ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~ 作:善太夫
今日もみんなで王都に行きます。
今回はみんな仮面を被っていくみたいですね。
ありんすちゃんも仮面が欲しかったのにデミウルゴスはくれませんでした。
ケチんぼですね。
ありんすちゃんは仮面が欲しくてたまらなくなりました。
ルプスレギナもエントマもユリもソリュシャンもシズも仮面を貰っています。
ありんすちゃんは面白くありませんでした。
ありんすちゃんは仮面がなきゃ行かないとだだをこねてみましたが、デミウルゴスはあっさりとありんすちゃんを置いていっちゃいました。
「……デミウルゴチュのばか」
ありんすちゃんはデミウルゴスの悪口を言ってみましたが気は晴れません。手に入らないとなんだかとてつもなく素敵に思えて諦められません。
ありんすちゃんがお面をつけたらどんなに似合うでしょう? だってありんすちゃんはとてもとても可愛いらしいのですから。
ありんすちゃんの頭は仮面の事で一杯だったのですが、そんな時久しぶりに、本当に久しぶりにくしゃみが出ました。
「くちゅん!」
ありんすちゃんはまたしても何処かに転移してしまうのでした。
※ ※ ※
「「きゃっ!」」
ありんすちゃんが転移した先は誰かの頭の上だったので、丁度ありんすちゃんの頭と相手の頭がぶつかってしまったのでした。
その相手──赤いフードと漆黒のロープを着た金髪の女の子──は完全に気絶してしまっていました。
年齢は十四歳位でしょうか。ありんすちゃんは5歳児位なので随分お姉さんですね。
ありんすちゃんは全く悪くありません。これは事故です。もしかしたらこの女の子がわざとありんすちゃんが転移した場所にいたのかもしれません。
ふと、ありんすちゃんは女の子のすぐ側に素敵な物が落ちていたのに気がつきました。なんと! ありんすちゃんが欲しかった仮面が落ちています。デミウルゴスの仮面とはデザインが違いますが、これはこれでカッコイイ仮面だと思いました。真ん中についた朱い宝石が綺麗です。ありんすちゃんはさっそく仮面をつけてみました。
とってもお似合いです。ありんすちゃんは可愛いので何でも似合っちゃいますね。
ありんすちゃんはクルリと回ると人差指ですをあごに当ててポーズをとりました。完璧です。仮面は最初からありんすちゃんの物だったみたいにフィットしています。
「……こんな所にいた……急ぐぞ……」
ありんすちゃんは不意にやって来た女性に手をつかまれました。
「ボスが待ってる。いくぞ」
ありんすちゃんはそのまま連れていかれてしまいました。
※ ※ ※
なんだかんだでありんすちゃんはモモンとナーベと一緒に王都リ・エスティーゼの中央に来ていました。誰もありんすちゃんだという事に気がつかないようです。
ありんすちゃんは楽しくなりました。
そのうちデミウルゴスが戦闘メイドと一緒に現れました。みんな仮面をつけています。
ありんすちゃんはもう羨ましくありません。
だってありんすちゃんも素敵な仮面を持っていますから。
おやおや? 誰一人としてありんすちゃんだとは気がつかないみたいですね。ありんすちゃんはナザリックでお留守番しているはずなので、まさか王都に来ているとは思いもしないのでしょうね。
アインズとデミウルゴス、ナーベラルとルプスレギナ・ソリュシャン・エントマ、ありんすちゃんはユリ・シズと対します。
ありんすちゃんが仮面を外して正体を教えてあげるとみんなビックリするでしょう。ユリはビックリしすぎて首を落としてしまうかもしれません。
そんな事を想像しながらワクワクして仮面を外そうと──
「くちゅん!」
なんと! ありんすちゃんはまたまた転移してしまいました。
※ありんすちゃんが挿絵を描いてくれました