インフィニット・ストラトス シャーマンな転生者   作:未来凹

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第3話 この馬鹿兎がぁああああ!!!

Side 俊希

 

ふっふっふ、とうとうやってきたぜ中学生の時代がよぉ!と言うわけで、加藤俊希は中学生になりました。コレで俺が剣道部に入って全国にでも行けば箒とついでに一夏に会えるぜ!まぁ俺の剣の腕前だったら余裕でイケるだろうな。

ん?箒は分かるが一夏は何でだって?決まってるだろ。引っ越したんだよ、俺が。簡単に説明すると、箒が何処か遠くへ行ってしまって数日後のとある日だ。俺が家に帰ったら1枚の手紙があったんだよ。内容はこうだ。

『俊希、突然だけど私達夫婦はとある大事件を起こしてくるわ。貴方を育てる事為だけに神様から生み出された私達だけど、貴方を精一杯愛したつもりだわ。だから、貴方を早めに剣道場に入れたし色んな事も容認してきた。

最初は貴方を置いて死ぬ事に何にも感じないって思ってたけど、如何やらそれは違ったみたい。何でかって?貴方を本当に愛してしまったからよ。私はこの日が永遠に来なければいいのにって何度も願ったわ。だけど、とうとうその日が来たみたい。

貴方を置いて死ぬ事を許してとは言わないわ。私達のする事は絶対に間違ってる事だし。だけどね、俊希。これだけは分かって欲しいのよ。神様によって貴方を育てる為に作られた私達だけど、貴方も事を本当に愛していた事を。

加藤希 加藤俊助』

この手紙を読み終わった時、俺の顔がくちゃくちゃになっていて目からは大量の涙が出ていた。俺は正直この世界の母親と父親のことはあまり良く思っていなかった。というよりどうでも良かった。前世の両親は俺を完全に無視して仕事に行ってたにもかかわらず、テストの点数とか成績とか志望校とかには口出ししてきたし。正直ワケワカメ。

だがこの世界の両親は違ったようだ。実感は沸かなかったがこの手紙を見ればイイ両親だってことが、俺をホントに愛してくれてたんだなってことがひしひしと伝わってきた。正直父親の顔は思い出せないがこれだけは言わせてほしい。愛してくれてありがとう、と。

こんなことが会った俺だが親戚中で両親が残した遺産で揉めに揉めた。俺は顔も知らない親戚の家をタライ回しにされて遺産を少しづつ絞り取られたが、結果的に1人暮らしをするハメになった。ホントは俺を遺産目当てでなく引き取ってくれそうなところがあったんだが、そこの家には俺の同い年の従姉妹がいた。それに見るからにカツカツな生活をしてたから遠慮させて頂いた。

そして、小学6年生になった時ぐらいから住み始めたのがココ!埼玉にある土地は広いし広い温泉がある、だが幽霊が出ると言われる曰くつきの物件に住んでいる。おう、言いたいことは俺にも分かるぜ…じゃあ言うからな?ココふんばり温泉の元になった物件やないかーい!!この世界にもココあったんかーい!!まぁ、俺は幽霊は怖くねぇし寧ろこの力を望んどいて幽霊が怖いとかねぇよ…それに俺のO.S.の練習場所近くの墓地だったから幽霊と話しながら特訓してたからな。

これで大体の流れは掴めたと思う。因みにだが今俺の手元にある両親の遺産は約4000万だ。えっ?てなるだろう。コレ元は1億あったんだぜ?しかもドル。俺の父親は一体どんな仕事をしてたのか時々気になる。俺は親戚中をタライ回しにされた時に、親戚の1人1人に金を握らせて俺のやることに口出ししないことを誓わせた。その中で金を受け取らなかったのがさっき言ったカツカツの生活をしている人だったってワケだ。

両親が起こした事件は何だって?それはイギリスで起きた列車爆破事故だ。300名余りの死傷者が出た歴史に残る大事故だ。あの手紙だとアレは俺の両親が起こしたんだよな?神様が関与してるからそこら辺の辻褄合わせはチョチョイのチョイか。だから俺は気にしない。

こんなことを考えてるウチに家に着いたようだ。良し、庭でスサノオウを出しながら素振りでもしてから温泉でも浸かろうかね。こんな感じで俺は剣道の全国大会の日まで過ごすのであった。

 

 

 

 

 

俺は電車の中で何度も名簿を通して確認した。剣道の全国大会に出場する選手の中に俺の名前は勿論箒の名前もあった。一夏の名前は無かったのが少し残念だ。アイツの実力ならギリギリイケるかイケねぇかってレベルだと思ってたがまさか落ちるとは…(一夏はこの大会に出ていません)

まぁ俺としては箒に会えるだけでテンション上がるんだがな。あれから3年も経ったんだな。俺の背はかなり伸びて160cmを超えたし声変わりもし始めてる。俺が加藤俊希だってことを分かってもらえるか不安だな…

ブーブー、ブーブーッ…

俺のズボンのポケットに入れてる携帯が震え始めた。この長さ的に電話だな。だが今俺は電車の中だから電話に出れねぇな。残念だが諦めてくれ。

ブーブー、ブーブーッ…

しつけぇな。俺は電話に出れねぇんだよ、イイ加減察しろよ…

ブーブー、ブーブーッ…ブーブー、ブーブーッ…ブーブー、ブーブーッ…

ああもう分かった分かりました!そんなに電話に出てほしいなら出てやるよ。くだらねぇ用事だったら掛けてきたヤツをシメてやる。俺は携帯の画面を見た瞬間メガテンになった。

『世界の兎さん 1234-567-890-0707』

な、何だこりゃ?この電話番号バグってんのか?桁数多くねぇか?てか世界の兎さんって誰だよナベアツかよ…あっ、まさか何も言わずに突然行方不明になった束さんなのか?俺は電車から降りて恐る恐る電話に出た。

「は、はいもしもーー」

「電話に出るのが遅いよぉー!さーくん!!」

「ウルセェよ!声のボリュームを下げてくださいよ、束さん」

「そんなことはどうでも良いんだよー!」

「いやどうでもよkーー」

「ほうきちゃんが誘拐されたんだよ!!」

「はぁ、誘拐…!?」

「そう誘拐だよ拉致監禁だよー!!ほうきちゃんが亡国何ちゃらって機業に誘拐されたんだよ!キャツラの目的は私の身柄みたいなんだよ…」

バキッ!!(俊希が持つ携帯に亀裂が入りました)

亡国何ちゃらって機業が箒を誘拐拉致監禁…俺は今までにない程頭の中がスゥーっとしてる、先ずは持ち物の確認だ。今の俺は学生服に竹刀、星のマークが入ったゴッツイ黒色のヘッドフォンと靴。鞄の中にはタオルと4日分の着替え、そして星のマークが入った黒色の手袋やベルト。この持ち物で俺が出せるO.S.なスサノオウと黒雛だな。良し、イケるな。

「束さんはどうすれば良いのかな!?やっぱりほうきちゃんの為にこの身を捧げた方がーー」

「束さん、箒がいる場所の座標を送ってくれ今直ぐに」

俺は駅の改札を目指しながら束さんに言った。さっき挙げた星のマークが入ったものを全部付けながら、だ。

「ほうきちゃんは今神奈川県にある港付近のこの工場にいてるよー!けどけどさーくん!何でほうきちゃんの居場所を聞いたのかなー?」

「決まってるだろ。箒を助けに行くんだ」

「今さーくんがいる場所は東京都だからほうきちゃんのいる場所までかなりの距離があるのにどうーー」

「電話を切るぞ。気になるのなら衛星でもジャックして様子を見てろ。だがこれだけは絶対約束する。箒は俺が助ける。そして、亡国何ちゃらって機業は何時か俺がこの手でブッツブス」

バキバキバキッ!!(俊希が持つ携帯が粉々になりました)

俺は少し人気のないところに行って黒雛を出し、その場から飛び立った。

 

 

 

Side 箒

 

「んつぅッ…!あ、頭が痛い…」

ん?頭を抑えようとするも身体がビクともしない。目を開けると私の身体は紐で乱暴に巻かれているようだ。

「あん?気がついたのか、篠ノ之箒」

顔を上げると30代前後と思われる見てくれの悪い男が4人いた。その内の1人が私に声を掛けてきていたようだ。この状況から察するに私は誘拐されたようだ…

「私を誘拐した目的は姉さんか?」

「それ以外に何の理由があると思うのか?俺達はなァ、篠ノ之束が開発したISの所為で人生が狂っちまいやがったんだよォ!!」

「落ち着け、そんな餓鬼に怒鳴り散らした処で何も変わらんだろう」

「おいてめェ何いい子ちゃんぶってんだよォ?コロスゾ?」

「分かった分かった、俺が悪かった」

「けッ、最初からそうしてろクズがァ」

本当に醜い奴等だな。1人はまだましな奴がいるが他は駄目だ。1人は五月蝿い猿、後の2人は黙っているが私の身体を舐め回すように見ている。気持ちが悪い。

「この女イイ体してんじゃねーかぁ!時間はまだあるんだろう?ここで1発ヤろうぜ」

私の身体を舐め回すように見ていた1人が私に近づいてきて、私の胸を触ろうとしてくる。我慢の限界だ。

「触るな!お前のような下衆に触らせる身体など持ち合わせてはーー」

「黙れよ?」

「んー!んーんーんー!!」

私は下衆Aに顔を掴まれて思うように言葉が発せない。くそっ!この縄さえ無ければ貴様など直ぐにでも亡き者にしてやると言うのにッ!!

やがて私の口はガムテープで塞がれてしまった。そして、下衆が私の胸を鷲掴みした。

「イイねぇイイねぇ!お前はすげぇイイ表情をするなぁおい!お前もちょっと手伝え、こいつひん剥かすぞ!」

私の身体を舐め回すように見ていたもう1人が涎を垂らしながら私に近づいてきた。そして縄を緩めたと思うと涎を垂らしてる下衆Bに羽交い締めにされながら首を舐められた。そして、下衆Aは私のYシャツを脱がしブラジャーに手をかけようとしていた。

私の純情はこのような下衆共に散らされてしまうのか?神は私の人生から自由と家族、俊希までも奪った。そんな私から大事な純情までも奪ってしまうのか?そんなのは嫌だ!俊希…助けて……

ズドォォォンッ!!

私が今いるこの場所の天井が突然崩れ落ちできて辺りは火の海に一瞬で包まれた。そして、一際大きな煙が上がっている処には大きな人影がうっすらと見える。

 

「オイ、俺の箒に何をしている?」

 

煙が晴れるとそこには身体を黒くて大きな物を纏っている、記憶より少し大人びていた俊希がいた。さ、俊希が来てくれた…それだけで私の気持ちは弛緩してしまい涙がポロリと頬を流れてしまった。

「てめェは一体何者だ!?」

「シネ」

俊希を纏っている黒くて大きな物の一部である背中の2つの筒の内、1つが五月蝿い猿の方を向いて光った。

「あ………」

次の瞬間、五月蝿い猿が焼け跡すら残さずに燃えて消えた。何を言ってるのか分からないと思うが私にも分からない。目の前で起きたこの現象は私の理解の範疇を遙かに超えていた。

「『鬼火(おにび)』」

2つの筒が3回光った次の瞬間、ここにいた3人は跡形もなく燃えて消えた。

「一体何があったの!?」

外からISを展開している女性が3人現れた。それに気づいた俊希は女性達の方を向いて言い放った。

「小っちぇえな」と。

その後一瞬でISを展開している()()()()()()燃えて消えた。普通ならこの状況を見た私は俊希に恐れ慄くのだろう。だが私にはそのような負の感情がまるで湧かなかった。寧ろ嬉しい気持ちがどんどん膨れ上がる程だ。

理由は簡単だ。俊希が私を助けに来てくれたのだ。俊希が私の為に怒ってくれたのだ。私を俺のほ、箒と言ってくれたのだ…うわぁあああああ!!そんな発言をされたら意識しないでいる方が難しいのではないか馬鹿者ぉ!!

「箒、ゴメンな。助けに来るのが遅くなっちまった…」

俊希の声を聞いて顔を上げるとそこには勿論俊希がいた。いたのだが…ち、ちちち!近いわ馬鹿者ぉ!!私に俊希が着ていた学ランを掛けてくれるのは嬉しいがいくら何でも顔が近過ぎるぞ!こ、これではま、まるでキ、キスを…

「あ、あぅぅ…」

「ど、どうしたんだ?俺が何かしたか?」

「……俊希の馬鹿者」

私はボソッとそんなことを呟いた。俊希は昔から全くと言って良いほど私の心に宿る感情に気づいてくれないのだ。小学2年生のバレンタインデーの時もそうだ。私が態々呼び出して精一杯の気持ちを込めて作ったチョコを渡したのに、次の日には「チョコ、美味しかったぞ」の言葉だけだった。当時の私はその言葉だけでも喜んだ。いや今も喜ぶだろうが…ってそうではない!少しは私の気持ちを汲み取れと言いたいのだ!!

「俺、箒にバカって言われる程何かしたか…?」

「な、何も…何もしないから馬鹿者だと言うのだ!!わ、私は…俊希のことが…そ、その……」

「えっ…まさか……箒……」

ゴクリッ

言え!言うのだ私!!この機に乗じて言ってしまえ!!私が幼い頃から溜め込んだこの気持ちを2文字の言葉にするんだ!!たった2文字だすで始まってきで終わる2文字の言葉なんだぞ私!!今まで何度も夢やイメージトレーニングでこの言葉を言う練習をしただろう!!言え…言ええええええ!!!

「す、す………好kーー」

 

「ほぉぉおおきちゃぁあああああん!!!」

 

私の勇気を振り絞って言い放った2文字の言葉は何処からともなく出現して、私に抱きついてきている馬鹿者(姉さん)にやなよって叩き落とされた。

「無事で本当に本当に本当に良かったよぉおおおお!!ほうきちゃんの身に何かあったら束さん、束さんは…うぅぅぅ、うわぁああ゛あ゛あ゛んッ!!」

姉さんは私に抱きつきながら大泣きし始めた。あっ、俊希に掛けてもらった学ランが姉さんの強過ぎる握力で皺くちゃになった。おまけに姉さんの涙で少しづつ湿ってきている。

ブチッ!!

私は頭の中で切れてはいけない何かの線が勢いよく切れた気がした。いや、これは最早気のせいなのではないのだろうな。切れたのだ。今まで姉さんに対して溜まりに溜まった鬱憤の全てが封じられた袋を縛る紐が。

姉さんは幼い頃から私に抱きついてきた。最初は暑いし鬱陶しいから嫌だったがそれは慣れたからまだ良い。だが姉さんは俊希と出会ってから俊希にも抱きつくようになったのだ!私も俊希に抱きついてみたいのに抱きつく勇気が私にはないのだ…しかも姉さんはちょくちょく俊希と2人きりで何かをしていた。だが私はイラっとする感情を袋に入れた。

姉さんのせいで篠ノ之家の家族が離れ離れになった。それから今日まで様々な街を転々と過ごし、自由の利かない生活を余儀なくされてかなりのストレスを感じた。私は姉さんが行方不明になったからこんな思いをすると思った。だが私は我慢した。それは姉さんが行方不明になる前にこうなることを知らされて謝られたからだ。だから私はこの行き場のないストレスを袋に入れた。

私は姉さんが幾ら鬱陶しかろうと、幾ら俊希にべったりとしていようとも、家族を離反させられた原因であろうとも、私に多大なストレスという名の被害が被ろうとも姉さんに当たることなく我慢しよう。だが、今日ばっかりは我慢の限界だ。私の一世一代のチャンスを台無しにしたんだ。俊希は軽口で時たま私を褒めるからこのような雰囲気になることは今までになかった。そ、それを姉さんは……

ガシッ!

「ほ、ほうきちゃん?何で束さんの頭を掴むのかな…?」

「決まってるでしょう、姉さん。貴方は私を怒らせた!!」

「痛い痛い痛いよほうきちゃん…ッ!!束さんの灰色の脳がザクロになっちゃうよぉおおおお!!!」

「こんな頭ザクロにでも何でもなってしまえ!!このKY馬鹿兎がぁあああああ!!!」

「ぎゃああああああああ!!!」

私は右手の握力の限界が来るまで姉さんの頭を全力で潰しにかかった。

 

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