はい!今回の話も重いですよ!
「・・・・・テンション上げて言うことじゃあないよね~?」
仕方がないじゃないですか!ここで上げておかないと上げるタイミングないんですから!竜希さんだって口調ゆるいじゃないですか!
「・・・・・まあそうだけどさ~」
ということで本編にいきましょう!
「そうだね~。では本編どうぞ~!」
何者にも愛されなかった『命の理解者』
そんな彼を愛した『美しき深黑』
彼女の愛を受け、彼は幸せを得ることができた。
だが・・・・・・
その幸せを得ることがなければ・・・・・
彼は絶望することなどなかっただろう
side 霊夢
「さて、俺から話をする前にまずは霊夢がどれぐらい神楽の事を知っているのかを教えてくれないか?」
竜希が私に聞いた。
「・・・・・・私が知っているのは神楽がミコトを唯一愛したっていうこと、ミコトもまた神楽を愛していたということ、そして・・・・・・・ミコトが神楽を殺したということだけよ」
「・・・・・・それは全てミコトに聞いたことなんだな?」
「・・・・・ええ、そうよ」
「・・・・・・そうか」
そう言って竜希は目を閉じた。
「・・・・・これが私が知っていることよ。私は・・・・・・・これだけのことしか知らない。ミコトと神楽の間に何があったのか知らないの。だから・・・・・・竜希の知っている神楽のことを、そして・・・・・ミコトのことを私に教えて」
「・・・・・・わかった。まずは神楽のことを話す」
竜希は目を開いて言った。
「神楽ことなら俺はある意味ではミコトよりもずっとたくさん知っている。なにせ俺は・・・・・・・神楽の双子の弟だからな」
「え?」
竜希が・・・・・神楽の双子の弟?
「神楽は・・・・・・気が強くて、自信家で、態度が大きくて・・・・・いつも偉そうにしていた奴だった」
・・・・・また随分とミコトとはかけ離れたタイプね。ミコトは謙虚で他人想いで・・・・・・自分に自信を持っていないタイプだから。
「でも・・・・・そんな態度をとっていても全く嫌味には感じさせなかった。むしろ敬意さえ感じさせるように常に堂々としていて周りの人間はそんな神楽を慕っていた」
偉そうにしていても嫌味に感じさせない・・・・・一体どんな感じなのだろう?少し想像つかないわね。
「何より神楽は・・・・・・・あらゆるもの全てに愛されていた」
「あらゆるもの全てに?」
「そうだ。いかなる人も、いかなる動物も、そして・・・・・・・世界でさえも神楽のことを愛していた」
「世界も愛していた?」
「神楽は・・・・・・物事において失敗したことがないんだよ。例えば神楽が選んだことは世界が選んだことになるし。神楽が決めたことは世界が決めたこととなる。つまり・・・・・・神楽は全てにおいて正しい存在であり、全てを支配することさえできたんだ」
全てを・・・・・・支配。
「それが紫黑神楽という・・・・・あらゆるものに愛された絶対の存在。彼女を愛さないものなど何一つなかった。・・・・・・・だからこそなんだろうな。神楽が・・・・・・ミコトを愛したのは」
「・・・・・・どういうこと?」
「・・・・・・ミコトと出会った当時、神楽はミコトのことを理解することができなかったんだよ。自分と違って決して愛されることのなかったミコトのことを。だから神楽は自分とは何もかもが自分とは違うミコトに興味を持った」
何もかも違う
ミコトと神楽は・・・・・・正反対なんだ
「それに・・・・・それだけではない。ミコトには神楽がそれまでに出会った他の者達とは決定的に違うところがあった」
「他の者たちと決定的に違うところ?」
「ミコトは・・・・・・神楽と出会っても自分を偽らなかったんだよ」
「自分を・・・・・偽らなかった?」
「そうだ。今まで神楽が出会ってきた者たちは・・・・・神楽に気に入られようと本当の自分を偽り、ちっぽけでつまらない人間を演じていたんだ」
気に入られようと、違う自分を偽る・・・・・その気持ちは少しわかるような気がする。私も・・・・・・ミコトに気に入られようと普段とは違う自分を演じたことが何度かあるから。
「それが神楽にとってはなによりも気に入らなかった。神楽は・・・・そうやって簡単に自分を捨てるような連中のことが大嫌いだったからな。だからこそ、自分を偽らず、ありのままの自分で接してくれたミコトに・・・・・・神楽は感謝していたんだよ」
ありのままの自分を晒すことに感謝を・・・・・・やっぱり私にはわからないわ。私の周りに好き好んで自分を偽るような奴なんていないから。
「そしてそれはミコトも同じだった。誰からも愛されず、誰からも虐げられてきたミコトにとっては自分のことを避けずに正面から向き合ってくれた神楽はミコトの救いとなった。ミコトもまた・・・・・神楽に深く感謝したんだ」
「・・・・・・」
ミコトが虐げられていた・・・・・やはり信じられないわ。ミコトほど優しくて良い人なんて早々いるはずないのに・・・・・それが誰からも愛されないということの証明なの?だとしたら・・・・・・ミコトはあまりにも哀れすぎる。そんな風に生きてきたミコトは一体どれだけ自分と向き合ってくれた神楽に感謝したのだろうか?
「そんな二人が愛し合うようになるのにはあまり時間はかからなかった。二人はお互いのことを深く愛し、大きな幸せを得ることができたんだ」
「・・・・・・」
そうか、ミコトは神楽のおかげ幸せを得られたんだ。
でも・・・・
「・・・・・どうして?」
「ん?」
「だったらどうしてミコトは神楽を殺したの?どうして自分から幸せを手放すようなことをしたの?どうして・・・・・・・自分を苦しめるようなことをしたの?どうして?」
私は竜希に問いかけた。気がつけば私の頬には涙が流れている。
「・・・・・・幸せだからこそだ」
「え?」
「幸せだったからこそ・・・・・・・その幸せが悲劇と絶望の引き金となったんだ」
「悲劇と絶望の・・・・・引き金?」
「そうだ・・・・・・それをこれから話す」
「・・・・・・・」
「さっきミコトが神楽を殺したと霊夢は言っていたが・・・・・・それは少し語弊がある」
「語弊?」
「確かに神楽が死んだのはミコトが原因ではあるが・・・・・ミコトが直接手にかけたわけではない。
神楽は
自殺したんだよ」
「・・・・・え?」
自・・・・・殺?
「どういう・・・・・こと?なんで自殺なんてしたのよ・・・・・・どうしてよ!どうして神楽はそんなこと!」
私は思わず声を張り上げて竜希に聞いた。
幸せだったのに・・・・・・お互い愛していたのに・・・・・どうしてそんなことを・・・・幸せを捨てるようなことをしたのか私にはわからない
「・・・・・・復讐のためだよ」
「復讐?」
「・・・・・神楽は誰よりもミコトのことを愛していて、誰よりもミコトのことを想っていて・・・・・誰よりもミコトを大切にしていた。だからこそ・・・・・・神楽には許せないものがあったんだ」
「許せないもの?」
「ああ。神楽は・・・・・・・・世界を許すことができなかったんだ」
「世界を・・・・・・許せなかった?」
「そうだ。自分のことは愛しているくせにミコトのことは愛していない。自分を誰からも愛されるようにしたくせにミコトは誰からも愛されないようにして虐げられることを強いた。そんな世界に対して神楽は・・・・・強い憎悪の感情を抱いた」
「・・・・・」
「そして神楽は憎悪を抑えきれなくなり・・・・・・世界に復讐する道を選んだんだよ」
「・・・・・それがどうして自殺なんてことになるのよ」
「・・・・・さっき言っただろ。神楽は世界からも愛されていたのだと。つまり神楽の死は・・・・・世界に絶望を与える事となった。事実世界は神楽の死を嘆いた。大地震、火山の噴火、竜巻、地盤沈下、大津波、隕石の落下・・・・神楽が死んだ後、世界の各地で未曾有の天変地異が起きたからな」
未曾有の天変地異・・・・・・神楽の死は世界にとってそこまでの衝撃だったということなの?でも・・・・・そんなことはどうでもいい。問題は・・・・・・
「・・・・・・ふざけてる」
「霊夢?」
「なによそれ!ふざけるのも大概にしてよ!そんなことしても・・・・・ミコトが苦しむだけじゃない!神楽はそんなこともわからなかったの?神楽は・・・・・自分の感情の為ならミコトがどうなってもいいって思ってたの?」
「・・・・・・そんなこと思っていたわけ無いだろ!」
「!!」
ずっと静かに語っていた竜希が感情的に怒鳴ってきた。
「神楽だって・・・・・・神楽だってそれくらいのことはわかっていた!それでも・・・・・それでも神楽は・・・・・自分の憎しみを抑えきれなかった。ミコトを愛するがゆえに・・・・・・世界への憎しみが溢れてしまったんだ。自分が死ぬことでミコトが悲しむことを知りながら・・・・・絶望することを知りながら・・・・・それでも神楽は復讐をやめることができなかったんだ」
竜希は涙を流しながら語る。
・・・・そうだ。神楽は竜希の双子の姉・・・・・家族なんだ。ミコトと同じように・・・・・・悲しんだに決まっている。
「・・・・・悪い」
「・・・・いいえ、気にしないで」
「・・・・・今言ったように神楽が死んだのはミコトを想うがゆえにだ。だからミコトは・・・・・自分が神楽を殺したと思っているんだろう」
「・・・・・・」
「ミコトは・・・・・・そのことで自分のことを憎んでいる。自分さえいなければ神楽は死ぬことはなかったと、自分と出会いさえしなければ・・・・・今も生きていたのだろうと。自分への憎しみを募らせているんだ」
「・・・・・・」
そうか、これでわかった。どうして神楽の話をした時にミコトがあんなに儚い表情をしていたのか。
ミコトは神楽の死に責任を感じている。そうして自分を憎んで、恨んで・・・・・自分のことを許せなくなっているんだ。
「・・・・・ミコト」
ミコトを救いたい。なによりも愛おしミコトのことを、なによりも大切なミコトのことを。でも・・・・・・どうすればいいのかわからない。どうすればミコトを救えるのか・・・・・・私にはわからない。
「霊夢、・・・・・・ミコトを救いたいか?」
「・・・・・・ええ。でも・・・・・」
「・・・・・どうすればいいかわからないか?」
「・・・・・・うん」
「・・・・・・愛してくれ」
「え?」
「ミコトを救いたいなら・・・・・・ミコトのことを愛し続けてくれ。それがミコトを救うことになる」
「愛することが・・・・・ミコトを救うこと?」
「そうだ。今日久しぶりにミコトと出会って俺は気がついた。ミコトは・・・・・神楽の死が原因で大きく変わってしまった。ミコトにとって最悪な変化だ」
「最悪な・・・・変化?」
それて一体・・・・・
「ミコトは-----してしまったんだ」
「-----なった?」
「そうだ。そのせいでミコトは・・・・・自分に向けられる愛に気がつくことができなくなってしまったんだ。はっきり言ってそれは非常によくない状態だ。このままではミコトは・・・・・・取り返しのつかないことになってしまう」
「・・・・取り返しのつかないこと」
『・・・・・ホシイ』
この時、私の脳裏には紅魔館で出会ったあの黒い存在のことが脳裏によぎった。何故か私は・・・・・ミコトがあの黒い存在になってしまうのではないかと思ってしまった。
「だから・・・・霊夢にはこれから先もミコトのことを愛し続けて欲しい。それが・・・・・ミコトを救うことになる」
・・・・・ミコトを救う。
「・・・・・言われるまでもないわ。私はミコトのことを愛し続ける。ミコトを・・・・救ってみせる。ミコトを・・・・・幸せにしてみせる。それは・・・・・私の願いだから」
「・・・・・そうか。ありがとう霊夢」
「・・・・お礼なんていらないわ」
「・・・・そうか」
「・・・・・話してくれてありがとう。私は部屋に戻るわ」
「ああ。それじゃあお休み」
「ええ。お休み」
私は部屋から出た。
(・・・・・・ミコト)
竜希から聞かされたミコトと神楽の話は衝撃的だった。正直に言ってしまえば・・・・・聞かなければ良かったと思えることでもあった。
でも・・・・・私の中のミコトに対する思いは変わらない。私はミコトのことを愛し続ける。
だってミコトは・・・・・・私にとってなによりも大切で愛しい人だから。
「・・・・・絶対に。私があなたを救うわミコト」
私は誰もいない廊下で自分に言い聞かせるように呟いた。
side 竜希
「・・・・・・」
霊夢が去ったあと、俺は布団に入り天井を見つめていた。
「・・・・・・ミコトを幸せにしてくれよ霊夢。それが・・・・・・
俺のミコトへの復讐になる」
俺はミコトが憎い。
ミコトのせいで神楽が・・・・・・
俺にとってなによりも愛おしい神楽が死んだのだから
だから俺はミコトを許す
ミコトの幸せを願う
ミコトは・・・・・
許されることも幸せになることも決して望んでなどいないから
ミコトが幸せになることが・・・・・・・ミコトへの復讐になる
この復讐さえなされれば・・・・・・・ミコトの幸せを素直に祈ることできる
だから・・・・・
「ミコトを・・・・・頼む」
俺はそう呟き眠りについた。
あとがき座談会のコーナー!IN東方!
今回は前回とは逆でゲストとミコトさんは呼ばずに竜希さんとお送りします!
「まあ今回は本編の内容が内容だからな。ある意味当然だろう」
ですね。そして竜希さんも当たり前のように真面目口調ですね。
「当然だろ。いくらなんでもあの本編の後で巫山戯た態度なんて取れるわけない」
まあそうですけどね。さて、それでは本編の話にいきましょう。
「わかった。今回はミコトと神楽の話だな」
そうですね。まず二人がお互いに惹かれた理由ですが・・・・これは互が正反対の存在であったということがきっかけですね。
「そこからお互いに興味を持ったということだな。そして二人が愛するようになった一番の理由は・・・・・・お互いがお互いの影響を受けなかったからだな」
ですね。ここでそのことを少し話しましょう。ミコトさんは誰からも愛されずに虐げられている存在、神楽さんは誰からも愛されている存在ですがお互いにその影響は受けなかったんです。
「だからこそ二人は互いにありのままの自分を出したんだ。そのことが大きな理由になった。他の者とは違い本当の自分を晒し本当の自分を見てくれる存在・・・・・これで愛し合わないという選択肢はありえないからな」
ですね。ただ・・・・それが悲劇の引き金になってしまったのですが。
「・・・・・そうだな。神楽はミコトの境遇を許すことができなかった。だから・・・・・あんな境遇を強いた世界に復讐したんだ。・・・・・・それが原因でミコトが絶望するとしてもだ」
・・・・・本末転倒ですね。愛する人を思うがゆえに選んでしまった選択が愛する人を苦しめてしまうとは・・・・・
「・・・・それほど憎しみが強かったということだろう。当時俺はその神楽を間近で見ていたが・・・・・・はっきり言って目をそらしてしまいたかった」
竜希さん・・・・・・
「・・・・・そしてこの神楽の死が原因でミコトは変わってしまった。ミコト自身にも話したがミコトは以前持っていたものを失ってしまった」
それがミコトさんが自分に対する愛に気がつけなくなってしまった原因になったものですね。
「ああ。詳しいことはまだ言えないが・・・・・・これは致命的な変化だ。この失ったものを取り戻せるかがミコトの今後を左右する」
そうですね・・・・・ってあれ?いつの間にか私と竜希さんの立ち位置が変わってません?私が説明して竜希さんがそれを補足するという流れになるはずだったのに・・・・
「気にするな。それよりもそろそろ締めるぞ」
そうですね。それでは・・・・・
「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」