ーー剣戟ーー
「昨日、拓也から聞いたぞ、異世界では剣を嗜んで居たそうだな」
「あくまで腕を見るだけだったのだが」
「気が変わったよ正式なルールに則ってやろう」
「では、始めよう」
二人は定位置に着てから
「よろしくお願いします。」
お辞儀をする。
私達は最初、睨み続けどちらかが動くのかを待ち続けたいたが教官が先に痺れを切らし踏み込んだ。私はそれを待って居たのだ、盾で受け流し、剣で教官を突くフォードはそれを後ろに飛び跳ね躱す。また、睨み合いが続いた、先に私が動き右斜め上から斬りつけるが、フォードがそれを受け流し、その様な剣戟状態がずっと続いた。
「少し侮っていた、済まない」
「そろそろ、本気だそう、ついてこれるか?」
「当然です」
フォードは剣を一旦鞘に収めましたね、何かをする気でしょうか?
一方訓練場の片隅では二人の男性が勇者の力量を見ていた。
「溜めてるなあいつ、アレを使う気だね」
「アレってあれっスか⁉︎」
「フォードさん、女子相手本気出す気っスか?」
「死んじゃいますよ止めなくて良いんっスか?」
「大丈夫でしょうね」
「フォードが本気を出すという事は彼女はフォードと同格の手練れかそれ以上じゃない」
視点は戻り
ーー五月雨斬り
「小賢しい防御は出来なくなったな」
たかが盾を破ったぐらいじゃ私は倒せないよ。私は背中の鞘に収めていた剣を左手で抜き放つ。
「君はやはり、二刀流だったのか」
「来い」
私は一度距離を取り剣を構えた後距離を一気に詰めて放つ、その速度音速を超えているだから私が瞬間移動をした様に見える。
ーー 不可避十字斬り
不可避と銘打ったが、音速を超える反応速度があれば躱す事は可能です。
「なっ」
無論刃丸めてあるため骨が折れるぐらいで済ます、死にはしません。そのまま、フォードは訓練場の壁にめり込んだ。
「見事だ、桜よ」
「私が負けるなんて始めてだ」
「剣聖の名を君に譲ろう」
「えっ、教官、剣聖の称号持ってたのですか?」
「これでも昔は凄かったんだぞ」
少し教官は不機嫌そうに言う。
「それに今でも、魔王軍四天王とは競い合えるぐらい技量はあるつもりだったが」
「流石剣聖、凄いですね」
「本当に驚いたよ、異世界に俺より強いやつが居たんだからな」
「君なら魔王を倒せるかも知れない」
「頑張れよ」
「それにしても身体が痛てえなぁ〜」
「大丈夫ですか?」
私はそっと手を差し伸べる、その手をフォードが掴みゆっくりと起き上がる。そのタイミングを待っていたかの様に二人の男性が近づき私達に話かける。
「見事だ、勇者達」
「まぁ、拓也殿に関しては最初から剣術を教える必要がある様だが」
「それにしても、凄いっスよ、フォードさんに勝つなんて」
「えっと………」
「そいつは、格闘家のディック」
「元勇者パーティーの一人っス」
「で、その隣に居るのは宮廷魔法師のシャルルだ」
「よろしく頼む」
「「えっ、魔法師だったんですか?」」
「はぁ、お前ら絶対私の事騎士だと思っただろ」
「よく、言われるよ」
間違えるのも無理はない宮廷魔法師にしてはやけに筋肉あるし、誰もが彼女が魔法師だなんて分からない。
「勇者達、疲れただろう、良い店紹介するよ」
「お店行く前にフォードさん回復しないと」
「それもそうだな」