長らくお待たせいたしました・・・・・・今回から竜希さんVS法月です。
「まあ、正直そこはあっさりしてるけどね~」
「今回のメインはむしろ・・・・・お前の特性についてだからな」
あれは本当にやばい特性ですよ・・・・・
それでは本編に参りましょう。
「本編どうぞ~」
「まあ、この辺まで来れば邪魔にならないかな~?」
永琳を連れた竜希は、ミコト達のもとから少し離れた場所で立ち止まる。そして程なくして法月も現れた。
「ようやく止まったね。あのまま鬼ごっこになるかと思ったよ」
「それでも良かったんだけど永琳さんを連れたままじゃ流石に逃げきれないからね~。仕方ないから戦ってあげるよ高月くん」
竜希は永琳から手を離し、法月の方に向き直りながら言う。
「高月じゃなくて法月なんだけど?なに?君は人の名前を覚えられないほど馬鹿なのかい?」
「馬鹿なのは否定しない。ただ、人の名前を覚えるのは得意な方だよ~。それでも君の名前を覚えられないのは・・・・・・君が小物だからさ」
「・・・・・・・は?」
にへらっと締りのない笑顔を浮かべながら自身を蔑むような事を言った竜希に、法月は殺気を含めながら睨みつける。
もっとも、竜希にとってそれは動じるほどのないものだったらしく、一切笑顔を崩していなかったが。
「はあ・・・・・訂正するよ。君は馬鹿なんじゃない。君は・・・・・とんでもない愚か者だね。この僕を目の前にしてそんなふざけたことを言うだなんて・・・・・君こそ小物だよ」
「あはははっ!俺が小物か!それは確かに言えてるよ!でも・・・・・小物さなら君には遠く及ばないさ。永琳さんもそう思わないかい?」
「・・・・・そうね。確かに、あなたよりも法月の方がよほど小物ね」
「酷いなぁ永琳。僕じゃなくてこんな愚か者に肩入れするなんて。これは月に連れ戻したら・・・・・たっぷりと教育してあげないとね。今から楽しみだよ」
ニヤリと品のない笑顔で言い放つ法月。その笑顔から、その教育とやらの内容がろくでもないということが容易に想像できる。
「残念だけれどそうはならないわよ。だって私が月に帰ることなんてありえないもの」
「・・・・・・どういうことだい?」
「私のことは・・・・・ここにいる竜希が守ってくれる。そうでしょ?」
「はいな。しっかりとお守りさせていただきますとも」
永琳に促されると、竜希はおどけたようにお辞儀して見せる。まるでふざけているかのような態度であったが、なぜか永琳にとってそれはとても頼もしく見えた。
「守るねぇ・・・・・ありえないな。僕は月の最強戦力だよ?月で最強ということはあらゆる存在の中で最強であるのと同義だ。そんな僕から守るだなんて・・・・・冗談ならもっと面白いの考えたほうがいいよ?」
「それはこっちのセリフだよ~」
「何?」
「君が永琳さんを連れて行くことは不可能なんだ。それこそ冗談でもなければね。冗談ならもっと面白いこといいな。少なくとも冗談を言うセンスは俺よりも壊滅的に低いよ?」
「・・・・・どこまでもこの僕をコケにして!」
先程からの小馬鹿にしたような竜希の態度・・・・・とうとう法月の怒りが抑えのきかないものとなった。
法月は三日月型の双剣を抜き、構えを取る。
「選択肢をあげよう愚か者。永琳を守るために僕と戦い、生きてきたことを公開させるほどの苦痛を与えられて死ぬか、それとも永琳をおとなしく差し出し楽に死ぬか・・・・・・どちらがいい?」
たとえどちらを選んでも死が待つ選選択肢。どうやら法月は竜希を許す気は一切ないらしい。
だが・・・・・竜希はそのどちらも選ぶことはない。というより、選ぶことはできない。
「・・・・・残念だけどその選択肢は意味ないよ~。なぜなら未来はもう決定してる。君が俺に惨めに敗北して、永琳さんを泣く泣く諦めるっていう未来以外、訪れることは決してないから」
「へえ、そんな未来あるんだ。だったら・・・・・・それを僕に見せてみなよ!」
法月は怒りに任せて双剣を竜希に向かって振るった。先程放った一撃よりも更に速く鋭い斬撃・・・・・しかし、竜希はそれを先ほどと同じようにいともたやすく抜刀した絶柵で防いで見せる。
その瞬間、周囲に衝撃波が放たれ、近くの竹が数本斬られてれてしまったといえば、斬撃を放った法月、そしてそれを防ぎ切った竜希の実力の高さがわかるであろう。
「うん・・・・・まあまあだね~。パワーとスピード・・・・・というより身体能力は今の俺よりもだいぶ上かな?」
「当然さ。悠久の時を生きる蓬莱人の力、そして生まれ持った身体能力と頭脳。それらが僕を最強の存在へと至らせた。君なんかと比べるまでもない」
「・・・・・へえ、それはすごいね。でもさ、それだけのものがありながら・・・・・いや、それだけのものがあってしまったからと言ったほうがいいか。本当に残念だ」
「残念?何が?」
「君が・・・・・対して強くないことがさ」
「ッ!!貴様・・・・・どこまでこの僕を侮辱すれば気が済むんだ!」
更に怒りを強めた・・・・・というよりもはやブチギレてしまったのであろう。法月はひたすらに剣を振るいまくった。
上下左右あらゆる方向から放たれる斬撃は、常人であればとっくに微塵切りにされてしまってもおかしくないほどに速く、鋭い。
だが・・・・・それでも竜希には一撃たりとも当たらない。全てを刀で防がれてしまう。
「どうした!防戦一方じゃないか!そんなんで僕に勝てるって本気で思ってるのかい!」
斬撃は一切あたっていないというのに、法月の目には竜希が防戦を強いられて苦しんでいるように見えるのか、そんな調子のいいことを言う。
確かに今のところ竜希は防御しかしていない。だが、それでも現時点で身体能力で劣る竜希に一撃も当てることができていなかった。
(・・・・・なるほど。これは確かに竜希の言うとおり小物ね)
二人の戦いを目にした永琳は、竜希の言うことが間違っていなかったということを思い知った。
(彼を恐れていただなんて・・・・恥ずかしいわね。あんなのただ・・・・・身体能力が高くて頭がいい
確かに法月の身体能力は、永琳を遥かに超えているし、頭脳だって永琳ほどではないが相当に高い。だが・・・・・法月はただそれだけの存在なのだ。
「あははははははっ!死ね!とっととくたばれ!!」
永琳から冷ややかな目で見られているとも知らないで、法月は狂ったように剣を振り続けていた。
「くそっ!くそくそくそ!」
数分後・・・・・法月は焦りをあらわにしながら剣を振るっていた。斬撃の鋭さもスピードも数分前よりも更に向上している。
そして対する竜希はというと、そんな法月の斬撃を刀を持っていない右手で捌いていた。左手は刀を掴んだままで、自分に向かってくる斬撃を右手で剣の側面を軽く弾くだけで防いでいる。
「な、なんでだ!僕の方が押してるのに!僕の方が強いのに・・・・・どうして当たらない!どうして素手で防がれる!」
「知りたいかい?だったら教えてあげてもいいけど・・・・・その前にっと」
竜希は斬撃の合間を縫って初めて刀を振るう。すると、法月の双剣は何の抵抗もなくたやすく切断された。
「なっ!?そ、双月が・・・・・・」
「よしっ、これで落ち着いて話ができるね~」
切断されて使い物にならなくなった双剣を見て驚愕する法月と、刀の峯を肩に乗せながら余裕そうにする竜希。
そんな二人の姿から、どちらの方が強いかを判断させるのは容易であった。
「それじゃあ話してあげるよ。どうして俺が君の攻撃をいとも容易く防ぐことができたのかを。でもまあ、理由なんて単純明快だけどね。なにせ・・・・ただ使いこなせてないってだけの話だから」
「使いこなせてない・・・・・だと?」
「そう。永琳さんももうわかってるんじゃないかな?俺の言っている事の意味」
「ええ・・・・・これまでの戦いを見て十分すぎるほどに理解できたわ」
竜希が永琳に問いかけると、永琳もしっかりと理解できているようで頷いだ。
「ど、どういうことだ!」
「だからぁ、君は使いこなせてないんだよ。その身体能力と頭脳を。確かに君の身体能力は高いし、頭脳も・・・・・そこは俺は詳しくは知らないんだけどそれなりに高いんだろうね。でもね、君はそれに見合った戦闘技術も戦術も持ち合わせていなかったんだ」
「戦闘技術と・・・・・戦術?」
「そ。どうせ自分の能力の高さに胡座かいてろくな実戦訓練なんてしてなかったんだろ?いざ戦いってなってもさっきみたいに身体能力任せに無闇矢鱈に斬りつけまくっただけなんだろうし」
「・・・・・」
竜希の言葉に法月は反論しない。どうやら図星であるようだ。
「今まではそれでどうにかなる格下としか戦ってこなかったんだろうけど、俺相手となるとそうはいかないさ。もっと言えば俺でなくてもだな。あの程度なら永琳さん・・・・・・それにミコちゃんでも対処できると思うし。だから君は・・・・・はっきり言って大して強くないし、戦士でもない」
どれだけ優れた能力を備えていようとも、それに見合う技術が伴っていなければ宝の持ち腐れ。
自らの能力を過信し、鍛錬と研鑽を怠っていた法月は・・・・・・竜希から言えば強くなどないし戦士とも呼べない。
「強くない・・・・・?戦士じゃない・・・・?僕が・・・・・この僕が・・・・だと?ふざけるなぁぁぁぁぁ!!」
剣を地面に叩きつけ、渾身の力で竜希に殴りかかる法月。
だが・・・・・
「ぐふっ!?」
それよりも速く、竜希は法月の腹部に殴打を食らわせた。
(・・・・どういうこと?今の・・・・・竜希の方が法月よりも速かった)
永琳はその光景に疑問を抱いていた。
確かに戦闘技術が皆無に等しい法月であるが、それでも単純に身体能力が上回る法月の方が速いはず。にも関わらず、今の殴打は竜希の方が速かったのだ。
「・・・・・どうして俺の方が速いのかって疑問に思ってるでしょ永琳さん。そのことについても説明してあげるよ。というか、説明しようと思ったところでコイツが殴りかかってきちゃったんだけどさ」
竜希は拳を突き出し、法月を突き飛ばしながら言う。
「馬鹿・・・・な。身体能力は僕の方が上なのに・・・・・なんで僕よりも速く?」
「だからそれを今から説明するんだよ。俺にはさ・・・・・ある特性があるんだ」
「特性?」
「ああ。この特性っていうのが厄介でね・・・・・コイツが俺を『最強』たらしめる理由の一つといってもいいんだ。全く憎らしい特性だ」
自嘲気味な笑みを浮かべながら言う竜希。だが、その目はどこかもの悲しそうであった。
まあ、『最強』である事を忌み嫌う竜希にとっては、それを助長するその特性など憎むべきものなのだろうから当然といえば当然だ。
「その特性っていうのは?」
「・・・・・・・自分よりも何らかの力が上回る存在と対峙してしまったら、その力を超えてしまう特性だよ」
「「なっ!?」」
竜希の口から語られる特性・・・・・それを聞いた永琳と法月は驚愕を顕にした。
「この特性のせいで俺は誰よりも高い力を有することができてしまうんだよね~。今だってこいつと戦ったせいで俺はとんでもない身体能力を有してしまったわけだし。まあ力が向上するのには1分くらい時間がかかるんだけど」
「な、なんなのよその特性・・・・・出鱈目じゃない」
永琳がそう思うのも仕方がないことであった。
相手の力を上回る特性・・・・・即ち、実質竜希を力で超えることができないことを意味する特性。それはまるで竜希を超える強者が存在することを許さないような・・・・・竜希に『最強』を強制しているかのようだった。
「本当に嫌なんだよねぇこの特性。嫌で嫌で・・・・・・もう笑うしかない」
(・・・・・私は笑えないわよ)
にへらっと締りのない笑顔を見せる竜希。だが、話を聞いてしまった永琳からしてみれば笑えない。
行き過ぎた力など、不幸を生む大きな要因となる・・・・・それを強制する特性はもはや呪いとも言える。
(紫黑竜希・・・・・・なんて哀れな存在なの)
ただひたすらに『最強』を強制される竜希に・・・・・永琳は心から同情した。
あとがき座談会のコーナー!IN東方!!
今回は永琳さんをゲストのお招きしております!
「よろしく」
はいよろしくお願いします!それでは勧めていきましょう!
「早速だが竜希の特性・・・・・やっぱりやばすぎるだろ」
「対峙した相手の力を上回ってしまう特性・・・・・・『最強』に相応しいといってもいいかもしれないわね」
「俺としてはマジで嫌だけどね~。これのせいで俺よりも力で上回るのいなくなっちゃうし」
ちなみにミコトさんも経験あるんですよね?
「昔こいつと実戦形式で特訓してた時にな。その時は身体能力が竜希よりも上だったんだが・・・・・・すぐに竜希に追い抜かれたからな。それで負けたようなものだし」
「そんなこともあったね~」
「とんでもないわね・・・・・というよりその特性って抑えることができないの?」
永琳さん・・・・・抑えることができたら『特性』って言わない気がします。
「それもそうね。発動をコントロールできる能力とは違うから無理なのね」
そういうことですよ。
あ、能力で思い出しましたが次回は竜希さんの能力について新たに判明することがあるんですよね。
「あれはあれでチートなんだよねぇ・・・・・・」
「というか能力使うってことだよなそれ?あの法月って奴に使うのか?」
まあ・・・・・まだ完全に決着がついたわけではないですから。
「むしろ今中途半端な状態よね?」
それは言わないで欲しかった・・・・・まあいいけど。ともかく、次回で竜希さんサイドは終わりになるかと思います。
さて、今回はここまでにしましょう。
それでは・・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きなさい)(きてください)!!」」」」