金剛Lv10
明石Lv1
大淀Lv1
川内Lv1
北上Lv1
利根Lv1
浅宮が横須賀攻略鎮守府へ着任してから早くも1週間。現在は鎮守府をこれから動かしていくための事務作業に追われている。
ちなみに、初日はあの後叢雲の待つ居酒屋「鳳翔」で酔いつぶれるまで惚気話を聞かされたらしい。翌日二日酔いモードで呉へ帰った叢雲の顔は写真に撮りたかった程面白かった。
「提督、失礼します」
「ん」
ドアを開けて入ってきたのは大本営所属で、繁忙期のみここへ派遣される軽巡洋艦大淀。手に書類を持っている辺り、大本営からの司令書あたりだろう。
「その書類は?」
「一昨日通達があった『第1次戦力増強建造』の計画書です。軽巡洋艦又は高性能駆逐艦、そして重巡洋艦の3隻の建造計画ですね」
「了解。じゃあ電が戻ってきたら工蔽へ向かうか」
執務室でしばらく事務をしていると、遠慮がちなノック。
「入っていいぞ」
「失礼します、なのです。演習、終わりました」
「金剛は?」
「工蔽で艤装の調整中なのです」
「丁度いいな。電、工蔽へ行くぞ。大淀、戻るまで頼む」
「いえ、構いませんよ」
工蔽へ辿り着くと、既に明石が建造の準備をしていた。
「資材の投入量はどうしますか?」
「燃料250、鋼材200、弾薬30、ボーキサイト30で2回、その後鋼材を250に、弾薬を100にして1回だ」
「はいはーい、分かりましたよっ、と」
パネルを操作すると、天井から吊るされたクレーンで資材が次々と投入されていく。投入が終わると、パネルに残り時間が表示された。
「とりあえずはこれで2回分ですね」
「時間的にはどちらも軽巡でしょうか」
「待てばわかるさ」
しばらく暇な時間を過ごす為、電から演習の報告を受ける。
「という訳で、練度は10になったのです」
「と、なると改装まで後10レベルか」
「なのです」
「ヘーイテートクぅー!調整終わったネー」
「おう、どんな感じだ?」
「Nn~、特に問題はナイヨ。ケド、対空値がまだ微妙ネー」
「まだ練度が低いからな。対空機銃の装備カードを増やすか?スロットは余ってるだろ?」
「出来れば三式弾がいいデース」
「オーケー。後でレシピ調べとく。電は?その装甲板の使い心地とか」
「良好なのです。上手く使えば砲弾の衝撃を軽減できるのは良いですね」
基本的に艦娘は艤装と呼ばれる武器兼移動手段を用いて戦う。基本的には艤装以上の性能を出すことは出来ないのだが、艤装には決められた数のスロットが存在し、それに資材を使用した開発で作成した装備カードを入れることによって、艤装の性能を上げることが出来るのだ。
カードとカードや、艤装とカードの組み合わせによって様々な恩恵が得られるのだが、稼働初期にして資材不足の横須賀攻略鎮守府にはまだ先の話。
「あ、司令官さん、もうすぐ建造が終わるのです」
「お、そうだな。さて、誰が出てくるかな……」
「ああっ、提督そんなに近づいては危な━━」
「夜戦ッ!!」
勢いよくチャックを開け(破壊し)て、飛び出してきた頭が浅宮のアゴにクリティカルヒット。
「ぐッ!?」
「テートクぅー!?」
倒れる浅宮と飛びだして来た艦娘。電と明石はどちらに目を向けるべきか迷ってとりあえず新しい艦娘に目を向けた。
「夜戦!夜戦しよう!」
「あのぅ……貴方が川内さん、なのですか?」
川内、と呼ばれたその艦娘は電をゆっくりと見下ろす。そして、ニコッと笑ってから、
「おっと、自己紹介がまだだったね。私は軽巡洋艦川内型一番艦、川内!得意なことは、夜戦ですっ!」
「夜戦しよう!」というオーラを全身から放ちながらキョロキョロと辺りを見回す。
「ねぇ川内、多分貴方が探しているのは下で伸びてるわよ……」
「んん?あっ、提督だ!ねぇ、夜戦しようよ、夜戦!」
「ううん……」
がくんがくんと襟を掴まれ振り回され、浅宮は2度目の気絶をした。
ちなみに、今回の建造で出たのは
軽巡洋艦川内型一番艦川内
軽巡洋艦球磨型三番艦北上
重巡洋艦利根型一番艦利根
だった。