ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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132ありんすちゃんけしょうをする

 ナザリック地下大墳墓 第二階層〈屍蝋玄室〉──今日のありんすちゃんは不機嫌そうです。

 

 真っ赤な口紅を手にしてドレッサーの前にチョコンと座っているのですが鏡に届かないのです。うーん……どうやらドレッサーを使うにはありんすちゃんが小さ過ぎてしまうようです。

 

 しばらくムッとした顔で睨んでいたありんすちゃんでしたが、何やら閃いたみたいです。

 

 しばらくすると、どこからかいくつもの木箱を持って来ました。そしてドレッサーのスツールの上に積み始めました。

 

 なるほど。こうして高くすればありんすちゃんでもドレッサーに届きますね。しかし……ああ! 危ない!

 

 あっという間に木箱が崩れてありんすちゃんは落ちてしまいました。

 

 うーん……ありんすちゃん、もう少し安全なやり方を探した方が……

 

 こまりました。ありんすちゃんはまたしてもスツールの上に木箱を積み始めます。

 

 ほらほら言わんこっちゃありません。またしてもありんすちゃんは落ちてしまいます。

 

 ふうふう言いながら、真っ赤な顔で木箱にあれこれ怒っていますが……うーん。そんな事では解決しないと思いますよ。たぶん。

 

 やがて、とうとう木箱をスツールに積み上げるのを諦めたありんすちゃんは食堂から椅子を借りてきました。

 

 いつもありんすちゃんが使っている、幼児用の補助椅子です。よくファミレスで小さな子供が使うあれです。

 

 ありんすちゃんは補助椅子に登ると腰を下ろします。うーん……ドレッサーと反対の向きに座ってしまったのでやり直しです。

 

 椅子の上に立ち上がり、両足をスポンと補助テーブルの下にくぐらせます。

 

 大成功です。ありんすちゃんは口紅を持つとドレッサーを眺めます。

 

 大変です! なんという事でしょう! せっかく苦労してドレッサーに届いたというのに……ドレッサーの鏡にはありんすちゃんの姿がありません。

 

 うーん……どうやらありんすちゃんは吸血鬼なので鏡には写らないようですね。

 

 と、ありんすちゃんは何やら思いついたみたいです。補助椅子から降りると何やら紙に描き始めました。

 

 うーん……いったいどうするのでしょうか?

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 その後真っ赤な口紅を顔中に塗りたくったありんすちゃんはシモベのヴァンパイア・ブライド達を恐惶させ、皆に無理矢理お風呂でゴシゴシ洗われ……疲れきって眠りりにつくのでした。

 

 翌朝、ありんすちゃんはおねしょをしてしまいました。

 

 

「……ありんちゅちゃ、あちょこからオバケ覗きこんでいるから、おトイレいけなかっちゃでありんちゅ……」

 

 ありんすちゃんが指を指したドレッサーの鏡には昨日ありんすちゃんが描いた絵が貼ってありました。なるほど。鏡に写らないから自分の顔を描いてそれを鏡に見立ててお化粧をしたのですね。

 

 なかなか良い考えですが、それをすっかり忘れてオバケだと思ってしまうとは……

 

 

 仕方ありませんよね。だって、ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子なのですから。


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