デモンズ要素を突っ込んでみたハリポタ風味作   作:たか等

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最近はけんぞくぅとしても活動中。でもいい加減ディーラーがほしい。
今回、文量的にはあっさり。前回みたいの毎回やってたら疲れるのでね。それと取り扱うテーマ的にタグ追加。それにしても展開がサクサクいかない(怒)

※直接的な表現ではないけどグロ注意。嫌な人は後書きに筋を書いておいたのでそちらを参照。


p-5

 出来事だけを端的に述べる。今のところ、考えをまとめる余裕がない。

 場所は四階。右側の廊下を進み、その突きあたりにある扉の向こう側。今は使われていない教室での事だ。

 

 そんな場所に立ち寄った理由などは些細なものだ。ハロウィーン・パーティで気が昂ぶったのか、帰り際に少し探検してみようなどと提案したのは誰だったか……いや、それはどうでもいいことか。ともかくその提案にもう一人の友人が賛同し、僕も抜け道でも見つけられないかなどと呑気に考えて参加することに決めた。

 

 監督生の先導から抜け出すことなど容易いことだった。パーティーの帰り際、興奮冷めやらぬ中だ、数人いなくなっても気づくはずもない。

 

 そうして各々以前より気になっていた場所を巡ることになった。それはグリフィンドールの談話室への入口であったり、ハッフルパフの穴蔵の特定(ついでに近くの厨房を訪問しようとしたがこちらは失敗した)。

 個人的にはスリザリンのそれにも興味があったのだが……友人らに近づいても碌な事がないからやめておけと言われ没となった。

 

 このホグワーツ探索によって得られた成果はこの程度のものである。

 そして順当に、フィルチや教授陣が見回りに来るかもしれないしそろそろ帰ることにしよう、ということになった。探索は例の双子やピーブスのパーティー後の騒ぎを隠れ蓑にしたものである以上、確かにそろそろ引きどきであった。

 

 その後、寮への帰り道の途中で四階の廊下を訪れた。当然、そんな場所に何のおもしろみもなく、当初は予定にすら入れていなかった。

 しかし通り過ぎようとした際、ふと友人の一人が最後にあそこの部屋に入ってみようと言い出したのであった。

 そこは呪文学の教室の近く、近くを立ち寄るものの誰も訪れたことのない部屋。誰も、その扉が開いている光景など見たことがなかった。

 

 未知の空間、その意味では確かに、ある程度は興味深い部屋であった。探索という名目上は立ち寄っても問題はないわけだが、単なる倉庫だろと友人の一人が呟き反対した。彼はいい加減に寮に帰りたかったのだ。そんなこんなで結局僕に判断が巡ってきた。

 僕はどちらでもよかったが、個人的な理由として、その場所へ時折エクトプラズムが侵入していく姿を見たことがあり、興味の方が勝った。そういうわけでその提案に賛成し、結局多数決によりそこへ立ち寄ることとなった。

 

 

――――――――――――――――

 

 

 扉には鍵が掛かっていた。もちろんそんなことは想定の範囲内であり、侵入を提案した友人が解錠の呪文を唱えた。そしてその呪文は正しく作用し錠が開かれた。

 

 この事実に対し、僕を含めた三人とも程度の差はあれ落胆した。こうして簡単に解錠できるということは、その中身に期待などできないからだ。誰にでも開けられる鍵に意味などなく、然るにそれは注意書き程度の効力しかない。となると内部にいったいどんな秘密を期待できるというのか。

 

 ともかく扉が開かれ、僕たち三人はその中へ入ってみることにした。

 暗くて埃っぽい。そんなありきたりな感想がその部屋に対する第一印象であった。広さは普段使う教室程度、そして隅の方に椅子や机が並べられていた。蓄積した埃の量からみるとそこは今は使われていない教室か何かだったのだろう。

 友人らも、なんだ単なる教室かつまらないな、というよりやっぱり倉庫じゃないか等々喋りながら杖の光を片手に部屋の中央へと歩き出した。

 僕も一歩遅れてそれに続こうとする直前、部屋の中央の"それ"に目がつき立ち止まった。

 

 部屋の中央に何かがあった。

 何か……そう、赤い水たまりのような何かだ。それが部屋の中央で浮かび上がって見えた。そしてそれは杖の光(ルーモス)が反射したものではなく、それ自体が光苔のように微かな燐光を帯びているようだった。

 

 そんな未知の現象に対し、思わず立ち止まる僕であったが、一方で友人二人は足元の"それ"になどに見向きもせず、更には"それ"を踏みしめて先へ進んでいた。この事実に対し、僕はまずある点について納得した。それは友人たちには恐らく"見えて"いないということだ。そして同時に、これもエクトプラズムと同質なものではないかという推論に思い至った。

 

 しかし赤い何か……いや、今こうして書いている段階で取り繕っても意味はないか。その後のことも併せて考えるに、あれは血痕だ。その血痕が光っており、更に友人には見えず、それもホグワーツの古い教室で見つかった。どう考えても厄介事である。人が失血した場合の致死量というものはわからないが、しかし床に広がるその血痕は少なくとも見る者に対し良い予感は与えてくれない。

 

 怪しい。その一言に尽きた。

 しかし今思い出すと、発見当初は不信感以上に未知の現象に対する高揚感が存在していたようだ。エクトプラズムに似た性質のものが明確な形として目前に存在していること。浮遊せず立ち消えずこうして設置されてあること。それらは僕にとって初めてのことであった。

 こうした興奮や心地の良い妙な緊張感から生まれたのが即ち好奇心というやつであり、警戒心は友人たちが触れたところで何の害もなかったという免罪符によって除かれた。

 

 そのため結局僕はそれに足で触れたのであった。ただ、流石に皮膚で直接触れないくらいの判断力は残っていた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

 血痕に触れてしばらくは何も起こらなかった。

 しかしそんな結果に落胆しかけた瞬間、唐突に僕たちと同じくらいの背丈の誰かがこちらに背を向けて顕れた。それは赤色に光る、半透明な像でった。

 エクトプラズムと違って赤色のそれは、暗闇で見たせいか普段目にする白いものよりも輪郭がはっきりして見えた。

 

 この赤い像の登場により、僅かばかりの驚きで僕は少し後ずさったが、また同時にある程度の納得さえも覚えていた。友人たちがこんなおもしろそうな現象を無視するとは思えないので、やはりこいつもエクトプラズムと似たような存在であろう、と。

 

 その赤い存在が出現してから暫くの間、僕はそれを観察し続けた。しかしその間、そいつは静かに佇んでいるだけであり、また特に動き出そうともしない。そうした姿に目新しさは覚えるものの、些か退屈であるために僕は僅かばかりの苛立ちを覚えた。

 そして結局しびれを切らし、ひとまず顔を見てやろうとそいつの正面に回り込むことにしたのであった(なおこの現象がどういった理屈で発動したものかわからなかったため再度触れることは避けた)。

 

 前から見ると、鮮明とは言えないものの背丈やその表情がそれなりにわかった。

 外観だけで判断するとまず男性であり、背丈からは僕たちと年齢が似たようなものであろうこと、そして胸元のそれは……最も近しいものを挙げるとグリフィンドールの紋章だろうか? 

 次に、彼が一体何をしているのかと表情を見つめると……口が動いている。話をしているのだろうか?

 

 しばらく観察を続けることで少しずつ"それ"の詳細がわかってきた。まず、やはりこれは生徒のようだ。白い方のエクトプラズムと同一視することはできないが、こうして確認してみるとローブを羽織っており、ホグワーツの制服も着用している。

 彼はおそらくグリフィンドール生であるようだが、となるとエクトプラズムの分布に従えば、理由は不明ながらグリフィンドールとスリザリンの生徒が多いということになるのだろうか? なぜだろう? 

 

 そうやって観察と思考を続ける僕であったが、一方、対象の方にも少しずつ変化が生じ始めた。……なにやら手を振りあげ始めたり仕種が大きくなり始めたのだ。この仕種に似た行為を思い浮かべると……もしかして歌っているのだろうか? それにしても残念なことにその声はこちらには届かないようである。

 

 そして……この現象に対してなぜ、と僕が疑問に思った瞬間にそれは起こった。唐突に目の前の彼が浮かび始めたのだ。それも何かによって強引に持ち上げられるかのように。

 

 恐らくそれは彼自身が暴れている時点で意図していないものであったのだろう。彼は宙に浮いたままもがき……しかしそのまま次第に彼から何か液体のようなものが垂れ下がり始めた。

 

 ……そして、何かが裂ける音が視覚を通じて伝わってきた。

 

 それから少しして、僕の頭上に"何か"が落ちてきた。体をすり抜ける"それら"を目の当たりにして、やはり透過するのかなどと、どこか遠い場所で納得していた。

 

 しかし最後に落ちてきた"それ"と目が合った瞬間に思わず僕は嘔吐した。

 

 

――――――――――――――――

 

 

 好奇心は埋められ、しかし期待していたような冒険など起こらず、結末はこの有様である。幸い、寮に到着するまで面倒事はなかった。恐らくひどく青褪めていたであろう僕を素直に心配してくれている友人らにはパーティで食べすぎたと弁解しておいた。

 

 寮に到着し、他のルームメイトに所在を問われても誤魔化した。それが落ち着いたあとは各々パーティの思い出を語り合ったが、およそ全ての返答にどう答えたのか記憶がない。

 

 その後、就寝時間になってルームメイトらは眠りに就いた。僕も周囲に合わせて眠ろうかと思ったが、目を閉じるとあの光景が思い浮かんだ。そのためとても眠ることなどできなかった。そのため、疲れ切っていたがどうしようもない状態であったのだが、談話室に降りて、今こうして筆を取っている。

 

 それでも一通り、今日の出来事を書くことで少し落ち着いたが、「あれはいったいなんだったのか?」という疑問だけが今もなお変わらずに脳内を駆け巡っている。

 

 確かに血液に魔法族の力が宿るなどという仮説は以前考えたことがある。しかし、血液のようなものから、更にゴーストのようなものが現れるなど考えるはずもない。

 仮に、あれが死の念が焼き付いたものであるとするならば、僕が考えていたゴーストという存在に近しい……しかし当然ゴーストではない。

 

 血痕から発生したのは……あの光景である。恐らく死の間際……いや、彼が死んだという確証はないが……いや、あれは確実に死んだと思わざるを得ない光景だ。

 血痕に触れることで死の光景が映し出された。これは恐らく正しいのだろう。しかし仮にエクトプラズムのようにホグワーツの記憶が……つまり死の再現が行われているとして……いや、そもそもなぜあのような教室であんな光景が生まれ得るのだ? 過去に……ちがう、そもそもあれは本当にあの場所であった出来事なのか? 本当にあの場所でああして死んだ人物がいるというのか? 前提が間違っているのか? なぜあのような死に方が有り得る?

 

 ……ダメだ、わからないことが多すぎる。そしてそれ以上に頭が混乱しているのが自分でもよくわかる。

 

 せめて……そうだ、確実なことはないだろうか? 今の状態では無駄な思考などせず、事実確認だけをしたほうが良いのかもしれない。事実を、とりあえず並べてみることにしよう。

 

 まず、あれは血液から顕れた。しかし、触れなければ顕れなかった。そして、その血液や血痕から顕れたものは、エクトプラズムと同様、友人らには見えていなかった。最後に、あの結末の後、赤い、それらのものは消失し、しかし血痕だけは未だに残っていた。

 

 今わかっている事実というのは……これくらいだろう。いずれも再び検証しなければ……いや、しばらくは無理か。まず今から再び訪れるなど無謀であるし、そもそもあの光景をもう一度見に行こうとは思わない。自分と同じ歳くらいの誰かの絶命の間際……それも人が引き千切られる瞬間など。

 

 ……今日はもうこれくらいにしておこう。

 こうしているよりも、疲れを取るためにベットで横になっていたほうがいいのだろう。眠ってしまえば……あの光景を夢に見るかもしれないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の話の内容
・ハロウィーン・パーティー後のホグワーツ探索
・四階右側廊下、突き当たりの扉内部で血痕発見
・ちょっとしたスプラッタ映像視聴に主人公嘔吐
・グッダグダな考察

本作において一年目はいわゆるチュートリアルにする予定なのでわかりやすい例を実装……したかったけどやっぱり表現的な緩急が難しいよね。元ネタ的にはそこいらでよく見かけるアレです。ただZ指定verにしたらこうなっちゃったぜ。そして15と18の境目が微妙にわからない。

所々に「痛々しい死」が待っている本当は怖いホグワーツって感じを目指しつつ、こうしたBADEND集はいろんな場所に仕込んでおく予定。ま、主人公には今から頑張ってもらって耐性つけさせとかないとな(ところでそう考えるとアバダ~は関係各所に優しい呪文)。

以上のように、主人公には未だ不明な白い靄や血痕(仮)ですが、読者の皆さんにはおわかりでしょう。結果はグロいけど真相はわりとコミカルにしておきました。『知識の有無の差はあれど、彼と似たような境遇』というのがヒントですね。果たして主人公はこの(メタい)真実に辿り着くことができるのでしょうか?(なお、この点一応ネタバレなんで詳細は活動報告の方に書いておきます。一息ついたら投稿するので、しばしお待ちを)

そして最後に一つお詫びを。
時間軸的に神殿じゃなくてロードランになってしまいました。ごめんなさい。時空が乱れていないとどうもできないことが多くなりそうなのでこうなりました。すみません。またついでに言うと、青黒ファントムの取扱いについても考えている最中なのでツッコミを入れるのは少々ご容赦頂ければ幸いです。


次回予告
主「建造物侵入とかマジ勘弁」
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