ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
ナザリック地下大墳墓 第六階層──ここには畑が作られていてドライアドたちが世話をしています。
「たいへんだよ! もうじき収穫予定だったメロンがなくなっちゃったよ!」
アウラとマーレがお茶をしているところにドライアドのピニスンが駆け込んできました。
「……騒がしいなぁ。ねえ? 本当に無くなったの? ナザリックの中にそんなことするNPCはいないんじゃないのかな?」
「……あの、僕もそう思います。ピニスンさんの勘違い、とかじゃないでしょうか?」
ピニスンはどもりながら答えました。
「……昨日までは確かにありましたよ。丁度収穫時期のメロンが二個、間違いなく今朝無くなっています」
アウラとマーレはピニスンの案内で様子を見に行くことにしました。
※ ※ ※
「……うーん。確かになにか鋭利な刃物で切られているみたいだね。あたしの知る限りこの階層にいるシモベのいたずらじゃないみたいだよ」
「……すると、もしかして侵入者が……あの、いるのかな?」
マーレがおどおどした口調で尋ねました。アウラは口もとに笑みを浮かべると言いました。
「そうだ。確かありんすちゃんって探偵としていくつか事件を解決しているんだよね? ありんすちゃんを呼んできたら解決するんじゃないかな?」
アウラはなぜかニヤニヤしながら提案をしました。そこでマーレが第二階層にありんすちゃんを呼びに行くことになりました。
※ ※ ※
マーレが第二階層の屍蝋玄室にやって来るとシモベのヴァンパイア・プライドが言いました。
「マーレ様、ありんすちゃん様はただいま身支度をされていらっしゃいますので少しお待ちください」
三十分ほど待たされるとようやくありんすちゃんが姿を現しました。
「……またしぇたでありんちゅ。めいたんてありんちゅちゃの出番でありんちゅ」
ありんすちゃんを見てマーレは驚きました。まだ5歳児位のありんすちゃんの胸が不釣合に大きくなっていたのでした。
「なにしちぇるでありんちゅか? マーレ置いてくでありんちゅよ?」
ありんすちゃんの言葉に我にかえったマーレはあわてて後を追いかけるのでした。
※ ※ ※
「めいたんてありんちゅちゃにまかちぇるでありんちゅ!」
腕を組んで胸をそらすありんすちゃんをアウラはジト目で眺めます。
「……あのさあ、あたし犯人が誰だかわかっちゃったんだけど……」
アウラは宣言しました。
「犯人はこの場所にいる!」
ありんすちゃんは明らかに動揺したみたいでした。
「……ありんちゅちゃは何のこちゃじぇんじぇんわからないでありんちゅ」
フースーと口笛を吹くそぶりをしました。
「……ありんすちゃんさ、その胸のとこにあたしのメロンが入ってるよね?」
「……何のこちゃじぇんじぇんわからないでありんちゅ。ありんちゅちゃのボインボインは男のロマンでありんちゅ」
ありんすちゃんの必死な主張にアウラは首を振りました。
「……その『男のロマン』とやらが落っこちかけてきてんだけど?」
ありんすちゃんはあわてて自分の胸もとを見ました。なんと膨らみがお腹のあたりにずれてしまっています。
咄嗟に押さえようとしましたが、時すでに遅くありんすちゃんの足下にゴロンゴロンとメロンが二個、落ちてしまいました。
※ ※ ※
翌朝、またしてもピニスンが騒ぎだしました。
「たいへんだよ! 今度はスイカが七個も無くなっているよ!」
アウラはすぐにありんすちゃんを呼び出しましたが今回は全くの無関係のようでした。アウラ、マーレ、ありんすちゃんはスイカの行方についてあれこれ悩むのでした。
※ ※ ※
「──なん、だ、と?」
恭しく平伏するアルベドとプレアデスに対してアインズは思わず叫んでいました。
「──お前たちが私の子供を身ごもった、だと?」
アルベドとユリ、ルプスレギナ、ソリュシャン、ナーベラル、シズ、エントマのそれぞれの腹部はまるまると膨れ上がっていたのでした。
それにしてもスイカは一体どこにいってしまったのでしょうね?