キラ・ヤマトの異世界転生記   作:エルシオンガンダム

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皆さんお久しぶりです。

最近モチベーションが上がらず、今日の今日まで投稿が遅れてしまいました。本当に申し訳ありません。
それと今回の話しを書いてる際に、かなり矛盾しているところがあったので、一部の話を修正しました。皆様にはご迷惑おかけしてしまいすみませんでした。

それでは本編どうぞ。


第31話:おいでませ 神崎重工IS研究所

―神崎重工IS研究所―

 

「というわけで、いつの間にか神崎重工の研究所に来ました」

「誰に話してるのよキラ?」

「いや作者が皆にもわかるようにって・・・」

「こういうのは適当で良いのよ適当で」

 っとキラ達は研究所の前でメタなことを言い合っていた。あのパーティーから二日が経ち、キラは昨日すみれから研究所に来て欲しいと言われたので、雪蓮と一緒に行くことにしたのだ。因みに真那も来る予定だったのだが、家のことが心配なのでセシリア達と一緒にお留守番となったのだ。因みにアクセス方法は、新宿から特急ビューわかしおで千葉まで来た。

「話は戻すけど、そろそろ時間よね?」

「そうですね」

 そう言ってキラと雪蓮の二人は、研究所の中に入った。

「お待ちしておりましたわお二方」

 入ってすぐのロビーにて、パーティーの時とは違い名前と同じ色の着物を着たすみれが立っていた。

「今日はよろしくお願いしますすみれさん」

「よろしくねすみれ♪」

「こちらこそ、宜しくお願いしますわ」

 3人はお互いに挨拶を交わし握手をする。それが終わると、すぐさますみれに「付いて来てくださいまし」と言われたので、前を歩く彼女に付いていく。エスカレーターで2階に着き、さらにそこから長い廊下を歩く。そして研究室と書かれた部屋の前に着くと、すみれは扉の前に立ちこんこんとノックをする。

「紅蘭、入りますわよ?」

 そう言ってすみれはドアノブに手を掛け、引く様にドアを開けた。

 

 その瞬間、

 

 

 ドカーン!

 

 

「「「!?」」」

 突如部屋が爆発し、キラ達もそれに巻き込まれた。しばらくして煙が晴れると、まさにギャグ漫画のようにボロボロだった。

「ケホっ・・・なんで僕達生きてるんだろ?」

「さあ?」

「まったく・・・どうしていつもこうなるんですの!?」

「いつもこうなるの?」

「えぇ・・・」

 すみれが身体をぶるぶると振り、改めて部屋の中に入る。

「紅蘭!今度は一体なにをやらかしたのですか!?」

 すみれが部屋の奥に向かって怒鳴ると、爆発の中心点から一人の少女がやってきた。紫色の髪を三つ編みにしており、眼鏡とそばかすが特徴だ。

「すんまへんすみれはん。またちょっと失敗してしもうて」

「ゴールデンウィークに入ってもう10回目ですわよ!?」

 10回も爆発しているのか!?そう思いながらキラと雪蓮は、すみれ達に近づく。紅蘭はキラ達に気が付き、キラ達の方に顔を向ける。

「ん?おぉ、あんさんらがキラはんと雪蓮はんですか?」

「はい、キラ・ヤマトです」

「雪蓮よ、よろしくね」

「ウチは『李紅蘭』と言いますわ。よろしゅう」

 そう言ってキラ達はお互いに自己紹介をした後、キョロキョロと周りを見渡す。

「紺碧会の研究室とはちょっと違いますね?」

「ええところに気が付きましたな?そうや!この研究所ではISの武装だけじゃなくて、ISのコアも産み出す研究もしとるんや!!」

「ISのコアを!?」

「産み出すですって!?」

 紅蘭から放たれた衝撃発言には、キラと雪蓮もかなり驚愕した。

 それはそうだ。ISのコアは製作者である篠ノ之束以外で作れる者はいないと思っていたからだ。ちなみに束にどうやって作ったのか一度聞いてみたところ、『内緒♪』と言われたので余り深入りはしなかった。

「うち等の場合は似たような『者』に乗ってたさかい、仕組みはすぐに解ったんや」

「・・・なるほどね」

「似たような『者』・・・ですか」

 紅蘭の不思議な一言に、キラと雪蓮は理解した。彼女は自分達が乗っていたものを、『物』ではなく『者』と呼んだ。それはつまり、ISが意思を持っているのと同じ様に、彼女達の乗っていたものにも意思があったのだろう。

「キラはんの技術は昨日高野はん達から聞いたで。さっそくやけど、このデータを見てくれまへんか?」

「わかりました」

 そう言って紅蘭から手渡された端末をキラは真剣に見始めた。するとなにやらぶつぶつと呟き、紅蘭も驚きながらキラと話し合い始めた。

「あ~これは長引きそうね?」

「テラスの方に行きますか?お茶も用意してますの」

「それじゃあいただくわ♪」

 キラ達の様子を見た雪蓮とすみれは、これは長くなると思い一緒に研究室を去って行った。

 

 

 数時間後

 

 

「ということで、どないや?」

「うん、ありがとう紅蘭」

 あれから調整やらなにやらに没頭しまくった二人は、一度切りの良いところで終わらせる。これからの方針はとりあえず、新型のISとキラのラファールの武装の追加ということに収まった。

「にしてもキラはんホンマにすごいなぁ?OSに関しては完全にうちでもお手上げですわ~」

「紅蘭も一人で此処までやれるなんて驚いたよ。僕なんてプログラミング位しか取り柄ないから」

「そんなことありまへんで?そのラピードとバーグラリーはキラはんが作りになったんやろ?」

「メイドさんやセシリアと一緒にだけどね」

「それでもや!誇ってえぇでキラはん♪」

 紅蘭に褒められたのが嬉しかったのか、キラは顔を赤くしてしまう。

「ありがとう紅蘭。僕のこと、褒めてくれて」

「なに言っとりますのやら?うちは当たり前のことを言っただけですぅ?」

「うん・・・そうだね。でも・・・その当たり前のことを言ってくれる人が少なかったんだ・・・」

 キラは先ほどとは打って変わり、悲しそうに顔を俯かせた。

「・・・・・・紺碧会の人達は、皆褒めてくれるから良いけど、周りの人達は褒めてくれなかったんだ」

「・・・それは女神達の子供だからですん?」

「知ってたの?」

「もちろん!・・・と言いたいですけど、知り合いから聞いたんです」

「そっか・・・」

「まったく酷いもんですわぁ!ちょっと生まれ方が違うってだけで、その人の努力を侮辱するんは最低ですぅ!」

「紅蘭・・・」

「ええですかキラはん!うち等は他の人達とはちゃいますぅ!褒める時には褒めますし、怒る時はちゃんと怒ります!なんせキラはんは人間なんやからや!」

 せやからっと言って紅蘭はキラの両肩を掴みながら、自信満々に言い放つ。

「キラはんは安心してええで♪」

「・・・・・・ありがとう」

 微笑みながらお礼を言うキラ。その瞳からは一筋の涙が流れていた。

「わわっ!?急に泣いてどないしたんや!?」

「ごめん、目にゴミが入ったみたい」

「ベタな言い訳やな!?」

 

「「・・・ぷっ、あははははははははははははは!!」」

 

 そのやり取りが面白かったのか、キラと紅蘭は大笑いするのだった。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

一方その頃、テラスにて・・・。

 

 

「あら、この月餅美味しいわね♪お茶もあんまり飲まないけど、良いの使ってるでしょ?」

「えぇ。かの有名な孫策さんなのですから、最高品質のを取り寄せましたの」

「別にそこまでしなくて良いわよ。普通の方が私は好きだし♪」

 前世の頃から仕事をほっぽっては、良く街を見て周っていた雪蓮。それは今も変わらず行っているのだ。偶にキラをつれて行ったりするが・・・。

「・・・一つ聞いてよろしいでしょうか?」

「ん、何かしら?」

「雪蓮さんは、如何してキラさんと一緒におりますの?」

 すみれが疑問に思ったこと。それは何故孫策と呼ばれた雪蓮が、キラと一緒にいるのかである。方や三国志にもその名を載せた呉の英雄。方や生まれ方が少し変わった普通の少年(ISを動かした時点で普通ではないが)。あまり接点があるようには思えないのだ。

「う~ん、そうね・・・」

 と雪蓮はどう言えば良いのか考えながら、再度お茶を口につける。

「・・・キラのこと、どこまで知ってるの?」

「知り合いから聞いただけですが、あなた方は『女神の子供達計画』で生まれた存在だと言うことは・・・。後は転生者だと言うことを・・・」

「正解。でも一番重要なのは後者だけどね」

「転生の方ですの?」

 すみれの問いに雪蓮は「えぇそうよ」と答え、今度は月餅を口に含む。大切な話しのハズなのに、あまり重苦しい空気ではなかった。

「まあ殆どは11話の時に話したから、あんまり言うことは無いんだけど」

「メタ発言はやめてくださいまし!?」

 危ない台詞を口走ったこともあり、すみれから突っ込みが放たれる。

「あの馬鹿も、前世で戦争に身を投じて来たのよ。16歳で半分巻き込まれたみたいなものだけど」

「それって雪蓮さんと同じ様な?」

「・・・キラと比べれば、私達の戦いなんてまだちっぽけよ」

「・・・え?」

「私の所なんて、今の時代で言えば内戦みたいな物よ。当時は中国って言っても沢山別れてたし」

 でもと言って、先ほどとは打って変わり雪蓮は表情を暗くし始めた。

「あの子の世界の戦争は、私達の時代よりも・・・第二次世界大戦よりも大きくて最悪な戦争よ。・・・いいえ、あれはもう虐殺の競争みたいな物ね」

「そんなにですの?!」

「えぇ、なんたって宇宙戦争ですもの。しかも核ミサイルを民間人がいる場所に撃つし、サイクロプスなんていう大型マイクロ波発生装置で、切り捨てた味方諸共敵を葬るし、敵の方も白旗上げた相手を容赦なく撃ち殺すし、巨大なガンマ線レーザーを二発撃っては地球にまで撃とうとするし、核を無力化するために地表にニュートロンジャマーなんて物を打ち込むんだから酷いなんてモンじゃないわよ」

「っ・・・・・・!?」

 雪蓮の口から放たれた衝撃発言に、すみれはなにも言うことが出来なかった。

 あの少年が前世で体験した戦争は、もはや止めようにも止まらないところまで来ていたのか?あの少年はそんな戦争で戦って来たのか?

「すみれはキラのこと、どう思う?」

「・・・・・・ただのお人よしな少年ですわね(大神さんとはまた違ったタイプの)」

「そう、ただの優しい男の子なのよ。私とは違って、人の死に敏感で、平和を大切に思っていて、たとえ人外であろうと悲しんでいる者を助けようとする程、ね」

「・・・・・・」

「じゃあそんな優しい男の子が、戦争に巻き込まれて身を投じればどうなるかしら?好きでもない人殺しをして、他に戦える人が居なくて、友軍からは『裏切り者』とか『化け物』っていびられて、友達や初恋の彼女、一般市民が目の前で殺されて、幼馴染と殺し合って、平和を見ることも無く死んで、転生しても尚大切な両親や友達になった子供達が腐った女達に、目の前で虐殺されたら?」

「・・・!?」

 雪蓮が言おうとしていることに、すみれは理解できた。

 すみれもまた転生者であり、戦いに身を投じてきた者だ。とはいえ彼女が戦って来たのは飽く迄も『人外』だ。それも大規模な魔術の実験の失敗で、犠牲になった人達の怨念が変化した『降魔』と呼ばれる存在とだ。

 しかしキラは違う。彼は第二次世界大戦よりも大規模で、さらに残酷すぎる人類同士の戦いに身を投じたのだ。

 あんな優しい少年が人の死を何度も見ればどうなるか?

 

 答えは簡単だ。

 

「・・・壊れてしまいますわね。16歳であのような優しい人なら尚更・・・」

「えぇ・・・本当に馬鹿なのよ」

 外の風景を眺めながら、雪蓮は静かに呟く。その表情は、どこか羨ましそうに、しかしどこか呆れてる様に見えた。

「殺してしまえば楽なのに、狂ってしまえば楽なのに、あの子はそう言う人間達を見ても尚、最後は兎も角人を殺さずに戦って来た。まあ色んな支えがあってこそだけどね」

「・・・随分詳しいですわね?」

 本人から聞いたにしても、余りにも詳しすぎないか?雪蓮の話しを聞いたすみれはそう思った。彼女は確か紀元前の人間で、キラはもっと先の未来の人間のはず?それなのに何故彼女はキラの前世にこんなに詳しいのだろうか?

 その疑問の答えは、彼女自身から放たれた。

「とある幻獣と悪魔に出会った際にね。色々あって人の記憶を見ることができる装置を発見して、あの子の前世の記憶を皆で見たことがあったのよ」

「そんなことが・・・・・・って幻獣と悪魔!?」

 一体全体どんなことをすれば、そんな出会いがあるのだろうか?さらなる雪蓮のとんでも発言が、すみれに襲いかかる。どういうことなのか聞きたくなったすみれだが、聞く前に雪蓮から「そっちの方はまた今度ね?」と言われたので今は聞かないことにした。

「話を戻すけど、要はキラのその思いと優しさが気に入ったってとこかしらね?私達よりも悲惨な世界で、それでも守りたい者があるっていう思いと、例え世間では『化け物』と呼ばれている存在であろうと、悲しんでいる者を助ける優しさに・・・ね」

「・・・・・・」

「それと同時に守りたい、支えたいって思ったのよ。私達に無い強さを持ってるあの馬鹿が、救いようのない屑どもの所為で壊れるところなんて見たくないからね」

「雪蓮さん・・・」

「だから今は、少しでもキラの傍にいるわ。それでやることやったら蓮華に全部託して、ずっとキラの傍にいるつもりよ。その時は冥琳や穏、真那やキラを好きになった奴等皆もだけどね」

「・・・ハーレムですの」

「一夫多妻って言いなさい」

 どっちでも良いだろっと思いながらすみれはため息を吐く。とはいえ、話を聞けば別にそれでも良いかと思ってしまう自分がいた。

「折角ならすみれも入る?キラの料理かなり美味しいわよ?特にロールキャベツとか」

「どうして知り合ったばっかしの人のハーレムに入らなければいけないのですか!?」

「別にすぐにって訳じゃないわよ。そこら辺の配慮はするから。すみれもきっと気に入るわよ」

「・・・考えておきますわ」

 と、少し冷めた紅茶を口に含みながら、すみれは雪蓮の勧誘じみた質問にそう返事をする。

「そういえば、すみれってどんな世界で戦って来たの?」

「そうですわね・・・それではまずは――」

 

 

 

 

 それからも二人は、キラと紅蘭が来るまで前世のことや、転生してからのことを話し合ったのだった。

 

 

 




ついにマブラヴがスパロボに参戦しましたね。

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