明烏   作:空を舞う海猫

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教室の窓を雨が叩く

しんとした教室内に教師の声が響く。

 

左端の窓際、後ろから二番目の席についているが黒板までの視界が開けすぎている。というのも、前に座っている方々が大概机に伏せ寝ているからなのだが。

 

黒板の方を見るとそこには数字の羅列と訳の分からない図や記号が散りばめられている。

教師と目が合う、がすぐに互いの視線は逸れる。

 

まぁ数学なんて受験に必要ないしいいや、とノートをとることを諦め、頬杖をつき、窓の外へと視線を移す。

 

晴れやかな秋の空だったのなら良かったのだが。生憎今日は朝から曇り空だ。

どんよりとした灰色の低く重たい雲が景色から明度を奪う。

 

しばらく空を眺めたりシャーペンでノートをつついたりしているといつの間にか窓の外では雨が降り出していた。

やがて窓を叩くパチパチという音が聞こえてくるぐらいに勢いを増した。

 

「あーぁ昼休み弓引けないじゃん」と現役弓道部員みたいな思考をしてしまった。

この前の昼練久々に顔を出しに行ったからだ。あの時は後輩を、弟子を射形指導した後帰っただけだったが、それだけでも自分の中にある弓引き魂なるものを呼び起こすには十二分だった。

 

見るだけでなく、自分も体を動かして引きたい。

 

 

頬杖をつく腕を変える。

 

 

んまぁもうさすがに今から弓引いてくのは呆気か・・・

 

高三の九月。いくら私大文系で数学が必要のない僕であれ、この時期からたとえ昼練であっても部活に精を出すのもなぁ。

と、毎回同じような考えに辿り着く。

 

外を見るとまだ雨が降っている。

 

はぁっと息を吐きだしてから目をつむった。

 

 

ぎぎーっと椅子を動かす音と人の喋る音が聞こえる。

うつらうつらとしている間にいつの間にか授業も終わり、休み時間に突入していたようだ。

目を開けると教室のあちらこちらで人の塊ができている。

 

次の授業を確認してみると現代文だった。移動しなくてもよい、教室での授業だ。ゆっくりできるや。

 

制服のポケットからイヤフォンをぐるぐると巻き付けたウォークマンを取り出し耳にイヤフォンを突っ込んで、ウォークマンを操作し適当に音楽を流す。最近同学年の間で名の知られている、歳の近いバンドの明るすぎる曲が流れ思わず顔をしかめ手探りで操作し曲を変える。さすがに今の気分にこの曲は向いていない。もう少しダークな曲が聴きたかった。とあるロックバンドの暗めの激しい曲が流れてきたところで手を止める。

そしてそのまま鞄から本を取り出しいつものように読もうとしたがいきなり肩を小突かれた。

 

小突かれたほうを振り向くと後ろの席に座る友人だった。聴き始めたばっかりだったが片方だけイヤフォンを外す。

 

「なんだね君は、今から僕は音楽を聴きながら本を読むという至高の時間を過ごすところで忙しいんだ。邪魔しないでくれるかな。」

 

「お前の寂しさを紛らわしに来てやったのだ」

 

「別に僕はこうやって一人で楽しめるしお前が寂しかっただけだろ」

 

「まぁあたりだ」

 

「あたりなのかよ」

 

「んで」

もう片方のイヤフォンも外す。

「なにか喋ることはないのか」

 

「ない!」

 

勢いよく即答かよ・・・

 

「まぁこの時期、特に喋ることなんてないよな。みんな受験勉強で忙しいし。」

 

「そうなんだよなぁ。てかお前の好きなバンドさ、来年全国ツアーやるの知ってたか?」

 

「え?まじで??!」

 

「おう、新アルバムも出すってよ」

 

「ほんとか?!」

 

「知らなかったのか」

 

「あぁ、どうも俗世離れが深刻なようだ」

 

そういやあいつは知っているのかな、と弟子の顔がよぎる。

 

「ライブかぁ、行ってみたいなぁ」

 

「そういえばライブとか行ったことなかったか」

 

「無いなぁ。徒歩五分圏内で二日間ライブをやっていたときはテスト中だったし、行く相手もその時いなかったし・・・」

 

「悲しいこと言ってくれるな、来年は俺が一緒に行ってやるぜ」

 

 

チャイムが鳴った。

 

「それに関してはまたその時に考えるとしよう。」

 

「つれないなぁ」

 

 

教室に現代文のおばあさん先生が入ってきたので体制を整えた。

 

「起立」

 

今度はしっかりと授業聞くかぁ、と思いつつ大きな欠伸をした。

 

雨はまだ止んでいない。

 

 




起承転結ほんっとないなぁ。

あと描写が細かすぎるかな。
(書くのって難しい・・・)

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