[2]魔法科高校の世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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リゼロについての活動報告、ジブリールが欲しいという意見が多数。

このシリーズがもはや
ジブリールから始まる異世界生活
になってしまっているような。

一から……いいえ、ジブリールから!

戯言はここまでにして、九校戦編いきます。


九校戦編
九校戦


十文字に目を付けられる、その後も誰かに監視をされるというめんどくさいことにはなったが、その後の処理は迅速に行われ、今回参加した生徒に罪はなく、むしろ被害者ということで精神のケアがされている。

 

そしてそこからは平凡にして非凡な日々を送る二人。

 

途中、定期テストという前世ではとてつもなく嫌な思い出があるが、素晴らしい特典とジブリールと共に、本気で一位を取りに言った。

 

テストも終わって一週間たったころ、達也が生徒指導室に呼び出され、レオとエリカに誘われたため、途中で会ったほのかと雫とともに、生徒指導室の前で待っている。

 

「なぁ、なんで達也は指導室に呼び出されたんだ?」

 

レオの疑問はもっともだろう。

 

達也は褒められはすれど、指導を受けるようなことはしていない。

 

しかし、その疑問に佑馬が答える。

 

「たぶん定期テストの結果だろ。」

 

「定期テスト?」

 

そう、それは今回の定期テストに問題があった。

 

それは文字通り、根本的に。

 

魔法科高校の定期試験は魔法理論の記述式テストと魔法の実技テストにより行われる。

 

その一方、語学や数学、科学、社会学等の一般学科は、普段の提出課題によって評価される。(佑馬とジブリールは先生やクラスに授業をしているということもあり、評価は最高点。)

 

記述テストが行われる魔法理論は、必修である基礎魔法学と魔法工学、選択科目の魔法幾何学、魔法言語学、魔法薬学、魔法構造学から二科目、魔法史学、魔法系統学のうち一科目の合計五科目。

 

魔法実技は魔法式を構築する速度、構築し得る魔法式の規模、魔法式が『事象に付随する情報体』を書き換える強さ、この三つを合わせた総合的な魔法力を見るものの四種類。

 

成績優秀者は学内ネットで氏名を公表される。

 

一年生の成績も無論、公表済みだが、今回はそこに問題、というより、前代未聞のことが起きていた。

 

総合点

 

同率一位 E組 中田 ジブリール

 

同率一位 E組 中田 佑馬

 

三位 A組 司波 深雪

 

四位 A組 光井 ほのか

 

五位 A組 北山 雫

 

つまり、二科生が総合一位を取っているのだ。

 

しかも、二人、満点で。

 

そしてさらに理論。

 

同率一位 E組 中田 ジブリール

 

同率一位 E組 中田 佑馬

 

三位 E組 司波 達也

 

四位 A組 司波 深雪

 

五位 E組 吉田 幹比古

 

トップファイブうち、四人までもが二科生となっている。

 

そして更に、一位は満点、二位と三位との差は平均点が10点以上離れているという事態にまで。

 

そして、指導室から達也が出てきた。

 

「達也。」

 

「レオ……どうしたんだ、皆揃って。」

 

出てきた瞬間、レオが話しかけ、達也は何故皆揃っているのか分かってないような表情を浮かべる。

 

「どうした、ってのはこっちのセリフだぜ……指導室に呼ばれるなんて、一体どうしたんだよ?」

 

そして、その質問になるほど、という表情に変わった。

 

「実技試験のことで訊問を受けていた。」

 

「……訊問とは穏やかじゃねぇな。何を訊かれた?」

 

「要約すると、手を抜いていたんじゃないか、って疑われていたようだな。」

 

「おい、そのことを聞いた教師はまだこの部屋にいるか?」

 

予想通り、定期テストのことだったが、佑馬はそんなことは気にせず、教師がいるかどうかを聞き、

 

「あ、ああ。まだいると思うが。」

 

と、いう達也の言葉を聞いた瞬間。

 

「失礼します。1-E 中田 佑馬です。」

 

部屋に入った言った。

 

「……ジブリール、佑馬は何をしにいったのかわかるか?」

 

ここ数ヵ月でようやく呼び捨てで呼ぶ仲になったジブリールと達也たち。

 

ジブリールは佑馬以外はしっかりと敬称をつけているが、そこに関しては誰も何も言わなかった。

 

「恐らく、脅しですね。」

 

「脅し……?」

 

エリカが首を傾げた瞬間。

 

ガチャ、っと扉が開いた。

 

そしてそこから見えたものは。

 

……土下座をしている教師だった。

 

「本当にすみませんでした。もうしませんのでどうか、どうか授業は受けさせてください。」

 

「……今回は情けをかけてやる。次はないからな。」

 

その言葉を聞いた瞬間、

 

「ありがとうございます!」

 

と、教師が言ったのを確認して生徒指導室から出てきた佑馬。

 

「教師を土下座させるって、一体何言ったんだよ……。」

 

呆れ顔でレオに聞かれたが、

 

「生徒の気持ちも考えずにそんなこと言ってるやつに、勉強を教えてやる義理は無いって言っただけだ。」

 

と、何か問題か?という感じで答えた佑馬。

 

「え、ちょっと待って。授業しないってだけで土下座までしていたの?あの教師。」

 

「え、うん。それだけだよ。」

 

エリカの驚いたような質問に、それだけ、と答えた佑馬だが。

 

「教師が土下座までして受けたい授業って何だよ……。」

 

「佑馬、今度家に来てその授業を俺たちにもしてくれないか?」

 

レオはまた呆れ顔で、達也は結構真面目な雰囲気でそう言った。

 

「おう、またCADについても話したいことがあるしな。」

 

「そういえば、もうすぐ九校戦の時期じゃね?」

 

達也の要望を受け入れたとき、CADで連想したのか、そういったレオに達也は頷きながら、

 

「深雪がぼやいていたよ。作業者とか工具とかユニフォームとか、準備するものが多いって。」

 

「深雪さん、ご自身も出場なされるんでしょう?大変ですよね。」

 

美月が見せかけではなく深雪を案じる言葉を口にすると、

 

「深雪なら新人戦なんて楽勝っぽいけどね。むしろ準備の方が大変そう。」

 

エリカが半分反論、半分同調するセリフを返した。

 

「油断はできない。今年は三高に一条の御曹司が入ったらしいから。」

 

これまで静かに静観していた雫は、そこで会話に参加した。

 

「へぇ……」

 

「一条って、十師族の一条か?」

 

エリカもレオも自分達の年次に十師族の直系がいるのは初耳だったらしく、結構本気で驚いている。

 

「そりゃ強敵かも。それにしても雫、ずいぶん詳しいのね?」

 

「雫はモノリス・コードのフリークなのよ。だから九校戦も毎回見に行っているのよね?」

 

エリカの疑問に答えたのは、これまで会話に参加したくても参加できなかったほのかだった。

 

「……うん、まぁ。」

 

ほのかによって代弁された答えに、相変わらずの無表情のなかにも、若干照れくさそうに頷いた。

 

「確かカーディナル・ジョージもいたなー。」

 

「そう、カーディナル・ジョージと一条の御曹司のコンビは、無敵と言ってもいいほどの組み合わせ。」

 

佑馬の一言に即座に反応した雫。

 

その反応をみて、佑馬は少し口を吊り上げながら。

 

「……雫。その二人、俺が倒してやろうか?」

 

と、言った。

 

笑ってはいるが、目は真剣に。

 

「……出来るの?」

 

「出来るっていうより、余裕かな。」

 

雫の疑問にも、目は相変わらず真剣に答える。

 

「十師族だろうが天才カーディナル・ジョージだろうが関係ない。俺は誰にも負けないからな。」

 

その言葉を聞いて、雫は一回、小さく頷いて。

 

「わかった。楽しみにしてる。」

 

と、言った。

 

「十師族というか、戦略級魔法師でも佑馬君たちには勝てないんじゃないの?」

 

一連のやり取りが終わったあと、恐らく冗談で言ったであろうエリカの言葉に反応したのは、ジブリール。

 

「佑馬が負けることはありえないことでございますね。佑馬を倒すなら、それこそ地球を破壊出来るレベルではないと。」

 

「……冗談で言ってるよね?」

 

ジブリールがちょっと危険なラインまで真面目に言ってしまったために、エリカが半信半疑で聞いてきた。

 

(ジブリール。今はまだ早い。冗談で済ませておけ。)

 

(申し訳ございません。佑馬のことを自慢したくなったのでつい。)

 

脳内で会話をした後、ジブリールが満面の笑みで。

 

「勿論、冗談でございますよ?」

 

と、言ったことにより、和やかなままその場は収まった。

 

達也はその言葉を無表情で聞いていたが。

 

◆◆◆

 

ほとんどが佑馬とジブリールで授業を行っているなか、体育は専用の教師がついているため、しっかり生徒として授業を受けている。

 

今日の授業はレッグボール。

 

フットサルから派生した競技で、無数の小さな穴の開いた透明な箱でフィールドをすっぽりと覆ったフットサルで、選手は頭部保護のヘッドギアを着け、ヘディングはハンドと同じ扱いで禁止となっている。

 

魔法を併用した競技として行われることもあるが、通常は魔法を使わないルールで試合が行われており、今回の授業もそのルールで行われている。

 

レッグボールでは、反発力を極端に高めた軽量ボールを使用しており、フィールドを囲う壁と天井にもスプリング効果を持たせてある。

 

競技内容からわかる通り、かなり派手な競技のため、観るスポーツとしても人気が高い。

 

今も休憩中の一年E組と一年F組の女子生徒が、自分達の授業はそっちのけで声援を送っている。

 

佑馬は何か言われるまで参加しないで、その場の情勢をただ見ており、E組はレオ、達也、吉田幹比古の三人を主体に戦っている。

 

「佑馬!そろそろお前も参加しろ!四対五はさすがにきつい!」

 

「ういっす。」

 

突進しているレオから呼び出されたため、佑馬はコートの真ん中に入った。

 

レッグボールで使用されるボールは反発力が極端に高いため、サッカーやフットサルのようなドリブルは難しい。

 

「佑馬、パスだ!」

 

だが、それは普通の場合だ。

 

「ほい、どうも。」

 

高反発のボールを胸でトラップして、天井にぶつけて足で受け止め、佑馬はそのままドリブルして相手を全員抜き去る。

 

「まぁ、こんなもんか。」

 

そして、そのままゴールを決め、女子生徒から歓声が上がる。

 

「……えっぐ。」

 

そのプレイをみて、レオは驚き、

 

「やっぱり人間じゃないな。」

 

達也はある意味妥当な評価を与えていた。

 

試合も終わり、達也は幹比古の元へ、佑馬は観戦していたジブリールの元へと向かった。

 

「佑馬、お疲れ様。」

 

「おう……って、一ついい……?」

 

そして、微妙な違和感を佑馬は覚えた。

 

「なんでございましょうか?」

 

「ジブリールってもっとくびれていたと思うんだけど、なんで腹と肩幅がそんなに変わらないの?」

 

「あ、これはですね……やっと、私たちの間にも……。」

 

そう、スタイル抜群のジブリールのくびれがなく、腹のあたりが妙に膨らんでいたのだ。

 

そして、妙に照れながら言うジブリールだが、

 

「……そういう面白い冗談はいいから、本当のことを言おうか。」

 

「翼を巻いているからでございます。」

 

あっさりと白状したジブリールにため息一つ。

 

「……認識偽装魔法かけるから、背中から翼出そっか。」

 

「なら、お願いします。」

 

佑馬は認識偽装の魔法をジブリールにかけて、外側からはいつものスタイル抜群なジブリールが見えるようにして、実際は背中からしっかりと翼を出しているという状況が出来た。

 

だが、特殊な眼があればそれは見えてしまうため、

 

「あー、達也には完璧に気づかれたな。」

 

「そのようでございますね。」

 

達也がこちらをずっと見ていたため、今度家で伝えることをジェスチャーでしたら頷いて再びレオと幹比古との会話に戻った。




佑馬はクラウド・ボールとモノリス・コード

ジブリールはアイス・ピラーズ・ブレイクとクラウド・ボール
に出場させる予定です(ミラージ・バットからクラウド・ボールに変更しました。)

クラウド・ボール、モノリス・コード無双は待ったなしですね。

ちなみにですが、霊子放射光過敏症では偽装は見破れません。

活動報告のアンケートの方もお願いします。

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