ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

115 / 159
115ありんすちゃんスイーツになる

 ナザリック地下大墳墓の第九階層にある一般メイドの控え室──

 

 戦闘メイドに用意されたものよりは質素ながらも、倍くらいの広さの部屋が二部屋あり。そこにはメイド達に交ざってありんすちゃんとエクレアの姿がありました。

 

「へー……ちらなかったでありんちゅが、ペストニャワンワンはショートケーキだったでありんちゅか?」

 

 ありんすちゃんが感心すると、エクレアがエヘンと胸を張ります。

 

「うむ。ペストーニャ殿は正式にはペストーニャ・ショートケーキ・ワンコという名前でして、まあ、一般にはショートケーキをSに略するようですが。何を隠そうこの私、エクレア・エクレール・エイクレアーめも同じ至高の御方、餡ころもっちもち様に創造されたのです!」

 

「オー! そりはしゅごいでありんちゅ!」

 

 いやいや、ありんすちゃんことシャルティア・ブラッドフォールンだって同じく至高の御方のペロロンチーノ様が創造されたんですよ? まあ、立派な方だったかは諸説あるみたいですが……

 

 ありんすちゃんは腕を組んで何やら考え始めました。うーん……こういう時ってろくな事にならない気がしますが……

 

「決めちゃでありんちゅ! ありんちゅちゃも名前、お菓子しるでありんちゅ!」

 

 ありんすちゃんはそう宣言しました。

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 

 

 ナザリック地下大墳墓 第二階層〈屍蝋玄室〉──表にありんすちゃんの手書きの貼紙がありました。

 

『かんがえちう』

 

 うーん。多分『考え中』という事みたいですね。

 

 中ではありんすちゃんが寝転がっていろんな名前を考えていました。

 

『モンブラン・ブランブラン・ありんすちゃん』

 

『アイス・アイスクリーム・ありんすちゃん』

 

『シャーベット・ブラッドありんすちゃん』

 

『どらやき・まんじゅう・ありんすちゃん』

 

『モンブラン・チーズケーキ・タベタイ』

 

 うーん……最後は単なる欲求にかわっていますが……大丈夫でしょうか?

 

 不意にありんすちゃんは起き上がると飛び出して行ってしまいました。

 

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 

 

「……うむ。そうか。私に素敵な名前を考えて欲しいと? スイーツな名前か……うむ。私は名前を考えるのに少しばかり自信があってな」

 

 ありんすちゃんの姿が今度は第九階層にあるアインズの執務室にありました。なるほど、至高の御方であるアインズ様に素敵な名前をつけて貰おうという考えですね。

 

 アインズはいきなりやって来たありんすちゃんの願いを聞き、腕組みをして考え込むのでした。

 

(スイーツな名前か……やはり『大福』か? いや、それはそもそもハムスケに考えた名前だからまずいだろうな。……うーん……いっそペロロンチーノさんにちなんだ名前にするか? ……なんだったかな……ペロロンチーノさんが好きだったゲームに出てくる妹キャラの……うーん……ああ、音夢だ。……いや、だめだ。カルネ村のネムと被る。しかもスイーツとは関係ないな。……うーむ……なかなか難しいものだな)

 

 と、突然、思い悩むアインズの頭に一つの名前が閃きました。

 

「よし! 決めた。これだ! 『ずんだ餅』にしよう!」

 

 ありんすちゃんは喜びました。早速ありんすちゃんは名前を『ずんだ餅ちゃん』にかえる事にしました。

 

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 

 

 こうして新たに『ずんだ餅ちゃん』になったありんすちゃんでしたが……翌朝目覚めた時にはすっかり忘れてしまい、もとのありんすちゃんに戻っていましたとさ。

 

 仕方ありませんよね。だって、ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。

 

 

※ありんすちゃんが挿し絵を描いてくれました

 

【挿絵表示】

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。