったのに誰かを愛そうとした』。フランにはそれが苦しいということは理解できたがそれがどれほどの苦しみだったのかは理解できなかった。
かつてフランは地下に幽閉されていたがそれはひとえにレミリアがフランを守るために・・・・・レミリアがフランを愛しているからに他ならない。そのことはフラン自身も自覚していた。自分が愛されていたという事実を・・・・
だがミコトは・・・・・何者からも愛されず、それどころか誰からも蔑まれていた。ミコト自身に他人に虐げられる要素がないにも関わらずだ。
フランにとってそれは・・・・・・・許しがたいものであった。
「・・・・・私ね竜希、壊すことが嫌いなんだ」
「ん?」
「私の能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』。壊すための能力なの。お兄様に出会う前までははこの能力に振り回されてなんでもかんでも壊そうとしていたけれど・・・・・今は壊すことが大嫌い」
フランは元々心優しい子だ。だから自分の壊すための能力を嫌っており、その能力を極力使わないようにしている。
だが・・・・・・
「でも・・・・・・私は思うの。お兄様を苦しめた連中を・・・・・全て壊し尽くしてしまいたいって。全部全部滅ぼしてしまいたいって」
フランは怒りに身を震わせ・・・・・・涙を流しながら言った。何よりも壊すことを拒むようになったフランが・・・・・自分の意思で壊してしまいたいと。
フランの心は憤怒に染まっていた。外の世界の人間たちに対して・・・・・今までにないほどの激情の炎をたぎらせ、ドス黒い憎しみを募らせていた。
「フラン・・・・・」
「お兄様は私の手を握ってくれた!お兄様は私の頭を撫でてくれた!お兄様は私を抱きしめてくれた!お兄様は私の恩人なの!そんなお兄様を苦しめる連中は・・・・・・私が壊す!私の力で!私の手で!全部全部壊してやる!」
フランは感情任せに叫ぶ。恩人であるミコトに仇なす者たちへの憎しみを・・・・・破壊の願望を。それはフランにとって・・・・・初めて心の底から望んだ破壊の衝動であった。
「・・・・・・気持ちはわかるフラン。俺もかつては・・・・・同じことを考えていたからな」
竜希はフランを見据えながらそう言った。
そう、かつての竜希もフランと同じであったのだ。誰よりも戦うことと傷つけることを嫌う竜希だが、親友であるミコトを拒絶する者達に対して・・・・・・ミコトを受け入れようとしなかった世界に対してはっきりとした敵意を抱いていたことがあった。それこそ自身の力で全てを断ち斬ってしまおうかと思うほどに。
ミコトが虐げられることは
「だからこそ・・・・・・だからこそ俺は今ミコトがこの幻想郷にいるという事実を嬉しく思うんだよ」
「え?」
「幻想郷は理から外れた世界。この幻想郷ならばミコトは虐げられることない。この幻想郷ならばミコトは受け入れられる。この幻想郷ならば・・・・・・・・フランのようにミコトを愛してくれる人がいる」
竜希は憂いを帯びながら言う。
「竜希・・・・・・」
「フラン、お前が抱く怒りの感情も憎しみの感情も・・・・俺は否定しない。でも・・・・・ミコトのことを想ってくれているのなら憎しみを抱くよりも前にミコトを幸せにしてやってくれないか?」
「お兄様を・・・・・幸せに?」
「ああ。ミコトは・・・・・苦しみすぎた。これ以上ミコトが苦しむ必要なんてない。俺は・・・・ミコトに幸せになってもらいたいんだ。ミコトを愛する者の手によって・・・・・」
「お兄様を愛する・・・・・」
フランは目を閉じ、ミコトをことを想う。
自身を救い、自身を受け止めてくれた愛するミコト・・・・・愛おしいミコト・・・・・・
ミコトはフランにとってなによりも、誰よりも大切な存在だ。
そんなミコトの幸せを・・・・・フランが望まないはずがない。
「・・・・・わかったよ竜希。私お兄様を幸せにする。お兄様の苦しみを、辛さを忘れさせるほどに・・・・・・お兄様を幸せにしてみせるよ」
フランは決意した。ミコトは自分を救ってくれた。だから今度は自分がミコトを救い、幸せにしようと。
「・・・・・よろしく頼むよ~。フランちゃん」
竜希は普段のヘラっとした軽い笑顔を浮かべながらフランに言った。
「うん。それにしても・・・・・・竜希って本当にお兄様の親友なのね」
「え?」
「あんなにお兄様の幸せを願うのは親友だからだよね?正直に言うと竜希がお兄様の親友だっていうの疑ってたんだ」
「フランちゃんひどいよ~」
笑顔でいうフランに対して竜希はわざとらしくよよよと泣き真似をしてみせた。
しかし・・・・・
(まあ俺がミコトの幸せを望むのは・・・・・ミコトに対する復讐心でもあるんだけどな)
竜希の心は態度とは裏腹に僅かに陰っていた。
「それじゃあ俺はそろそろ白玉楼に帰るね~」
竜希は自らの心情を誤魔化すように帰ることをフランに告げた。
「わかったわ。今日はお兄様のお話を聞かせてくれてありがとうね」
「なんのなんの。また次会ったら色々と話してあげるね~」
「うん。それじゃあバイバイ竜希!」
「またね~フランちゃん」
竜希は挨拶をした後、白玉楼へと帰って行った。
「・・・・・さて、そろそろ私も帰ろうかな」
そう言ってフランもまた紅魔館へと戻ることにした。
「ただいま~お姉様」
紅魔館に帰ってきたフランは真っ先にレミリアの部屋に趣いた。帰ってきたらちゃんと報告するようにレミリアから言われていたのだ。
「あら、フランも今帰ったのね」
「お帰りなさいませ妹様」
フランがレミリアの部屋に入ると、ちょうど咲夜も帰ってことを報告していたところであった。
「咲夜もう帰ってきたの?」
「はい。お屋敷のことが心配でしたので・・・・・帰ってきたら案の定でしたし」
「あ、あはは・・・・」
咲夜ががいなくててんてこ舞いな状態を知るフランは苦笑いを浮かべずにはいられなかった。
「と、そうだフラン聞いて。咲夜ったらさっきまでミコトと一緒に居たそうよ」
「お兄様と一緒に!?」
「ええ。偶然会ったので」
「本当に幸運よね」
「いいな~」
レミリアとフランは羨ましそうにしながら咲夜を見た。。
「あ、ねえ咲夜。聞いてもいい?」
「なんでしょうか?」
「お兄様・・・・・楽しそうだった?」
「は、はい。まあそれなりに・・・・・・」
「そっか・・・・・よかった」
「「??」」
フランはミコトが楽しそうにしていたと聞いて嬉しそうに笑顔を浮かべる。そんなフランを見てレミリアと咲夜は首を傾げていた。
「・・・・・・・お姉様、咲夜」
「なに?」
「なんですか妹様?」
「・・・・・絶対にお兄様を幸せにしようね」
「「え?」」
突然のフランの発言に二人は呆気にとられる。
だが・・・・・
「・・・・まあなんで急にそんなことを言ったのかはわからないけどそんなの当然よ」
「私も・・・・・ミコトの幸せを望んでいますから」
レミリアも咲夜も直ぐに頬笑みを浮かべて自らの思いを口にした。
「・・・・・ふふっ、そっか。それじゃあ私は部屋に戻るね~」
そう言いながらフランはレミリアの部屋を出た。
「ミコト・・・・・幸せにするからね」
あとがき座談会のコーナー!IN東方!
今回のゲストももちろんフランちゃんです!
「よろしくね~」
それでは進めていきましょう!
「ねえ主。私ひとつ気になったことがあるんだけど・・・・・」
なんですか?
「座談会って確か一人のお話が全部終わってからやるって言ったよね?咲夜の話の時は実際そうだったし。でも・・・・・前の話の時に座談会したよね?」
あ・・・・・・
「こいつ・・・・・今更気がついたのか」
「どうしようもないね~」
・・・・ま、まあ座談会はあるに越したことないのでいいんじゃ・・・・ないですかね?
「全く・・・・・まあいい。それよりも座談会を続けよう」
はい。今回は竜希さんがミコトさんの外の世界での境遇をフランちゃんに教える話でしたね。
「・・・・・ねえお兄様。やっぱり辛かった?」
「まあ・・・・な。下手をすれば俺は・・・・・取り返しのつかないレベルで壊れてしまっていたかもしれない」
「お兄様・・・・・大丈夫だよ。もうそんな目に会うことはないから。今は私が・・・・・私たちがいるから」
「フラン・・・・・ありがとう」
これは珍しいですね。いつもはミコトさんが励ましたり諭したりしてるのに・・・・
「まあ純粋なフランちゃんだからこそなんだろうね~」
でしょうね。
「・・・・・ところで竜希。お前は・・・・・外の世界の連中を斬ろうとしたことがあったのか?」
「・・・・・まあね~。俺も堪忍袋の緒が斬れそうだったからさ。まあそんなことしても仕方がないこともミコちゃんが望まなかったってこともわかってたからやらなかったけど。ただ・・・・・我慢できなかった人がいるけどね」
「・・・・神楽か」
「お兄様・・・・・」
「大丈夫だよフラン。だからそんな顔しないでくれ」
「うん・・・・」
今回の座談会は何やら暗くなってしまいましたね・・・・・ここで締めにしましょうか。
「そうだな」
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてね)(きてください)!!」」」」
次回からはとうとう霊夢さんのターンです!
乞うご期待!