とある覚悟の魔術結社(マジックキャバル)   作:赤川島起

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第4.5章 行間二

23:11 『海を守護する大樹』緊急日本アジト

 

「夜宮の状態は?」

「回復魔術及び治療を続けている。だが、戦線復帰はまだ時間がかかる。」

「そんなに酷いのか?」

「傷そのものは大したことない。問題は夜宮の術式さ。さすがは禁書目録と呼ばれることはある。」

「術式の破壊か……。」

「ああ。本来なら強大な生命力を持つ吸血鬼ってのがアダになった。力がでかい分、マイナスになってもでかい。」

「『吸血鬼の陣』の再構築にどれくらいかかる?」

「“あっち”の方に時間が取られるからな。そうでなくても『吸血鬼の陣』は壊されていて不純物が多い。構築より除去作業の方に手がかかる。夜宮も万全じゃないし、今は“輸血”はさせられん。」

「確かに……。」

夜宮の術式、『吸血鬼の陣』。

血の霊装といったが、その血は“夜宮自身の血”だ。

この霊装は、夜宮の血を“霊装化”させたものである。

夜宮の血を抜き取り霊装化させ、夜宮自身に輸血する。

それを行なったのが、『魔科学者』仁代数樹。

科学を極めた上で、魔術の領域に踏み込んだ者。

現在の『海を守護する大樹』で“全ての”霊装を調整する人物。

サヴァン症候群ではあるが、精神障害はない。

奇跡の体質を持った男。

そして、彼の診断結果。

夜宮は、ここでリタイアという結果。

それを聞くリーダー。

「じゃあ夜宮の分も、俺たちがこなす。――『アレ』の準備はできてるか?」

「ああ、それは問題ない。量産は不可能だったが、戦闘要員分は用意できた。……やはりデューイには対応しないようだが……。“脳波が滅茶苦茶”なデューイには『アレ』はつけられない。」

「そこは理解している。……それに、頼らずともなんとかなる。」

「……“大丈夫”か?」

「ああ。」

「………………。」

「もう休もう。明日は“総力戦になる”。」

「やはり突き止められると思うか?」

「間違いない。禁書目録たるインデックスがここを見逃す訳はない。」

「まったくもってそのとおりだな。……なら明日は、僕も戦う。」

「“あっち”に支障は?」

「もう僕がやれることは終えている。それに、僕たちがかれらを止めて、皆に任せたほうが効率的だ。」

「お前がそう言うなら、そうなんだろうな。」

「だから、もう僕は休むよ。“最終調整”は終わっているからね。」

「ああ、おやすみ。」

「……おやすみ。」

ウィーン、と自動ドアが開き、閉じる。一人になったデューイ。

1人になったからであろうか。

ふと、彼らの『目的』を、小さく呟いた。

「待っててくれ………………エレン。」




激闘から少し過ぎ、上条たちは休息をとることに。
もちろん、その夜には作戦会議を控えていた。

次章『第5章 休息の宿 half_time』

科学と魔術が交わるとき、物語は始まる。
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