皆さんお久しぶりです。
コロナだったりなんだったりで色々遅れましたけど、なんとか書けました。
それでは、本編どうぞ。
――保健室――
「・・・ヤマト君、何か言う事は?」
「・・・知らない天井だ」
ペチ
「あう・・・」
キラの聞いたことのあるような言い訳に、江美子は彼の頭に少し強めにチョップした。
「もう。転属初日に運ばれて来るとは思いもしなかったわ」
「うぅ・・・ごめんなさい」
あれからキラは保健室で目覚め、栞に左腕を包帯で巻かれながら江美子と話していた。留美はいま席を外しているらしく、少しすれば戻って来るらしい。
「はい、終わりましたよヤマト君」
「栞さんもありがとうございます」
「良いんですよ♪」
「ヤマト君ならば6時間位すれば完治すると思うけど、もしもの事があるから私が良いと言うまで外しちゃだめよ?」
「いつもありがとうございます」
お互い付き合いが長いため、江美子と栞に気軽に話し合うキラ。彼女達も彼のことは知っているが、それでも自分のことを心配してくれるのはキラにとっても感謝している。
「それと、ヤマト君にはこれも渡さなくちゃね」
そう言って江美子は机の下から、薬の入った袋を取り出しキラに渡した。
「前回のよりも少し強めになってると思うから、ちゃんと飲み続けたら幾分性欲が抑えられると思うわ」
「なにからなにまでありがとうございます」
「お礼なら真奈美さんに言いなさい」
「そうですね・・・」
キラに渡された薬は、少しだがヘブンズウイルスの発作(というよりかは性欲事態)を抑える薬だ。彼女たちに出会ってからは、よくウイルスの発作を抑える薬を貰い、少しでも発作を抑えているのだ。
「・・・色々あって言えなかったけど、お久しぶりです江美子先生、栞さん」
「えぇ、久しぶりね」
「お久しぶりですヤマト君」
「でも、どうして3人がIS学園に?」
「大高総理からのお願いで来たのよ。貴方のことを知ってる者として、できるだけ近くで支えて欲しいって」
「そうなんですか・・・でも、栞さんは良かったんですか?幾ら女子高でも、一応僕と一夏とシャルルっていう男が3人もいますけど?」
「織斑君とデュノア君はまだ話したことがないので分からないですけど、ヤマト君なら大丈夫だって知ってますから」
「・・・栞さんの『純潔』奪ったのに?」
「あれは、ヤマト君の所為じゃないのはもう解ってるし、なにより留美『お姉さま』との関係を応援してくれるから、私は大丈夫ですよ」
実は栞は『同性愛者』であり、留美のことはお姉さまと呼ぶほど慕っているのだ。しかし彼女は別に女尊男卑の人間というわけではなく、男がいない女子高にいた為に男性に縁がなかっただけである。団体の人間ではないということと、そういう恋愛もあっていいと思ってるキラは、そんな彼女と留美の関係を応援しているのだ(もう片方はそうでもないが)。
「去年の秋辺りから会ってなかったけど、先生達は大丈夫だったんですか?」
「・・・流石に何もないってことはなかったわね?」///
「はい。オペの後も何度もヤマト君の名前を言いながら、『自慰行為』をしてたのを何度か見ましたから」///
「・・・まさかまた手術室で?」///
「・・・えぇ」///
相変わらずな彼女にキラは顔を赤くしながらも苦笑いをする。
実は江美子もなかなかに癖のある女性であり、なんとオペが終わると性欲が昂ってしまうという如何にもR指定な性癖がある。そして彼女が手術室で自慰行為をする光景を偶々見てしまったキラが、ウイルスの発作を起こして彼女を襲ってしまったのだ。それ以降はお互いなにかあったら連絡し合い、主に江美子の方で我慢できなかった場合はそういう行為をする関係になってしまった。しかし彼女もキラ自身のことは好きであり、彼の支えになりたいと思っているのは事実。でなければ今まで何度も大けがをしているキラを助けようとは思わないのだ。もちろん外科医としての仕事もちゃんとしており、腕は今も衰えることなく優秀だ。お陰で周りからは『現代に現れたブラックジャック』と呼ばれる程有名である。
「・・・ねえヤマト君」///
「・・・何でしょうか?」///
突如彼女の様子が可笑しくなり、嫌な予感しかしないと思ったキラはそう返す。
「私・・・色々溜まってるのよ?」///
「そ、そうですか・・・それで?」///
キラが少し離れようとすると江美子は近づき、突如スカートをたくし上げて誘惑する。黒い下着とガーターベルトを見て、キラはさらに顔を真っ赤にしてしまう。
「だから・・・しましょう」///
「待って今昼ですよ!?誰かが見てるかもしれないんですよ!?」///
「その時は・・・その時よ」///
なんとかして離れようとするが捕まってしまい、江美子はキラのお腹の下のあれに触れる。
「はぁ・・・はぁ・・・キラ君、貴方の○○○○が欲しいの!貴方の○○○が、○○○○が忘れられないのよ!!」///
「江美子先生これ一応健全な方ですから!!それ以上放送禁止用語を連発しちゃダメですから!!」///
片腕がダメな為押し返そうとしても力が入らない。キラは栞に助けを求めようとして彼女の方に顔を向ける。
「し、栞さん助けて!!」///
「わ、私は留美お姉さまを探してきますので!」///
「ブルータス、お前もか!?」
慌てて保健室から出ていく栞にキラは、まるでカエサルの様に叫ぶ。しかも鍵をちゃんとかけていった。
「ヤマト君・・・」///
「ちょ、まっ・・・アッー⁉」///
それから1時間、保健室ではピンク色の声が聞こえていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「キラ、顔が赤いけどなんかあったのか?」
「ノーコメントで…」///
「「「?」」」
(((あっ・・・)))
お昼休みの屋上にて、先にいた一夏に何かあったのか尋ねられたキラは顔を逸らしながらそう答える。
何故屋上なのかと言うと、一夏がお昼に集まって食べようと誘って来たので、キラはそれに応じて屋上に来たのだ。そして来てみれば一夏を始め、箒・鈴・セシリア・シャルルとセシリアが誘ったという雪泉がいた。色々察したキラは箒に謝罪したあと、保健室にいた際のことを聞かされて今に至るのだった。
「・・・さてと皆集まったことだし、早くお昼にしない?」
「そうだね」
そんな鈴の一言に同意した面々は各々に持ってきた昼食を広げる。と言っても一夏はなんでも箒に言われたらしく、なにも持ってきていない。そんなことを思いながらシャルルは売店で売ってる弁当を、鈴はタッパーを、箒は自分で作ったであろうお弁当を取り出した。キラはセシリアと雪泉に昼食の入った袋を取り出すと、複数の水筒を取り出した。
「キラ、その水筒は?」
「あぁ全部コーヒーだよ」
「それ全部が?」
「うん。だけでどれも豆が違うんだよ」
「そうなの?」
「あまりコーヒーを飲まない人は解らないと思うけど、豆一つで色々風味が違うんだよ」
「なるほどな」
水筒を取り出した後、3人は持っていた袋からあるものを包んだラップを開ける。
「それは、サンドイッチか?」
「イタリアでは『パニーニ』って呼ばれてるんだ。片方はモッツァレラと生ハムとルッコラとトマトをシロコッペで、もう片方は残ってたコンビーフとカマンベールとレタスとトマトを小さめに焼いたバケットで挟んであるんだ」
「すっげぇ旨そうだな⁉」
「ちなみにこのバケットは、キラさんが厨房を借りて自ら焼いたのですわ」
「マジで⁉」
「そういえばいたわね」
「鈴は知ってたのかよ?」
「まさかパン焼いてるとは思いもしなかったけどね・・・?」
「キラ君って料理ができるんだね?」
「知り合いに料理が上手い人がいるんだ。その人から色んな料理を教えてもらったんだよ」
「へ~」
キラは幼いころから紫苑や多くの人間が料理だ出来る者達から色んな料理を教わったことがあり、今でも真那と一緒に作ったり、彼女が風邪で寝込んでしまった時には作っているのだ。
「それで箒は?」
「私はこれだ」
そう言って取り出したのは、いかにも女の子が持っていそうなお弁当だった。さらにもう一つ弁当箱があり、自分の者よりも大きかった。一夏の為に多く作ってきたのが解る。更にふたを開ければ、唐揚げや玉子焼きと色とりどりの料理がぎっしり詰まっていた。
「ほ、ほら一夏・・・」
「おっ、ありがとうな箒」
「き、気にするな」///
ニカっと笑顔でお礼を言った一夏に、箒は顔を赤くしながらそう言った。確かにこれなら余程のことがない限りはどんな女性もワンパンだろう。本人がもう少し恋愛に関して知識があればもっと良いのだが。
「それで鈴は・・・・・・いつもの酢豚か」
「失礼ね?今日は冥琳先生と一緒に作ったから酢豚以外もあるわよ」
「先生と?」
「もしかしてそっちも厨房にいたのは、他の料理を作るため?」
「酢豚もそうだけど、中華料理のほとんどは中華鍋で作る必要があるのよ。部屋の奴じゃ火力が足りないから、厨房借りて作ろうとしてたら冥琳先生も偶然来てね?折角だから一緒に作らないかって誘われたから一緒に作ったのよ」
「なるほどな・・・あむっ」
鈴からことのあらましを聞きながら、一夏は箒からもらったお弁当を食べていた。卵焼きや唐揚げ等はちゃんと中まで火が通っており、味付けもしっかりしている。
「箒の弁当旨いな♪」
「そ、そうか。ちゃんと味わって食え!」///
「おう!」
「・・・前の私だったら、此処で張り合ってたのよね?」
「大丈夫、鈴?」
「大丈夫よ。一夏はもう単なる幼馴染で親友だから」
「そっか」
鈴が大丈夫と聞いてキラは少し安心し、自分のパニーニにかぶりつく。モッツァレラチーズと生ハムの相性が抜群で、キラ達もおいしそうに食べていた。
「あっキラ達も食うか?」
「それは箒が一夏の為に作ったお弁当だから、遠慮しとくよ」
「私もですわ」
「僕も」
「そうか?じゃあ雪泉さんは?」
「申し訳ありませんが、私も」
「そっか・・・」
「本当にごめん箒」
「申し訳ございませんわ箒さん」
「・・・いや」
此処まで謝られると、さすがに箒もなにも言えない。
「話は変わるんだけどさ?セシリアのブルーティアーズ、一体どういう事なんだ?」
「確かにそうだね?ISが人間になるなんて有り得ないことだよ?」
「私たちも最初こそは驚きましたわ。なにせ一昨日の夜に突然私の目の前で人として変わったのですから」
《私自身も驚いております》
「さっきも思ったけど、本当に喋れるんだな?」
「えぇ、紅蘭さん達がISの音声機能をコアに繋げた処、今のように話せるようになりましたわ」
「その紅蘭って?」
「神崎重工の開発部にいるボンバーマンだよ」
「なんだその酷いニックネームは?」
《李紅蘭はよくいろんな発明品を作っているのですが、失敗する際にギャグマンガのように爆発をしております》
「大丈夫なのかよそれ⁉」
「それこそギャグマンガのように黒焦げになってるだけだよ」
っとキラがそこまで話すと、ふと階段がある方の扉が開いた。
「ここにいたか」
「ラウラ?」
階段の方から来たのは、今日転校してきたラウラ・ボーデヴィッヒだった。
「すまぬなヤマト、放課後私の部屋に来てくれないか?話したいことがあるんだ」
「僕は別に構わないけど」
「・・・私たちは同席しない方が良さそうですわね」
「・・・気を使わせて済まないオルコット」
「セシリアで構いませんわボーデヴィッヒさん」
「先ほども他の者に言ったが、ラウラで構わん」
「じゃあ私も鈴で良いわ」
「私も雪泉で構いません」
「私も箒で良い」
「僕もシャルルで良いよ」
「じゃあ俺m」
「お前には聞いてない」
「あ、はい・・・」
全員が名前呼びで構わないと言っている中で、一夏も言おうとするとラウラは少し険しい顔をして拒絶する。
「・・・一夏がなにかしたのか?」
「してそうね?」
「なんでだよ!?」
「・・・教官の二連覇の逃した張本人だ!」
「それってもしかして、『一夏の誘拐事件』の事?」
『!?』
キラの口から出たワードに、周りで聞いていた女性陣が驚く。特に鈴と雪泉はそのことを知っていたので、誰よりも驚いていた。
「なぜ知っている!?あの事件は一部の人間にしか知らないハズだが!?」
「知り合いから聞いたんだ」
その知り合いこそ、一夏を誘拐した『亡国企業』の一人である『スコール』であった。しかし本人はただ部下や例の元帥から聞いただけであり、直接誘拐したわけではない。
(・・・あれ?そういえば、どうしてスコールさん雪泉さんが忍者だって解ったんだろう?)
「一夏、お前誘拐されたのか!?」
「え・・・あ、あぁ・・・」
「でもあの事件は一夏の所為じゃないわよ?それに一夏自身もショックを受けてたし・・・」
「・・・それは元帥閣下や隊長達からも聞いている。しかし・・・」
「それでしたら、今度行われる『リーグマッチ』で決着を付ければどうでしょうか?」
理解は出来ても納得が出来ないラウラに、セシリアが提案をしてきた。それは今度行われるリーグマッチで決着を付ければどうかというものだった。
「なるほどね、それなら確かに決着がつけられるわね!?」
「問題は一夏がこの中で一番弱いってことだね?」
「うぅ・・・」
「そうですわね。肉体面も精神面もかなり劣っておりますから」
「ごふっ!?」
「あるとしたら無鉄砲くらいかしら?」
「どほっ!!??」
「さっきの実習でも、やったことって言えばお姫様抱っこ位だったしね?」
「げぶらっ!!!???」
「聞けば、今までバイトしかしていなかったらしいからな?」
「ひでぶっ!?」
「もっと聞けば、参考資料もタウ〇ページと一緒に捨てたらしいですしね」
「じゅうえんっ!?」
「・・・戦闘力たったの5か、ゴミめ!」
「ムワアアアアアアァァァァァ!?」
キラから始まり、セシリア達女性陣にこれでもかとダメ出しを食らい、最終的にはドラゴンボールのネタを喋るラウラに轟沈する一夏。
「っと、話は戻ってラウラ。放課後君の部屋に行けばいいんだね?」
「あぁ・・・セシリアと雪泉・・・だったか?やはりお前達も来てくれないか?」
「どうしてですの?」
「セシリアは先ほどのブルーティアーズで聞きたいことと、これからについて元帥閣下に伝えたいこともあってな?雪泉はただ興味本位だ。見た目に反して、なかなかに鍛えているところを見ると、お前もどこぞの軍隊の出と見た」
「・・・すこし違いますが、一目でそう感じたことは流石と感服いたします」
忍者である雪泉をただ物ではないと感じ取ったラウラ。
「・・・その元帥閣下は、お口は堅い方ですの?」
「勿論だ」
「解りましたわ」
「私もかまいません」
「改めて感謝する」
それから数十分、昼食を終えたキラ達は午後の授業の準備をするのだった。
最近弟が帰ってくるたび、遊び大全で対戦するのが楽しみになってきた。