人身売買の商品を運んでいた船で昼寝してたらめちゃくちゃ別嬪さんが多いところにたどり着いた。何でも『吉原』とかいうらしい。…てか腹減った、食い物ください   作:月詠の髪おろした姿可愛すぎ

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タイトル長い!!
ノリとテンションも高い!!
そんなこんなで始まるよ!


プロロォォォォッグ!(大体叫べば何とかなると思ってる)

吉原

 

この江戸に住む男なら一度は行ってみたい夢の桃源郷。

地下に広がるその夢の町には数多くの美女が、その妖艶な体を使い、日々多くの男を色香で落とし、金を稼いでいた。

今宵も男たちはその女たちを金で買い、その汚れた欲を女の麗しき体へとぶつけ、吐き出していた。

そう、この桃源郷は所詮男たちにとっての桃源郷。

この吉原では、女たちはただの道具として扱わられてしまう。

使うだけ使われ、そして最後には捨てられ、死ぬ。

そのことを恐れながら、女たちは必死に客を集め、自身がまだ商品価値があることを見せつけ続ける。

そんな道具である女の調達方法はいろいろだ。

 

女だって消耗品

使えなくなった道具を補填することは当然のことである。

多くは親から金目当てに捨てられた女を使うが、その多くは子供。

そればかりでは補填が間に合わない。

そのために使う次の手段は人身売買。

その主たる仕入れ先は銀河系最大の犯罪シンジケート、宇宙海賊、春雨だ。

宇宙中から選んできた美女たちを運搬船に乗せ、今日も春雨は宇宙という大海原を渡り、ここ吉原へとやってくる。

停泊所に船を止め、積み荷である女たちは、アニメでよく見るような奴隷のように、鎖につながれ、船から降ろされていた。

どれも見目麗しい美女ばかりである。

皆、瞳に光を映してさえいれば、絶望に顔が染まっていなければもっと美人に見えただろう。

それを見ていた二人の男の船員は、商品の数を手元のリストと照らし合わせながら感嘆のため息を吐いていた。

 

「うっほー、どいつもこいつも美人ばっかりじゃねぇか…。俺も一発かましたくなってきたぜおい。一人くらい食っちまってもいいか?」

 

「やるなら便器にでもかましとけこのタコ。こいつらは大事な商品だ、お前が手を出していいもんじゃねぇよ。」

 

「そりゃわかっちゃいるがよ、5日間の長旅を船の上でしてきたんだ。しかもそれを折り返してかなきゃなんねぇ。おらぁ溜まりに溜まっちまってよぉ、出すもん出さなきゃやってけねぇわけよ。どうだ、この後少しまわってこうぜ。少しくらいなら大丈夫だろ。」

 

「わかったわかった、とりあえず今は目の前の仕事に集中しとけ。」

 

「おっしゃ!さっすが話が分かる!そうと決まればさっさとこんな仕事終わらせて…」

 

「姉ちゃああん!!」

 

「ああ?」

 

一人の男があきれた様にため息を吐けば、もう一人の男は意気揚々と笑みを浮かべる。

正反対の反応を示しながらも仕事を再開しようとした男たちだったが、不意に船の方から一人の子供が女の列の方へと走ってきた。

年のころは10かそこらだろうか。

その少年は、ボサボサの黒髪に薄汚れた服を着ており、身なりはお世辞にも良いとは言えない子供だ。

その子供は、女の列へと近寄りながら、瞳に涙を浮かべていた。

そして、列の中央あたりにいた女の方へと駆け寄ると、その服にしがみついてきた。

 

「やっと見つけたよ姉さん!姉さん、姉さんでしょ!?おれ、おれ!あの時からずっと姉さんのことさがしてて!姉さんが海賊に売り飛ばされるって聞いて、この船に忍び込んでたんだ!船の中をいくら探しても見つからなかったけど、やっと…!」

 

「おい!」

 

「ヒぃ…!?」

 

女の服にしがみつきながら感極まったように、嬉しそうに涙を流していた少年だったが、不意に後ろから大声で男に声をかけられ、思わず肩を上げてしまう。

男はその少年の襟首をつかみ、その女から少年を引きはがした。

 

「おわっ…何すんだ、離せよ!!」

 

「そいつはもうお前の姉貴じゃねぇ、俺たちの大切な商品なんだよ。てめぇみてぇな小便臭いクソガキが触っていいもんじゃねぇんだ。わかったか、クソガキ?」

 

「うるせぇ!姉ちゃんはお前らの商品でもないんだよ、俺の大切な家族なんだ!お前ら、今度俺の姉ちゃんを道具扱いしてみろ、ぶっ飛ばしてやる!」

 

「おうおう、威勢のいいこっ…て!!」

 

「ッガ…ぁ…」

 

男は自身に向かって大声を張り上げる少年にうっとうしそうに目をやった後、空いていた方の手で拳を作り、少年の鳩尾へと殴りつけた。

一瞬、表情を苦しそうにゆがめ、口から息を吐きだした少年は、そのまま男に船の外まで放り投げられた。

数回、地面をバウンドした後、よろめきながら体を起こし、苦しそうにせき込んでいる少年を見て、男は下卑た笑いを浮かべる。

 

「そういう強気な言葉はな、てめぇで家族を守れるようになってから言いなクソガキ。今のてめぇがいくら吠えようが、力がなけりゃそりゃあただの遠吠えにしかならねぇんだよ!てめぇは黙って、お前の姉貴が道具として、犯されんのを見てりゃあいいのさ!なんなら、てめぇの姉貴、俺が買ってやろうかぁ?壊れるまで遊び倒してやるよ、ギャハハハハ!」

 

そういって下品な笑いを上げる男を、少年は悔しそうに、恨めしそうに、歯噛みをいながら見続けた後、まるで何かをこらえるように俯きながら、よろよろと立ち上がりその場から走って姿をくらませた。

永遠に夜の来ない町へと、少年の姿が消えていったのを確認した男は、下卑た笑みを絶やさぬまま、少年の姉の元へと視線を向けた。

 

「っは、何だよ、怒ってこっちにかみついてくるかと思ったら、逃げちまうのかよなさけねぇ…せっかくサンドバックができたと思ったのによ…」

 

「あ、あの…」

 

「あぁ?なんだよいきなり、あ、心配しなくてもさっき言った通り、お前はちゃんと買ってやるぜ?なかなかに美人だしな…そうだ、てめぇを買った後にあの弟の前でヤるってのはどうだ?どんな顔すんのか見てみたくねぇかおい!ギャハハハハ!」

 

「私一人っ子だから弟なんていませんけど…?」

 

「……」

 

「……」

 

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

「ちっ…さっきの男、女を買うだなんだのたうち回ってるからてっきり金目の物でも持ってんのかと思ったら…人の顔した紙切れしかもってねぇじゃねぇか。こんなもの懐に大事にしまっとくか普通。しけてやがんなマジで。こりゃあの男のナニもきっとしっけしけに違いねぇ。」

 

そういって先ほどの男につかまれていた際に盗んだ物の中に入っているものを確認してがっくりと肩を落とす少年。

この少年はどうやら知らないようだが、盗んだ物の名前は財布といい、その中身に入っているものはこの江戸における通貨である。

しかもそのほとんどが紙幣のみ、断じてあの男の財布はしけてはいないのだ。

ちなみにナニがしけしけなのはあたりである。

そんな、天然パーマの鼻くそ製造機が見たらうらやむような紙幣の束を少年は

 

「こんな紙、鼻拭くくらいにしか使えねぇってんだよ。あーあ、かんっぜんに外れだくそったれ。」

 

鼻水まみれにしてその辺へと丸めてポイ捨てした。

そして、財布を数回縦に振り、その中から出てきた硬貨をあさったかと思うと、不意に眉をピクリと動かし、ある硬貨を指でつまみ、しげしげと眺め始めた。

 

「…間違いねぇ、この輝きに艶。彫られた絵に、何より神々しい金で作られてるこの平たくて丸い物。真ん中にある小さな穴は、恐らくこの丸い物が最上級の宝であることを示してる…。これは絶対に上等なもんに違いねぇ!ずいぶんとしけちゃあいたが、まあとりあえずこれだけでももらっとくとするか。」

 

そういって満足げにうなずいた後、持っていた硬貨をそっと懐へとしまい込んだ。

彼は知らない。

自身が今懐にしまった五円玉より、先ほど鼻水まみれにして捨てた紙幣の方が何十倍もこの江戸では価値があるものだということに。

無知とは時として残酷なことをするものである。

 

「しっかし、ここはずいぶんと暗い街だな…日の光がねぇなんてずいぶんと変わってやがる。そのくせ建物の光はまぶしいくれぇに輝いてるし…変なところだここは」

 

キョロキョロとあたりを見回しながらがりがりと頭をかじる少年は不思議そうにあたりを見回し続ける。

周りのものも、この吉原では珍しい、薄汚れた子供が一人で歩いている光景を物珍しそうに遠目で見ている。

そんな視線に気づいているのかいないのか、少年は不意にあごに手を添えると、何かを考えるようにして立ち止まった。

 

「まずいな…とりあえず安心して昼寝できるところに避難しようと船に忍び込んだはいいが、気づいたら変なところに流れ着いちまった…。興味本位で降りてみたはいいけど、こりゃ降りるのは間違いだったか?つーかここ、別嬪さん多いな…女の町かなんかか?」

 

そういえば船から降ろされてた女の人たちを商品だとか言ってたな…

 

と先ほど男の言葉を頭の中で反芻している少年は、ここがどういったところなのかひとしきりに考えを巡らせたあと…

 

『グギョロバゴゴゴゴォオオオオオ!!!!』

 

「……」

 

自身の腹から聞こえてきた魔物の叫び声のような音を聞き、視線を腹へと移した。

そして、少年は少しばかり腹を手でさすり始める。

 

「腹減ったな…ひとまず何か食い物でも買うか…」

 

そういって再びキョロキョロと視線をあたりに向けた後、近くにあった一軒の団子屋へと目を付けた。

 

「うまそうなにおいがするな…『団子』…団子か…知らねぇな…ダ○ボなら知ってんだけど…でもま…めちゃくちゃうまそうな匂いするし…入ってみるか。」

 

いぶかし気に店を見つつも、中から漂う甘くて香ばしい香りに耐えられず中へといざなわれる少年。

そんな少年を見つけた店の店員である女性は、営業スマイルで少年へと話しかけてきた。

 

「いらっしゃい坊や。ご注文はなんだい?」

 

「ん…とりあえず、その団子ってのを…これで買えるだけ出してくれ!」

 

そういって少年は意気揚々と先ほど盗んだ五円玉を女性の目の前へと高々と見せつける。

それを見た女性は

 

「……」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰れクソガキ」

 

その少年を瞬時にただの冷やかしだと理解した。

そして少年は、自身の持つ物の価値を理解した。

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

「はぁ…亀吉のやつ、また新人いびりなんかして…あんなんじゃそのうちだれも寄り付かなくなっちまうよ…ほんと、どうにかしないと…」

 

そういって疲れた様にため息を吐きながら廊下を歩くのは、ここ吉原で最も美しく、地下において、太陽と呼ばれるほどの女傑、日輪と呼ばれる遊女である。

この女たちの地獄でも、決して折れることなく、あきらめることなく、自身の信念を貫き続けるその女傑はまさしく吉原において、女の希望そのものである。

そんな彼女がため息を吐く理由は、亀吉と呼ばれる自身の同僚にあった。

この亀吉と呼ばれる遊女、新人にいつもきつくあたり、嫌味もグチグチ言いまくる、上司にしたくない女ナンバー1になれそうなほど性格の悪い遊女だったのだ。

そんな同僚が最近、また最近売られてきた一人の新人少女に横暴し始めたため、日輪もこうして頭を抱えているのだ。

 

(全く、このままじゃ、ほんとに愛想つかれてしまうかもしれないのに…亀吉もなんでそのことに気が付かないんだか…)

 

そこまで考えて再びため息を吐く日輪だったが、考えていてもらちが明かないのでとりあえずそのことを頭から払いのける。

 

「とりあえずはお腹も空いたし、なんか軽く食べ物でも食べようかね…確か厨房の米櫃に残りのご飯があったはずだから、それでおむすびでも作ろうかな。」

 

そういって厨房にまでたどり着いた日輪は、ゆっくりと扉を横へとスライドさせて厨房の中に入ろうとして

 

「うめぇ…うめぇぞ!なんだこの白い物は!噛むたびに甘味が口の中に広がってきやがる!こんな食い物食べたことがねぇ!ここは…ここは天国か!!」

 

ゆっくりとその扉を閉めた。

 

「う~ん、おかしいわね…疲れて幻覚でも見たのかしら、今子供が米櫃の中のお米を一心不乱に食べ続けてるような光景が見えたんだけど…」

 

遊女の店の警備というものはなかなかに厳重だ。

時には人には言えない悪政の話をすることもあるので当然と言えば当然だ。

そんな遊女の店で見ず知らずの薄汚い子供が厨房に侵入(?)して米をかき込んでいたのだ。

驚くのを無理はない。

しかし、日輪が再び扉を開けると

 

「うまうまうまうまうまうまうまうまぁぁぁぁ!!」

 

やはり少年はそこで米をくい続けていた。

というか、もううまい以外の言葉を発していないしむしろうまいもまともに言えていなかった。

それを見た日輪は軽く苦笑いを浮かべた後、とりあえず少年へと声をかけた。

 

「えっと…ちょ、ちょっといい?」

 

「んぐ…?」

 

日輪の声に反応して少年は口にため込めるだけため込んでいた米を数回噛むと、『ゴックン!』(意味深ではない)という音を豪快にならした後、彼女の方へと視線を向けた。

 

「…誰だ、アンタは?」

 

「うん、それはこっちのセリフなんだけど…とりあえずその脇に抱えた米櫃を置いてくれる?」

 

「ん…ああ、確かに、話をしながら食べるのは行儀悪いもんな!ていうか米櫃っていうのかこの桶」

 

そういって米櫃を床に置いた少年は軽く口の周りに着いたお米を取りつつ、日輪の方へと声をかけた。

 

「それで、アンタ一体誰?」

 

「あ、何の前置きも無しなんだね…。えっと、私の名前は日輪っていうの。このお店で遊女として働いてるわ。」

 

「なんだ、このお店では野菜とか売ってるのか…通りでこんなうまいものを持ってるわけだ。こんなうまいものが栽培できるとは…やるなアンタ!」

 

「それは農業。私が言ってるのはゆ・う・じょ。男の人にお酌してお金をもらってるの。」

 

「え…何だその物騒な仕事は…。」

 

「ぶ、物騒って、今の話を聞いてどこにそんな部分が…」

 

「男に一体何の罪があって殺されるんだ?」

 

「お釈迦にしてるんじゃなくて!お酌をしてるの!お酒を注いでるってこと!女のひとが、男の人にお酒を注いでるの!」

 

「おお、なんだか楽そうな仕事だな。まあでも、アンタみたいな別嬪さんにお酒注いでもらえるなら男たちは喜びそうだよな…うん。」

 

「え、このタイミングでそれ言うの…?ていうか坊やはこんなところで何をしてるんだい?」

 

ひとしきり少年と話した後、日輪は笑顔で少年へと語りかける。

そんな日輪に対し少年は真顔でゆっくりと米櫃の方へと人差し指を向けた。

 

「これを食ってた」

 

「うん、それはわかってるんだけど…私が言いたいのはそういうことじゃなくてね…」

 

「じゃあ一体何が言いたいっていうんだよ…ハッ!まさかアンタ!この桶に入った白いもんを俺から奪おうって魂胆か!?」

 

「え、いや、奪うも何もそれはもとから私たちの…」

 

「なるほどな!その美人な面を使ってこの俺から物を奪い取ろうとは、よく考えたじゃねぇか。アンタ、きれいな面してとんだ悪党だぜ全く!」

 

「悪党って…どっちかっていうと坊やの方が」

 

「知ってるか!?アンタみてぇな人の物を平気で奪うやつのことをなぁ!世間じゃ盗人っていうんだぜ!?」

 

「だぁから!その桶に入ってた食べ物は私たちのお店の物なの!むしろ坊やの方が盗人なの!わかってるのかい!?」

 

「嘘言うんじゃねぇ!この桶の食べ物は俺がここで見つけたものだ!すなわち、この食べ物は先に見つけた俺の物なんだよ!」

 

「じゃあアンタはここにどうやって来たんだい、言ってみなよ!」

 

「ここの屋根から侵入してここまで来たんだ!なんだよ、文句でもあんのか!?堂々と表から入ろうとしたら『金がねぇガキにはここは通さねぇぜ!』とか言われたから仕方なく別ルートで入らせてもらったんだ!」

 

「まんま盗人の行為じゃないか!」

 

「違う!表は通さないと言われたから『なら表以外は通らせてもらえる』と俺は考えてだな!」

 

「屁理屈言わない!とにかく、坊やは不当にここに侵入して、ここにあった物を耐えてるんだから、それは坊やの物にはならないの!ここにあるのは、全部ここで働いている人たちの物!」

 

「だったら証拠はあるのかよ!この桶に、そしてこの白い物一つ一つにきっちりしっかり名前は書いてあんのかよ!証拠もねえのに俺を盗人扱いしようとしてもだな…」

 

「あるわよ」

 

「あんのかよ!?」

 

少年が目を見開いて驚いている姿を見て天下の花魁、日輪は軽く頭を抱える。

どうやら、自身のため息の理由は増えてしまうようだ。

このままでは、自身の幸せがどこかに行ってしまいそうである。

 

(まあ、とりあえずは…この子が一体どこからきて、どんな子なのかを聞き出さないとね…)

 

目の前で目を限界まで細くして米粒に書いてある(もちろん嘘)名前を必死に探している少年を見て、日輪はどことなく笑みを浮かべてしまう。

どうやら吉原一の女は、吉原一のお人よしのようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この出会いを期に、少年

紅郎の運命は、大きく動き出す。

 

 

 

 

 




日輪の言葉遣いが全然わからん…!
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