みなさん本当にお久しぶりです。
仕事の疲労とか精神的なことで更新が遅れてしまいました。
・・・・それでは本編どうぞ。
(・・・また、この夢か)
何度目になるか解らない夢の中で、冥琳は少し呆れていた。
何処までも続く血の海に、無数の死体。
その中心で花の折り紙を持ちながら泣き叫ぶ少年。
(まったくこの馬鹿は。一体どれだけの罪を背負うつもりなんだ?)
もう慣れたかのように冥琳は、ばしゃばしゃとその血の海を歩き少年に近づく。
「キラ・・・」
「・・・冥琳さん?」
今だ涙を流す少年、キラは冥琳の方に振り向く。
ムギュ
すると冥琳は、キラを優しく抱きしめた。
「一人で全部背負うな。雪蓮も言っただろう、お前の悲しみを受け止めると?」
「めい・・・りん・・・・さ・・・・・ウァアアアアアアアアアァァァァァァァァぁぁーーーーーーーーーー!!」
そして冥琳は、目が覚めるまでキラの頭を優しく撫でていた。
――――――――――――――――――――――――――――――
「冥琳さん、早く行こう!」
「少しは落ち着けキラ」
キラと冥琳は、他の者達よりも先に東京に戻り、翌日に二人は秋葉原に出かけていた。所謂デートである。あの夢の影響なのか、今日のキラは元気だった。その姿を見た冥琳は心の中で安心した。
「久しぶりの秋葉原って凄くわくわくするんですよ!」
「それは解ったから落ち着け。お前本来の年齢は32歳だろ?」
「そうですけど、今のうちにやれることはやっておかないと」
その言葉に冥琳はため息を吐いた。キラの言うことに間違いは無い。特にキラは色んな組織から狙われているため、この先どうなるのかわからないのである。
「それに、久しぶりに冥琳さんと二人っきりで出かけるから、嬉しいんですよ」
「!?」///
なんの抵抗も無く言ったキラの言葉に冥琳は顔を赤くした。勿論キラも理解したうえで言ったのだ。
「冥琳さん、僕が雪蓮さんがほっぽった仕事を手伝うと、終わった後にケーキを奢ってくれたり、色んな場所に連れて行ってくれましたよね」
「・・・・・・そうだな」
キラの問いに冥琳は、苦笑いしながら静かにそう答えた。
「僕凄く嬉しかったです。前世では身内以外からは余り褒めてくれなかったから・・・」
キラの前世を知っているため、冥琳は納得してしまう。遺伝子操作されたために、誰よりも力があり、何をやっても当たり前みたいな目で見られる。それはまだ幼い少年には酷というものである。
「だから嬉しかったんです。僕を褒めてくれた冥琳さんが・・・」
「そうか・・・・・・そう言ってくれると、私も嬉しいよキラ」
キラにそう言われ、冥琳は嬉しかったのか微笑む。
「それなら、今日は沢山見て回るか」
「はい!」
キラと冥琳は手を繋ぎ、秋葉原の街を散策しようとした。
パシャ
「ん?」
その途中で誰かに取られた様な気がし、冥琳は足を止めた。しかし周りを見てもそれらしい者はおらず、人込みのために何処に居るのかも解らない。
「どうしたんですか?」
「・・・・・・いや」
冥琳は気のせいかと思いキラと一緒に再び足を動かした。
《なにかあったら、お前にも出てもらうぞ。『
―――――――――――――――――――――――――
アニ○イト
「そういえば最近ごたごたがあったから、何があるのかさっぱりなんですよね?」
「私も同じだ」
キラはスマホを弄り、冥琳と話しながら店内に入る。
その光景を、とある店長が見ていた。
「来たな?この街には沢山のアニメグッズショップがあると知りながら、偶然か必然か限定グッズが発売する初日に現れるという『伝説の少年A』!」
その店長は何故か口から出た血を吹く。
「うおおぉ!伝説の少年Aシフトだアアアアアァァァァァーーーーーーー!!」
無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きでレジを飛び越え、店内にいる店員たちに向かって叫ぶ店長。
『おう!』
それに応えるかのように返事をする店員達。
彼が言ったキラ専用のシフトと言われて、店員達はキラと冥琳の周りに急に集まりだした。
「いらっしゃいませぇぇぇぇぇーーーーーー!!」
一人の男性店員が叫びながら挨拶をし、
「新作DVDや漫画が入荷いたしましたァァァァァァァァァーーーーーーーーー!!」
一人の眼鏡店員がロケットの如く吹っ飛びながら宣伝し、
「限定版、通常版、完備です♪」
一人の女性店員が踊りながら二種類の単行本を見せ付け、
「その他グッズも、続々入荷ですよぉぉぉぉぉーーーー!!」
先ほどの男性店員が手に汗握りながら叫ぶ。
(そうだ、とにかく一つでも多くの入荷済みの商品を告知するんだ。彼ならばあるだけ買ってくれる!)
一体どこからそんな自信が来るのだろうか?
店長は何かを確信したかのように内心そう思った。
そして、
「あっ、今刀剣のグッズがあるんだ」
「ゲ○ズに行くか?」
「そうですね」
ドカーン!
「ダメじゃん!」
店長達は吹っ飛んだ・・・。
――――――――――――――――――――――――――
何時ものダイジェスト
「合計1021円にょ!」
「・・・それってキャラ付けですか?」
「素にょ!」
「キラ・・・」
「やっぱりダラ○アスは捕鯨ですよね♪」
「・・・・・・6周はしてるぞ」
「よし!最高得点だ!」
「・・・・・パシフィストボーナスで此処までとは」
「キラ、その機体は?」
「なんでも、『ペイルライダー』って言うらしいです」
「そこ!」
ドゴーン
「やられた!?」
「誰だ、大佐を落としたのは!?」
「なんだ?このペイルライダーのパイロットは?」
「う~ん、もっと早く動ければな・・・」
「キラ、今でも充分強いだろ?」
「はむ・・・ひょこふぁふぇほいひいでふ(チョコパフェ美味しいです)♪」
「・・・可愛い」///
「ふぇ?」
「い、いや何でもない!」///
「うぅ・・・」///
「・・・どうやらR-18コーナーらしいな?」///
「そうですね・・・」///
「大丈夫か?なんだったら多目的トイレで相手をするが?」///
「・・・良いですか?」///
「・・・舌だけだぞ?」///
「はい・・・」///
「流れ流れていつか 消えゆくとしても♪」
「・・・本当にお前は何歳だ!?」
――――――――――――――――――――――――――
4時間後
「はぁ~楽しかった」
「あれだけはしゃいでいればな」
あの後キラは、ゲ○ズで目的の物を買ったり、ゲームセンターでレトロゲームをしたり、とあるグラサンでノースリーブの男をゲームでフルボッコにしたりと、それなりに充実したのだった。そしてキラと冥琳は、とあるビルの屋上から夕日を眺めていた。
「・・・キラ」
「はい?」
「私も、お前のことが好きだ」
「え?」///
突如自分のことを好きだと言った冥琳に、キラは頬を赤くする。
「私がどれだけ厳しいことを言っても、お前はちゃんと答えてくれる。雪蓮がほっぽった書類だって、決して少なくは無いのにお前は最後まで手伝ってくれた」
「・・・・・・」
「テロに遇い、不意を突かれた私を庇って撃たれた時も、毒を盛られて死に掛けた時も、私はお前に救われた。あの時のことは明確に今も覚えている」
「冥琳さん」
中国政府でも最高位の存在である冥琳は、雪蓮同様様々な組織に狙われている。だがその度にキラの思いと願いが彼女を救ってきた。特に女性権利団体に毒を盛られた時、雪蓮と一緒にキラが彼女に何度も『死なないで』と涙を流しながら叫んでいたのを、夢の中からでも聞こえていたのだ。
その際にとあるISと出会ったのだが・・・。
「今まで色んな奴を見てきたが、その中でもお前は優しすぎる。だがそれは余りにも危うい。このまま戦い続ければ、最後にはお前は壊れてしまうぞ」
「・・・だけど」
「解っている。色んな人から託されたものがある、だろ?」
「・・・・・・はい」
ISに触れてしまった以上、もはや後戻りすることは出来ない。ISがどれだけ恐ろしいかを知っているからこそ、キラは色んなものを背負い込んでしまっている。そしてそれは、破滅へと確実に進んでいるのだ。
目の前にいる少年は、今までそれに耐えながら生きてきたのだ。
ムギュ
「・・・え?」///
そんなキラが見ていられないのか、冥琳は夢のようにキラを抱きしめた。
「めい・・・りん・さん?」
キラは恐る恐る、自分を抱きしめている彼女の顔を見た。
そしてキラの目に映ったのは、涙を流している冥琳の姿だった。
「キラ・・・生きてくれ。お前が私に死んで欲しくないのと同じだ・・・・私も・・お前に死んで・・・・・欲しくない!壊れて欲しくない!」
今まで聞いたことが無いほど弱弱しい彼女の声に、キラもまた優しく抱きしめる。
「・・・ありがとう冥琳さん」
自分のために泣いてくれたこと、自分のために叱ってくれたこと、自分のことを心配してくれたこと、自分のことを褒めてくれたこと、その全てを含めてキラは彼女に感謝した。
キーン
「「!?」」
突如ISの気配を感じた二人は、気配の感じた場所に身体を向ける。そこには複数の女性がキラと冥琳を睨むように立っていた。
「やっと見つけたわよ化け物!」
「よくも私達の仲間を殺してくれたわね?」
彼女達の言葉で、キラと冥琳は目の前に居る者達がどういう存在なのか理解した。
「・・・女性権利団体」
「どうやら仇討ちに来たようだな」
「ええそうよ!」
「そこにいる屑の所為で、私達の希望であるISに傷が付いたじゃない」
「ふざけるな!キラが貴様等に何をした!?こいつはただ平和に暮らしたいだけなのだぞ!?それを奇襲して痛めつけて何が楽しい!?」
薬を打ち込んだときも、テロを起した時も、生徒の一部が退学された時も、彼女達は全てキラの所為だと言い張ってきた。何故キラが生きていてはいけないのか、それが余りにも解らない。男だと言うなら織斑一夏だって同じなのにだ。
「・・・・・・・まさか、あの時のシャッター音も?」
「ええ、私の仲間があなた達を見つけてくれたのよ」
やはりかと言って冥琳は女性権利団体を睨む。
「くっ、ラファーr」
「無駄よ!」
バリバリ
「グアァァァーーー!?」
「キラ!?」
ラファールを展開しようとした瞬間、待機状態のラファールから電撃がキラを襲った。
「この周りにはIS停止結界を展開しているの。無理にISを展開しようとすれば、今みたいに電撃が襲うわよ」
「まあ尤も・・・」
ガシャン
「私達はISを使うけどね♪」
「キャンセルシステムも持ってるか」
「うぅ・・・」
未だ電撃の効果で麻痺しているキラを、冥琳は庇うように立つ。
IS停止結界を使わされた以上、自分達のISは動かすことができない。さらにあちらはそれを中和してISを動かすキャンセルシステムも付けてきた。かなり用意周到でキラを殺しに来たのである。
「あははははははは!これで屑も終わりよ!」
「下衆は下衆らしく地獄に行きなさい!」
「ざまあないわね!」
『あはははははははははははは!!』
「言いたいことはそれだけか?」
『・・・え?』
万事休すという状態でありながら、冥琳はただ冷静でいた。それどころか静かに怒っているようにも感じる。
「ふん、今すぐ死ぬと言うのに随分と余裕ね?」
「それはそうだ。お前たち雑魚がISを使ったところで、私達を殺すことは出来ないのだからな?」
『なっ!?』
「冥琳さん・・・」
そう言った冥琳は胸元から龍のデザインをしたネックレスを取り出した。
「・・・・・・すまないな白、お前の手を下衆の血で染めてしまうことになりそうだ」
《いえ、私も彼は気に入っております。故に彼を守れるなら力を使いましょう》
「そうか、助かる」
冥琳は白と読んだ者と念話で話すと、徐に目を閉じた。すると彼女とキラを中心に小さな竜巻が起こり始めた。
「な、なに!?」
「一体何が起きてるのよ!?」
「構わないで!どうせハッタリよ!」
団体の女性達は目の前で怒ったことに恐怖してか、ISのサブマシンガンを竜巻に向かって放つ。しかしいくら撃っても止むことはなく、それどころか至大に竜巻は大きくなっていく。
そして竜巻が無くなると、
「行くぞ、『白竜』!」
「グォォォォオォォォォーーーーーー!!」
現代ではありえない、白き龍が浮いていたのだった。
新しいスパロボにワタルがやっとでて嬉しいです。