東方~儚き命の理解者~   作:shin-Ex-

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第84話!

今回はフランちゃんとのお話です!

「フランドールお嬢様の不安も和らげられたらいいのですが・・・・」

・・・・大丈夫ですよ。それでは本編にいきましょう。

「本編どうぞ」


第84話

noside

 

『キュッとして~・・・・・ドカ~ン!!』

 

(いやだ・・・・やめて・・・・)

 

フランは夢を見ていた。

 

『全部全部全部・・・・・ぜ~んぶ壊れちゃえ!』

 

(お願いだから・・・・やめて)

 

それはかつて壊すことを楽しいと思い込んでいた・・・・思い込もうとした自分自身の夢。

 

『壊れた壊れた!!もっともっとも~と壊そう!!』

 

(やめてやめてやめて・・・・・)

 

嬉々として周りのものを壊すかつてのフラン。

 

『アハハハハ!!』

 

(やめてよぉ・・・・・)

 

狂ったように笑うフラン。そんなフランの前に・・・・

 

『フフフッ。次はあなたね♪』

 

(お兄様!)

 

自身が兄と敬愛し、また恋焦がれる存在・・・・ミコトが現れた。

 

『それじゃあいっくよ~』

 

(やめて!お兄様を壊さないで!)

 

フランはその手に大剣を携え、そして・・・・

 

ザンッ!

 

ミコトの体を引き裂いた。

 

『アハ♪アハハハハハハハハハハ!』

 

(いやぁぁぁぁぁ!!)

 

引き裂かれたミコトは崩れるように倒れ伏し、微動だに動かなくなった。

 

(いや・・・・だ。嫌だ嫌だ嫌だ!!こんなの・・・・嫌だよぉ。お願い・・・・・誰か助けて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様・・・・お嬢様」

 

「んん・・・」

 

自身の体が揺さぶられ、声をかけられるのを感じるフラン。

 

「お嬢様。フランドールお嬢様」

 

「う・・・ん?・・・・・お兄様?」

 

フランが目を覚ますと目の前にミコトが居た。ミコトは心配そうな表情でフランの体に手を当てている。

 

「良かった・・・・目が覚めたのですね」

 

「お兄様・・・・お兄様が起こしてくれたの?」

 

「はい。ノックをしても反応がなく、どうしたのかと思い中の様子を伺いましたらうなされていたフランドールお嬢様の姿が見えましたので。勝手にお部屋に入ってしまい申し訳ありません」

 

「ううん・・・・・・起こしてくれてありがとうお兄様」

 

フランは悪夢から目が覚めたことからミコトに対して心の底からの礼を述べた。

 

「いえ、お気になさらずに」

 

微笑みを浮かべながら柔らかな声色で言うミコト。

 

そんのミコトの姿が一瞬・・・・・・血に染まったようにフランの目には映った。

 

「ッ!?」

 

「フランドールお嬢様?いかがなさいました?」

 

顔色が一気に青ざめ、怯えてように自身の体をギュッと強く抱きしめるフランドールに声をかけるミコト。

 

「お兄・・・・様。私・・・・壊したくない」

 

「え?」

 

「私・・・・もう何も壊したくないよぉ」

 

フランの表情が苦痛に染まり、眼から涙が溢れ出した。

 

「フランドールお嬢様・・・・・」

 

「さっき・・・・見てしまったの。昔の破壊を楽しむ・・・・破壊を楽しもうとする私の夢を。そしてその夢の中で・・・・・私はお兄様を壊した」

 

フランは先ほどの夢でミコトを斬り裂く自分自身の姿を思い返した。

 

「もう嫌なの!私は・・・・・私は何も壊したくない!昔みたいに破壊に支配されたくない!あの時みたいに・・・・大切な人を壊したくないの!それなのに・・・・それなのに・・・・明日私は破壊に支配されてしまう!昔の私と同じように・・・・・それ以上に破壊することに囚われて、またお兄様を壊してしまうかもしれない!」

 

「・・・・・」

 

「お兄様ぁ・・・・・私・・・・どうすればいいの?」

 

フランはミコトに抱きつく。強く強く・・・・すがるように抱きついた。

 

フランが生まれた時よりその身に宿した能力・・・・『破壊の力』。その能力はフランの人生に常に付き纏う絶望であった。

 

そのあまりにも大きすぎる破壊の力はフランの精神を蝕み、強い衝動を植え付けていた。その衝動はあまりにも強く、本人の意思さえも支配していた。

 

あまりにも強大すぎるその衝動に抗うことができなかったフランはその衝動のままに破壊に従事し、それが原因により姉であるレミリアをはじめとする周囲の者達との絆に隔たりが生じてしまった。

 

そしてなにより・・・・ミコトを壊してしまった。

 

それはフランにとってはこの上ないトラウマである。今でこそミコトのおかげで破壊衝動はなりは潜めているが・・・・今でも先ほどのように悪夢を見ることが度々ある。

 

明日はまた昔のように・・・・否、昔以上の破壊衝動に囚われてしまう。大切な物も大切な者も・・・・・衝動のままに見境なく全てを壊そうとしてしまう。

 

フランにとってそれは・・・・・恐ろしくて恐ろしくて堪らなかった。

 

「・・・・フランドールお嬢様」

 

ギュッ

 

ミコトは自身にしがみつくフランドールの体を優しく抱きしめ、頭を撫でた。

 

「明日のことは・・・・紅い月がフランドールお嬢様とレミリアお嬢様を狂わせてしまうということは先ほど咲夜さんから伺いました。ですが・・・・大丈夫ですよ」

 

「え?」

 

「そうならないように、パチュリー様が魔法を開発したのですから。パチュリー様を信じてください」

 

ニッコリとフランに笑顔を向けながら言うミコト。

 

「でも・・・・成功するとは限らないってパチュリー言ってた。もし失敗したら結局私は・・・・」

 

「その時は・・・・・私が止めます」

 

「お兄様が・・・・止める?」

 

「ええ。全身全霊を持ってお嬢様方が何も壊さぬように私が止めます。ですから・・・・・泣き止んでくださいフランドールお嬢様」

 

ミコトはそっとフランの涙を拭き取った。

 

「でもでも・・・・・そしたらお兄様が壊れてしまうかもしれない。私は・・・・・そんなの耐えられないよ。もうお兄様を・・・・壊したくない」

 

フランはミコトの左手を握った。かつて自身が壊し、失われてしまっていた左手を。

 

「・・・・心配していただきありがとうございます。ですが・・・・その心配は無用ですよ。だって私は・・・・壊れませんから」

 

「壊れ・・・・ない?」

 

「はい。私は・・・・この紅魔館の執事。そしてフランドールお嬢様は私の主の一人でございます。執事として主の望まぬことは決していたしません。私は・・・・・何があってもお嬢様に壊されることなどありません」

 

ミコトはフランの目を正面から見据えて言い放つ。ミコトの目からは真剣さが感じとれ、ミコトの言葉が嘘偽りのないものであると証明していた。

 

「・・・・本当に?」

 

「ええ」

 

「本当の本当に?ミコトは・・・・・壊れない?」

 

「はい。壊れませんよ」

 

「本当の本当の本当に?」

 

「フランドールお嬢様は疑い深いですね。でしたら・・・・・」

 

ミコトはフランに左手の小指を差し出してきた。

 

「指きりをしましょう」

 

「指きり?」

 

「ええ。私が絶対に壊れないことを誓って」

 

「・・・・・」

 

フランはおずおずと自身の左手の小指をミコトの小指と絡ませた。

 

「それではいきますよ?」

 

「う、うん」

 

「「指きりげんまん嘘付いたら針千本飲~ます。指きった」」

 

約束を交わし、二人の指が離れた。

 

「これで私は近いを破ったら指を切って、拳骨を一万回受けた挙句針千本を飲まなくてはならなくなりました。流石にそれは私も勘弁願いたいですので誓いは必ず守らせていただきます」

 

くすりと笑みを浮かべながら言うミコト。その笑顔を見たフランは・・・・胸の奥の不安が和らぐのを感じた。

 

「・・・・フフッ。お兄様って意外と子供っぽいところがあるのね」

 

「そうですか?指きりというのはとても重い誓いの儀式なのですよ?」

 

「そうなの?」

 

「ええ。詳しい話は・・・・・いずれまたの機会ということで」

 

「・・・・ええ。楽しみにしているわ」

 

本当に楽しみにしているといったように満面の笑顔をミコトに向けるフラン。

 

「それでは私はこれで。仕事を咲夜さんに任せておりまして・・・・・これ以上待たせると怒られてしまうかもしれませんから」

 

「うん。またね!」

 

苦笑いを浮かべて部屋から出るミコトをフランはいつものフランらしく元気よく見送った。

 

「・・・・・お兄様」

 

フランはミコトと指きりを交わした小指にそっと触れた。

 

「・・・・ありがとう」

 

そしてポツリと呟いたあと、そっと小指に口付けを落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全くミコトくんは・・・・・随分とまあ余計なことを」

 

幻想郷ではないどこかの空間。男は・・・・プライスはミコトやレミリア、フランの映ったモニターを眺めていた。

 

「このままじゃあ面白くなさそうだなぁ・・・・・よし決めた!出てきて、るーちゃん、はーちゃん」

 

「はーい!!」

 

「呼んだ~マスター?」

 

プライスがパンと手を叩くとるーちゃんと呼ばれて元気な少女・・・瑠璃とはーちゃんと呼ばれたほんわかとした少女・・・・玻璃が現れた。

 

「君たちにちょっとお願いがあるんだ。二人共レミリアちゃんとフランちゃんのこと覚えてる?」

 

「覚えてるよ~。前にマスターが利用しようとした幻想郷の吸血鬼だよね~?」

 

玻璃がコテンと首を傾けながら返事した。

 

「そうそう。その吸血鬼だよ」

 

「その吸血鬼がどうかしたの?」

 

「うん。明日は紅い月だって言うのは二人に話したよね?この紅い月は吸血鬼に影響を与えて狂わせるんだけど・・・・そんな愉快なことを邪魔しようとする子達がいるんだ」

 

「え~?何それもったいない」

 

「でしょ?だからさ・・・・・二人でその邪魔の邪魔をして欲しいんだ」

 

ニヤリといやらしい笑みを浮かべるプライス。

 

「オッケー!そういうことなら任せてマスター!」

 

「どんとこいですよ~」

 

「それじゃあお願いね」

 

「「はい。マスター」」

 

二人は膝まづきながら返事をするとすぐに姿をくらませた。

 

「・・・はははっ!これで面白いことになりそうだな~」

 

紅き月が昇る夜。決して・・・・無事には済みそうにはなかった。

 

 




あとがき座談会のコーナー!IN東方!

今回のゲストはフランちゃんです!

「よろしくね!」

はいよろしくお願いします!それでは座談会を進めていきましょう!

「今回はフランドールお嬢様が抱える恐れについての話ですね」

そうですね。フランちゃんが抱えるのは破壊に対する恐怖です。フランちゃんはミコトさんと出会う前まで破壊に支配され、それがトラウマとなっていますからね。故に紅い月が原因で再びあの頃の・・・・いえ、それ以上の破壊衝動に支配されてしまうことに恐れを抱いているのです。

「うん・・・・もうあんなふうに壊すことに支配されたくないから。私は・・・・もうなにも壊したくないから。だから・・・・すごく恐かったの」

「フランドールお嬢様・・・・」

でも・・・・もう大丈夫ですよね?

「うん。お兄様が・・・・誓ってくれたから。まだちょっとだけ恐いけど・・・・大丈夫だよ」

「・・・・それなら良かったです」(フランの頭を優しく撫でる)

「えへへ」

さて、次に話すことですが・・・・やはりプライスさんのことですかね。

「瑠璃と玻璃というものに何か不穏な命令を下していましたよね」

「なにをするつもりなんだろう?」

まあ・・・・ろくでもないことですね。

「確かプライスっていうのはお姉様が異変を起こした時に私の居た部屋の鍵を解いた人なんだよね?」

ええ。そうですよ。

「なんで私たちを利用しようとするんだろう・・・・」

それはまあ・・・・利用価値があるからとしか言えませんね。

「許せませんね・・・・いつかあった時に罰を与えなければなりませんね」

「その時は私も思いっきり怒っちゃう!」

そ、それは恐ろしいですね・・・・・(汗)

さて、少し早いですが今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・



「「「次回もまたきてください(きてね~)!!」」」
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