『応えよう。私は貴方のサーヴァント、ランサー。
眩い光が収まるのと同時に私は目を覚ます。眼前に呆けているマスターに口上を力強く述べる。
この口上、自分自身が考えた物では無く、無意識のうちに口したもの。
なぜ、一々そんな事を言うのかと言うと……どうやら私はアルトリア・ペンドラゴンになってしまったようだ?
疑問文なのは私自身以外の意識がはっきりと分からず確証が得られないため、冷静に見えるが実は結構テンパっている。
つくづく、兜を被っていってよかったと内心安堵している。
『マスター?』
息を吐き、心を整理し、未だに呆けているマスターをドゥン・スタリオンから見下ろす。
マスターはまるでギャグ漫画のように目が丸くして、酸素を求める魚のように口を開けたり閉めたり。
「き、ききき……」
『木……??』
「きたぁーーーーーーー!!!!」
マスターは叫びながら走りだし、私を置いて部屋から出ていってしまった。
召喚したサーヴァントを置いて何処かに行ってしまうなんて、前代未聞だと座も言っている。
しかし、マスターが再度現れるまでの間に現状を更に整理できる時間が出来たので、こちらとしてもありがたい。
ドゥン・スタリオンから降り。暫くの間はドゥン・スタリオンを霊体化させる事にした。
正直、室内をドゥン・スタリオンに乗ったまま移動するのは骨がおれそうだし。頭をぶつけて、悶ているさまを見せたくないのが本音だ。
さて、今の私ははアルトリア・ペンドラゴン。
ここまでは最低限の知識として与えられている、しかしどうにも”私がこのアルトリア・ペンドラゴン”とは思えない。
顕現する際に記憶が欠けてしまった。いや、私は昨日まで”人間”であった。
このアルトリア・ペンドラゴンではない誰かが、アルトリア・ペンドラゴンと成り代わってしまったのだろう。
瞬時に考察できるのはとても便利だ。
こんな状況下でも慌てる気が起きないし、堂々とした態度でいられる。父上、まじ父上。
と、扉の向こうから気配を感じる。
「アルトリア、こっちきてー!!!」
『ま、マスター……!?』
ま、まぁ……取り敢えずは
頑張ってみようと思います。マスターに腕を掴まれ、連行されながら私は決心した。
しかしマスターは私を何処に連れて行こうとしているんだろうか?
とても嫌な予感がする、私の中の
しかし、サーヴァントの身ではマスターには逆らえないので走りなれない鎧と兜をつけたまま諦めてついていくしかない。
「鎧外さないの?」
『それは霊基再臨してからです、マスター。』