ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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147ありんすちゃんのりょうりたいけつ

「あたしの記憶が確かならばここ、ナザリック地下大墳墓の第六階層の円型闘技場(コロッセウム)ではいくつもの名勝負が繰り広げられてきたッ! 今宵はアインズ様をお招きしての天覧試合を行います! アインズ様に盛大な拍手!」

 

 アウラの挨拶を受けてアインズは立ちあがり観衆のシモベ達に手を振ります。

 

「さてさて、まずは挑戦者の登場だッ! アインズ様の片腕を自任する守護者統括、アルベドの登場だッ! ちなみにアインズ様の右腕はあたし、譲らないからね」

 

 アルベドは一瞬だけ眉をひそめましたが、すぐに笑みを浮かべます。

 

「そして対戦相手は──蘇るがいい! スーパーシェフ!」

 

 アウラが呼びかけると煙りと共に可愛らしい料理人が現れました。

 

「ありんちゅちゃは負けないでありんちゅ!」

 

「そして今回の料理対決の食材はこれだッ! 最高級エンシャントドラゴンの霜降り肉だッ!」

 

 舞台の中央にせりあがってくる肉の塊を眺めながらアインズは呟きました。

 

「……馬鹿な……料理対決……だと? 二人とも料理のスキルは無いはずだが……」

 

 ありんすちゃんは鼻からフンスと熱い息を吐きました。

 

「それじゃあSatus coctione!(料理開始)

 

 アウラが高々と宣言しました。

 

 

 

 

※   ※   ※

 

「ええっと、あの、挑戦者サイドです。アルベドさんが動き出しました。着ていたガウンを脱いで……あれ? 裸…………」

 

 料理対決の様子をダークエルフの双子が実況中継するみたいですね。

 

「これは……アルベド様はどうやら本気のようですね。なんとガウンの下は裸エプロンです」

 

 副料理長のピッキーが解説します。

 

「こちらは超人サイドです。大変な事がおきました! ありんすちゃんが包丁を持ちましたがなんとボロボロになっちゃいました! アシスタントのソリュシャンが体内から新しい包丁を取り出して渡しますが次々にボロボロになっちゃいますッ!」

 

「──そうか! カーストスキルかッ!」

 

 アウラの中継にアインズが呟きました。なんという事でしょう! ありんすちゃんはカーストスキルの影響で手に触れるものを破壊してしまうのでした。

 

 今まで『ふしぎのくにのありんすちゃん』ではあまり触れてこなかったので忘れていましたが……ありんすちゃん、早速ピンチです。

 

「……えっと、アルベドさんです。大きな肉の塊を手にしました。あれはブルーアイズホワイトドラゴンの肉です」

 

「……なんと! ドラゴンの中でも最高難度のドラゴンですね。私も料理長もまだ調理した事がありません! ……しかし……用意された食材の中になかったはず……」

 

 マーレのレポートに副料理長が続けます。

 

「…………このままではアルベドは失格か……」

 

 アインズが小さく呟くとアルベドの動きが止まりました。

 

「アインズ様! これはその……練習。そうです。練習です! アインズ様にわたくしの最高の料理を召し上がって頂きたいのです!」

 

「……うん? ……ああ。」

 

(いやいやいや。俺、食事出来ないんだけど……それになんかこの流れ……もしかしたら俺が食べるの?)

 

 アインズは複雑な思いで料理対決を見守るのでした。

 

「おお! ありんすちゃんは包丁をあきらめたぞ? どうするのかな? なんと! 爪ですッ! 爪で食材を切り分けているッ! 凄いッ!」

 

 ありんすちゃんは手際よく肉の塊を切り分けていきます。その肉をソリュシャンが鉄板に載せて焼いていきます。

 

「なるほど。素材の味わいを活かしたステーキにするんですね。上に乗せられたのは臭み消しの香草のようです」

 

 ピッキーがすかさず解説します。

 

「……えっと、アルベドさんの方です。現在、鍋でスープを作っています。中身はお砂糖、スパイス、素敵なものいっぱい、だそうです」

 

 マーレが挑戦者サイドの報告をします。

 

「……うーん。どうでしょう? どんな味になるか想像が出来ません……」

 

「……これってまさかシュガー……」

 

 ピッキーに続いて出たアインズの小さな呟きは誰にも聞こえない小さなものでした。

 

 

※   ※   ※

 

 

 

「いよいよ終盤です! 挑戦者サイドでは鍋をかき回すアシスタントのナーベラル、ドラゴン肉に焼き目をつけているアルベド。今、ナーベラルの鍋にドラゴンが入りました!」

 

「……鍋ラルか……ふっ」

 

「超人サイドです。ありんすちゃんが焼いているステーキにワインをかけました。凄い炎です。……おや?」

 

「……ありんすちゃん様、ワインを飲んだんですね……足もとがふらついています……」

 

 料理終盤でありんすちゃんはワインで酔っぱらってしまっているようですね。うーん。大丈夫でしょうか?

 

 やがて終了時間となりました。はたしてこの料理対決の勝者は料理の超人ありんすちゃんか? それとも挑戦者のアルベドでしょうか?

 

 

 

※   ※   ※

 

 いよいよ実食です。アインズとピッキーの前に料理が運ばれてきました。まずは挑戦者アルベドの料理です。

 

「……うん? ……こ、これは!」

 

 ピッキーが目を見開きます。

 

「……この香ばしさ、苦々しく荒っぽい濁流のように舌を焦がす独特な味わい………………………………………………………………墨ですね」

 

 次は料理の超人ありんすちゃんの料理の番です。

 

「……………………ただの墨ですね」

 

 仕方ありませんよね。だってありんすちゃん達には料理スキルがないのですから。

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