ズサが行く異世界転生 作:グルバスター
「モウパーティートヤラヲ組ムノカ、気ガ早過ギナイダロウカ?」
「早過ぎることはないよ!ズサはタスクドッグだって簡単に倒せるし、十分初心者卒業レベルだよ…………放っておいたら、他の人と組むかもだし………………」
「シカシ、イレイナモ経験ガ浅イトイッテモ本来タスクドッグナドニハ不覚ハトラヌ腕前ダロウ?何故アンナ小サナ花ヲ大事ニ持ッテタノダ?」
「知らないの?あの花は万能薬草って呼ばれるほどの代物なのよ!見過ごすわけにはいかないわ」
「崖カラ飛ビ降リル必要ガナカッタ気ガ………」
「でっ、でも、お陰であたしは怪我してないし、花も手に入れたし……………………、ね?」
ズサはあまり納得してなかったが、それ以上は言わなかった。わざわざ花一つ守ってやったようなものだが、貴重かつ便利な花ならば新米冒険者の大きな助けになるだろう。換金、取引、使用、どれを取ってもいずれ命を救うことに繋がるかもしれない。スターリングフによれば、毒にやられて命を落とす新米冒険者は数多くいるらしい。
「出血毒ヤ麻痺毒ガアルガ、ゴーレムノオレタチニハ関係無イガナ!………………マア、酸ニハ気ヲ付ケロヨ…………タマニ鋼モ溶カスモノガ有ルラシイカラナ………」
ゴーレムの冒険者のことで、ズサはパーティーについて話を戻すことにした。スターリングフとも駆け出し同士(スターリングフは同族だとも思っているようだが)パーティーを組む約束をしていたのだった。そのことをイレイナに伝えると、
「え?何それ…………………、やっぱりあたしのいない間にそんなことしてたんだぁ……………………あたしより同じゴーレムの方がいいんだぁ…………………ねぇ、パーティーには入れてくれるよね?仲間外れなんかしないよね?あたしのこと嫌いじゃないよね?」
「…………………………三人以上デモ、パーティーハ組メルダロウ?」
「うん……………………、4人まで1つのパーティーに入れるよ………………あっ、他に三人集まったらあたしは用済みに「ネガティブ過ギヤシナイカ!?」」
わりと面倒臭い彼女であるが、ズサもようやく気付いたようだ。料理の腕前は良いから気にも止めることはないのだが、
(可愛イイカラ許サレルコトッテアルヨナ………………)
とも思うようにもなっていた。健気なブスよりメンヘラ美少女とは、世知辛い話である。やっぱり男社会は一度さっぱりさせた方が良いのかもしれないな、と某アナハイム役員が言ったようなことを思うズサであった。無論外見に関しては人間は努力を重ねるべきだし、面食いじゃない人間の方がむしろ少数派だろう。
(セメテ身ダシナミグライ気ヲ付ケロヨナ…………、MSは太ッテ見エル機体トズット付キ合ワナキャナランノダシ………)
イレイナの暴走も収まり、ギルドから配布された冒険者手帳の掲示板について説明してくれた。魔法によって、書き込んだことを他の冒険者に伝えられるらしい。また、自身のプロフィールを載せた個人用連絡欄もセットされているという。
「スターリングフ………………結構有名ね…………あたしたちと同じ初心者卒業程度のくせに………………食べ歩き日記のお陰かしら?」
「アイツ………………、スキル欄ガ忍者ナンダガ…………(食ベ歩キハ好キダ、ト言ッテタガ、ゴーレムガ早業トカ情報戦トカ隠密行動トカ出来ルノカ………………?ソッチニ驚キダ……………)」
スターリングフのプロフィールは、突っ込みどころしかなかったが。
「改メテ自己紹介………、コノオレガ、「スターリングフ」ダ………ヨロシクナ、「ズサ」ト「イレイナ」」
「ヨロシクナー」 「………ふん、よろしく………」
ギルドで待ち合わせをして、パーティー手続きをしに来たが、イレイナだけ少し無愛想だ。スターリングフは等身大ではあったが、如何にもゴーレムといったような体をしている。忍者スキルは、ズサの考えていたようなスパイ系のものではなく、連撃や回避とのような早業主体のものだった。
(マダ、イッソ怪マレナサソウナ情報戦トカ保護色ニヨル隠密行動ノ方ナラオカシクナイノダガ……………)
(あれで、素早かったりするのかな………………?)
その後ギルドで、折角だからあともう1人組んではどうか、と言われた3人は、冒険者を1人探すことにした。
(我々ノ戦闘ノ穴ヲ埋メラレル奴ダロウナ………)
(オレタチト気ガ合ウ奴ダ)
(ズサに女が寄って来ないようにしないと……………)
皆考えていることは違ったが。