東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第62話!

さて!今回で妖々夢編はラストになります!

「今回は俺と竜希の出番はほとんどないがな」

「まあ展開上しかたないよね~」

では本編にいきましょう。

「「それでは本編どうぞ」」


第62話

noside

 

白玉楼の一室。そこに館の主、幽々子が居た。

 

「いるんでしょ?出てきて」

 

幽々子は何もない空間を見つめていった。

 

「・・・・・」

 

少し間を置いてその空間に隙間が現れ、中からは・・・・・八雲紫が現れた。

 

「よくわかったわね幽々子」

 

「わかるわよ。あなたとはかれこれ1000年の付き合いですもの・・・・・あなたからしたらそれ以上なんでしょうけどね」

 

幽々子は憂いを帯びた表情で言った。

 

「・・・・・・・」

 

「ねえ紫。聞いていいかしら?」

 

「・・・・・何かしら?」

 

「あなたにとって・・・・・私と彼女どちらが本当の『西行寺幽々子』なの?」

 

幽々子が紫に問う。彼女とは・・・・・・この幽々子の体を乗っ取っていた・・・・・ミコトが消した西行寺幽々子のことだろう。

 

「・・・・・やっぱりそのことなのね」

 

「ええ。正直に答えて紫」

 

「・・・・・どっちもよ。私にとって・・・・・どっちも本当の『西行寺幽々子』よ。これは・・・・・私の偽ざる考えよ」

 

「・・・・そう。やっぱりあなたは器の広い人ね。どちらも『西行寺幽々子』として受け入れるなんて・・・・・簡単にできることじゃないわ」

 

幽々子は笑顔で言った。

 

「・・・・・怒らないのかしら?」

 

「何が?」

 

「・・・・・私は気がつくことができなかったから。私にとってはどちらも・・・・・西行寺幽々子だから。私が彼女を『西行寺幽々子』であることを認めなければ・・・・・私は気がつくことができていたのに」

 

紫は表情を暗くして言った。

 

「紫・・・・・・怒らないわよ。だって・・・・・あなたは私の大切な親友ですもの」

 

「幽々子・・・・・ありがとう」

 

「・・・・ええ。でも・・・・・その変わりっていうわけではないけれど・・・・・どうかミコトのことを恨まないであげて?」

 

幽々子は紫の目を見て真剣な表情で言った。

 

「・・・・・どうして私がミコトを恨まなければならないのかしら?」

 

「あなたがさっき言ったんじゃない。あなたにとってどちらも本当の『西行寺幽々子』だって。だったらあなたは・・・・・その西行寺幽々子を殺した彼に憎しみを抱くのではないかと思って。あなたは・・・・・優しいから」

 

「・・・・・・」

 

「ミコトは・・・・彼はちゃんとわかっているわ。自分が何をしたのかを。そしてなにより・・・・・・ミコトは必要以上に苦しんだ。彼はこれから先一生この苦しみを背負っていこうと覚悟している。だから・・・・・これ以上彼を苦しまないであげて。お願い」

 

幽々子は紫に頭を下げた。幽々子は普段ならばこのようなことは絶対に紫にはしない。それは紫が彼女にとって無二の親友だから。その幽々子が頭を下げてまで頼んでいる。

 

「・・・・・わかったわ。私は彼を憎まないわ。もとよりそんなつもりもはなからなかったわ」

 

紫はそう言った。その言葉が真か偽りかは・・・・・・紫以外には知る由もないが。

 

「そう・・・・・・ありがとう紫」

 

幽々子はホッとした様子で言った。彼女は紫の言葉を信じるようだ。

 

「なんであなたがお礼を言うの幽々子」

 

「言うわよ。だって・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

好きな人が親友に憎まれるのなんて嫌だもの」

 

「・・・・好きな人?幽々子、あなたまさか・・・・・」

 

「ええ。私は・・・・・・ミコトが好き。私を救ってくれたミコトが好きになっちゃったの」

 

「・・・・そう」

 

「紫は・・・・・私を応援してくれる?」

 

「・・・・・どうかしらね。霊夢もミコトのことが好きみたいだし。それに霊夢だけじゃなくて藍までミコトに惹かれているわ」

 

「あら?霊夢はそうなんだろうと思っていたけれど藍もそうなの?これは強力なライバルね」

 

「その二人だけじゃあないわよ。他にもミコトのことを思っている人はたくさんいるわ」

 

「そうなの・・・・それは大変そうね、頑張らないと・・・・・・・それで?もしかして紫もミコトのことが好きなのかしら?」

 

「・・・・・・・いいえ、確かに彼は私のお気に入りだけれど・・・・・・そういう感情は抱いていないわ。なにより・・・・・私はもうそういう感情は抱かないって決めているから」

 

紫は言う。深い悲しみをあらわにし、強い後悔を抱き、今にも泣き出しそうな表情をしながら。

 

「・・・・『紅』だったかしら?あなたが生涯ただ一人愛したっていう」

 

「・・・・・そうよ」

 

「・・・・・・そう」

 

それ以降、紫も幽々子も黙り込んでしまった。

 

幽々子は『紅』という者について詳しいことは知らない。知っているのは・・・・・・あの紫が唯一愛している人物ということだけである。

 

だから幽々子は知らないのだ。紫と『紅』の間に何があったのかは。

 

「・・・・・ところで紫、あなたにもう一つ聞きたいことがあるのだけれど」

 

しばらくして、幽々子は口を開いた。

 

「何?」

 

「彼を・・・・・紫黑竜希のことをあなたはどうするつもり?」

 

「・・・・・ああ、あの紫黑家の」

 

「・・・・・300年前、当時の紫黑家の当主が犯した大罪。それ故に紫黑家は幻想郷から離れざるを得なかった。彼はその紫黑家の末裔・・・・・・そして私の予想だけれど彼はこのまま幻想郷に留まろうとしている。・・・・・彼を幻想郷に住まわせて大丈夫なのかしら?」

 

幽々子は紫に問う。

 

「・・・・・大丈夫よ。確かに彼は紫黑の人間だけれど、300年前の当主のような愚か者ではないわ。彼は自分から好き好んで幻想郷を脅かすことはしないと思うわ」

 

「どうしてそう思うのかしら?まだ彼のことをほとんど何も知らないのに」

 

「私は彼の他に何人もの紫黑家の人間を見てきたわ。だけど彼はそのどれとも違う・・・・・歴代の紫黑の中でも最も強い力を秘め、それ故に自らの力を利用しようという野心がない。何より彼は・・・・・・戦うことを嫌っているみたいだから」

 

紫は今日初めて竜希を見た。しかしそれだけで竜希が今までの紫黑家の人間とは違うと分かった。それほどまでに竜希は紫黑の人間でも特殊ということであろう。

 

「・・・・わかったわ。なら・・・・・彼をここに住ませてもいい?」

 

「彼をここに?」

 

「ええ。彼は今の妖夢にとって必要な人なの。彼の存在が・・・・・・妖夢を剣士として大きく成長させる。だからここに住まわせようと思うの」

 

「・・・・そう。あなたがそういうのならそれでいいわ。好きにしなさい」

 

「ええ。そうさせてもらうわ」

 

「・・・・・それじゃあ私はもう帰るわね」

 

「わかったわ。またね紫」

 

「ええ、また」

 

紫は隙間を開いて帰っていった。

 

「・・・・・・『一夢命』に『紫黑竜希』。あなた達ふたりは・・・・・・この幻想郷に何をもたらすのかしらね?」

 

幽々子は誰もいなくなった空間でそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私達はこれで失礼するわね」

 

翌日の朝、ミコト、霊夢、魔理沙は帰るために冥界の入口に来ていた。

 

「ええ。今回は色々と迷惑をかけてごめんなさいね」

 

「気にするな。幽々子の意思ではなかったんだし、もう過ぎたことだしな」

 

「そうだぜ!それに幻想郷で一番最初に花見ができたんだ!気にしなくてもいいぜ!」

 

「そう、ありがとう」

 

「それじゃあ竜希、幽々子と妖夢に迷惑をかけすぎるなよ」

 

「ちょっと!?その言い方だとまるで俺が迷惑をかけるのが当たり前みたいに聞こえるんだけど!?」

 

「そのつもりで言った」

 

「俺そんなに信用ねぇの!?」

 

「そんなことない信用している。・・・・・・絶対に迷惑をかけるだろうなという意味でな」

 

「そんな信用いらないから!」

 

ミコトと竜希は何やら言い争いを始めた。

 

「・・・・・本当によかったの?竜希をここに住ませて」

 

霊夢が幽々子に聞いた。

 

「ええ。その方が色々と面白そうですもの。それに・・・・・そうした方が妖夢も喜びそうだし」

 

「なっ!幽々子様!」

 

「ふふふ、ほら喜んでる」

 

「う、うぅ~」

 

妖夢は恥ずかしそうに顔を赤くしている。

 

「霊夢、魔理沙。帰ろう」

 

「ん?もう竜希とじゃれあうのはいいのかミコト?」

 

「じゃれあう言うな魔理沙。気持ちが悪い」

 

「とかいいながらミコちゃんまんざらでもないくせに~」

 

「・・・・・(カチャ)」

 

ミコトは何も言わずに銃を手に持つ。

 

「って待て待て待て待て!銃なんて構えんなよ!」

 

「というかミコト・・・・・一々突っ込んでたら帰れないわよ?」

 

「・・・・それもそうだな」

 

ミコトは銃を鈴に戻した。

 

「それじゃあまたな竜希、幽々子も妖夢も」

 

「うん。またね~ミコちゃん」

 

「またね」

 

「それではまた」

 

ミコト達は結界をくぐって帰っていった。

 

「さて、それじゃあ二人共屋敷に戻りましょう」

 

「はいは~い。わかりました~」

 

幽々子にいわれ、竜希は白玉楼に戻ろうとする。

 

「竜希さん」

 

そんな竜希を妖夢は引き止めた。

 

「ん~?何かなよ~むちゃん?」

 

「・・・・これからよろしくお願いします」

 

妖夢は笑顔を浮かべていった。

 

「!!・・・・・・うん。よろしくね~」

 

竜希もまた笑顔で応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッソ!後少しだったのによぉ!」

 

ここは幻想郷でも現代でもない空間。ひとりの男が悪態を付いていた。

 

「いや~残念だったね。あんなに頭使って考えた作戦が失敗しちゃって」

 

もうひとりの男が茶化すように言う。

 

「うっせえ!何しに来やがった『プライス』!」

 

「何しにって・・・・・決まってるじゃないか。作戦が失敗して落ち込んでいる君を慰めに来たんだよ『スピリット』」

 

「ケッ!笑いに来たの間違いだろうが!」

 

「アッハハ!まあそうとも言うかな?」

 

プライスと呼ばれた男がヘラヘラとした表情で言った。

 

「ちっ!本当に忌々しい奴だ!俺はてめえのそういうところが大嫌いなんだよ!」

 

「まあまあそう言わずに。同じ作戦失敗した者同士仲良くしようよ。それに・・・・・・今回は仕方がなかったよ。ミコトくんに加えてあんな規格外まで出てきちゃったんだから」

 

プライスは先程までとは違う不敵な笑みを浮かべる。

 

「・・・・・・紫黑竜希。今更負け犬の紫黑の人間が出てきたところで気にするまでもないと思ってたけど・・・・・・あれはちょっと想定外すぎる。はっきり言って彼は脅威なんてレベルじゃあない」

 

「はっ!所詮は人間だろうが!あんな奴どうにでもなる!」

 

「じゃあ君はそのどうにでもなるような奴に作戦は破られたってこと?」

 

「グッ・・・・」

 

「・・・・・認めようよ。彼は僕達にとって・・・・・最も警戒すべき者の一人だ。なにせ彼とまともにやりあえば・・・・・・僕達は一瞬で殺されるだろうからね」

 

プライスは言い放った。

 

「・・・・・ちっ」

 

スピリットは忌々しそうに舌打ちする。先程はああ言っていたが・・・・スピリットもまた竜希がどれほど驚異になるのか理解しているのだ。

 

「ミコトくんに竜希くん。この二人を如何に対処するかが・・・・・・僕達の悲願を達成できるかに繋がる」

 

「・・・・・竜希俺が対処する。俺の作戦を潰してくれた礼をたっぷりとしたいからな」

 

「・・・・・そっか。なら竜希くんは君に任せるね。僕はミコトくんをどうにかするからさ」

 

「てめえに言われるまでもねぇよ」

 

 

 

 

 

 

異変の裏で暗躍する存在

 

彼らの目的とは?

 

ミコトと竜希。彼らに待ち受ける運命とは?

 

それが明かされるのはまだ先のこと

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回はゲストなしで進めていきます!・・・・・まあ座談会といっても今回は話すことはほとんどありませんが。

「次回が話の締めの座談会になるからな」

「詳しい話は次回に回すってことだね~」

まあそういうことです。だから早めに切り上げるつもりですが流石に何も話さないのはまずいのでひとつだけ話をしようと思います。そこでミコトさんに竜希さんに聞きますけど何かお題はありますか?

「そうだな・・・・・俺としては今回の話では『紅』についてが気になったな。久しぶりに話にでてきたし」

「『紅』?誰それ?」

その辺は第6話で確認してください。さて紅さんのことですか・・・・・・正直まだ話せることはあまりないんですよね~。強いて言うならミコトさんの同類っていうことですね。

「同類?それってどういう意味で同類なの?」

誰からも愛されなかったという意味で同類です。と言っても愛されなかった理由はミコトさんとは違うんですけどね。

「俺とは違う?どういうことだ?」

そうですねぇ・・・・まずミコトさんですが存在そのものが愛されていないというものです。ですが紅さんは違います。紅さんは存在自体が忌み嫌われているわけではありません。

「存在自体が忌み嫌われているわけではない・・・・・じゃあどうして愛されなかったの?」

それは・・・・・・詳しくはまだ言えませんね。ただ一つ今言えることは・・・・人はなぜ人と一緒にいるのか?がヒントです。

「人はなぜ人と一緒にいるのか?」

そうです。紅さんはその理由がなかったために愛されなかったのです。

「その理由がなかったから・・・・・一体どういうことなんだろうね~?」

「今はまだわからんな」

まあわかってもそれはそれで困りますからね。さて、ここらで締めにしましょう。それでは・・・・・


「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きてね~)!!」」」
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