ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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012ありんすちゃんいもうとになる

 ありんすちゃんはルプスレギナに連れられて再びカルネ村にやってきました。

 

 そうそう、ありんすちゃんはこの前来たときにネムからクマさんのワンポイントがついた可愛いパンツをプレゼントされていたので、そのパンツをはいていきました。

 

 カルネ村では入り口でネムがブリタと待ち受けて、ありんすちゃんに手を振っていました。

 

「チャルメラちゃーん。ルプスレギナさーん」

 

 ありんすちゃんは駆け出しました。

 

 目の前に行くとネムは自分のスカートを捲り上げて笑いました。

 

「おっそろーい」

 

 見るとネムも同じクマさんパンツをはいていました。

 

 

 ブリタは何だか具合が悪そうに青い顔をしています。

 

 もしかしたらお腹を出して寝ちゃって風邪をひいちゃったのかもしれませんね。ありんすちゃんもたまにありますよ。

 

「ありゃりゃ。将来レディーになりたいんだったら感心しないっすね」

 

「……ごめんなさい」

 

 ネムは顔を真っ赤にして俯きました。

 

 どうやらネムはルプスレギナの言うことは素直に聞くみたいですね。

 

「チャルメラちゃん、行こっ」

 

 ネムはありんすちゃんの手を掴むと駆け出しました。

 

「やれやれ、しょうがないっすね」

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

 ネムはありんすちゃんを村の外れに連れてきました。

 

 そこには小さなテントがあってネムは中に入ります。

 

 テントの中には小さな椅子、本、ランプ、マグカップが置かれた小さな机があります。どうやらネムの秘密基地みたいですね。

 

「チャルメラちゃん、あなたは今日から私の妹にするから。私の事をお姉ちゃんって呼ぶの。ね?」

 

「わらわのお姉ちゃんでありんちゅか?」

 

 ありんすちゃんの脳裏にダークエルフの双子が浮かびましたがすぐに追い払いました。

 

 まごまごしているうちにありんすちゃんはネムの妹という事にされてしまいました。

 

 集会所に行くともう会議は終わっていて、村人がそれぞれ帰っていく所でした。

 

「お姉ちゃーん」

 

 ネムがエンリに駆け寄りそのまま抱きつきます。

 

「私ね、チャルメラちゃんを妹にしたんだよ。だから私も今日からお姉ちゃんだよ」

 

「これでネムさんも大人の仲間入りっていう事ですね」

 

 カイジャリが楽しそうに話に加わります。

 

「ネム。それは良かった。……本当に」

 

 エンリは上機嫌でありんすちゃん=チャルメラちゃんを抱きしめるネムを眺めながら、久しぶりにほのぼのした気持ちを味わっていました。ルプスレギナの話ではしばらくありんすちゃんが泊まっていくらしいのです。

 

 父母を亡くしてから健気にもおとなしい『よい子』だったネムが少しでも年令相応の子供らしくいられたら、と姉らしい気分になりました。

 

 賑やかに家に向かうエンリ達から離れた木陰に佇んだ人影がポツリと呟きました。

 

「あー村、滅んでくれないかなぁっすね」


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