今回から風神録編!この章は物語上非常に重要なものとなります!
「今回は・・・・あいつが出るんだよな」
「俺とミコちゃんにとっては懐かしいね~」
それでは本編にいきましょうか。
「本編どうぞ」
第97話
~数年前~
『止めて!放してください!』
少女は自分の腕を掴む男に抗議する。
『そう嫌がるな。楽しいことしてやるからついてこいよ』
『嫌です!あなたなんかについていきたくありません』
男は少女の腕をグイグイと引っ張る。少女は抵抗するが力に差がありすぎるためビクともしない。
『めんどうだな・・・・・あんまり抵抗すると痛い目に合わすぞ?』
『ヒッ・・・・!!』
男にドスを効かせた声で脅されると、少女は恐怖から顔を青くさせ、抵抗を弱めてしまった。
『よし、大人しくなったな。それじゃあ黙ってついて・・・・・』
トントン
不意に、男は背後から肩を叩かれた。
『あ?なんだ・・・・』
バキッ!
『がっ!?』
男は振り返ると同時に、そこにいた少年に殴り飛ばされた。その殴打の威力はあまりにも高く、男の気味の悪い声を上げたあとに意識を失ってしまった。
『・・・・え?』
その光景を目の当たりにした少女は突然のことに思わずキョトンとしてしまう。
『全く・・・・見ていて不愉快この上ない』
少年は気絶して倒れ伏している男を見下ろしながら不機嫌そうな声を上げた。
(この人・・・・・私を助けてくれた?)
少女は自分を助けてくれた少年に視線を向ける。
(すごく綺麗な人・・・・・)
少年はポニーテールにするほどに長い黒髪を持ち、月のような淡い黄金の瞳を煌めかせ、まるで女だと思わせるほどに中性的な顔立ちをしていた。そんな少年の美しさに少女が見惚れてしまうのは仕方がないであろう。
『・・・・・お前、怪我はないか?』
『ふぇ?・・・・・あ、はいっ!大丈夫れすっ!』
少女は突然少年に声をかけられてしまったせいか、声を裏返しながら噛んでしまった。
(い、今変な声が・・・・それに噛んじゃったし。変な人だと思われたらどうしよう・・・・・)
少女は自分を助けてくれた恩人に変な人だと思われたらどうしようと内心でびくつく。
しかし・・・・・
『・・・・・そうか。ならいい』
少年はまるでそれをなかったことであるかのように振る舞い、微笑みを浮かべた。少年なりに少女に気を遣っているのかもしれない。
『・・・・・俺はもう行く。お前もそいつが目を覚ます前にここから離れろよ』
少女に背を向け、少年はその場から離れようとする。
『ま、待ってください!』
だが、そんな少年を少女は引き止めた。
『・・・・・なんだ?』
『あ、あの・・・・・よければ名前を教えていだたけませんか?』
少女は恐る恐ると少年に名を尋ねた。
『・・・・・・ミコト。一夢命だ』
少年・・・・・ミコトは少し考える仕草を取ったあと、少女に名を名乗る。
『ミコトさんですね。私は東風谷早苗といいます。助けてくれて本当にありがとうございます』
少女・・・・・早苗は眩しいほどの笑顔を浮かべながらミコトに感謝の言葉を述べた。
(・・・・よし、これで全部だな)
時は進み、幻想郷の人里に食材の買い出しに来ていたミコトは買い忘れたものがないかをチェックしていた。
(さて、それじゃあ神社に帰・・・・)
「やっほ~!ミっコちゃ~ん!」
神社に帰ろうとすると、背後から、自身の名を呼ぶ気の抜けた声を耳にするミコト。
「うわぁ・・・・・」
ミコトが振り返るとそこには竜希の姿があった。そしてその隣には妖夢も居る。
「うわぁって・・・・・・ちょっとミコちゃんその反応はないんじゃないの?俺は心が広いから許してあげるけどさ~」
「あっそ。それはそうとこんにちは妖夢」
ミコトは視線を竜希から妖夢に移し、挨拶した。
「はい。こんにちはミコトさん。食材の買い出しですか?」
「ああ。そういう妖夢は?」
「私は竜希さんの提案で修行の息抜きの散歩をしているところです」
「そうか。どうだ?修行は順調か?」
「ええまあ・・・・それなりに手応えは感じています。まだ竜希さんには全然敵いませんが」
妖夢は苦笑いを浮かべながらいう。
「まあ竜希は異常だからな・・・・・だが修行を続けていけばどんどん強くなると思うからこれからも頑張れ」
「はい。ありがとうございます」
ミコトに激励され、妖夢は嬉しそうに頬笑みを浮かべた。
「・・・・あの~ミコちゃん?よ~むちゃん?俺を放ったらかしにしてません?」
先ほどから自分をよそに会話が進むことに若干の不満を抱いた竜希が恐る恐ると二人に声をかける。
だが・・・・・
「「いたのか(いたんですか)、竜希(さん)」」
そんな竜希にかけられたのは非常な一言であった。
「ヒドッ!?というかよ~むちゃんまで!?」
「すみません・・・・・面白そうだったのでつい」
「面白そうって・・・・よ~むちゃんそんな性格じゃないでしょ~」
「まあ竜希の弄りやすさは多分幻想郷でも五指に入るレベルだからな・・・・・仕方がないだろ」
「・・・・・すみません竜希さん。否定できません」
「そんな~・・・・・」
がっくりと肩を落とす竜希。しかしその行動は一々大げさでわざとらしく思わせた。
まあ実際竜希自身このやりとりを内心で楽しんでいるのだが。
「それはそうと用がないなら俺はもう神社に戻らせてもらうぞ。早くしないと食材が痛むからな」
そう言いながらミコトは神社に戻ろうと二人に背を向けた。
「ちょい待ちミコちゃん。俺とよ~むちゃんも博麗神社に行きたいんだけど」
「え?」
しかし竜希はミコトを引き止め、自分も神社にいくと述べた。そのことは妖夢にとって想定外であったらしく、頭に『?』を浮かべる。
「えっと・・・・竜希さん?私達博麗神社に用なんてありましたっけ?」
「いや~用はないんだけどさ。俺のシックスセンスが告げてるんだよね~。今博麗神社に行けば何か面白いことがあるってね~」
「面白いこと・・・・・だと?」
「そ。ミコちゃん知ってるよね?俺のそういう勘はよく当たるってさ~♪」
「・・・・・ああ。嫌というほど知っているよ。お前にとっての面白いことは俺にとっての面倒事だっていうこともな」
ミコトはジト目で竜希を見ながら言う。
「いやいや~。今回はミコちゃんにとっても面白いことだと思うよ~・・・・・・・多分だけど」
「・・・・・はあ、もういい。来たいなら好きにしろ」
拒否したところで竜希のことだから嫌でもついて来るということを理解しているミコトは観念する。
「そうさせてもらいま~す。それじゃあ行こっかよ~むちゃん」
「は、はい・・・・・」
竜希は妖夢を伴って博麗神社へと向かう。
(・・・・本当に面倒なことが起きなければいいが)
2人の後を追うように、ミコトも神社への帰路についた。
~少年少女移動中~
「ようやく着いたよ~。やっぱり博麗神社は遠いね~」
神社の鳥居の前で一息つきながら竜希は言う。
「だったら来んなよ・・・・・」
「まあまあそう言わないでよミコちゃん~」
「全く・・・・と、そうだ。二人共神社に来たんだからちゃんと賽銭は入れろよ?でなければ鳥居は敷地は跨がせないからな」
ミコトは竜希と妖夢に少し強めに念を押した。
「あのミコトさん。私達参拝に来たわけではないのですが・・・・・」
「それでもだ。普段参拝客とかあまり来ないんだから入れてけ」
「ミコちゃんもう立派な博麗神社の人間だね~・・・・・・というかなんかミコちゃんそういうところ霊夢ちゃんに似てきてない?」
「私もそんな気がします」
「そうか?特に意識はしていないんだが・・・・・それよりも早く中に入るぞ。あ、参道の真ん中は歩くなよ」
「わかってるよ~。そういう作法は俺もあの子に教わったんだからさ~」
「あの子?」
竜希の『あの子』という言葉に、妖夢が反応した。
「んにゃ?よ~むちゃん興味津々?」
「いえそういうわけでは・・・・」
「またまた~。本当は少し気になってるんでしょ~?」
「・・・・・はい。少しですけど」
竜希に言及され、妖夢は白状した。
「それじゃあちょっとだけ話してあげるね。あの子っていうのは俺とミコちゃんにとって大切な後輩ちゃんの事なんだよ~」
「大切な後輩?」
「そ。その子は学校・・・・こっちで言う寺子屋だね。そこの後輩だったんだ。んでその子は神社の子で俺達はその子から神社の作法を習ったってわけ」
「なるほど・・・・・そういうことですか」
「懐かしいな~・・・・・もう随分会ってないけど元気にしてるかな~?ミコちゃんはどう思う?ミコちゃんは俺よりもあの子と仲良かったから結構気になってたりしてない?」
竜希はミコトの前に回り込んで尋ねる。
「まあ・・・・・気にはなるな。あいつに何も言わずに幻想郷に来てしまったことには少し・・・・後悔してるしな」
ミコトは儚げな表情を浮かべながら言った。表情からその子に何も告げられなかったことを多少なりとも悔いていることが伺える。
「本当に・・・・・元気にしているといいんだが」
その子に対して思いを馳せるミコト。
その時・・・・・・
「なんですって!?もう一度言ってみなさい!!」
神社の奥から霊夢の怒鳴り声が響き渡ってきた。
「今の声・・・・・霊夢ちゃんだよね?」
「はい。何か怒っているようですが・・・・」
「ふむ・・・・・どうやら客と揉めているようだな」
ミコトは気配を察する能力をONにすることで客が着ていると知り、そう推測した。
「とりあえず行ってみよっか~」
「ああ。そうだな」
3人は神社の奥に向かって歩を進めた。
(それにしても・・・・・・なんだこの命は?なんで・・・・・こんなに懐かしく感じるんだ?)
博麗神社の本殿の前、ここで二人の少女が言い争いをしていた。
一人はこの博麗神社の巫女である霊夢。そしてもう一人は緑色の髪に蛇と蛙の形をした髪飾りをつけ、霊夢のものと色違いだと思わせるような巫女服を着た少女だ。
「何度でも言います。この神社を私たちに譲渡してください」
緑髪の少女は怒りで興奮する霊夢に対して、キッパリと言い放つ。
「随分と巫山戯た事を・・・・・何様のつもりよ!そもそもなんでそんなことしなきゃならないの!」
「なんでと言われましても・・・・・この神社は信仰が少ないのですよね?私達は信仰を得るためにこの幻想郷に来たので私達の神社の糧となった方がまだ役に立つと思いまして。よろしいですか?」
さも当然のように理由を話す少女。なんともまあ・・・・・・食えない性格をしているようだ。
「よろしいわけ無いでしょ!新参者のくせに調子に乗って・・・・終いには怒るわよ!」
「もう怒っているように見えるのですが・・・・・・まあいいでしょう。またこちらに伺いますのでその時には神社を廃社してくださいね。それでは失礼します」
「待ちなさい!まだ話は終わってないわよ!」
文句を言う霊夢を無視してその場を立ち去ろうとする少女。
その時・・・・・
「早・・・苗?」
「・・・・え?」
少女・・・・・早苗は自身の名を呼ぶ聞き覚えのある声を耳にする。
声のする方に視線を向ける早苗。
そこには・・・・・彼女にとって大切な存在であるミコトがいた。
「早苗・・・・・なのか?」
「ミコト・・・・・先輩?」
二人は互いを見つめ合い、表情を驚愕に染める。
予期せぬ再会を果たしたミコトと早苗。
二人の再会は何をもたらすのか・・・・・?
物語は・・・・・動き出す。
あとがき座談会のコーナー!IN東方!!
今回はゲストなしで進めていきます!
「ゲストなし?早苗はいないのか?」
はい。早苗さんは次回に呼びます。
「まあ今回はまだ登場しただけだからね~。次回あたりから本格的に出番があるだろうしそれでいいのかもね~」
それでは座談会を進めましょう。
「まず冒頭のあれはミコちゃんと早苗ちゃんの出会いだよね~」
そうですね。早苗さんが不良に絡まれているところをミコトさんが助けるというのが二人の出会いでした。
「正直あの時早苗に名前を聞かれたときは驚いたんだよな・・・・」
「ミコちゃんって元いた世界では誰かを助けても助けた人に拒絶されたり罵られたりしてたもんね~」
「だから早苗のように名前を聞いて礼を言う奴は他にはいなかったんだよな・・・・・」
まあ早苗さんはミコトさんたちが元居た世界では結構異端な存在でしたからね・・・・・だから早苗さんはミコトさんを拒絶せずに素直に感謝の言葉を述べることができたんですよ。
「さなちゃん・・・・・本当にいい子だよね~」
「・・・・ああ。そうだな」
それでは次の話にいきましょう。
「本編の後半でさなちゃんは霊夢ちゃんと結構険悪だったけど・・・・・ミコちゃん的にはどっちの味方につくの~?」
「どっちって・・・・・そうなったら俺は霊夢につくさ。俺は博麗神社の人間なんだからな。ただまあ争う前に早苗に詳しい事情を聞くが」
「まあ本編では俺たちまだ事情知らないからね~。それが妥当かな?それにしても・・・・・ねえ主、ちょっと聞いてもいい?」
なんですか?
「最後のあの場面さぁ・・・・・俺もミコちゃんのすぐ傍に居たよね?それなのにさなちゃん俺に対してはリアクションとってなかったみたいなんだけど・・・・・」
あ~・・・・まあそれはアレですよ。早苗さんにとって優先順位が竜希さんよりもミコトさんの方が上位に位置してるからですね。
「・・・・まあそうなんじゃないかと思ってたけど実際に聞くと少しダメージ入るな~・・・・」
「ドンマイ竜希」
「ありがとミコちゃん。でもちょっと今のフォロー投げやり気味じゃなかった?」
「・・・・・気のせいだ」
「今の間少し気になったけど・・・・まあいいか」
さて、今回はここで締めにしましょう。
それでは・・・・・
「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きてください)!!」」」