内容は読んでみてのお楽しみ!
それではどうぞ!
愛されることを知らぬ者
愛することを知らぬ者
二人の出会いによって歯車は動き出した
もう止めることなどできない
動き出した歯車は回り続ける
壊れてしまうまで・・・・・ずっと
side 神楽
私は今双子の愚弟である竜希の部屋に来ている。目的は竜希に聞きたいことがあるからだ。だが・・・・
「すぅ・・・・すぅ・・・・」
竜希は学校の制服を着たまま規則正しい寝息を立てて昼寝をしている。
私はそんな竜希を・・・・・
「おい、起きろ(ゲシッ)」
「ガッ!?」
蹴り起こした。
「ちょ、ちょっとかぐちゃん!?いきなり何するのさ!」
「五月蝿いから大声を出すな。少しボリュームを下げろ」
「気持ちよく寝ていたのにいきなり蹴り起こされたんだから大声の一つも出したくなるよ!」
「ボリュームを下げろといっただろ。第一私に蹴り起こしてもらえたのだからそこは感謝するところだろう」
「いやいやいや!俺どんなM男だよ!」
あ~もう・・・・本当にうるさい。
「仮面を外せ。そのお前では話もまともに進められん」
私は竜希にそう命じた。
「・・・・・・ちっ、話ってなんだよ神楽?」
竜希は身に纏う雰囲気を張り詰めたものへと変えた。
竜希は普段から道化の仮面をつけている。が、私が言えばこいつはその仮面を外す。
「ああ、お前に聞きたいことがある・・・・・一夢命という奴のことを知っているか?」
私が聞きたいこと、それは今日出会った一夢命という男のことだ。
「・・・・そいつがどうかしたのか?」
「質問に答えろ」
「・・・・わかったよ。まあ一応同じクラスだからな。チラッとだが見たことはある」
「チラッと?同じクラスなのにか?」
「あいつ・・・・授業出てないからな。毎回サボってる」
「毎回?」
「ああ。一応テストだけは受けてるらしいがな」
あの時屋上にいたのは偶然ではなく・・・・・いつもあそこに居たということか?
「教師連中は誰も注意しないのか?」
「ああ。なにせあいつは・・・・・・神楽と真逆の存在だからな」
「私と真逆・・・・・だと?」
「ああ。あいつは・・・・・・何者からも蔑まれている」
「!?なんだと・・・・・?」
「悪口陰口は当たり前、皆あいつに関わろうとせずに距離をとってる。教師でさえだ」
「・・・・・なんでだ?ミコトは何かをしたのか?」
「何も。ただどうやらあいつにはうちの学校出身の兄がいるらしくてな。そいつがまた相当優秀な人だったらしい。そいつと比べられてできが悪いから・・・・・っていうのが周りの反応を見る限り理由の一つだと思う」
・・・・は?ミコトができが悪いだと?・・・・・うちの学校には目が節穴な奴しかいのいのか?
「ただまあ・・・・・それだけではないように思えるがな。なんというかあいつは・・・・・存在そのものを否定されているように感じた」
存在そのものを否定?
「どういうことだ?」
「俺もよくはわからん・・・・・ただそんな気がするんだよ」
「・・・・・そうか」
存在そのものを否定か・・・・・本当に私とは逆だな。
私は何ものからも肯定される絶対の存在だ。私を否定するものなど何一つありはしない。
ゆえに・・・・・わからない
ミコトが一体・・・・・なにを感じて生きているのか
「お前は・・・・・どう思う?」
「は?」
「ミコトのことを・・・・・どう思っている?」
「どう思っているかね・・・・・別になんとも思ってねえよ。正直なんで皆があそこまで奴を否定するのかわからん。ただ・・・・・」
「ただ?」
「あいつは・・・・・普通じゃない気がする。奴は・・・・・一夢命は俺と神楽と同じように・・・・・・異端な存在だと思う」
「・・・・・私やお前と同じか」
私は異端だ。あらゆるものから愛されるという最低な呪いを受けた異端。その自覚が私にはある。そしてこの愚弟もまた・・・・・・最低な呪いを受けた異端の一人。
ミコトも同じなのか?あいつも私と同じ・・・・・・異端なのか?
「・・・・・それにしても珍しいな」
私がミコトに思いを馳せていると竜希が口を開いた。
「・・・・・何がだ?」
「お前が他人に興味を持つことがだよ。しかも名前まで呼んだ・・・・・・俺以外では初めてじゃないか?」
「そうだったか?いちいちそんなことを意識などしたことがないからわからんな」
「意識していないのは興味のなさの現れだ。お前は・・・・・・他人のことをなんとも思っていない」
「・・・・かもしれんな」
「そんなお前が興味を持った・・・・・一夢命にはそれほどの何かがあるのか?」
・・・・・何かか。
「それは・・・・・お前もミコトに直にあって話せばわかるさ。邪魔をしたな。ゆっくりと永眠する程の眠りにつくがいい」
「・・・・・・ちょっとかぐちゃ~ん!それは酷いんじゃないの!?」
私は再び仮面をつけた竜希の気の抜けた声を背に受け、部屋から出た。
私とは違うミコト・・・・・
私とはまるで逆のミコト・・・・・
ああ、私は・・・・・・
「お前を知りたい・・・・・ミコト」
side 竜希
「・・・・・・」
ゴロン
神楽が去った後、俺は布団に寝転んだ。
「・・・・・一夢命」
あの神楽が興味を持った男
あの神楽に名前を呼ばれた男
あの神楽に・・・・・・
「くそっ・・・・・・・嫉妬なんてみっともねえ」
俺は自分の内に生まれたどす黒い心をなかったことにするために眠りにつくことにした。
side ミコト
いつもどおり、俺が学校の屋上で寝転がっていると・・・・・
「・・・・・本当に来たのか」
彼女が・・・・・紫黑神楽がやって来た。
「なんだ?来ないとと思ったのか?」
「・・・・・まあ少しはそう思ったさ」
「ふっ、馬鹿な奴だな。来るに決まっているだろう。私は自分で言ったことを違えるようなことなどしないからな」
「・・・・・そうか」
「・・・・本当に愛想のない奴だ。この私が来てやったのだからもっと喜べ」
本当に偉そうな奴・・・・・まあ確かに神楽がきてくれて嬉しいとは思ったがな。
「これでも喜んではいる。ただ感情の起伏が少ないんでな」
「昨日キスしたときに取り乱していた奴の言うことではないな」
神楽はいたずらっぽく笑って言った。
「・・・・・それは忘れろ」
「それは無理な相談だな。それよりも、隣いいか?」
「・・・・・好きにしろ」
神楽は俺の隣に腰を下ろした。
「・・・・・いい天気だな」
「・・・・そうだな」
「こういう日は絶好の昼寝日和・・・・・なのか?」
「なんで聞くんだよ」
「生まれてこの方昼寝というものをしたことがなくてな。わからんのだ」
「昼寝をしたことがないか・・・・・それは人生の3割損をしているな」
「いや3割って・・・・・そんなになのか?」
「ああ。昼寝は・・・・・いい」
まあ・・・・・・あんな幸せな夢を見ることがなければの話だがな。
「そうか・・・・・・」
ゴロン
突然神楽は寝転がった。
「何してるんだ?」
「お前が言ったのだろう?昼寝をしないのは人生の3割を損しているのだと。だからその3割の損失を取り戻そうと思っただけだ」
「・・・・・あっそ」
・・・・・案外単純なのか神楽は?
「とはいえ眠気がないので眠れそうにないな・・・・・・」
「目を閉じていればそのうち眠れるさ」
「それは昼寝上級者の貴様の意見だろ。私のような初心者にはその理屈は通じんぞ」
「安心しろ。とりあえず目を閉じるっていうのは昼寝の基礎中の基礎だから。初心者にもお勧めだぞ?」
「そうか・・・・・だがやはりそれだけでは眠れそうにない。ミコト、何か眠くなるような話をしろ」
眠くなるような話って・・・・
「つまらん話を聞かせろということか?」
「そんな無礼を私に働くのは許さん。楽しい話をきかせて眠くさせろ」
・・・・・・そんなの無理に決まっているだろ。
「・・・・・・話すネタがないから無理だ。諦めろ」
「・・・・・ほう?この私に諦めろというのか。いい度胸をしているな」
「どうも」
「・・・・・いいだろう。ならば特別サービスだ。私が聞くことに答えろ。それで手を打ってやる」
「手を打つって・・・・俺は悪いことなどした覚えはないぞ?」
「口答えをするな。手を打ってやるというのだから黙って従え」
「・・・・はあ、わかったよ」
「それでいい」
・・・・・・今日はなかなか眠りに付けそうにないな。
「ミコトはいつもここでサボっているのか?」
「ああ。雨の日以外はな」
「雨の日以外は?雨の日はどこでサボっている?」
「多目的教室。あそこは普段無人だからな」
「なるほど・・・・・その多目的教室はどこにあるのだ?」
「うちの生徒なのに知らねえのかよ?」
「普段使わん教室の場所など知ったところで記憶の無駄遣いだろ」
「ならなんで聞くんだよ?」
「そんなもの、雨が降った日にお前がどこにいるのかわからないと困るからに決まっているだろう?」
・・・・は?
「神楽は何を言っているんだ?それじゃあまるでこれから先も俺に会いに来るみたいな聞こえるぞ?」
「みたいもなにもそのつもりだ」
「・・・・え?」
「これから毎日私は会いにいく。授業は全てサボる」
「・・・・本当に何を言ってるんだお前は?授業全部サボったりしたら卒業できないぞ?」
「それはない。私が直々に頼めば卒業ぐらいどうとでもなる」
「どうとでもって・・・・」
・・・・・神楽はどこの独裁者だ?しかも神楽が言うと本当にどうにかなりそうだなからタチが悪い。
「というより、それを言うならお前はどうなのだ?お前こそ卒業できんぞ?」
「・・・・・大丈夫だよ。確実に卒業できるさ」
ここの教師からしたら厄介者である俺を卒業させずにとどめる理由なんてないからな。
ここの教師だけではない。皆が・・・・・俺を厄介者扱いする
どんなに俺が皆のことを思っても・・・・・・それは変わらない
俺は・・・・・・誰からも必要とされない
「・・・・・悪い神楽、俺はもう眠気に勝てそうにない。だから眠らせてもらうぞ。お前も寝たければ・・・・・・自力でどうにかしろ」
「・・・・・わかった」
「それじゃあお休み」
俺は眠りにつこうと目を閉じた。
「待て、眠る前にお前に言っておくことがある」
言っておくこと?
「私は・・・・・違うからな」
「え?」
「私は・・・・・他の連中とは違う」
神楽はその黑い眼で俺を正面から見据えて言った。
「・・・・・そうか」
俺は目を閉じた。そして直ぐに心地のいい眠気が俺に迫ってきた。
『私は・・・・・他の連中とは違う』
先程神楽が言っていたことはどういうことなのだろうか?
まさか神楽は・・・・・・
俺を・・・・・愛してくれるのか?
(なにを馬鹿なことを・・・・・そんなことありえない)
俺は意識を手放して眠りの世界へと落ちていった
その日俺はあの幸せな夢を見ることはなかった
そして、目を覚ました時、俺の隣には規則正しい寝息を立てる神楽が居て・・・・・
何故か俺と神楽の手は繋がっていた
あとがき座談会のコーナー!IN東方!
本日は神楽さんと共に進めていきます!
「・・・・・はあ、またか。もう突っ込む気にもなれん」
まあまあいいじゃないですか。というよりも神楽さんはこういったば出ないとゲストとして呼べないんですよ。
「だから呼ぶな」
それでは座談会進めていきましょう!
「・・・・・聞いていないのか」
さて、今回話すべきことというのは・・・・なんでしょうね?
「そうだな・・・・・ミコトのことでも話しておけばいいんじゃないか?」
そうですね。そうしましょう。昔のミコトさんは本編のミコトさんと少し雰囲気が違うと思っている読者は多いでしょうからね。
「本編のミコトよりも暗いからな」
ですね。まあそれはある意味仕方がないことです。なにせ周りの人物皆から蔑まれているのですから。物事を前向きに考えるなどできないのでしょう。
「それでああいうふうに卑屈になってしまっているのだ。本当に・・・・・幻想郷で暮らすことになってミコトが明るくなってくれて嬉しく思う」
まあクール系であっけらかんとして明るいというわけではありませんけどね。それでも昔のミコトさんよりはずっと明るくはなりましたね。
「そうだな」
それにしても・・・・そこまでミコトさんのことを思っているだなんて本当に愛しているんですねぇ。
「当然だ。私にとってミコトはかけがえのない存在だからな」
・・・・・ゆえに悲劇が起きてしまったんですけどね。
「・・・・・まあ、な」
・・・・・
「・・・・・・」
・・・・・暗い!暗すぎる!
「話を振ったのはお前だろう」
そうですけど!ああっ、もう!今回の座談会はここで終わりです!
「わかった。だがまだやることはあるだろう?」
ええ、次回から新たな章に突入しますからね。次章予告をします。
「次は・・・・・萃夢想だな。構想は決まっているのか?」
・・・・・・
「・・・・・どうしようもない奴だな」
・・・・・頑張ります。
「・・・・・とりあえず予告しろ」
はい。それでは・・・・・
春節異変が解決し長い冬が終わり春が訪れた
それを祝うがごとく終わることなく宴会を繰り返されていた
宴会の度に発生する妖霧
これを異変と捉えたミコトたちは解決のために動き出す・・・・?
果たして異変の首謀者は?
次章 東方~儚き命の理解者~
萃夢想~鬼は何に醉うのか~
「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」