龍に愛された少女の話
少し話をしよう。
龍に愛された子が居た。
親に捨てられた悲しき子。
だがそこには一匹の龍が居た。
巡り巡ってその龍の元で育てられた。
その子は純粋に素直な子に育った。
そんな龍に育てられた彼女のお話。
「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ、だけどこうするしかないの。」
そう言って彼女は手に持っていた箱を置き、何かに脅えるように逃げるように去っていった。
その箱には生まれて間もないであろう小さな赤ん坊が居た。
雨が降っている訳では無いが今の季節は冬の真っ只中。
そんな中で赤ん坊を独りにするということは赤ん坊に対して死ねと言っているものだろう。
だがこの赤ん坊は運が良かった。
麓まで降りてきた野良猿に見つかり山の主である一匹の龍の元に運ばれたのだから。
そうして龍の元に運ばれた。
龍は問う。
「猿よこれは一体なんだ?」
「いやー自分も分かんねっすわーいつものように餌とりに麓まで降りてきたはいいけれどこの箱見つけちゃいましてねー?」
「猿よその箱から生命の息吹を感じる。開けてみろ。」
「へいへーい了解ッス。」
そう言って箱開ける。そこに居たのは生まれて間もない赤ん坊だった。
「うわっマジっすか人間の子じゃないですかヤダー」
「そう言うな猿よ私にも見せてくれ。ッ!」
龍がその子を見た時驚き、一つの感情が生まれた。
愛だ。
龍は今まで愛などどうでもいいと思っていた。
だが赤ん坊を見た時そんな考えは一気に吹っ飛んだ。
「んでー?この赤ちゃんどうしますー?」
「私が育てる。」
「ヴェッ!?」
「私が育てると言った。」
「エ、エッ!あんさんが!?この赤ん坊を育てるゥ!?いや何いってんすかあんさん!?」
「確かに私は子育ての経験が無い。だから猿よ、お前らの中の子育ての経験がある母猿を送ってくれ。」
「いやまぁ良いんですけどもじゃあうちのオカン頼んでみますわ。」
「頼んだ」
「それにしても何であんさんが育てたい思ったんすか?」
「何故かは分からない。だがこの子を愛したいと思ったのだ」
「そうですかい。じゃあこれにて失礼しますわ。」
「あぁ」
そう言って猿は去って行く。
その後ちゃんと先ほどの猿の母猿が来て、赤ん坊はすくすくと育ってゆく。
月日が立ち5年が経った頃とある一言によって重大な問題が発覚した。
赤ん坊も育ち少女となり、龍も娘のように可愛がっていた。
その日遠くからやってきた祖なる龍の「ムスメムスメと言うとるが名前はあるのかの?」と言う発言に少女と祖なる龍を除く面々が固まり今の状況に至るのである。
「そういえば名前を付けていなかったな」(ガタブル)
「そういえば付けてませんでしたねあんさん。」(汗ダラー)
「アンタらって言いたい所だけど私もだからねぇ」
龍と猿は震え冷や汗を流し、猿の母猿は自分の額を叩きながらため息を吐いていた。
少女は少女で祖なる龍に名前って何ー?と聞き。
祖なる龍は祖なる龍でこう答える
「名前とはのお主だけの特別な物なんじゃよ。わっちにもちゃーんとあるでありんす。」
そう聞いて喜ぶ少女。
少女は龍の方向に歩き出して龍に言う。
「お父さん。私名前が欲しい!お父さんと同じ様な名前が!」
「それで良いのかムスメよ?」
「うん!」
「そうか」
そこから龍は考える。龍の名前はミリオス。嘗ては暴君と呼ばれた龍である。今は怪我が原因で山に隠れた龍である。
(私の名前はミリオス。安直だが私はこれにしよう。)
いつの間にか俯いていた顔を上げ、今にも感情を爆発させそうな我が愛する娘に言う。
「決めたぞお前の名前は今からミリスだ!」
そう言われた少女否ミリスは嬉しさのあまり
「(っ'ヮ'c)ウゥッヒョオアアァアアアァ!!」
キチガイになる寸前の喜びをあげていた。
そこに祖なる龍(めんどくさいから祖龍と呼ぶ)が言う。
「喜ぶのはよろしかとしかし名字はどうするのかえ?」
「どうしよう」
「はぁ仕方の無い阿呆やのぉ。どれわっちの名前ミラルーツを使うと良いかと。」
「と言うとフルネームが」
"ミリス・ミラルーツ"
「という事になるのか」
ミリオスがそう締めくくった。
ミリスは改めてみんなの前に向き大声で言う。
「ミリス・ミラルーツ改めてよろしくお願いします!!」
その言葉に皆微笑み全員合わせて言う。
「「「「あぁよろしくミリス」」」」
「ハイ!!」
その出来事から更に月日が流れ駒王学園二年生になって、彼女の物語が始まる。
これは親に捨てられ、代わりに龍に愛された少女の話。
続けるか悩んでる