我らの勝利と、貴公との出会い、そしてこの世界に!光りあれ! 作:薪の王
「もう、行くのですね。」
ヨルシカは前には己の友であるジークヨルムが旅立とうとしていた。
「ああ、薪の王であるエルドリッチがいるという事はヨームも生きているだろう。
だから、俺はヨームに会いに行くのだ。
約束を果たす為にも・・・。」
「短い間でしたが貴方との会話は私の大切な思い出となりました。
貴方が古き友に会える事を祈っています。」
ヨルシカはジークヨルムとの楽しい日々を思いだしていた。
「ああ、最後に。」
「そうですね。」
「我が友ヨルシカに
「我が友ジークヨルムに
光りあれ!」」
ジークヨルムは竜となり旅立つ。
ヨルシカは一人呟く。
「また・・・会えますよね。
ジークヨルム様・・・。」
――――――――――――――――――――――
イルシール外れの暖炉前
ジークヨルムは罪の都に向かう為イルシールの外れまで来ていた。
ジークヨルムはここに来るまで無言だった。
まあ、話す相手がいないせいでもあるが。
ジークヨルムは気配を感じ立ち止まる。
この先の暖炉前に何者かがいる気配がする。
ここら辺は普段は誰も居ない筈なのに・・・。
気配と共に、寝息も聞こえてくる。
「グウ・・・グウ・・・。」
どうやら、寝ているようだ。
寝ているなら好都合、誰なのか確かめさせて貰う。
ジークヨルムが寝ている者を確かめる為に近づいて見た者は
見覚えのあるカタリナ鎧を着た者だった。
「ジ、ジークバルト?」
「グウ・・・グウ・・・ん?」
ジークヨルムの声で寝ていた者が起きる。
「お、おお!貴公我が友よ!生きていたのか!」
古き友ジークバルトとの再開である。
その後ジークヨルムとジークバルトは再開を喜びながら話した。
ジークヨルムがヨームにジークヨルムの名を貰った事や、ジークバルトが火の無き灰に助けられた事など色々な事を
「ああ、そうか。
貴公も約束を果たしに行くのだな・・・。」
「・・・ああ。」
「では、共に行くか
我が友ジークヨルムよ。」
「ああ、共に行こう。
我が友ジークバルトよ。」
二人のカタリナは罪の都に向けて歩きだす。
友との古い約束を果たす為に・・・。
――――――――――――――――――――――
罪の都
人気のない罪の都で歩く二人の影。
「罪の都がここまで荒廃しているとはな・・・。」
昔自分達が暮らしていた所の変わりようを見て驚きが隠せないジークバルト。
「俺が目覚めた時にはもうこの状態だった・・・。」
「我らの家も見ておくか。」
ジークバルト達は罪の都の外れに向かった。
家はボロボロだった。
「やはり、ボロボロか・・・。」
「ヨームは・・・居ないな。」
「では、あそこか・・・。」
ヨームがここに居ないという事はここを戦場にはしたく無かったのだな・・・。
――――――――――――――――――――――
罪の都の王室前
「この先にヨームが・・・。」
「覚悟は出来たか?」
「使命の覚悟はもう決めた。」
「では、行くか!」
ジークヨルム達が王室に入る。
王座にはヨームが座っていた。
「ヨーム、古い友よ。
カタリナ騎士ジークバルト、約束を果たしにきたぞ。」
「我らの古き友ヨームよ。
ジークヨルム、約束を果たしに来たぞ。
俺は貴公に救われた。
だから、今度は俺が貴公を救おう。」
「「薪の王に、我らが友に、
「「うおおおおおお!!」」
ジークヨルムとジークバルトはヨームに向かって走り出す。
ジークヨルムは無銘の大斧を振るいヨームを攻撃するが
キィン
「硬い!?」
ヨームに殆どダメージを与える事は出来なかった。
「ジークヨルムよ!
ヨームの体は頑丈だ!
だが、弱点がある!
頭だ!」
「うおおおお!!」
ジークヨルムは杖を取り出し魔力を溜めて魔術を放つ。
ジークヨルムが放った魔術はソウルの奔流。
ソウルの奔流は蒼く光りジークヨルムの前方に照射する。
ゴォォォォォォ!
凄まじいソウルの奔流がヨームの頭に直撃する。
その衝撃でヨームが仰け反り、体勢を大きく崩す。
「ジークヨルム!
私がストームルーラーを使う!
時間を稼いで欲しい!」
ジークバルトがストームルーラーを構え風を溜めていく。
「了解した!」
ジークヨルムは呪術の火を媒介とし混沌の火の玉をヨームに向かい投げる。
ドゴン!
ヨームにとってはたいしたダメージではないが、時間稼ぎには十分だった。
「ストームルーラーの準備が終わった!
離れろぉぉぉぉ!!」
ジークヨルムは急いでそこから離れる。
「うおおおお!!
しかし、ヨームは倒れない。
それどころか、体と武器に炎を纏った。
「なに!?
まだ、本気を出していなかったのか!」
ヨームの攻撃がジークヨルムに当たる。
その攻撃には炎が伴っていた。
その攻撃をくらいジークヨルムは吹き飛ぶ。
ジークヨルムは今虚無を纏っておらず竜形態にも成ろうとしないそのほうが戦況が有利になるのにだ。
ああ・・・、俺だって分かっている。
虚無を纏ったほうが竜形態になったほうが良いだろう。
だかな、俺はヨームに助けられた、一緒に暮らした、ジークヨルムとしてヨームを救う。
ヨームと離れた後に手に入れた虚無は竜形態は使わない。
それが、例え俺自身が死ぬ事になろうとも・・・。
ヨームは此方に向かって来て追撃しようとする。
「はぁぁぁぁ!」
ジークヨルムが手に持っていた無銘の大斧をヨームに向かって投げる。
ヨームは大鉈を振るいそれを撃ち落とす。
無銘の大斧はその一撃によって砕け散った。
だが、ジークヨルムが体勢を立て直すだけの時間は稼げた。
ジークヨルムはヨームの追撃を躱す。
ジークバルトが再びストームルーラーを構える。
がしかし、それを簡単に見逃すヨームでは無い。
ヨームは扇状に炎のブレスを吐いてジークバルトに攻撃する。
「ぐは!」
ジークバルトはその攻撃でストームルーラーを取り落としてしまう。
ヨームの追撃を何とか躱すジークバルト。
しかし、ストームルーラーからは離れてしまう。
ヨームの三連撃がジークバルトに向かって繰り出される。
「カタリナ騎士の力この程度では無い!
私は簡単には倒れんぞ!」
ジークバルトはそれを躱し、ツヴァイヘンダーで反撃する。
しかし、このままではジークバルトが負けるのは目に見えている。
ジークヨルムは何とかジークバルトの援護しなければと遠距離攻撃をする。
ジークヨルムは魔術を使いソウルの結晶槍を放つ。
ヨームにダメージを与えたもののこのままでは、ジークバルトが負ける事に変わりは無い。
どうするかとジークヨルムが必死で考えている時にジークバルトが落としたストームルーラーが目に入る。
ジークヨルムはストームルーラーを拾う。
ストームルーラーを構え、風を集める。
だが、出来るのか俺に
いや、出来るか出来ないかの話では無い。
やるしか無い!
「うおおおお!!!
その渾身の一撃はヨームに当たった。
ヨームは倒れる。
倒れるヨームはジークバルトとジークヨルムに向かってこう言った気がした。
――――――ありがとう。
「ハァ・・・ハァ・・・。
最後の最後で貴公に助けられた。
だが、ありがとう。これで我らの約束も守れた。
さあ、最後の祝杯だ。
貴公の勇気と
我らの永遠の友情
そして、古い友ヨームに」
「太陽あれ!」「
「ガッハッハッハッハ・・・。」
「さて、私は少し眠っていこう。
祝杯の後は、そうと相場が決まっているからな
貴公、我が友よ・・・例え貴公が孤独になろうと私とヨームは貴公の永遠の友だからな。
さあ、行くがいい。
貴公には、まだやる事があるのだろう?」
ジークヨルムはここを離れる。
「――――――さらばだ。我が友ジークヨルムよ。」
ガシャン
ジークヨルムが王室から出た瞬間に聞こえた。
振り返らなくても分かる。
ジークバルトはヨームと同じ所に行ったのだろう。
ジークバルトとヨームのソウルが自分に宿ったのが感じ取れたからだ。
ジークヨルムは小言で
「さらばだ。
我が二人の友よ・・・。
安らかに眠れ。」
ジークヨルムは前を睨む
「このタイミングでくるとは侵略者共。
ヨームの強大なソウルが無くなったタイミングを狙ったのか。」
ジークヨルムは無銘の大斧を持とうするが、もう無銘の大斧は無かった。
ジークヨルムは己が持つもう一つの武器、尾骨の槍を取り出す。
この尾骨の槍は自分がなりそこないの時から会った最初期の武器。
もとは、他のなりそこないの物だが今やジークヨルムの体一部の様に扱う事が出来る。
ジークヨルムは竜化して、竜化と共に大きくなった尾骨の槍を握る。
「貴様らの好きにはさせんぞ!
侵略者共!」
ジークヨルムは侵略者に向かい戦いを始める。
その手に