[2]魔法科高校の世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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活動報告にて、オリジナル小説のアンケートを行っております。
是非ともご意見を。

追記
諸事情により、大変勝手ながら中止となりました。
意見をくださった方、誠に申し訳ございません。


佑馬の能力

それから一週間。

 

初日のことがあってから誰も佑馬とジブリールを勧誘しなくなった、否、勧誘したくても出来なかった。

 

佑馬とジブリールにはそれは有り難いことで、いつも通りのんびりと過ごし、部活動勧誘期間は終了した。

 

そして現在、佑馬とジブリールは司波家のソファーに座っている。

 

「さて、今日は佑馬とジブリールさんに技術者として聞きたいことがある。」

 

対面しているのは、当たり前だが達也と深雪だ。

 

「いいけど、先にこの茶葉を教えてくれ!」

 

花より団子ならぬ、花よりお茶と言っても過言ではないほどお茶にハマっている佑馬。

 

「この茶葉はこの店のものですよ。」

 

「おお、こんなとこに店があったのか!ジブリール!」

 

「了解でございます!」

 

深雪から貰った地図を見て、佑馬がジブリールを呼んだ瞬間に、転移していくジブリール。

 

その光景を見て、驚く達也。

 

「・・・一体何をしにいったんだ?」

 

「その店に向かわせた。茶葉買って家に持って帰ったら戻ってくると思うよ・・・と、それで、内容は予想つくけど何が聞きたい?」

 

「聞きたいことなんだが、まず、今ジブリールさんが使った転移魔法の仕組みと飛べる範囲を教えてほしい。」

 

「そうだな、まず飛べる範囲だが、視界内なら何処へでも、一度行った場所なら何度でも無制限に行けるぞ。」

 

「「・・・え?」」

 

その、あまりにも規格外に凄まじいほどの性能を誇る魔法に、驚きを隠せない達也と深雪。

 

「仕組みについてだが・・・達也、今のやつ何処まで見えた?」

 

「・・・見えた?」

 

今度は深雪だけが疑問の表情を浮かべる。

 

「ああ、凄まじいサイオンと空間に何か穴のようなものが空いたのを確認した。」

 

「そこまで見えていればいいな。これは、サイオンで空間に直接干渉して穴を開ける。後は行きたい場所の風景を思い浮かべるだけで俺とジブリールは飛べるんだが、それを達也や深雪が出来るか、と言われれば、否、だろうな。」

 

「そうか・・・なるほど、佑馬は三年前よりも沖縄に行っていたから沖縄にくることが・・・」

 

「それは違うぞ。」

 

あの時すぐ沖縄に飛べた理由に納得しかけた達也に、否定の言葉がかかる。

 

「俺のサイオン保持量はまさに規格外でな。日本全土を覆うことは出来るんだよ。」

 

「「・・・え?」」

 

そして、またしても驚きの声が。

 

「まぁ、俺のサイオンが及ぶ範囲には俺は一度も行ったことがなくても飛べるんだよ。」

 

「・・・佑馬、一つ言っていいか?」

 

「私からも一つだけ・・・。」

 

二人からの言葉に疑問を持ちながらも肯定の頷きを返すと、

 

「「お前達(貴方達)は人間か(ですか)?」」

 

全く同じ内容の言葉が返ってきた。

 

その言葉に佑馬は

 

「安心しろ。人間だ。」

 

と、口を吊り上げながら答えた。

 

「・・・それは置いておこう、次だ。」

 

「あ、ちょい待ち。」

 

次に進もうとしたときに、待ったがかかる。

 

「どうかしたか?」

 

「いや、もうすぐ・・・」

 

「今戻りました。」

 

「ジブリールが戻るって言おうとしたんだけど、もう戻ってきたから続きをどうぞ。」

 

もう帰って来たジブリールだが、そろそろ慣れてきたのか達也もそのまま続ける。

 

「今着けているヘアバンドなんだが、学校で着けてなくて帰りだけ着けているってことは、CADだよな?どんなCADなのか出来れば見せてもらいたいのだが。」

 

「ああ、これね。まぁ、見てみなよ。」

 

頭から外し、達也にヘアバンド型CADを渡す。

 

「・・・少し崩してもいいか?」

 

「問題ないよ。」

 

許可を貰ったことで、分解を始めるが、しばらくすると驚きの表情に変わる。

 

「これは・・・まさか・・・いや、そんなはずは・・・。」

 

「お兄様、どうかされましたか?」

 

達也の今までに見たことがないような驚きように、深雪が心配そうに見つめる。

 

「・・・『再生』の魔法式が埋め込まれている。しかも、俺と全く同じ奴のだ。」

 

「それは本当ですか!?」

 

達也の答えは、深雪を立ち上がらせるほど驚く内容だった。

 

「佑馬、これはどういうことだ?」

 

「俺さ、一回沖縄で達也が桜井穂波に使った『再生』を見てるじゃん?あれをそのまま埋め込んだだけ。」

 

「・・・あの時か、いや、でもどうやってその魔法式を確認したんだ?」

 

「俺にも特殊な眼があってね。それは置いといて、『再生』は固有魔法だから、俺にはサイオンの無駄遣いが激しいんだよね。だがら、別のものを『再生』することにした。」

 

「その、別のこととはなんでしょうか?」

 

「サイオンを『再生』することでございますよ。」

 

ジブリールの言った言葉に、達也と深雪は本日何度目かの驚きの表情を見せる。

 

「そのCADな、脳に直接干渉するCADなんだよ。百聞は一見にしかず、使ってみなよ。」

 

「それはありがたいが、どうやるんだ?」

 

「まず、頭につけたそのCADにサイオンを少しだけ流す。」

 

その指示通り、サイオンを流し込む達也。

 

「あとは勝手にCADがやってくれるから。そうだな、この石に分解使えばわかると思うよ。」

 

「・・・あまり見せていいものではないのだがな・・・。」

 

いつの間にか持ってきた石を見ながら、渋々だが、何処か期待を抑えられないような表情で手を翳す達也。

 

手から魔法式が展開され、石が消えたと同時に、

 

「これは・・・!本当にサイオンが回復している。」

 

本当にサイオンが回復していることに、声を上げる達也。

 

「まぁ、仕組みは達也ならわかっただろ?」

 

「ああ、分かったは分かったが・・・佑馬。これ以上このCADを作らない方がいい。」

 

サイオンが回復したときはビックリした表情だったが、今は複雑な表情をしている。

 

「これが出回ったら、この世界がどうなるのかもわからない。」

 

「分かってる、俺とジブリールしか使わないよ。」

 

「・・・少しだけ俺もその技術を使わせてくれないか?変なことには使わない。」

 

「ははは、勿論だ。」

 

分かってはいても、このCADの技術の高さを見てこう言った達也は、やはり技術者だった。

 

「じゃあ、最後に。佑馬の眼の能力はなんだ?」

 

「俺の眼は、サイオンや精霊、プシオンが見えて、固有魔法も使えるが・・・魔法については後のお楽しみということで。一つ言えるのは、この眼のおかげでフラッシュキャストも使えるということだ。」

 

「とてつもないんだが、なんとか理解した。俺からは以上だ。」

 

「なら、私からジブリールさんに。」

 

「私でございますか?」

 

深雪からの突然の指名に、ハテナを浮かべるジブリール。

 

「ジブリールさん、貴女のことを呼び捨てしてもよろしいですか?」

 

「よろしゅうございますよ。勿論、達也さんも。」

 

「ありがとう、ジブリール。」

 

「ありがとう・・・というか、エリカは『ジブちゃん』とか呼んでたような気がするんだが。」

 

その達也の一言に、ジブリールはピクッと反応して、佑馬は微かに笑っていた。

 

「何か変なこと言ったか?」

 

「いえ、私の姉もそのような呼び方をしていたものでございますから。」

 

「姉?お姉さんがいるんですか?」

 

「ああ、まぁ、いたが正しいけどね。」

 

間違ってはいない。

 

この世界にジブリールの姉、アズリールはいない。

 

この世界では、家族は事故死になっているらしいが。

 

「あ・・・すみません。」

 

「気にすんなって。」

 

「謝るほどのことでもございません。」

 

察したのか、深雪が慌てて謝るも、別に気にする必要もない佑馬とジブリールは笑って答える。

 

「終わったならここいらで解散か?」

 

「そうだな・・・ご飯はどうするんだ?」

 

ふと外を見ていると、もう既に暗闇が辺りを覆っていた。

 

「帰ってから作ろうかなーと思っている。」

 

「それなら食べていかないか?」

 

「それはありがたいんだが・・・深雪はいいのか?」

 

「勿論です。」

 

「ジブリールもそれでいいか?」

 

「佑馬がいいなら。」

 

「なら、よろしく頼む。俺も何か手伝わせてくれ。」

 

「じゃあ、お願いしますね。」

 

そのまま台所へと向かっていく深雪と佑馬。

 

達也とジブリールはソファーに座ってお茶を飲んで出来るのを待っていた。

 

その後、食べ終わったときにそのまま泊まって行かないか?という話になり、寝具と着替えを家から持ってきた佑馬とジブリールは、そのまま司波家に泊まった。

 

ジブリールは深雪の部屋で共に所謂ガールズトークを、佑馬は達也の部屋で現在製作中だという飛行魔法のデバイスを見せて貰い、いろいろと試行錯誤しながら、夜を過ごした。




空間転移の理論は独自解釈とご都合主義です。

よく確認してみると、最強ではないにしろチートですね。

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