東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第129話!

長らくお待たせいたしました・・・・・

今回からはミコトさんのターンです

「さて・・・・やるか」

「がんばってねー」

それでは本編に参りましょう。

「本編どうぞ」




第129話

「さ~て、んじゃミコちゃん達のところに戻りますか。癪だけどコイツも連れてってやろう」

 

竜希は意識のない法月の襟を掴んでズルズルと引きずって歩き出す。敵なのだから当然だが中々酷い扱いである。

 

「姫様・・・・無事かしら?」

 

「問題ないでしょ。向こうにはミコちゃんがいるんだから」

 

「それは分かっているわ。でも・・・・疑うわけではないけど、彼だけで月の使者達を相手にするのはやはり難しいと思わざるを得ないわ」

 

「心配性だねぇ・・・・その心配は無用だよ。なにせミコちゃんにはあの状況だからこそ万全に発揮できる特性があるからね」

 

「特性って・・・・あなたの常に誰よりも強くなってしまうという特性と同じようにミコトにも何かあるの?」

 

「ああ。あの状況ではうってつけな特性がね。だから大丈夫さ」

 

命の特性・・・・それを知る竜希はだからこそ命は大丈夫だと確信していた。

 

そして・・・・・それだけではない。

 

「それに何よりミコちゃんは・・・・・既に超越してしまっているしね」

 

「超越?」

 

「ああ。今のミコちゃんは超越者。たとえ俺であっても・・・・・完全に殺すことが不可能なんだよ」

 

クスリと微笑みを浮かべながら言う竜希は・・・・・どこか儚げであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ・・・・・馬鹿な」

 

「我々が・・・・月の民たる我々が・・・・!」

 

「こんな人間ごときに!」

 

14人の月の使者達は、肩で息をしながら命を睨みつけていた。対するミコトはというと、右手に剣を、左手に銃を構えて使者達と相対している。

 

それぞれ一人一人が命以上の身体能力を秘めた戦士・・・・だが、それでも圧倒しているのは命であった。

 

「そんなものか?それじゃあ俺は倒せないぞ?」

 

「ッ!?舐めるな!」

 

「死ね小僧!」

 

使者のうち、刀と槍を持った者がミコトに攻撃を仕掛ける。しかし・・・・ミコトには通用しない。

 

突き出される槍を体を捻らせ躱し、さらに槍の刀身を踏みつけて地面に埋め込んで動きを封じる。後の刀による斬撃は右手の剣で受け止め、左手の銃で刀の持ち主を撃ち抜き、その後腹部を蹴り飛ばされ戦闘不能に陥った。

 

「ぐはっ!?」

 

「次はお前だ・・・・・混符『アンビバレンス・ストリーム』」

 

「ぐっ・・・・がっ!?」

 

続いて動きを封じた槍使いを、スペルカードによって放たれるレーザーで飲み込む。その一撃で完全に意識を失ってしまった槍使いの腕を掴んで、月の使者達の方へと放り投げた。

 

「これであと12人だ」

 

「あ、ありえない・・・・ありえない!我らの方が強い!それなのになぜ勝てない!なぜ我らが・・・・!」

 

月の使者の一人が叫ぶ。なぜ勝てないのかと・・・・・自分達の方が力は上なのになぜミコトは平然とそれをはねのけるのか彼等にはわからなかった。

 

「なぜ勝てない・・・・・か。わからないならわからないまま倒れてろ」

 

そう言い放ったミコトは、今度は自分から攻撃を仕掛けにいった。

 

ミコトがこの戦闘で圧倒的優位に進められる理由は二つある。そのうち一つはこれが一対多の戦闘であることだ。

 

ミコトは自身の能力、『命を理解する程度の能力』によって命を気配として察知することでたとえ相手が多数いようとも、その全てを見逃すことがない。どこに敵が居るのかを把握さえできれば、次の行動を予測し、対処することができる・・・・・つまり敵が多数でも大して不利にならないのだ。もっとも、これはミコトの知性の高さと竜希という圧倒的強者との模擬戦の経験がなければ成り立たないのだが・・・・

 

そしてもう一つの理由は・・・・・ミコトの特性だ。

 

かつて、竜希をも追い詰めかけたミコトの特性・・・・・それはいわば大物喰らい(ジャイアント・キリング)であった。

 

ミコトは相手が自分よりも強いければ・・・・実力以上の力を発揮することができる。それこそ相手が強ければ強いほど発揮できる力は跳ね上がるのだ。使者達の力は、法月ほどではないにせよ強大、それが仇と・・・・いや、幸いとなっているのだ。

 

ゆえに・・・・一対多かつ、相手が自分以上の実力者というこの状況はミコトにとってこれ以上ないほどの有利・・・・・そして、このような特性を備えたミコトはあるいは・・・・戦闘において天才と言ってもいいのかもしれない。

 

「すご・・・・い」

 

「あれがミコトの戦い?」

 

「これは・・・・想像以上です」

 

ミコトの戦いぶりを見て、輝夜、鈴仙、てゐの3人は思わず感嘆の声を漏らす。

 

3人はミコトの戦闘を見る機会はあまりなかった・・・・それこそまともに見たのは竜希と戦った時の一回のみで、しかもその戦いではミコトは完膚なきまでの敗北で終わっていた。だからこそ、話で聞いて強いとは思っていたが・・・・・ここまでとは思わなかっただろう。

 

的確な対処で一切の攻撃を受けず、逆にミコトからの攻撃はほとんど全て命中・・・・一人、また一人と月の使者達は倒れていく。

 

(すごい・・・・これなら・・・・これならミコトが勝ってくれる!ミコトが・・・・守ってくれる!)

 

その光景を見て輝夜は思う・・・・・やはりミコトは自分を守ってくれるのだと。ミコトは自分にとって救世主なのだと。

 

「・・・・これであと1人だな」

 

気がつけば、残った使者は一人となっていた・・・・そしてミコトは無傷だ。

 

残った使者が倒れるのも時間の問題・・・・・それを理解しているのか、使者も構えはするが積極的に戦おうとは既に思えなくなっていた。

 

「最終警告だ。このまま去れ。そして二度と輝夜達の前に姿を現すな。そうすれば・・・・・ここで終わりにする」

 

それは傲慢とも取れる発言だが・・・・・それも仕方がない。ミコトは圧倒的に優位に立っているのだから。

 

「ば、卍月様・・・・ここは引いたほうがよろしいかと。一旦引いて策を・・・・」

 

「何を言っておる・・・・・この愚か者が」

 

使者は卍月という敵の首領と思われる者に撤退を勧めるが・・・・・卍月は呆れたように首を横に振る。

 

「姫様を目の前にして撤退など笑止。攻めこむのだ」

 

「し、しかしこの者には・・・・」

 

「敵わないとと申すか?誠に愚かな・・・・・敵わぬとしても儂が命令しておるのだ。ならば勝つか倒れるまで戦わぬか」

 

「そ、それは・・・・・」

 

「最悪時間を稼ぐだけでもよい。時間さえ稼げば法月が戻ってきてその者を八つ裂きにしてくれるのだからな。さて、以上を踏まえて・・・・・なにか反論はあるか?」

 

「・・・・・ありません」

 

卍月の言葉を聞き、使者は観念したようにミコトへと向き直る。

 

「随分な無茶振りだな。それに従うだけの義理はあるのか?」

 

「・・・・義理など関係ない。我らは卍月様の手駒・・・・・命令されたからには戦うのみだ」

 

「哀れだな。だが・・・・いいだろう。付き合ってやる」

 

再開される戦闘。使者は武器を構えてコトへと襲いかかる。そして、ミコトの視界が彼で埋め尽くされるほど接近してきたその瞬間・・・・・閃光が走る。

 

「ぐっ・・・・な・・・に?」

 

「これは・・・・卍月・・・・様?」

 

その閃光はミコトと、使者の心臓を貫く。

 

「くくくっ・・・・・よくやった。お前はいい目隠しになったぞ」

 

いつの間にか弓を構えていた卍月。ミコトと使者の心臓を貫いたのは・・・・・卍月の放った矢であった。

 

「卍月・・・・様」

 

信じられないようなものを見るかのような視線を卍月に向けたまま倒れる使者。

 

そしてそれと同時に・・・・ミコトも倒れ付してしまった。

 

「くくくっ・・・・・くははははっ!これで姫様を儂の手に!儂も・・・・蓬莱人になれる!」

 

障害を排除できたことに、卍月は表情を歪めて笑い声をあげる。

 

そして・・・・

 

「ミコ・・・・ト。嘘・・・・そんな・・・・」

 

倒れ伏せるミコトの姿を見て・・・・輝夜は絶望の表情を浮かべ、目からは涙が溢れていた。

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回は竜希さんと二人で進めてまいります!

「ミコちゃんがいないのはやっぱアレ?ラストの関係してるの?」

ですね。あんな展開になってるので呼ぶのは控えました

「なるほどねー」

・・・・竜希さん、なんか軽くないですか?親友があんなふうになってるのに思うところはないのです?

「ないよー。そもそも俺本編で言ってるじゃん。今のミコちゃんは俺でも完全に殺すことはできないってね。だったら・・・・・ねえ?」

・・・・まあ、わかってるからこそ心配してないってことですか。

「そゆことー。それよりも他のこと話そうよー。ミコちゃんの特性とかさー」

ですね。では・・・・作中でも言いましたがミコトさんの特性は大物喰らい(ジャイアント・キリング)です。

「相手が強ければ強いほど実力以上の力を発揮する特性だね~」

ぶっちゃけ竜希さんの特性とほとんど変わらんようにも思えるのですが・・・・

「いや、ちょっと違うよ。俺の場合は強くなるけどミコちゃんの場合は実力以上の力を発揮できるだけ・・・・俺の特性のやや劣化版みたいなものかな?」

それでも十分に戦闘の天才と言えるだけの能力ですよねこれは。

「まあ、それでも限度はあるけどね~。その特性あっても昔はともかく今の俺には勝てないし~」

それはあんたが強すぎるからでしょうに・・・・・

「自覚はしている」

だからこそ余計にタチが悪いのですが・・・・・まあいいでしょう。

さて、今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・



「「次回もまたきてね~(きてください)!」」
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