東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第38話!

さて、今回で執事編はひとまず終わりとなります!ただ・・・・・

「今回の話は若干シリアスですよね。まあ私のせいなのですが」

ま、まあそこはこのような話を思いついてしまった私の責任というのが一番大きいんですが・・・・・どうしてこうなったんでしょうか?当初の予定ではこうなる予定では全くなかったのに。

「・・・・・・まあ思いついてしまったのは仕方がないので。あまりお気になさらず」

ありがとうございます。それでは本編にいきましょう。ミコトさん。

「はい。それでは皆様。本編をどうぞ」


第38話

side レミリア

 

「どうぞ、レミリアお嬢様」

 

「ありがと、ミコト」

 

夕食が終わり、私はミコトが淹れた食後の紅茶を受け取り口に含む。

 

「いかがでしょうか?」

 

「そうね・・・・62点といったところかしら」

 

私はミコトが淹れた紅茶に点数をつけた。

 

「62点ですか・・・・・厳しいですね」

 

ミコトは苦笑いを浮かべて言った。どうやらもっと評価される自信があったようね。

 

「あら?私としては十分高い評価を与えてるつもりなんでけど。咲夜でもこのレベルの紅茶を淹れられるようになるまで半年はかかったもの」

 

事実表情には出していないけれどミコトがこのレベルの紅茶を淹れたことに驚いたし。

 

「まあ味自体は十分美味しいわ。ただ香りが弱いわね。お湯の温度が少し低かったんじゃないかしら?」

 

「ふむ、ちゃんと適温で淹れたつもりなのですが」

 

「紅茶はお湯の温度がコンマ数度違うだけで味、香りが変わってくるわ。最適な温度で淹れられるようになるには経験を積まないと難しいわ」

 

「咲夜の言う通りね。一朝一夕では私を満足させられる紅茶は淹れられないわ」

 

「そうですか、ではレミリアお嬢様を満足させられる紅茶が淹れられるように精進します」

 

「いい心掛けね」

 

ふふ、これは期待できそうね。

 

「さて、食器を洗いに行くわよミコト」

 

「はい。それではレミリアお嬢様、失礼します」

 

「待ちなさい」

 

私は部屋から出ようとしたミコトを引き止めた。

 

「何でしょうか?」

 

「洗い物が終わったら私の部屋に来なさい」

 

「レミリアお嬢様のお部屋にですか?」

 

「ええ、少し用があるから。いいかしら?」

 

「もちろんです」

 

「それじゃあ部屋で待っているから絶対に来なさい」

 

「はい」

 

ミコトは微笑みを浮かべて返事をして部屋から出た。私も自室に戻り、ミコトを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

「レミリアお嬢様、ミコトです。入ってもよろしいでしょうか?

 

部屋に戻り30分程してミコトが来た。

 

「ええ、入りなさい」

 

「失礼します」

 

扉を開きミコトが部屋に入って来る。

 

「お待たせして申し訳ございませんレミリアお嬢様」

 

「いえ、そんなに待っていないわよ。気にしなくていいわ」

 

むしろ思ったより早かったぐらいだ。やはり咲夜とふたりだと仕事が早いわね。

 

「ミコト、2日間執事として働いた感想はどうかしら?」

 

「そうですね、やはり慣れていないので戸惑うことも多々あり、執事になったばかりとはいえ力不足だと感じました。私もまだまだですね」

 

戸惑うって・・・・・私の目には十分過ぎるほどこなしていたように見えたのに。本当に今のミコトは謙虚ね。

 

「ところでレミリアお嬢様、用とはなんでございますか」

 

ミコトは本題に触れてきた。

 

「それは・・・・・・あなたにひとつ仕事を教えようと思ってね」

 

「レミリアお嬢様自ら私に仕事をですか?」

 

「ええ、というよりこれは私にしか教えられない仕事なのよ」

 

「どのような仕事なのですか?」

 

「ミコト・・・・・・あなたの血液型は何かしら?」

 

「・・・・・・B型でございます」

 

私が聞くとミコトは一瞬目を見開き、そして何かを察したように微笑みながら答えた。

 

「そうB型なの・・・・・・・・いいわね」

 

B型・・・・・私が一番好きな血。

 

「こっちに来なさいミコト。仕・事・よ」

 

「はい」

 

ミコトは言うとおりに私の下に近づいてきた。

 

「跪きなさい」

 

「わかりました」

 

ミコトは私の前に跪く。まるで忠誠を誓うかのように。私はそんなミコトの首筋に顔を近づけ、そして・・・・

 

「いただきます」

 

ガプッ

 

牙を突き立ててミコトの血液を吸う。

 

 

 

ああ、美味しい。これがミコトの血液なのね。こんなに美味しい血液初めてだわ。

 

まるで極上の紅茶のよう

 

まるで甘美な麻薬のよう

 

いつまでも吸っていたい

 

これを私のものにしたい

 

私だけのものにしたい・・・・・

 

永遠に・・・・・・

 

「くっ・・・・」

 

「!!」

 

私はミコトの苦しそうな声を聞いて口を離した。危なかったわ。正気に戻っていなければミコトの血を全て吸い尽くしてしまっていただろう。普段大量に血を吸えない私がそう思う程ミコトの血は美味しかった。

 

「大丈夫?ミコト」

 

「ええ・・・・私は・・・・大丈夫です」

 

ミコトは笑顔を崩さずなんでもないように答えた。しかしその顔は血の気がなく青白い。やはり血を吸い過ぎてしまったようだ。

 

「ミコト、ごめんなさ「レミリアお嬢様。血がこぼれていますよ」え?」

 

謝ろうとする私にミコトは割り込んでそう言った。

 

「じっとしていてください」

 

ミコトはハンカチを取り出して私の口元を拭いた。

 

「ん・・・・・」

 

私はされるがままにミコトに口を拭いてもらう。

 

「はい、拭き取れましたよ」

 

「・・・・・ありがとう」

 

やっぱりそうだ。ミコトは優しい。今だって謝ろうとした私を気遣ってあんなことをしたんだろう。・・・・・・・・ミコトの血を吸い、苦しめた私を気遣って。あの時もそうだった。私が異変を起こした時。私が異変を起こした理由を聞き、私の為に力を貸すと言ってくれた。フランに壊されそうになったにもかかわらず左手を犠牲にしてまでフランを苦しみと悲しみから救ってくれた。

 

ミコトにはすごく感謝している。ミコトのおかげで私は太陽の下にでられる希望が持てた。ミコトのおかげでフランと向き合うことができた。ミコトのおかげで私はフランと・・・・・・ちゃんとした家族になれた。でも・・・・どうして?どうしてミコトは・・・・

 

「・・・・・どうして?」

 

「お嬢様?」

 

「ミコトは・・・・・どうしてそんなに優しいの?」

 

私は思わずそう聞いてしまった。

 

「私が優しい・・・・ですか?」

 

「ええ。他人を気遣って、思って、受け止めて、救って・・・・・どうして誰かの為にそこまでできるの?」

 

「・・・・・・以前言った通りですよ。私は私の為にしたい通りにしているだけです。だからただの自己満足ですよ。私は・・・・・優しくなどありませんから」

 

ミコトはそう答えた・・・・・・どこか悲しそうな顔で、自嘲気味に笑いながら。

 

「ミコト・・・・・そんなことない!あなたは「レミリア様」

 

ミコトはまた私の言葉を遮った。

 

「そろそろ失礼してよろしいでしょうか?まだ仕事が残っていますので」

 

「・・・・・・わかったわ。もう下がっていいわよ」

 

「それでは失礼します」

 

ミコトはお辞儀をしたあと部屋から出ていった。

 

「ミコト、どうしてあなたはそこまで・・・・・自分の優しさを否定するの?」

 

ミコトがいなくなりひとりきりになった部屋で私はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ミコト

 

「・・・・・ふう」

 

今日の仕事を終え、俺は用意された部屋のベットで横になった。ちなみに今は仕事を終え執事ではないため口調は通常に戻している。

 

『ミコトは・・・・・どうしてそんなに優しいの?』

 

今、俺の頭はレミリアが言った言葉がよぎっている。

 

はっきり言って俺は自分が優しいなどと思っていない。俺は自分の為にしか何事もなさない。自分の為にしか

自分の力を使わない。誰が何と言おうと、なんと思おうと、俺は・・・・・・俺の行動はただの自己満足だ。

 

 

いつからだろうか?自分の優しさを自己満足だと思うようになったのは?

 

いつからだろうか?自己満足だと思わなければ何事もなせなくなったのは?

 

いつからだろうか?誰かに認められようした優しさがただの虚しいものに変わってしまったのは?

 

いつだっただろう?他人に優しくしたって、誰も俺を認めてくれない。誰も俺を愛してくれないと知ったのは。

 

だから俺は・・・・俺の優しさは自己満足でなければならない。その自己満足が俺の・・・・・・意義だから。

 

俺は目を閉じ眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあもう帰るな」

 

次の日の午後。その日の仕事をあらかた終わらせたので、普段の私服に着替えて神社へと帰ることにした。レミリア、フラン、咲夜はその見送りに来てくれている。

 

「口調戻したのね」

 

「ああ。今は執事じゃあないからな」

 

「本当に切り替えが上手ね」

 

「褒め言葉として受け取っておくよ」

 

咲夜の言葉に俺はそう返した。

 

「お兄様、帰っちゃうの?」

 

「ああ。俺の家は博麗神社だからな、帰らないと」

 

「・・・・・もっとお兄様と一緒に居たかった」

 

フランは泣きそうな顔で言っている。

 

「泣かないでフラン。また来るから。な?」

 

「・・・・・うん」

 

「よし。いい子だな」

 

俺はフランの頭を撫でながら言った。

 

「・・・・・ミコト」

 

「なんだ?レミリア」

 

「・・・・・・絶対にまた来なさいよ。執事として目一杯働いてもらうから」

 

「はは。ああ、また来るよ」

 

「それともう一つ。あなたに言っておくことがあるわ。耳を貸しなさい」

 

「?わかった」

 

俺はレミリアに耳を近づけた。

 

「・・・・・覚悟しなさい。私は絶対に―――――あげるわ」

 

「・・・・・」

 

話を聞いて、俺はレミリアから離れた。

 

「じゃあまたな。皆」

 

「ええ」

 

「またね!お兄様!」

 

「待ってるわ」

 

俺は紅魔館を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・覚悟しなさい。私は絶対にあなたにあなたの優しさを認めさせてあげるわ』

 

「・・・・・・やれるものならやってみろ。レミリア」

 

俺は空を見上げてそう呟いた。




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

本日はミコトさんなしでレミリアさんと霊夢さんのお二人と座談会を進めます!

「どうしてミコトがいないで全く出番がなかった霊夢が来てるのよ?」

「なんかその言い方ムカつくわね。でもレミリアの言うとおりなんで私を呼んだのよ?今回の話で名前すら出てなかったのに」

それは今回の話はミコトさんに関することだからです。

「どういうこと?なんでミコトに関することで私が来ることになってるのよ」

それは霊夢さんがミコトさんと一緒に住んでいるからです。今回の話はそんな霊夢さんにも是非とも聞いて欲しい話ですから。

「霊夢にも聞いて欲しいって・・・・・何の話なのよ?」

今回の座談会で話すのはミコトさんの性格的な事です。

「「ミコトの性格?」」

はい。今回の話でミコトさんは自信の優しさを認めずに自己満足だと思っている事を強調しましたのでそのあたりの事をすこし詳しく話します。まずミコトさんが自信の優しさを否定する理由は自信の優しさに虚しさを感じているからですね。

「自分の優しさに虚しさを?」

ええ。ミコトさんは誰にでも優しくしていましたがそれでもミコトさんは誰からも認められず愛されることがありませんでした。故にミコトさんはいつしか誰からも認められず愛されていないのに誰かに優しさを向けることに意味があるのかと思うようになってしまったんですよ。そこでミコトさんは自信の優しさを自己満足だと思うことで虚しさをなくそうとしたんです。これが第一の理由ですね。

「そう・・・・って第一の理由?他にもあるの?」

はい、あります。第二の理由に責任を他人でなく自分に押し付ける為にですね。『誰かの為』というのは言い換えると『誰かのせい』となることがありますからね。ミコトさんは自身の行動の責任を自分のものにするために優しさを自己満足に変えているというところもあるんです。

「・・・・・・」

「・・・・・それで?他にも理由はあるのかしら?」

ええ。もう一つミコトさんの考え方を確固たるものにする理由があります。それは・・・・・神楽さんに『誰に何を思われようと自分がしたいことをしろ』と言われたからです。神楽さんはミコトさんに自由に生きて欲しいと思い言ったことなんでが・・・・・・結果的にその言葉がミコトさんの優しさを自己満足に変える決定的な理由となってしまいました。

「・・・・・・本当にミコトはバカね。そんなの・・・・・余計に虚しいじゃない」

「・・・・・霊夢。絶対にミコトに優しさを認めさせるわよ。ミコトの為に」

「・・・・ええ」

私からもお願いします。どうかミコトさんに自分を認めさせてあげてください。

「「もちろんよ!」」

ありがとうございます。さて、それではそろそろ締めましょう。それでは・・・・




「「「次回もまたきてください(きなさい)!!」」」
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