[2]魔法科高校の世界にチート転生者がきたようです 作:型破 優位
追憶編、最後です。
「そーいえば、何処だったっけなー。」
空間転移をしたはいいのだが、よくよく考えたら司波家の家を知らない佑馬。
ぶらぶら歩いていると、
「ん、あれは・・・」
中学生くらいの少年、
司波達也がいた。
「確か外の確認させられてたんだよな・・・ついていくか。」
とりあえず着いていけば着くだろう、という結論に至り、着いていくことに決めた佑馬。
その時、何の前兆もなく達也が全速力で戻っていった。
「ふむ、中学生にしては速いとかそういうレベルじゃねーよな、この速さ。」
陸上選手並みのスピードで疾走していく達也を気配を消しながら追いかける佑馬。
そしてすぐに一つの家が見え、そこから銃声が鳴り響く。
「火薬の臭いが強いなぁ。これは深雪達が打たれたときのやつかな?」
達也が中に入ると同時に、凄まじい量のサイオンを眼が拾った。
「この量はすごいな、本当に。」
一応家に上がり込んだ。
達也は母、司波深夜とそのガーディアン桜井穂波に左手のCADを操作して、『再生』を使った。
「ふむ・・・これが魔法式か・・・なんとかいけそうだけど、俺も無駄遣いを気にするレベルでサイオンが減るな。」
固有魔法とそうでないけど使える者。
得意な人と普通に出来る人の効率のよさが違うように、サイオンの量も変わる。
つまり、使うとしたら限りなく近い完成形は使えるが、完成はしていないし、サイオンも達也のよりも大きくなる。
「これは・・・信じられない・・・ッ!?誰ですか!?」
そこで眼を覚ました桜井穂波に存在がバレた。
「おや、バレちゃった?いやいや、怪しいものだけど敵ではないよ。」
そんなこと言っても当然警戒が薄れるはずもなく、怪しいものと認めた時点で警戒を怠るなと言ってるようなもので、それぞれがCADを構えている。
「じゃあ、俺は帰るか。」
そう言って戻ろうとしたとき、
「逃がすとでも?」
司波達也が扉の前に立ち塞がっていた。
「困ったねー。あ、それとさ。」
そこで、司波達也をジッ見ながら
「桜井穂波さん、俺に魔法を打つのは得策じゃないから、その操作しているCAD、やめようか。」
その言葉に、一同が驚愕する。
桜井穂波を知っていること。
見てもいないのにCADを操作しているに気づいていたこと。
そして、
「まぁ、扉から出る必要がないんだけど?」
そう言って虚空に溶けるように消えるその男に。
ただ呆然と立ち尽くすしかない達也、深雪、穂波だった。
「うーん、出来れば『分解』も見たいんだよなー。」
とりあえず転移して外に出た佑馬、少し遠くのほうで悲鳴が聞こえるってことは、そこにジブリールがいるのだろう。
「はぁー、向かうか。」
少しハメを外しすぎてないか確認するために、ジブリールの元へ向かった。
「・・・まぁ、こうなるわな・・・。」
結果は予想通り、見事に全滅。
「あ、佑馬!佑馬も殺りますか?」
「ジブリール、少し落ち着け。殺りすぎだ。」
いくらなんでも殺りすぎだった。
「はぁ、まぁいい。そろそろ艦隊が来るから、それまで少し図書館にでもいこうか。」
「そうでございますね。」
「まずその血落としてからな。」
そうして、一旦家に戻って、その後図書館に転移した。
それから約1時間ほど。
「・・・そろそろだな。」
読んでいた本を閉じて立ち上がる佑馬。
「そろそろ来るんですか?」
「ああ。」
それに続いて本を閉じるジブリール。
「よし、とりあえず行こう。」
「了解でございます。」
そして、再び沖縄へと転移した。
沖縄についたとき、回りは戦艦に囲まれていた。
「あれ、確か原作だと6,7隻くらいだったと思うんだけど・・・これ20はおるよね・・・こいつのせいか。」
原作と比べて明らかに多い数なのだが、ジブリールが変に暴れまわったせいと決めて、一応達也達を探す。
案の定近くにいた。
「誰だ貴様!」
近くにいた軍人・・・柳だったかな。
が、CADを向けながら近づいてくるので
「そんな物騒なものは取り上げな、話を聞けよ。」
とりあえず、CADを取り上げた。
「なッ!?いつの間に・・・返せ!」
「だから話聞けって、返すから。」
「話とはなんだね?」
そこでもう一人の軍人、風間・・・この頃は大尉か。
「俺とここにいる連れであの艦隊、沈めてきましょうか?」
「・・・そんなことができるのか?」
「余裕です。そちらは任せてもよろしいですよね?」
「わかった。協力して貰えるのなら是非頼みたい。」
なんとか許可を貰えた。
「じゃあ、やってきますか。」
そして、そこを後にした。
「ジブリールは南を頼む。俺は北をやる。」
「了解しました。」
そしてそっちに向かおうとしたジブリールに。
「・・・全力の天撃打ってもいいからな?」
と、言った。
「ありがとうございます。」
一言、お礼を言って虚空に消えるジブリール。
「さて、俺も今回は派手にやりますか。」
とりあえず、北へと向かった。
その頃、南ではジブリールが手に力を収束させていた。
「さて・・・せっかく許可も出たことですし、使えるときに使っておかなければ勿体のうございますが・・・加減はしないとですね。」
そのまま艦隊を見据えて、
「それでは、30%の天撃、参ります。」
そのまま降り下ろした。
辺りが白く光、大爆発とともに轟音が鳴り響く。
爆発が収まったころに海を見てみると。
蒸発。
戦艦は全滅、海というものはそこになく、地面が半径1kmに渡って広がっていた。
「やっぱり力が使えるっていいですね。」
そう言い残して、佑馬の元へと向かった。
そして佑馬。
須佐之乎に黒い翼の格好をし、弓を射る構えしていた。
「これが俺の現在の最強の技だ。」
そのまま、戦艦に向かって放つが、
それは戦艦の上で止まり、
「バーン。」
黒い物体が辺りのあらゆるものを吸収していく。
所謂、ブラックホール。
戦艦も、海も、その下の地面も、次々と吸収されていく。
「ここいらで止めるか。」
再び弓を射る構えをして、放つ。
その矢はブラックホールの中心に向かっていき、それを砕いた。
その砕かれたブラックホールは何かに引きずられるように空気に消えていき、何も残ることはなかった。
この日、3つの戦略魔法と、三人の戦略魔法師が誕生した。
一つは「質量分解(マテリアル・バースト)」
もう一つは「天空粉砕(スカイ・バースト)」 通称「天撃」
そしてもう一つが「永遠漆黒(エターナル・インフィニティ)」 通称「ブラックホール」
最後厨2入りました。
命名は適当ですので、通称の方を基本的に使っていきます。
次から入学編です。