北条家の守谷城を攻めてくるため黒田家は小金に出陣、そして正樹達が小金に陣を敷き数日が過ぎ8月10日守谷城から伝令を持った足軽がやってきた
「申し上げます!西木野様が指揮しておられました改築、無事完了したとのこと!」
「そうか、ご苦労下がって良いよ」
報告を受け、終わった足軽を下がらせて、正樹は来るであろう北条軍の軍勢がやってくる方向を遠目で眺める。
「ちょっと、黒田さん、ちょっと良いかしら」
そんななか、正樹の所に部隊の状況を見に行っていた真姫がやってくる。
「西木野さん、部隊の方どうでしたか?」
「部隊の方?やっぱり初陣っていうのがあるわね……みんな緊張してるわ…」
やってきた真姫に正樹は部隊の状態を訪ねて、真姫はすぐに部隊現状を話す。それを聞き、そうですかと正樹は言った。
「っで、ちょっと耳に入れてもらいたい情報があるんだけど…いい?」
「ん?何か?あるんですか?」
部隊現状の話だけだと思っていた正樹は自分の耳に入れて起きたいという情報がなんなのか訪ねる。
「守谷城に向かう一部隊…高木胤吉の部隊は海を渡って東から迫ってるって知らせが届いたわ」
「…いまの守谷城には守る兵も将も居ない、迫ってきてる原胤貞を倒した後に戻らないとな…」
真姫の進軍状況を聞き今後の軍の進路を決めた正樹。
「それでね、私に良い方法があるんだけど…こっちに来てる原胤貞の部隊に待ち伏せるのはどうかしら?」
「待ち伏せ?どうやって?」
真姫の作戦があるのか…それを興味津々に聞きたい正樹は真姫に訪ねる。
「多分進行速度から、あいつらが来るのは夜よ、だから夜中に紛れて敵の背後を奇襲する…相手は私達を格下だと舐めているはずだから」
「上手くいけばそれほどまでの損害も出さずに勝てる…北条から見た俺達の見方を利用した良い策だな…やってみるか」
「それじゃあ早速準備に取りかかるわ」
夜襲をかける準備始める黒田軍、一報その頃守谷城に向かう原胤貞の部隊はそんなこと知らずに進軍していた。
「黒田とかいう若造が…この胤貞が討ち取ってやろう」
正に余裕の表情を見せる、胤貞だが、まさか待ち伏せられているとは全くもって知らない。
「あちらは2000にも満たない兵、この戦我々の勝利は揺るがない、綱高様が来る前に攻め落としてしまおう!」
勝ちは揺るがないと進行中も部隊の士気を鼓舞しながら進んでいる。
そして日が落ち、原胤貞の部隊は夜間行軍をせずに小金の地にて夜営を建て一夜を過ごそうとしていた。
その北条の陣営に真夜中に忍び寄る一軍があった、黒田正樹率いる黒田軍である。
「さてと、本当に上手く接近することができたみたいだな…西木野さんこれで予定通り」
「ええ、火矢を放って陣営を燃やす。その後乱戦に持ちかけて敵の軍を総崩れにするわ」
ここからの作戦を再度正樹に話し、正樹は再度攻撃を仕掛ける覚悟を決めると、着いてきた人々に指示を出す。
「弓隊構え……」
その声と共に弓を持つ黒田軍兵士達が火の付いた矢を弓につかえて、弦引いて狙いを定める。
「……放て!」
正樹は一度深呼吸をして射撃指示を言い放つと黒田軍の放たれた火矢は北条軍陣営むかって飛んでいき陣幕や柵などに火が燃え移る。
「て、敵襲!?敵襲!!」
「火だ!火事だ!!」
突然の事態に北条軍は混乱するなか火の手は更に回り、被害は更に拡大していく。
「よし!全軍突撃!一気に決めろ!!」
弓矢の遠距離攻撃を撃ち方をやめさせ今度は陣営に突入して乱戦に持ち込むように指示を出すと各々の近接戦の武器を構えると陣営にむかって突撃を開始した。
火の手が回っている北条軍陣営から逃げていくように出てくる北条軍を強襲する黒田軍。
混乱に逃げ惑う北条軍は突撃してきた黒田軍に抵抗も虚しく討ち取られていく。
「お、おのれ…!黒田正樹!ただの若造だと思って油断した!この屈辱忘れぬぞ!!」
混乱の中、原胤貞は討ち取られずにこの地から逃走した。
小金の地で起きた黒田家の初陣は圧勝という幸先のよい始まりを切ったのであった。