東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第71話!

う~ん・・・・

「どうしたの主~」

いや~、今回の話なんですけどちょっと思うようにいかなくて。

「じゃあなんで投稿したんだよ?」

これ以上どれだけ練っても浮かばなかったので

「そっか~。でも投稿が滞るよりはいい・・・・のかな?」

・・・・・その辺は読者の判断に委ねましょう。

「それじゃあ本編行くぞ」

はい!それでは本編どうぞ!


第71話

side 竜希

 

「そろそろかな~?」

 

未の刻、俺は空ちゃんから刀を受け取るために昨日の場所に来ていた。

 

ちなみに未の刻がいつなのかは幽々子さんに聞いてわかった。

 

と言っても幽々子さん自身も24時間表記が分かっていたわけではなく幽々子さんの「大体おやつの時間帯のことよ~」という発言でわかったのだ。うん、わかりやすいね~。

 

「竜希」

 

しばらく待っていると空ちゃんが現れた。手には刀を持っている

 

「やあ空ちゃん!」

 

「すまんな。待たせたか?」

 

「うんにゃ?そんなに待ってないよ~」

 

「・・・・そ、そうか///」

 

俺が笑顔を向けると空ちゃんは頬を赤く染めた。

 

(あ~・・・・・昨日の反応見た時も思ったけどもしかして空ちゃん俺のこと・・・・・・ど~しよ?)

 

自分で言うのもアレだが俺は結構鋭いほうだ。だから空ちゃんが俺に向けている感情についても分かっている。

 

(・・・・・まあとりあえず今は気づかないふりかな?空ちゃんの好意は嬉しいけど・・・・・・それを受けられるほど心にゆとりはないしね)

 

気づいていながら応えないとは・・・・・・我ながら最低だな。空ちゃんにも・・・・・・・よ~むちゃんにも本当に申し訳なく感じる。

 

「どうした竜希?」

 

「へ?」

 

「いや、なんか雰囲気が暗かったから」

 

「・・・・・なんでもないよ~。気にしないで~」

 

俺はニヘラッと笑みを浮かべて誤魔化した。

 

「ならいいが・・・・じゃあ本題に入るか。ほら」

 

空ちゃんは手に持った刀を俺に差し出した。

 

「これがお前のために創ったお前だけの刀だ。受け取れ」

 

「・・・・うん」

 

俺は空ちゃんから刀を受け取った。

 

「・・・・・うん。いい刀だね」

 

「刃も見てないのにわかるのか?」

 

「わかるよ。この刀からははっきりとした強い力を感じる。これなら俺の能力を受けても耐えられるだろうね~」

 

本当にいい刀だ。外の世界じゃあこれほどの業物は存在しない。それも間違いなく妖夢ちゃんが持つ楼観剣以上の刀だ。

 

スラッ

 

鞘から少し抜いくと黒い刃が現れた。

 

「へぇ、黒刀なんだ」

 

「お前には黒が似合いそうだったからな。だから黒刀にしたんだ」

 

「そうなんだ。まあ確かに『黑』は好きだよ~」

 

『黑』は・・・・・あいつと同じ色だからね~。

 

「なら良かった」

 

「アハハ。本当こんなにいい刀創ってくれてありがとね~」

 

「礼なんていらねえよ。私はただ約束守っただけだから」

 

「それでも、だよ~」

 

「・・・・・ああ」

 

空ちゃんはプイッっとそっぽを向いてぶっきらぼうに答えた。恥ずかしいのかな?

 

「と、そういえば空ちゃん。この刀に名前はあるのかな?」

 

「ねえよ。私がやるのは刀を創ることだけだからな」

 

「そうなんだ~。それじゃあこれ俺が名前を付けてもいい~?」

 

「ああ。好きにしろよ」

 

「ん。じゃあそうさせてもらうね~」

 

この刀の名前・・・・・そうだな~・・・・・

 

「・・・・・よし決めた!この刀の名前は『絶柵(ぜつき)』だ」

 

「『絶柵』?変わった名前だな。なんで絶柵なんだ?」

 

「・・・・・それがこの刀に込めた願いだからね」

 

「願い?」

 

「そ」

 

柵(しがらみ)を絶する。この刀は・・・・・俺の『最強』という呪縛を消すためのものだからな。俺にとってはこの名前が一番しっくりくる。

 

「まあ持ち主であるお前が決めたんだからそれでいいんじゃね?」

 

「うん。さて、それじゃあ俺の本題は終わったことだし次は・・・・・・空ちゃんの話を聞こうかな?」

 

俺は刀を腰に差しながら空ちゃんに言った。

 

「・・・・・気づいてたのか?」

 

「そりゃあね~。わざわざ俺ひとりで来るように指示したんだから気がつきもするよ~・・・・・・・俺に何か聞きたいことがあるってね」

 

それ以外に一人で来いだなんて理由は思い当たらないからね~。

 

「・・・・・そうか。思ったよりも察しがいいんだな」

 

「まあね~。それで?空ちゃんは俺に一体何を聞きたいのかな~?」

 

「・・・・・・・・」

 

俺が尋ねても空ちゃんは何も答えない。黙って神妙な面持ちで下を向いている。

 

「・・・・・聞きづらいことなの~?」

 

「・・・・・別に。そういうわけじゃ・・・・」

 

「なら話してくれるかな?」

 

「・・・・・ああ」

 

空ちゃんは顔を上げて俺を正面から見据えた。

 

「聞きたいことはいくつかあるがまずは・・・・・お前が幻想郷に来た理由について教えてもらう」

 

・・・・・・俺が幻想郷に来た理由か。

 

「昨日お前は事情があって幻想郷で暮らしてると言っていた。その事情というのは・・・・・紫黑の使命か?」

 

「・・・・・」

 

紫黑の使命・・・・・そうか、そういえば空は紫黑のことを知っていたんだったな。

 

「お前は紫黑の使命を果たすために・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴を殺すために幻想郷にいるのか?」

 

「・・・・・・」

 

「答えろ、紫黑竜希」

 

空ちゃんは鋭い目つきを俺に向けて聞いてきた。

 

「・・・・・違う。俺が今幻想郷に居るのは紫黑の使命とは何も関係ない。第一俺は紫黑の使命なんてものには欠片も興味を持っていない」

 

「それほどの力を・・・・・奴を殺せるほどの『力』を持っているのにか?紫黑にとって何よりも必要な『力』を持っているのに」

 

「ああ」

 

そうだ。俺は紫黑の使命にはなんの興味もない。そもそも俺はたまたま紫黑の人間として生まれただけであって紫黑の人間であることに何も感じてなどいない。

 

「・・・・・・そうか」

 

空の顔から疑念の表情が見て取れた。

 

「信じきれないという顔をしているな」

 

「そりゃあな。今までに私が会った紫黑の人間は自慢げに自分たちは奴を殺すための無二の存在だと言い張っていた。竜希は今までの紫黑の人間とは違うというのは昨日の戦いでわかったがそれでもお前が紫黑の人間であることには変わらん。だからお前の言うことは信用しきれん」

 

「・・・・これは手厳しいな。全く、俺の先祖は今まで空に何をしてきたんだ?」

 

本当に・・・・思わず頭を抱えたくなる。

 

「安心しろ。俺の言ったことに嘘偽りは一つもない。俺にとって紫黑の使命なんてものは気に止める価値もないどうでもいいものだ。ついでに言うと空はひとつ勘違いしている」

 

「勘違い?」

 

「お前は紫黑の使命が奴を殺すことだと思っているな?」

 

「・・・・実際そうだろ?」

 

「まあ使命を果たせば結果的にはそうなるだろう。だが殺すこと自体が紫黑の使命というわけではない。紫黑の使命は・・・・・・万が一の時に奴を止めること。それが他ならない奴自身が紫黑に与えた使命なんだよ」

 

「奴を止めることが・・・・」

 

「そうだ。それが紫黑の本来の使命だ。もっとも空の話を聞く限り昔の紫黑はその使命をはき違えて理解していたようだがな」

 

本当に・・・・・そんなんじゃあ紫黑に使命を与えた奴は頭を抱えていただろうな。幻想郷から去るきっかけを作った300年前の当主に関しては特に。

 

「というわけで俺はあいつを殺さねえよ。殺すつもりなんてない」

 

(まあ・・・・・ミコトたちに仇なさないならの話だがな)

 

「・・・・・わかった。その言葉信じてやるよ」

 

「・・・・サンキュ。さて、聞きたいことはいくつかあると言っていたし、他にも聞きたいことはあるんだろ?言ってみろよ」

 

「・・・・・それじゃあ遠慮なく。私にお前に刀を創ったわけだが・・・・・・お前は本当に刀を必要としていたのか?」

 

!?

 

「・・・・・どう言う意味だ?」

 

「・・・・・私は剣士だ。だがそれ以前に・・・・・・刀でもあるんだ」

 

「・・・・・それがどうした?」

 

「私自身が刀だからこそわかるんだ。お前は・・・・・・・刀を嫌っていることがな」

 

「・・・・・・・」

 

「お前が刀を見る目は嫌悪の目だ。お前は剣士でありながら刀を何よりも嫌っている。違うか?」

 

・・・・・刀だとそんなこともわかるのか。

 

「・・・・・その通りだよ。俺は刀が嫌いだ。刀だけじゃなく、武器そのものや戦闘術、戦いそのものを心の底から嫌ってる・・・・・自分の力もな。憎んでさえいるよ」

 

「・・・・・・ならばなら刀を求めた?なぜ嫌っているものを・・・・・憎んでいるものを求めた?それ以前になぜ戦いそのものを憎んでいるのにお前は『最強』なんだ?」

 

「・・・・・・さあな」

 

「え?」

 

「どうして俺が『最強』かだなんて・・・・そんなの俺自身でもわからねえよ。正直言って・・・・望んでもいないものにさせられて迷惑してるんだ」

 

・・・・・力を求めて必死に修行している者もいるというのに我ながら失礼な物言いだな。

 

「・・・・・刀を欲したのは俺の『求め』を叶えるために必要だからだ。その為に空に俺に見合う刀を創ってもらった」

 

「竜希の『求め』?それって一体なんなんだ?」

 

俺の『求め』

 

俺が昔から何よりも求め、焦がれている願い

 

それは・・・・・

 

「・・・・・俺よりも強い存在に剣士として敗北すること。それが・・・・・俺にとって最も大切な『求め』だ」

 

「敗北することが・・・・・求め?」

 

「・・・・・ああ。俺は・・・・・『最強』なんかでいたくないんだ。『最強』であることは・・・・・俺にとって何よりも忌むべきことだ」

 

「・・・・・・・」

 

「でも俺は『最強』でなければならない。それが俺の存在理由で・・・・・俺にかけられた呪縛だから。俺にはそれしかないから」

 

「・・・・・竜希」

 

「だからこそ俺は・・・・・・壊して欲しいんだよ。俺にかけられた『最強』という呪縛を。俺よりも遥かに強い存在によって」

 

たとえそれによって・・・・・・・・俺の存在理由が消えてしまっても構わない。『最強』でいることよりも遥かにマシだ。

 

「・・・・・・俺は『最強』の剣士だ。だからこそ『最強』の剣士として敗北するためには俺に見合った刀が必要だった」

 

「・・・・・そうか。じゃあその求めが竜希がこの幻想郷にいる事情なのか?」

 

「ああ。『最強』の剣士として負けること、その『求め』を叶えるために俺は幻想郷に来たんだ。そして・・・・・その求めを叶えてくれるであろう存在に出会うことができた」

 

「竜希の『求め』叶えてくれるであろう存在?それって・・・・・誰だ?」

 

「・・・・・・魂魄妖夢だよ」

 

「何?」

 

「彼女が・・・・・魂魄妖夢こそが俺の『求め』。俺を上回る可能性を持った存在だ」

 

「魂魄妖夢・・・・あいつが?」

 

空は困惑しているような表情になった。おそらくなぜ妖夢が『求め』であるのかがわからないのだろう。

 

「どうして妖夢が・・・・って思ってるだろ?」

 

「・・・・ああ。正直あいつはお前の『求め』になるような存在だとは思えない」

 

「まあそうだな。今の妖夢はまだまだ弱いからそう思うのは無理もない。だが・・・・・俺にはわかるんだよ。鍛えれば妖夢は俺よりも強くなる可能性がある」

 

「なんでそんなことを言えるんだ?根拠でもあるのかよ?」

 

「・・・・・俺はこの幻想郷に来て一番初めに妖夢と戦った。その時俺は・・・・・・・・・・妖夢の初撃を()()()んだよ」

 

「初撃を躱した?」

 

「ああ。それが根拠になった」

 

「どういうことだ」

 

「・・・・俺は戦う時に必ず相手の初撃を何も考えずに本能で対処すると決めている」

 

「本能で?どうしてだ?」

 

「相手の力がどれほどのものなのかを見定めるためだ。そして俺は妖夢の初撃を防がずに躱した。つまり妖夢の斬撃は万が一でも防ぎきれずに受けてしまったら危険だと本能的に察知したんだ」

 

「それが・・・・・根拠か?」

 

「ああ。その時に俺は思ったよ。妖夢ならば俺を超える存在になり得るのではないかとな」

 

「・・・・・・そうか」

 

空は再び顔を下に向けた。

 

「・・・・・どうした空?」

 

「・・・・・私じゃあダメなんだな」

 

「え?」

 

「私の初撃はお前に防がれた。それはつまり・・・・・私はお前の脅威にならないって・・・・・私じゃお前は越えられないっていうこだよな」

 

「・・・・・・ああ、そうだ。空は確かに強いよ。昨日言ったとおり今まで俺が戦ってきてものの中では一番だ。でも・・・・・君の実力のそこはもう知れている。君では・・・・・俺には勝てない」

 

「・・・・・そうか」

 

空は表情をさらに暗くさせた。おそらく・・・・・・屈辱なのだろう。剣士としてのプライドが傷つけられたようなものだから。それと同時に悔しいのだろう。俺が言っていることが事実だとわかってしまうから。

 

「・・・・・・他に聞きたいことはあるか空?」

 

「・・・・いいや、特にない」

 

「そうか・・・・・・それじゃあ俺はこれで失礼させてもらってもいいかな~?」

 

俺は口調と雰囲気をいつものものに戻して空に訪ねた。

 

「・・・・・ああ。もういいぞ。話を聞かせてくれてありがとな」

 

「うん。それじゃあ行くね。また今度会った時は一緒に遊ぼ。きっと楽しいからさ~」

 

俺は今できうるかぎりの明るい口調で空ちゃんにそう言った。

 

「・・・・おう、そうだな」

 

空ちゃんは笑って返事を返してくれた。

 

「それじゃあまたね~」

 

「ああ、またな」

 

俺は空ちゃんの下から去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回は竜希さんとふたりで進めていきます!

「え?ミコちゃんは本編に出てなかったからまあわかるけど空ちゃんもいないの?」

ええ、まあ流石に連続で呼び過ぎかなと思いまして。

「なるほどね~」

それはともかく座談会を進めていきましょう!今回の話で最も注目すべきところはやはり紫黑の使命に関してでしょうか?

「そだね~。それが読者にとって一番気になるところだと思うよ~」

それじゃあそのことについて話しましょう。

「うん。そもそも紫黑家は幻想郷が出来た時に八雲紫と作中で言っていた奴によって幻想郷に招き入れられた一族なんだよね~」

その招き入れられた理由というのは使命に関係してるんですよね。

「そ、奴が万が一の時に自分を殺してでも止める抑止力っていう使命を紫黑に与えたんだよ」

ただまあ・・・・・時間が経つにつれてその使命は歪んでしまったんですよね。

「うん。止めることから殺すこと自体が目的にすり替わっちゃったんだよね~。しかも使命を与えられたことに浮かれるようになっちゃったし。おかげで紫黑は愚かな一族に成り下がっちゃったんだよね~」

そして300年前の党首が問題を起こしてしまった。

「そう。それが原因で紫黑は幻想郷を去ることになった。まあ正直言って俺にはどうでもいいことなんだけどね。興味もないし」

アハハ・・・・・やっぱり竜希さんはそうなんですね。

「まあね~というわけで俺は使命とかこれっぽちも興味ないから奴を殺そうなんて思ってないよ」

まあ私もそんなことをさせるつもりはありませんけどね。

「・・・・・ていうかさ。奴で話進めてたけどその奴が誰なのかの説明はいらないのかな?」

う~ん・・・・これはまだ話したくないから説明はできないんですよね。今後のあるフラグにも関係ありますし。ただ勘のいい読者は気づいているんじゃないかと思います。さっき軽くヒントが出ましたから。

「ヒント?そんなのでたっけ?」

出ましたよ。このあとがきの中で。まあ何がそうなのかは言いませんけど~。

「そ。さて、それじゃあそろそろこの辺で締めかな?」

ですね。それでは・・・・

「「次回もまたきてね~(きてください)!!」」
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