Side ???
私の名前は
だけど、私は救われた。同い年の従兄弟で私よりももっと早くに両親を亡くした人に。彼は私が良いなら引き取ると言った。私はなりふり構わずその手を掴んだんだけど…まさか5000万円あった借金が一瞬でなくなっちゃうとか思いもしなかった。私は思わず聞いてしまった。何でそんなことをしてくれるの?私は価値がない人間なのに、て。
今思うと、私は私を拒絶する親戚の態度のせいで軽い人間不信になっていたんだろう。だけど、従兄弟は優しい口調で言ってくれた。
「君の両親だけが俺を心から引き取ろうとしてくれた。だから君にしたのは僕からの些細な恩返しだ」
私はこの時、両親が死んで初めて泣いた。同時にこう思った。私の両親はすっごく優しい人達だったんだ、てね。
私はどこにでもいるちょっぴり不幸で幸運?な中学2年生。従兄弟に引き取られたので通う中学校も変わり、今日がその転校初日だよ。この中学校は従兄弟が通ってる中学校の筈なんだけど…なぜか私の横に水色の髪をした赤目の可愛い女の子と黒髪黒目で特徴的なカーブを描いたショートカットのこれまた可愛い女の子、そして従兄弟がいる。2人の女の子は分かる。この学校の制服を着てないから、私と同じで転校生なんだろうね。だけどね…
「何で俊希くんがいるの!?ここ君が通ってる学校だったよねぇ!?」
「ああそうだな。最近ドタバタしてて半年程学校に通ってなかったんだ。そのドタバタの間に学年が変わっちまったから自己紹介しなくちゃいけねぇってわけだ」
「何故私が学校などという所に通わねばならないのだ?」
黒髪の女の子が俊希くんに話しかけた。気のせいかなぁ、この子世界的有名人と顔がそっくりなんだけど…
「あのな、家でも説明しただろ?まどかみたいなコミュ障は学校に通って少しは社会に馴れろ」
「なっ!?私はコミュ障ではない!?簪と一緒にするなぁ!!」
「わ、私は…コミュ障じゃない…っ!コミュ障は箒…」
「「否定できんな」」
水色の髪の女の子が話に混ざって楽しくおしゃべりしてる。俊希くんを含めた3人は友達だったの?俊希くんのお友達可愛い女の子多過ぎだよ…
「って!ちょっと待ってよ!私の理解が追いついてないよぉ!?」
「順応力を高めなさい。あるがままを受け止めるのよ。キリッ」
「ネタで返さないでそれにキリッとか要らないからぁ!?ていうかそんな些細なことは良いんだよぉ!何で君は第1回モンド・クロッゾ総合部門優勝者の織斑千冬さんにそっくりなのよぉ!?」
「順応力をたーー」
「ネタはもういいの!」
「おい俊希、この言葉は万能ではなかったのか?」
「ごめんまどか。要ちゃんには通用しないんだ。要ちゃんはツッコミを生き甲斐にしてる子だから…キリリッ」
「誰が○八だよぉ!私の本体はメガネじゃないていうかメガネかけてないよ!!メガネはそっちの女の子でしょう!?後もうキリリッとか要らないからぁ!?」
「私のメガネは、簡易ディスプレイ…キリッキリッ」
「いやもうキリッキリッとか要らないからほんとお願い…はぁ、はぁ」
「体力が不足してるぞ。そんな事ではこれから先やっていけないぞ」
「わ、私に…ツッコませない、努力を、してよ…」
「それもそうだな。その提案に乗ってやろう」
「それは、違う…」
「何が違うと言うのだ、簪?」
「この子は、ツッコミをしないと、死んじゃう…」
「そ、そうなのか…不憫な生き方しか出来ないのだな」
「もう、ツッコミ気力がぁ…」
「お前達、楽しいお喋りはそこまでだ。入れ」
「「「はい」」」
私達は先生に呼ばれて教室に入った途端騒がしかった教室がしーん、となった。まあそうなるよね。私以外の人達はみんな美男美女だもんね…
「半年程訳あって休学してた加藤俊希だ。休学してた理由を教えるつもりはない。よろしく頼む」
相変わらずだね、俊希くんは。本当口調と声や見た目が合ってないよ。俊希くんは私よりも背が低いし声変わりしたけど声が高い。それに顔は幼くて可愛らしい。それなのに口調はだ、である調でときどきヤンキー調になる。初めて会ったときはそこをよくからかって泣かされてたな……あれからもう6年になるんだ。
「
「更識簪…いないものとして、接してください……」
「2人の自己紹介可笑しすぎるよぉ!?そんな自己紹介じゃあクラスで絶対浮いちゃうよぉ!!」
「なら、お前が手本を見せてみろ」
「任せてよ、ごっほん!私の名前は加藤要って言います。俊希くんとは従兄弟同士で小さい頃から知っています。俊希くんは素っ気ない口調ですが心の中はすっごく優しいのです。ですから皆さん!俊希くんと仲良くしてやってください!!」
「テメェの自己紹介をしろよていうかそんな言い方したら俺が可哀想なヤツみてぇじゃねぇか!?」
「主にアタマが可哀想な奴だろう?」
「誰のアタマが可哀想だ!アタマが可哀想なのは……とにかく!俺のアタマは可哀想じゃねぇ!それに俺のアタマよりまどかのコミュ力の方が可哀想だ!!」
「私よりも簪の方が可哀想だろう?」
「私より…箒の、方が……」
「誰がコミュ障だ!?誰が!!」
「内輪ノリはもうやめようよ!!みんながついてこれてないよぉ!」
「「そんな事は知らん!」」
「私の言葉に被せるでないっ!!」
「黙れ、コミュ障ぼっちが。お家へ帰って姉に甘やかされておけ」
「なっ!?そんな事を言うのならまどかが机の引き出しに隠しているあの写真をべりべりに破るぞ!」
「そ、それは止めろぉ!?」
そんなこんなで、私の新たな学校生活の幕が上がりました。我関せずと簡易ディスプレイらしいメガネを拭く更識さん。2人して未だに言い合いをしている箒と呼ばれたポニーテールの女の子と織斑さん。そして、そんな2人を何でか優しげな表情で見ている俊希くんがいた。私はどうしてるかって?私は遠い目をしてるよ…もうツッコミは疲れたよぉ……
私は俊希くんや箒さん、まどかさん簪さんに連れられて私の新たな家である俊希くんのお家に来た。これだけはまず言わせてほしいよ…
「何でこんなに広いのぉおおおおお!!」
「ウルセェな、近所迷惑だ」
「で、でも…だってっ!」
「言いたいことは分かるがここで驚いてちゃホントの意味で身がもだねぇぞ?」
「え、何で…?」
「まあ見てな」
そう言うと俊希くんは玄関の戸に手をかけた。ここにいる私以外の人が臨戦態勢をとってるのは何でだろうね?
バタンッ!
「さーくぅううううん!!」
「やっぱりか、箒ガード!」
「なっ!?まどかガード!」
「チッ、簪ガード」
「要…ガード」
ほぇ?私の身体が少しの時間の間で玄関前に来たんだけど…ていうか玄関から飛び込んでくる紫色の変なものは何っ!?どうすればーーああもういい!
「うりゃあああッ!!」
ズドンッ!!
「ヘブッ!?」
えっ…やわ、らかい?わ、私は何を蹴っちゃったの!?感触的に人っぽかったけど…そ、そんなことないよね!だって私が蹴ったものがのたうちまわってるような気もする…けどそんなの気のせいだよ!うん、そうに違いない!!私はどこにでもいるちょっぴり不幸な中学2年生なんだから、短い時間で決断して人を吹っ飛ばすていどの威力のハイキックなんて出来ないよね!
「な、何が、起こったの…?」
「要が姉さんを蹴ったように見えたのだが…要は何か武道を修めているのか?」
「修めてないよぉ。私が武道をやってるように見える?」
「修めて、ない…だと…」
「ヒュー、流石要ちゃん。何にもやってないのにそのキックとは恐れ入るぜ」
「うん?今の蹴りってすごいの?」
「すごいレベルを超えてる…束さんを的確に、気絶させた」
ん?束さん…束…何かどこかで聞いたような名前だね。一体何処だろう?
「姉さんを、1発で…だと…」
箒さんの姉さんかぁ。あれ?何か引っかかったんだけど…箒さんのお姉さんが束さん。うん、理解した。で、私は束って名前に聞き覚えがある。うんうん、それでそれで?箒さんの苗字は
「え、ええええええ!?この人篠ノ之束ぇええええ!?!?」
「そうだ。驚いたか?」
「驚いたって言うより私、そんな有名な人を蹴っちゃったことに罪悪感が…」
「それは気にするな。世界で有名な姉さんも今や唯のニートだ。これから一緒に生活していくのだからどんどん蹴ってやってくれ。むしろ積極的に蹴って意識を刈り取ってくれ」
「ナイスだ要ちゃん。これからの要ちゃんの働きに期待するぞ」
「グッジョブ…」
「えっ…ちょっとえ?この人放置するの?」
「順応力を高めなさい。あるがままを受け止めるのよ。キリッ」
みんなが箒さんのお姉さんを放っておいて中に入った。ていうかみんな箒さんのお姉さんの身体をわざわざ踏んで入ってないかな…?私も踏んで入っはほうが…だめだめ!私と箒さんのお姉さんはまだ面識がないんだからそんなことしちゃだめだよぉ!
今思うとここには私と箒さんのお姉さんしかいないよね…2人きり!?箒さんのお姉さんは気絶してるけどき、気まづい…とりあえず起こしたほうが良いよね?私は箒さんのお姉さんに近くに来て箒さんのお姉さんの身体をじっくり、舐め回すようにじゃないよ!?見てると目に入ったのはウサ耳。ウサ耳てアニメキャラじゃあるまいし、、、えっ?まさか箒さんのお姉さんって痛い人なの…と、とにかく起こしてみよう。
「あ、あのー。起きてください」
「束様は暫くは起きないと思いますよ?束様はここ3日は碌に寝てませんから」
「そ、そうなんだ。じゃあ私はどうしたら」
「束様の事は放っておいて、どうぞ。中へお入り下さい」
私は言われた通りに中へ入ろうとして箒さんのお姉さんをまたごうとした時にふと思ったんだ。私って今、
「如何されましたか?中へお入り下さい」
「は、はい!今行きます!」
私は声に反応して顔を上げた。いや、上げてしまったというのが正しいね。そこには白みがかった銀色の髪を伸ばした色白の女の子がいたんだ。そして、色白の女の子の下半身は少し透けていて足先がな、い……
「ふにゅぅ……」
私の記憶はここで終わったんだ。最後に見えた色白の女の子の慌てていた顔を見て、ね。ああ、色白の女の子小さくてすごく可愛かったなぁ…死ぬ前にあんな小さくて可愛い女の子見れたら直ぐに昇天しそうだよぉ……
「って!まだ死ねるかぁああああ!!」
「わっ…!?」
私は何とか根気で天国へ登る道から落ちてきた。両手両足を羽を生やした小さくて可愛い女の子に運ばれていたのを罪悪感に苦しみながらも何とか振り払ってきた。全てはもう1度あの色白の女の子を見るために!あわよくば触れあるためにっ!!
「お、お目覚めですか…?」
「はい、おかげさまでって!君はさっきの!?」
「はい、クロエ・クロニクルと申します。クロエ、またはくーちゃんとお呼び下さい」
クロエ・クロニクル、くーちゃん…なんてきれいな名前と可愛いあだ名なんだ…っ!私はじっくり、じっくりとくーちゃんを見た。身長は目測だけど145cmかな?それに慎ましかなお胸に小ぶりながら形がきれいなお尻。白い着物からチラッと見える生足、そしてや・わ・は・だ♡さっきとちがって足先があるけど…そんなこと今はどうでもいいよぉ!!
「息が荒いご様子ですが…如何されましたか?」
「気にしないで!」
「ですが…」
「気にしな、アイタタタタ…」
頭が少し痛んできた。私は今くーちゃんの全てを記憶するのに全神経を集中してるのに頭痛が私の邪魔を…っ!おのれディ○イドォオオオオ!!
「私のイタズラの所為で要様にお怪我を…私に出来る事でしたら何でもさせて頂きます」
えっ…
「要様、不気味な笑いが聞こえるのですが大丈夫ですか…?」
「大丈夫だよ。じゃあねぇ…そうだ、キスをしよう!」
「キ、キスとは何でしょうか?」
キスも知らないなんてくーちゃんはすごい純粋なんだね!そんな純粋な子を私が汚していいのかなぁ?Yes!ロリショタ!go!タッチィ!!
「唇を突き出してくれない?後は私がヤるから」
「は、はい。これで合っていますか?」
くーちゃんが見事なキス顔を、私だけのために…っ!は、鼻血が出てきたよぉ。けどこの鼻血はくーちゃんへの愛ッ!!心臓ぉ、ウルサイよぉ!私の邪魔をしないで!!あああん、もう我慢なりません!いざ行かん、甘美な唇を味わいに…!
「ちゅ、チュゥウウーー」
「要ちゃん、起きたのか…何やってんだ?」
「ぐ、ぐぎぎぎぎ…な、何もしてないよ」
もう、俊希くん!何てタイミングで私の邪魔をしてくれるのっ!後ほんの1cmでくーちゃんの唇に届いて上唇から下唇にかけて舐めまわして舌をくーちゃんの小さくて可愛い口に入れてくーちゃんの唇と結ばれたかったのに…っ!!
「いやおい待て。クロエに何しようとした?」
「ナ二もしようとしてないよ?だから俊希くんは早急にこの部屋から出て行くのでーー」
「変態」
「グサッ!?な、何を言ってるのかな俊希くんは私がへ、変態?どこをどう見たら私が変態になるのかな?ならないよね?だから俊希くんは早急にーー」
「ロリコン」
「ヘブッ!?私がロ、ロリコンなわけないじゃん私はどこにでもいるちょっぴり不幸な中学2年生だよ?」
「じゃあクロエの肩から手を離せ」
ふと視線を私の手に持ってくるとあら不思議。くーちゃんの肩に私の手ががっちりと乗っているねぇ。だけど私の手は何でかくーちゃんの肩を話そうとしないね。何でだろうね?
「それはだめだよぉ!だって私達今からキスするんだから!?ねぇ、くーちゃん」
「はい、私は要様とキス?をするのです」
「心の声がダダ漏れだぞ?それに今完全にキスするって言ったよな?」
「あっ…やっちゃった!要ちゃんったらおー茶目さんっ♡」
「要ちゃん、正座」
「何か反応してよ!似合わないことやったってことは私にも理解できーー」
「正座」
「せ、せめてくーちゃんとキスしてかーー」
「正座」
「はい…」
この後私は俊希くんから長々と説教を受けた。何でもくーちゃんには私達が知ってる一般常識を全く知らないから、そんなふしだらなことを教えるな!だってさ。可愛いは何時だって正義だよぉ!って言ったら何て返ってきたと思う?
「テ・メ・ェ・は・女・子・だ・ッ!!」
そう言いながら私にげんこつを落としてきたんだ。ひどくない!ひどいよねぇ!?身長170cmをちょっぴり越えてる大柄な私だけど女の子なんだよ!女の子に対する仕打ちじゃないよぉ!!それに、女の子が女の子を好きになって何が悪いの!くーちゃんは小さくて可愛いんだから仕方ないでしょぉおおおおお!!