東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第41話!

え~今回の話はちょっとシリアスな感じになるかな?

「シリアスというか・・・・・虚しくなると言った方がいいかな?」

そうですね。あと今回は人によってはちょっと中途半端なところで話が切れると思う方がいるかもしれませんがそれはわざとですので。その辺はご了承ください。

「それでは本編どうぞ」


第41話

side ミコト

 

「はい。もう大丈夫ですよ」

 

「ありがとうございます」

 

「いえ、お気になさらずに」

 

・・・・・今俺は永遠亭で白衣を着て怪我をした人の治療を行っている。何故こんなことになっているかというとそれは3時間前に遡る。

 

 

 

 

 

~3時間前~

 

「誰かいるか?」

 

今日、俺は永遠亭に来ていた。その理由は以前左手を治した時の治療費を払うためだ。その為に先日紫に会い(もちろんあの時(第32話)の報復は忘れていない。まあ仕留めそこねたが)紫に預けていた俺のキャッシュカードから金を引き出してもらっていた(もちろん幻想郷の金に換金してもらい)。

 

「はいはいどちらさん・・・・・ってミコト!?」

 

玄関から出てきたのはてゐだった。

 

「よっ、てゐ」

 

「よっ、じゃないよ!今日はどうしたの!?」

 

てゐはすごい勢いで俺に迫って聞いてきた。なんでこんなテンション上がってるんだろう?

 

「ああ。今日は前に左手を治したときの治療費を払いに来たんだ。永琳はいるか?」

 

「うん。まだいるよ」

 

ん?まだ?

 

「まだってどういうことだ?」

 

「もうすぐしたら紅魔館に出かけるみたい」

 

「紅魔館に?」

 

「うん。ほら、あの薬作る為に吸血鬼の診察するんだって」

 

「ああ。なるほどな」

 

永琳、ちゃんと薬作ってくれるみたいだな。別に疑っていたわけではないがきちんと行動を起こしてくれているとわかるとやはり安心する。

 

「もうちょっとしたら出発するみたいだから早く用済ませたほうがいいよ」

 

「そうだな」

 

「はい、それじゃあ入った入った!」

 

てゐは俺の背中を押して永遠亭の中に入れた。

 

「おい押すなって」

 

「お構いなく~」

 

(てゐってこんな子だったっけ?なんかはしゃいでる?)

 

俺は若干テンションの高いてゐを疑問に思いつつ永琳のところへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 輝夜

 

「夕飯前には帰ってきますので留守は任せましたよ姫、ウドンゲ」

 

「わかりました」

 

「いってらっしゃい、永琳」

 

私と鈴仙はこれから紅魔館に出かける永琳を見送りに部屋に来ていた。

 

「それじゃあ行ってくるわ」

 

「ちょっと待った!」

 

出かけようとする永琳をてゐが引き止めた。

 

「てゐ?一体どうしたの?」

 

「出かける前にお客さんの相手してあげて」

 

「お客さん?」

 

「俺だよ」

 

そう言って部屋に入ってきたのは・・・・

 

「「ミコト(ミコトさん)!!」」

 

私の最愛の人。ミコトだった。

 

「久しぶりだな。輝夜、鈴仙、永琳」

 

「本当によ!来るの待ってたのよ!」

 

「そうですよ!」

 

私と鈴仙はミコトに詰め寄った。

 

「すまない。中々タイミングがなくてな」

 

ミコトは少し申し訳なさそうに言った。

 

「まあ仕方ないから許してあげるわ」

 

「ああ。ありがとう」

 

ミコトは笑みを浮かべながら言った。

 

(ふふ。久しぶりのミコト♪)

 

私はその笑みを見て自分でもわかるほど機嫌が良くなった。

 

「それでミコト?今日は何しに来たの?」

 

「ああ。今日は前に左手を治した時の治療費を払いに来てな。永琳が出かける前で良かったよ」

 

「そうね」

 

「とりあえずこれだけあれば足りるか?」

 

ミコトは永琳にお金を渡した。細かくはわからないがそれなりの金額だ。

 

「ええ。むしろ多すぎるぐらいよ。もう少し少なくていいわ」

 

永琳は多すぎるといって受け取ろうとしなかった。

 

「いや、左手を丸々再生したんだからこれくらいが妥当だ。それにこれには感謝の気持ちも込めているんだ。受け取ってくれ」

 

「・・・・わかったわ。そこまで言われたら受け取らないわけにはいかないわね」

 

そう言って永琳はお金を受け取った。

 

「そういえばこれから紅魔館に行くんだってな」

 

「ええ。前にミコトが行っていた薬を作る為にね」

 

「なら俺が紅魔館まで案内しようか?」

 

「「「ええっ!?」」」

 

私はミコトの今の発言につい声を出してしまった。私だけでなく鈴仙とてゐもだ。

 

「ん?何驚いてるんだ3人共?」

 

「な、なんでもないわ!」

 

「そ、そうです!」

 

「あはは・・・・」

 

(((せっかく来てくれたのに・・・・・)))

 

せっかく来てくれたミコトが紅魔館に行ってしまう。そういうミコトの優しさも私が好きなところなんだけどやはり残念に思ってしまう。私だけでなく鈴仙とてゐもだろう。

 

「いえ、私なら大丈夫よ。紅魔館の場所はちゃんと把握しているから」

 

「そうか。ならいいが」

 

(((よしっ!永琳(お師匠様)ナイスよ(ナイスです)!!)))

 

私達は心の中で永琳に最大限の感謝を抱いた。これでミコトといられるわ!

 

「それに・・・・ふふ」

 

永琳は私達の方を見て微笑んだ。どうやら私達に気を遣って言ってくれたようね。さすが永琳。空気が読めてるわ。

 

「どうかしたのか?」

 

「いえ、なんでもないわ。それよりちょっとミコトにお願いがあるのだけれどいいかしら?」

 

「お願い?」

 

「ええ」

 

永琳はどこからか白衣を取り出した。

 

 

 

side ミコト

 

「なんだ?この白衣」

 

俺は永琳が取り出した白衣を見ながら聞いた。

 

「ミコトには私がいない間永遠亭に来た人の治療をして欲しいの」

 

「治療を?」

 

「ええ。あなたの能力なら問題ないでしょう?」

 

「まあ確かに能力を使えば可能だが治せるのは怪我だけだぞ。病気とかは治すことはできない」

 

俺ができるのは命の力で回復力を促進させることだからな。さすがに病気までは治せない。

 

「それでも確か進行や悪化は防げるんでしょ?」

 

「まあそれくらいならできるが」

 

「それで十分よ。あとはウドンゲに薬を出してもらうから。ということでお願いね」

 

永琳は俺に白衣を差し出した。

 

(まあ特に断る理由はないな)

 

「わかった」

 

俺は白衣を受け取りながら永琳のお願いを承諾した。

 

 

~回想終了~

 

と言った具合で俺は永遠亭で医者のようなことをしているのだ。

 

永琳は白衣を着ていないのに何で俺は白衣を着ているのかだとか白衣を着たとき輝夜、鈴仙、てゐがなぜか顔を赤らめてテンションが上がっていたとか、そもそも俺の回想なのに何で輝夜の視点があったのかとか色々突っ込みたいところがあるがとりあえず・・・・・

 

「なあ、怪我人って普段からこんなにくるのか?さっきのでもう5人目なんだが」

 

「い、いえ。普段はもっと少ないです」

 

「というより来ない日の方が多いはずなんだけど・・・・・・」

 

「・・・・・・どうなってるのかしら?」

 

そう。何故か永琳が紅魔館に出かけてからやたらと怪我人が永遠亭に来るのだ。輝夜達が言うにはどうやら普段はこんなに来ることはまずないらしい。ちなみに患者は妹紅や竹林に住む兎妖怪たちが案内していたようだ。それにしても5人って・・・・・・

 

「なあ三人共、俺って・・・・・・なんか呪われてるのか?」

 

「何言ってるのよ!そんなわけないでしょ!」

 

「そうですよ!突然何を言ってるんですか!」

 

「いやだって俺が白衣を着た途端一気に5人も来たんだぞ?もう呪われてるとしか思えないんだが?」

 

「「「・・・・・・」」」

 

俺がそう言うと三人は反論できずに黙ってしまった。

 

「い、いや、偶然!偶然だってミコト!・・・・・・多分」

 

「そうですよ!偶然ですって!・・・・・きっと」

 

少ししてようやくてゐと鈴仙がフォローしてくれたが・・・・・・否定しきれていない。

 

「逆に考えましょう!いくら永琳でも流石に5人も一気に治してあげるのは無理だけどミコトがいたから治してあげられた!ミコトはいいタイミングで来たのよ!」

 

「俺がいなかったら5人も来なかったかもな?」

 

「え?あ、それは・・・・・・」

 

・・・・・輝夜よ。フォローするなら最後までしてくれ。だんだん悲しくなってきた。というか俺今すげえネガティブになってるな。

 

「・・・・・・・やっぱりあれは偶然だったのよ。そうに違いないわ。それ以外ありえないわ」

 

輝夜は俺に全く目を合わせずに言った。やっぱり最終的に行き着くのはそこか。

 

「・・・・そうだな。偶然だよな」

 

俺も偶然だと思うことにした。・・・・そう思わないともっと悲しくなりそうだし。

 

「さて、それじゃあひと段落しましたしお茶にしましょう。ミコトさんも疲れているでしょうし」

 

「そうね」

 

「お茶お茶~」

 

俺達はお茶を飲みに行くために診察室から出ようとすると・・・・・

 

「ミコトさん!」

 

ひとりの兎妖怪『りん』がすごい勢いで診察室に入ってきた。

 

「この子を・・・・この子を助けてください!」

 

その手には血まみれになった小さな兎がいた。

 

「この子・・・・どうしたの!?」

 

「竹林の外で妖怪に襲われてて・・・・それで・・・・・」

 

てゐの問いかけに兎妖怪は泣きながら答えた。

 

「とりあえずそこに寝かして」

 

「はい!」

 

りんはベットに兎を寝かした。俺は兎の容態を確認する。

 

(・・・・・・これは)

 

「お願いしますミコトさん・・・その子を・・・・助けてください。大切な・・・・友達なんです」

 

泣きじゃくりながらりんは言った。だが・・・・・

 

「・・・・・無理だ」

 

「ミコト?」

 

「この子は・・・・・治せない」

 

「・・・・どうしてですか?どうして治してくれないんですか?治してくださいよ!私達の怪我を治した時みたいにこの子の怪我も治してください!」

 

りんは俺が着ている白衣を掴んで懇願してきた。それでも・・・・・

 

「無理だよ。この子は治せない。この子は・・・・・・もう死んでるから」

 

「え?」

 

「俺の能力は・・・・命がないものには効かないんだ。だから・・・・・俺にこの子は治せない。治すことができない」

 

俺の能力『命を理解する程度の能力』は命のあるものにしか適用されない。つまり・・・・・死んだものには全く効かない。

 

「・・・・・は、はは。嘘ですよね?そんなの嘘ですよね?治してくださいよ。ミコトさん」

 

「・・・・・すまない」

 

「すまないってなんですか?早く治してくださいよ。ねえ、早く・・・・」

 

「・・・・・・」

 

俺は答えることができなかった。

 

「ミコトさん!」

 

「りん・・・・もうやめなさい」

 

「・・・・・てゐさん」

 

「この子はもう・・・・助からないんだよ」

 

てゐは正面からりんに向き合って言った。

 

「あ・・・・ああ・・・うわああああぁぁぁぁ!」

 

りんはてゐにしがみついて大声で泣き喚く。

 

「お墓作ってあげよ?この子が・・・・静かに眠れるように」

 

てゐはりんを優しく抱きとめて言う。俺はその光景を黙って見ていることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数刻して、俺達はあの兎のお墓を作り埋葬した。

 

「皆さん、この子のお墓を作るのを手伝ってくれてありがとうございます」

 

「ううん。気にしなくていいわ」

 

「私達には・・・これくらいしかできませんから」

 

「それでも・・・・・ありがとうございます」

 

りんは笑みを浮かべて言った。とても儚く、悲しげな笑みを浮かべて。

 

「本当にすまない、りん。俺は・・・・」

 

「・・・・もういいんです。ミコトさんのその気持ちだけで・・・・・十分ですから」

 

「・・・・そうか」

 

「はい。それでは私はこれで。失礼します」

 

りんは頭を下げて竹林の奥へと姿を消した。

 

「・・・・・・」

 

「あの・・・・・ミコト・・・・」

 

「・・・・俺たちも中に戻ろう。永遠亭を開けっ放しにしてたからな」

 

「・・・・そうですね。戻りましょう。そろそろお師匠様も戻ってきますし」

 

「・・・・そうね」

 

「うん」

 

俺達は永遠亭に戻る。その間誰も一言も喋らなかった。

 

 

 




あとがき座談会のコーナ!IN東方!

本日はゲストなしで進めていきます!

「・・・・そうか」

・・・・・ミコトさん。本編がああだったから気分が沈むのは分かります。ですがあとがきまで引っ張らないでください。

「・・・・と言われてもな。流石にあれは堪えた。この力も死んだものには全く意味がないと思い知らされてからな」

まあミコトさんの力はあくまで『命』あるものに対して有効なものですからね。命無きものにははっきり言って無力です。

「・・・・・随分とはっきり言ってくれるな」

事実ですからね。

「・・・・まあそうだが」

まあ私もミコトさんにこのような目に合わせてしまって申し訳ないとは思っていますよ。ですが今回の話は非常に重要な話なんです。

「重要な話?」

ええ。今回の話で・・・・・ミコトさんは完全に思い出したでしょう。命の儚さと尊さを。かつてのあなたが持っていて神楽さんと共に失ってしまった感情を。

「・・・・・ああ」

それが今回の目的ですからね。ミコトさんに『命』を理解してもらうことが。ここが転機となってミコトさんは命を尊ぶ心を取り戻し本当の意味で『儚き命の理解者』となったんです。

「・・・・・そうだな」

だからもう自分の命を軽んじないようにしてくださいよ。ミコトさんが死んでしまえば今回のりんさんのように悲しむ人がいるんですし。

「・・・・ああ。わかった」

わかっていただけたならいいです。さて、それでは切り替えましょう。まだこの座談会で話すことがあるんですから。

「都合上書けなかったこの話の後に決まったことについてだな」

はい。まずミコトさんは今後時々ですが永遠亭で怪我人の治療、及び永琳さんに薬のつくり方を教わるようになります。今回の件で命に対する尊さを撮り戻したことによって自分の力で少しでも救える人を増やそうという考えからですね。

「それと永琳はこれからレミリアとフランが太陽の光を浴びても大丈夫になる薬を作り始める。完成するのは大体2、3ヶ月ぐらいになるらしい」

とまあ以上があの後に決まったことです。さて、それじゃあそろそろ締めますか。それでは・・・・



「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」
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