Side リョウ
俺の名前はオオカゲリョウこと
「おはようございます!」
「ああ、おはよう。さきちゃんは朝から元気だねぇ〜」
「おいおまえ!はやくどうぎにきがえろ!わたしとしょうぶだ!!」
俺の挨拶に反応したのはここの道場の師範代の奥さんとその子供だ。俺は師範代の子供に目をつけられている。理由は簡単だ、俺があの子を完膚なきまでボッコボコにしたからだ。正直、大人気ないとは思っている。
だが本気で来いと言ったのはあの子だから、俺は後悔をしていない。しかも今の状態の俺がどれだけ動けるかを知れるイイ機会だったしな。ちなみに今でも結構思うように動けた。子供のレベルでだが。しかし、体力が地獄時代と比べて格段に劣るから直ぐにへばった。だから俺はここの剣道場を習うことで体力をつけて、この剣道場の流派を会得する…ていうか、一石二鳥?
「きがえたのならさっさとぼうぐをつけろ!」
「うるさいなぁ。スグにつけるからしずかにしてろ、まけいぬ」
「なっ!?そんなことにどといえなくしてやるぅ!!」
この子の名前は
「うわぁああああん!!またこいつにかてなかったよぉおおおおおお!!!」
ヤバい、今日は調子に乗りすぎて何時もより強く心を折りにいってしまった!篠ノ之の母親とか師範代に見つかったら俺が泣かしたみたいに思われるじゃないか!?(言い逃れが出来ない程、紛れもない事実です)
うん?ちょっと待てよ…?篠ノ之の泣き顔ってスゲェ可愛いな。オラゾクゾクすっぞ!!
って!俺は何を思ってるんだよ!何か泣き止ます方法はないのか!?ていうか子供ってどうやったら泣き止むんだぁ!?俺が今持っているものは首にかけたタオルと右手に持つ竹刀のみ…タオルを使って涙を拭けって言うか?だがタオルに染みついた俺の汗の臭いがクサいと言われてみろ!?俺の心がボッキボキに折れるぞ!ええい、背に腹はかえられんッ!!
「お、おい…これでなみだをふいとけよ」
「うるさいっ!おまえにわたしのきもちのなにがわかる!?」
Oh…俺のタオルが拒否されてしまったぜ。これは言葉でゴマかすしかねぇか。
「わかるよ。おれだってしののののしらないところでなんかいも、なんかいもまけてきた。それでもあきらめずにがんばったからいまのおれがいるんだ」
ウソは言ってないよな?地獄ではイヤってほど負けてきたが諦めずに頑張った。だから、今ここに俺が存在するんだ。まぁ、この世の中にそれを知る人はいねぇからウソっぽく聞こえるのは仕方ねぇか…
「お、おまえも…わたしとおなじ?」
良し、篠ノ之は上手いこと信じてくれたぜ!流石は子供だな、純真無垢で人のことを信じやすい。
「そうだよ。そしておれがいまのしのののみたいにあきらめようとしてたときに、ささえてくれたことばがある」
「なんなのだ?その…ことばとは?」
「なんとかなる。どんなにしんどいときでも、どんなにイヤなことがあってものりこえられる。そういういみだ」
「なん、とか…なる。なんとかなる…いいことばだな」
「そうだろ。だからないちゃダメだよ?しのののはないてるときよりもわらってるときのほうがイイんだから」
「なっ!?い、いい!いきなりなにをいうのだ!」
あっ、ヤバ…最後の一言余計だったかもしれん。まぁイイか。俺は思っていたことを口に出しただけだからな。これも全ては前世で見たことのないレベルの可愛さを誇る篠ノ之が悪い。うんそうに違いない。あれ、ちょっとキャラ崩壊が起きてる気がするがきっと気のせいだろう。決して、久しぶりの同年代の女の子に飢えてるからでは決してない!そう、決して!!
「お、おまえはわたしのことをいつまでしのののといっている!?」
「ん?どしたのきゅうに」
「しのののはここになんにんもいるだろ!?だからわ、わたしのことをほうきってよべ!!」
コ、コレが噂によるツンデレなのか…?3次元でも破壊力抜群だな。ただし可愛い女の子に限るが。
「じゃあ、あらためてヨロシク。ほうき」
「こ、こちらこそ…よろしく……さ、さき」
おお、可愛い女の子に下の名前で呼ばれるのは心がグッときますな!今俺は転生して初めてッ!猛烈に感動しているぅ!!転生生活サイコー!!
あー時間は進みましてわたくし加藤俊希、小学生になりました!イェーイ、ドンドンパフパフ!!
いやぁ、ここまでくるのがまぁ長かった。そりゃあ地獄時代に比べると100分の1程度の時間だったが、体を満足に動かせない赤ん坊時代に、常に親が見ているから子供レベルのことしか出来ない幼年期。言われてくれ、退屈過ぎた。
だが、そんな時代も終わりを告げた。俺は先ず医学の本の中で簡単なものを片っ端から読み漁ってやるんだ。そうすることで
そして、俺の隠れてやることのメインとなるのはやっぱりO.S.を出してのトレーニングだよな。今は俺の手元にオラクルベルがねぇから具体的な巫力の値が分からねぇけど、トレーニングは欠かさずやっといた方がイイだろ。巫力はそんな一朝一夕に増えるものじゃねぇってのは理解してる。だが、少しでもO.S.を長く出してねぇと勿体ねぇじゃん?ね??まぁ今は手元に竹刀しかないから出せてもスサノオウだけだがな。
ていうか転生してから思ったんだが、フツノミタマノツルギの代わりになりそうなものって一体なんなんだ?あれの代用品だけが未だにピンとこねぇんだが。どうすっかなー?
「やーい、男女!今日も学校に木刀もってきてんのかよー」
「これは木刀ではなく竹刀だ!」
「男女のくせにリボンしてんじゃねーよ!」
「リボンは、その…許せ」
「うわー男女がてれたぞー!」
「「「うわーうわー」」」
「うるせえよ!そうじぐらいだまってしろよ!!」
小学校に通い始めて大体3ヶ月経ったとある日、俺は教室の掃除を黙々としていた。ここには男女男女って言われてる箒と男女男女って言ってるモブ3人、後は最近姉に連れられて篠ノ之道場の門を叩き、モブに黙れと言った
「おまえ、男女をかばうのかよ!」
「いいからだまってそうじしろ!!」
「もしかして男女のことすきなのかよ〜?」
「おりむら、そんなやつらにかまうな」
「まさかふうふってやつじゃねーのおまえらー!?」
「「「やーいやーい、ふうふだふうふー!!」」」
何か子供のイジリというか理論が突拍子もねぇな。もうオジさんには理解が出来ん…その理論だと世の中重婚者で溢れるし、何だったら人間の99%は既婚者になっちまう…ふっ、暴論もいいとこだな。ていうか、子供の言ってることにマジレスするとか俺キモチワリィな…
「お、おまえらなー!!」
「やーい、男女のだんながおこったー!」
「「「やーいやーい!!」」」
一夏は我慢の限界がきたらしく、モブ1に向かって拳を振りあげようとしている。ここは止めるのが正解だろうな。一夏が殴ろうとしてるのは顔面だろうからキズが見えるところに出来ちまう。つまり、親が介入してくるってことだ。モブ1の親がモンスターペアレントだったらかなり面倒だ。
「おい、さき!なんでおれをとめるんだよ!?」
「かおをなぐるつもりならやめとけ。みえるところにキズがついちまう。それじゃあダメだ」
「だったら!」
「まぁみてろ。おまえら、ほうきを男女よばわりしたことをごめんなさいしたらゆるしてやるよ」
「おまえも男女をかばうのか!」
「あはははははぁ!こいつまさか男女のことがすきなんじゃねーの!?」
「ほ、ほほほんとうなのかささ、さき!」
おいぃぃぃぃぃ!何で箒は顔を真っ赤にして俺に詰め寄ってくるんだぁ!?何かモブ3人を始末する気がうせちまったんだけどそれより顔近い近い近い!!
「うわーおまえらもうふうふじゃねーかよ!そんなにかおあかくしてよー」
「「「ふ・う・ふ!ふ・う・ふ!!」」」
「ぅぅぅううううっ!!」
ヤ、ヤバい…服の裾をギュッとしながら顔を耳まで真っ赤にして下を向いてる箒可愛い!!こんな箒を見させてくれてサンキューな、モブ3人。だがしかし!ちょっとおいたが過ぎたな。箒にこんな辱めを受けさせて綺麗な身体で帰れるとオモウナヨ?
ガシッ!!
「オマエラにはとっておきのオーシオーキターイム⤴︎」
「「「ひぃぃっ!!」」」
俺はモブ3人の内2人、モブ1と2の頭を掴んで身体を浮かした。まぁコレぐらいは誰でも出来ることだ。(普通出来ません)
「いしょはかいたか?かみさまへのいのりは?おつうやのじゅんびは?こころのじゅんびは?おれはできている。オマエラをオシオキするじゅんびをナァ」
ギュギュギュッ!!
「「ぎぃやあああああああああ!!!」」
俺は手に持つ頭に力を思いっきり入れてやった。するとどうだろう?モブ1と2の断末魔の叫びをあげたではないか。人間って案外脆いんだな…
俺は5秒程で頭から手を放してやるとモブ1と2がそのまま倒れた。ていうか、痙攣して口から泡を吹いてねぇか?まぁイイか。箒を辱めた罰だ、コレくらいヤられても文句は言えんだろう絶対言わさん言った時はもっとエグいことをしてやる。
「さ、さき…やりすぎたのではないか?」
まだ俺の名前をスラリと言えない箒可愛い!ん?ちょこちょこキャラ崩壊してないかって?そんなの気のせいだろ、俺は気にしない。だからお前も気にするな。
「そ、そうだぜさき!あいつをみてみろよ」
一夏が指を差した方には顔を真っ青にしてションベンを漏らし、身体をビクビク震わせているモブ3がいた。っべーな。どうやら俺はやりすぎたらしい…地獄でボッコボコにヤられすぎて普通の人と感性が外れちまってるなこりゃあ。どうすっかなー?良し、気めた。
「おいおまえ」
「ひ、ひぃぃっ!!イヤダイヤダイヤダイヤダ!!!」
「おちつけ、きょうここでみたものきいたものをぜんぶわすれるなら、ゆるす」
「は、はひぃぃぃぃぃぃ!!」
「よし、いけ」
「はひぃぃぃぃぃぃ!!!」
モブ3はダッシュで教室から出ていった。あれ?あいつランドセル忘れてねぇか?まぁ俺の知ったこっちゃねぇな。後は泡吹きながら痙攣してるこいつらだな。面倒だな、適当に教室をキレイにしてから担任の教師でも呼ぶか。この2人が突然泡吹いて倒れましたーってな。
「よし、そうときまればそうじするかー」
「「なにがきまったんだよ!?」」
俺はテキパキと掃除を終わらせてから担任の教師を呼びに行くのであった。
「はぁ、はぁ…なんとか先生をごまかせたみたいだな」
「そうだな」
「はぁ、はぁ…いまおもうとやったのがさきなんだから、おれやほうきがにげるひつようはなかったんじゃ…」
「ふぅ、たしかにいわれてみればそうだな」
俺達は担任の教師にモブ3人のことを多少の、いや殆どウソのことを言って逃げる様に学校から走ってきた。ここには全く息のきれてない俺と少し呼吸を乱してる箒、はぁはぁ言ってる一夏の3人だ。何かはぁはぁって地文だけで見るとイヤラシイなおい…
「まぁイイじゃねぇか。はしることはたいりょくをきたえるのにつかえるんだ」
「はぁ、それもそうか…」
「おりむら…いきをみだしすきだぞ。さきをみろ、いき1つとてみだしてないぞ。それにわたしをほうきとよぶな」
「おれはさきとちがってさいきんから剣道をやりはじめたんだ。ちょっとはかんべんしてくれ…それにいいじゃねえか、下の名前でよぶくらい」
「わたしはいちどもきょかしたおぼえはない」
「さきは下の名前でよんでるじゃねえかよ」
「さ、さきは!とくべつなのだ……」
特別、か…俺は随分と箒に気に入られたらしい。何で俺は気に入られてるのだろうか?これまで箒にやってきたことは、、、剣道でボッコボコにしたぐらい?かな…それ以外は差し障りのない日常会話しかしてねぇ筈だしよ。それに俺は何時箒に箒呼びを許可されたっけ?ああ、箒を剣道でボッコボコにし過ぎて泣いちゃった時か…あの時から1年は経つのか、時間の流れって早いな。
「まぁまぁ、2人ともおちつけって」
「さきからもいってやってくれよ!下の名前を呼ばせてもらえるようにってさ!!」
「さきからもいってやってくれ!下の名前をよばすことをきょかしないことを!!」
面倒だ…俺はどっちかの味方をしてもどっちかの不満は溜まる。どっちの要望を叶える夢のシステムとかねぇかな?あっ、そうだ。
「なら剣道のしあいできめるってのはどうだ?しあいでほうきがかったらしのののでいちかがかったらほうきでってのは」
「さすがはさきだな」
「さきってあたまいいな」
「これできまりでいいか?2人とも」
「ああ」
「おう!じゃあきょうにでもさっそくやろうーー」
「一夏!!」
「げぇ!ち、千冬姉!?」
一夏の名を呼んだのは一夏の顔をよりキリッとさせたような、そんな顔をした黒髪の癖のある髪型に黒色を基調としたセーラー服を着ている女子がいた。見覚えがありそうでないな…雰囲気的に一夏の姉なんだろう。
「お前は何故この時間になるまで学校に居るのだ?」
「ほ、ほうきがちょっとからかわれてたんだよ!そのせいでゴチャゴチャってなってきがついたらこんなじかんに…」
「そうか。ならいい」
「ふぅー」
「ほぉぉおおきちゃぁああああんッッ!!!」
そんな叫び声が聞こえたかと思うと俺の真横に突風が吹いた。俺の目が捉えた情報によると一夏の姉と同じセーラー服を着た、紫色の髪に長髪で箒の顔をほにゃっとしたような顔をした女子が箒目掛けて何処からかタックルをかました。さっきまでいなかった筈だが突然に、だ。
正直ここまで情報を捉えられたのが不思議で仕方ない速度だった。やはり、ここでも地獄での修行が活かされてるんだな。ありがとう、チョコラブ。
「ね、姉さんっ!?」
「箒ちゃんが帰ってこないからおねーちゃんが向かいに来たよぉー!箒ちゃんって良い匂いするよねぇークンカクンカ」
「に、においをかがないでください姉さん!!」
どうやら箒の姉のようだ。兄弟姉妹か…そういえば俺は前世の頃から1人っ子だな。まぁ別に1人でもいいか、兄弟姉妹がいなくて別に困ることがある訳でもねぇしな。
ていうか、急に1人になっちまったな。箒と一夏はそれぞれの姉と話してたと思ったら、それぞれの姉同士が弟と妹をべた褒めするって流れになってる。箒と一夏の顔が多分恥ずかしさでどんどん赤くなるにつれて、それぞれの姉も顔がどんどん赤くなっていく。コレはアレだな、ブラコンシスコンの醜い争いってやつだな…下手に関わるのは厄介だし、俺はさっさと家に帰るか。
「ねぇー君ぃー?ほうきちゃんはベリーベリーキュートだよねぇー?」
「おれですか?」
「君以外の誰がいると言うのさ?束さんは物分かりの悪い子は嫌いだよ?だよだよ?」
何か知らんが俺は箒の姉に喧嘩を売られてるみたいだな。正直今の俺は見た目小学1年生そのものだ。俺の中身は600年以上の記憶があるジジィ?だが今の言い方にはカチンッて来たな。一体テメェは何様のつもりだ、一応の確認をと聞き返しただけでこうも言われるとは…
良いだろう、やってやる。箒がどれだけベリーベリーキュートなのかを説明してやろう。
「そうですね、まず箒の魅力を語る上で始めに注目すべきポイントは可愛さですね。6歳というまだ子供にもかかわらず整った顔は将来キレイになるのは間違いないでしょう!コレに追加するなら箒の表情でしょうか。剣道を真剣に取り組む箒はこの歳ながら凛々しく感じる反面、照れて顔を真っ赤にする時の箒は正に正義。何故なら可愛いは正義だからですね。コレを見れた日にはテンションはみるみる上昇し心はぴょんぴょんします。表情の話で外せないのはやはり泣き顔でしょうか。俺が剣道でボッコボコにし過ぎて泣いた時は泣かしてしまったと焦る反面、箒の泣き顔に心を打たれたのは懐かしいですね。それとーーーー」
Side 束
私は
それで私とちーちゃんはレーダーに映った場所、ほうきちゃんといっくんが通ってる小学校に来たんだー!私はちーちゃんと第214回『妹か弟か!?チキチキ可愛いのはどっちだ選手権』を開いてて、何気なくほうきちゃんといっくんと一緒にいた男の子に話を振ってみたんだー。
簡単にぶっちゃけちゃうとねー、私はこの子のことが一瞬理解出来なかったんだー。ほうきちゃんがベリーベリーキュートなことを聞いただけなのに、次々と出るほうきちゃんの魅力。しかも、それを普通の小学1年生では言えないような言い回しに言葉遣いでだよ。私は確信したんだ、この子も
「君ぃー、名前は何て言うのかなー?」
「加藤俊希です」
加藤俊希…うん、さきっちかさーくん、さーちゃんかかーくんのどれが良いかなー?うーんうーん…
「束、お前頭でも可笑しくなったのか?」
「むぅ!ちーちゃん藪からスティックに何て酷いことを言うのさー!!」
「お前が自分から他人の名前を聞くなど有り得ん。貴様、まさか束の偽物か…?」
「もぅ!もぅもぅもぅ!!私は正真正銘篠ノ之束さんだよー!ねぇ君ぃー、呼ばれるならさきっちかさーくん、さーちゃんかかーくんのどれがいい?」
「うーんとねぇ、じゃあさーくんで!」
「さーくん!私のことは束さんって呼んでね!!」
私はそう言いながらさーくんに抱きついたよー。何だか後ろでほうきちゃんに睨まれていたり、ちーちゃんが「明日は槍でも降ってくるのか…?」とか真顔で言ってる気がするけど気にしなーい気にしなーい!
「さーくん、今更取り繕ったってバレバレだよ?君が束さんやちーちゃんと同じく
私はさーくんの耳元でこそっと言った。