[2]魔法科高校の世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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劣等生の人気の高さを実感しています。


秘密と秘密

あそこで話しても意味がないと判断した佑馬は、入学式会場に向かった。

 

そして、そこで目にしたのは、

 

「これはこれで、ある意味すごいよなー。」

 

上が二科生で下が一科生となっていたのだ。

 

「まぁ、まだ変に目立つつもりはないし、出口が近いから後ろでいいや。」

 

めんどくさい、という理由で一番後ろに座る佑馬。

 

ジブリールも、後に続く。

 

席に座ったとき、誰かがこちらに向かってきた。

 

「おい、置いていくなんて酷いじゃないか。」

 

「おう、おかえり。」

 

先程見捨てた達也だ。

 

「まぁいい。隣に座っていいか?」

 

「勿論。」

 

ちなみに、ジブリールはスクリーン型の本を読んでいる。

 

マナー違反ではあるが、咎める者はいなかった。

 

そこで佑馬も端末を広げようとしたとき、隣のほうで

 

「あの、お隣空いていますか?」

 

という言葉が聞こえ、達也がこちらを見ていた。

 

構わない、という頷きをすると、

 

「どうぞ」

 

と、達也は言った。

 

ふむ、女子生徒四人だが、その内二人は知っていた。

 

(柴田美月と千葉エリカか。)

 

原作キャラだが、それ以上の興味は無くなった。

 

「ねぇ、そこの君たちは?」

 

そこで赤髪の少女、千葉エリカが話しかけてきた。

 

「ん、俺は中田佑馬、こっちにいるのは中田ジブリールだ。」

 

「・・・そ、そう、よろしくね、佑馬君、ジブリールさん。」

 

いきなり名前呼びだが、まぁ同姓だから仕方ないだろう、と区切りを付けた。

 

・・・ジブリールの紹介のときに少し顔をひきつらせたのは見間違いではないだろう。

 

「佑馬君とジブリールさんって、兄妹?」

 

「いや、俺たちは婚約者だな。」

 

「そうでございますね。」

 

「「「「「・・・え?」」」」」

 

みんなの目が驚愕に染まった。

 

何故かわからなかったが、その答えはすぐ知ることとなる。

 

「名字が同じなのは・・・偶然?」

 

「ああ。いや、同じ家の養子に取られたからだよ。」

 

「なるほどね・・・」

 

微妙な空気が流れ、そこで会話は終わってしまった。

 

入学式が始まり、新入生総代、司波深雪の答辞が始まった。

 

その答辞には、「皆等しく」とか「一丸となって」とか「魔法以外にも」とか「総合的に」などの際どいフレーズが多く組み込まれていたが、それを上手く建前で包んでいた。

 

「達也の妹の答辞、絶対に達也のこと気にかけての言葉だよな。」

 

その問いに、警戒を高める達也。

 

「・・・何故俺と深雪が兄妹だってわかった?」

 

「え、そうなの?じゃあ、双子?」

 

「よく訊かれるけど、双子じゃないよ。俺が四月生まれで、妹が三月生まれ。と、いうより、佑馬はなんでわかったんだ?似てもないし、司波という苗字も珍しくないのに。」

 

「いや、結構珍しいけどな。なんでわかったかねぇ。」

 

波風立たないようにするのも可能だが、それでは詰まらない。

 

ならば、

 

「姿勢が二人ともいいし、答辞の時に少し反応が豊かになったこと、後はオーラかなぁ。」

 

あえて、警戒させた方が面白いに決まっている。

 

「そういうことか。よく見ているんだな。」

 

達也の警戒度がMAXになったところで、入学式は終わり、IDカードを受け取りに行く一同。

 

「司波君達は何組?」

 

「E組だ。」

 

「俺たちもE組だな。」

 

その答えに

 

「やたっ!同じクラスね。」

 

跳び跳ねて喜ぶエリカ。

 

「私も同じクラスです。」

 

美月も同じような顔をしていた。

 

「あたし、F組。」

 

「あたしはG組だぁ。」

 

他の二人は違うクラスだが、なんの問題もなかった。

 

同じクラスになったあたり、神がなんかしたのだろう、と思う佑馬だが、そこらへんはありがたく感謝しておく。

 

「よし、じゃあ俺らは帰るわ、また明日。」

 

「りょーかい、また明日ー。」

 

その言葉を最後に、佑馬とジブリールはその場を離れた。

 

少し寄る場所があるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校からの帰りに、佑馬とジブリールはある寺によった。

 

(木陰に数人、その内一人は注意しないと気づかないぐらいだな。)

 

そう、その寺は、あの忍術使い、九重八雲がいる寺だ。

 

「あのー、そこにいる数人の方達と、坊主頭の人、出てきて欲しいのですが?」

 

「おや、それで隠れていたつもりなのでしょうか。私には姿を見られたくないけど存在はアピールしたい、照れ隠しかと思っていたのですが。」

 

どうやらジブリールも気づいていたようだ。

 

「・・・結構本気で隠れていたんだけど、君たちは一体何者だい?」

 

木陰から出てきた数人のうち、坊主頭の男、九重八雲が前に出てきた。

 

「俺は中田佑馬、こっちはジブリールだ。」

 

「その制服は一校のだね。本当に何者だい?」

 

表面上は穏やかに笑っているが、警戒は怠っていない八雲。

 

「いやー、一つ忠告をしようと思ってさ、ちょっと来てくれない?」

 

その言葉に、訝しげな表情を浮かべて、近寄ろうとはしない。

 

当然のことだが、

 

「・・・司波達也について。」

 

「ッ!?」

 

その言葉に、さらに警戒度を上げながらも近づいてきた。

 

「うん、ありがとう。それじゃあ忠告、というよりも交換条件だ。」

 

そこでトーンを落として、

 

「司波達也、司波深雪の内事情、四葉のことは黙ってやるから、こちらのことを調べたりするようことはするなよ?この情報は達也と深雪にのみ、話してもいい。」

 

「ッ!?・・・わかった。」

 

そして、また声のトーンを戻して口を吊り上げながら、

 

「じゃあ、今度は稽古でもしてもらいにこようかな。」

 

と、言いながら去っていった。

 

その姿を最後まで見ながら、

 

「彼らは一体、何者なんだ・・・。」

 

とりあえず、稽古をしてあげる、というよりも、してもらう、という風になりそうなことと、完全なまでの力の差を感じ取った八雲。

 

「こりゃ、参ったねぇ。」

 

そう呟きながら、寺へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから家に戻った佑馬とジブリールは、新しい魔法を開発していた。

 

「魔法は全系統使いこなせることはわかったから、後は俺らの専用魔法を作らないとなー。」

 

「そうでございますねぇ。」

 

今この世界で佑馬とジブリールしか使えない魔法はいくつもあるが、さらに増やそう、と考えているのだ。

 

現在、二人だけしか使えない魔法は

 

『空間転移』

 

『天撃』

 

『飛行魔法』

 

の三つで、

 

佑馬だけが使える魔法が

 

『ブラックホール』のみ。

 

他にも『天照』とかはあるのだが、魔法ではないので数には入れない。

 

「三年前に『再生』は見たから、後は『分解』も見たいんだけど・・・失敗したよなぁ。」

 

そう、佑馬は再生が使える。

 

簡単に言えば、フラッシュ・キャストだ。

 

「んー、再生と俺の能力で出来るのとねぇ。」

 

身体能力は、細胞が常に活性化を繰り返しているため、寿命で死ぬことはなくなっている。

 

一方通行は万華鏡写輪眼を使えば黒い翼を出せるし、須佐之乎に合わせることも出来る。

 

眼の方は、写輪眼の能力は全て使える。

 

サイオンは日本を軽く覆うレベルだ。

 

「でも、サイオンは一応限りがある・・・なら、回復させればいいのか?」

 

サイオンの回復。

 

通常は時間が経てば回復するのだが、それを即刻回復させる魔法。

 

「うん・・・面白い。」

 

「なるほど・・・それなら確かに永遠に魔法を使えますからね。」

 

ジブリールも、サイオンの保有量はとてつもなく大きいので、それを回復しながら強力な魔法を連発することが出来るこの魔法なら、ほぼ死角はない。

 

「よし、じゃあ作ってみますか!」

 

それから、徹夜で試行錯誤が繰り返された。




達也達の警戒度をMAXまであげていくスタイル。

そして、新たな新魔法完成=チート化

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