ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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055ありんすちゃんいなくなる

 さてさて、今日のありんすちゃんの様子を見てみましょう。この時間だといつものように第一階層から第三階層の見回りをしている事でしょう。

 

 おや? ありんすちゃんが飛び出していきます。大声でワンワン泣きながら外に行ってしまいました。いったい何があったのでしょう?

 

 第一階層には取り残されたシモベ達が呆然としています。もしかしたらプレイアデスの誰かに意地悪でもされたのでしょうか?

 

 そういえば原作でシャルティアはルプスレギナから『残念美少女の男胸さん』だの『ペタン血鬼』だのと陰口を言われていましたが……『プレイアデスな日』ではユリとシズが通りすがりに『階層守護者のボディに一発きつい物をお見舞い』していたりとシャルティアの扱いが可哀相なんですよね……

 

 ……なにがあったのかわかりませんが、ありんすちゃんはいなくなってしまいました。

 

 ありんすちゃんがいなくなってしまいましたので『ふしぎのくにのありんすちゃん』はどうやらこれでお終いになりそうです。今までご愛顧下さいましてありがとうございました。ありんすちゃんに代わってお礼申し上げます。

 

 いざ終わるとなるといろいろと心残りが出てくるもので、もっとありんすちゃんを活躍する話を書けば良かったとか、ありんすちゃんの魅力をもっと出せたら良かったと等の反省が出てくるものですね。

 

「あれ? ありんすちゃん、いないねー?」

 

 どうやらアウラがありんすちゃんの姿が無い事に気がついたみたいです。

 

「まあ、夕方になったら戻ってくるかなー、たぶん」

 

「……も、戻ってこなかったらどうしよう?」

 

 平然とした様子のアウラに対してマーレは不安なようです。

 

「──おやおや? ありんすちゃん家出っすか? しょうがないおチビさんっすね」

 

「ほっとけばぁ?」

 

 今度はルプスレギナとエントマもやって来ました。なんだか段々大事になってきてしまいましたね。これではアインズ様の耳に入るのも時間の問題ですね。

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

「──なんだって!」

 

 執務室でありんすちゃん失踪の話を聞いたアインズは思わず叫びました。瞬間的にかつてシャルティアが洗脳された一件が思いおこされましたが、直ぐに思い直すのでした。

 

(……まあ、ナザリック内で洗脳されるなど起こり得ないだろう。元はシャルティアとはいえありんすちゃんは所詮、幼児に過ぎないから何か気に食わない事があったのかもしれない。……こんな事ならば普段からもう少し気を配っておけば良かったかな……)

 

「アインズ様、すでに姉の二グレドに行方を探させておきました」

 

「……うむ」

 

 二グレドの魔法を使えばありんすちゃんの居場所はすぐに判明する事でしょう。

 

「ありんすちゃんは現在トブの大森林を移動中で、監視の為にシモベを何体かつけております。……いかがなさいますか?」

 

(このまますぐに連れ戻すのは容易いだろう。しかし少しそっとしてあげた方が良いかもしれないな)

 

「わかった。しばらくそっと見守っておくように。……連れ戻す時は私自ら行くとしよう」

 

 アルベドは了解すると執務室を出ていきました。

 

 

 

※  ※  ※

 

 

 

「絶対に許さないでありんちゅ」

 

 ありんすちゃんはプンスカしながら走っていました。絶対に帰るもんか、謝られても許さない、固く結んだ口元にありんすちゃんの強い意志が現れています。

 

 この様子だと当面ありんすちゃんは戻ってきそうにありませんね。

 

 ところで……ありんすちゃんが戻らないので『ふしぎのくにのありんすちゃん』はこれで本当にお終いかもしれません。もしくはアインズが主役で『ふしぎのくにのアインズ』が始まるかもしれません。

 

 ありんすちゃんが無事にナザリックに戻ってきてくれる事を願うとしましょう。

 

 たくさん泣いて、スッキリしたら何食わない顔できっと戻ってくるでしょう。何といってもありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子に過ぎないのですから。

 


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