ガールズ&パンツァー Each of the everyday 作:メトロポリスパパ
西福珍道中【お伊勢さんに行かないか?】
知波単学園学園艦は只今鹿島灘沖に停泊中である。
お盆休みに入り、学内は帰省している生徒が多く閑散としていた。
午後を一時回った頃。
戦車道隊舎横の小屋の外で、夏の日差しが差す中、腰まで伸びたストレートの黒髪に国防色のツナギを着た女性がオートバイの横の地面にシート引き、その上で胡坐をかいていた。。
そのシートの上にはシングルバーナー、ランタン、コッヘル、テント等のキャンプ用品が並べられている。
「西隊長殿!こんにちはであります!」
声を掛けられた女性。
知波単学園2年生戦車道隊長「西 絹代」が胡坐をかいたまま首を声の方へ向け見上げる。
「おお、福田か!んん?貴様は帰省しなかったのか?」
デニムのオーバーオールにTシャツ、三つ編みの髪形に丸メガネをかけた小柄の女性・・・女の子?
知波単学園1年生「福田」はビシッと敬礼をし
「は!昨日実家に帰りましたので!・・・ところで隊長殿・・・何をなさっておられるのですか?」
「ああ、私も昨日千葉港に居た時に帰省は済ませたのでな。オートバイで旅に出ようと思うのだ。今は野営の道具を選んでいる所だ」
「そうなのでありますか~・・・」
福田は地面に敷かれたシートの横にしゃがみキャンプ道具を眺める。
「隊長殿、我々の野営装備とは違う感じでありますが・・・」
西はガスランタンを手に取り福田に見せた。
「ふむ、これはウラヌスでのツーリング用だ。戦車道訓練用の野営装備では嵩張るのでな」
確かに近代的でテントや寝袋等がコンパクトかつ機能的に見える。
西は福田をしばらくじぃ~っと見た後。
「ところで福田、貴様、お盆の間は何をしておるのだ?」
「自分でありますか?自分は・・・読書等して過ごそうかと思っておりましたが・・・」
西がニヤッとしながら言う。
「ならば・・・私と旅に出ないか?」
「は?・・・は?!自分でありますか?!」
「そうだ。旅はいいぞ!外に出て各地の方と出会い、ふれあい、文化を知ることは勉強になるぞぉ」
腕組みをしながら目を瞑り、うんうんと頷く西。
「し、しかし隊長殿!自分がお供をしていいのでありますか?隊長殿の御旅の邪魔をする事になるのではと・・・」
遠慮をしモジモジする福田。
「ん?遠慮をするな福田。私は福田にもっと、色んな事を知ってもらいたいのだ」
「は・・・は!有り難きお言葉、恐縮至極であります!ではお言葉に甘えまして不肖福田、西隊長の御供をさせていただきます!」
「うむ!」
西はニッコリ顔でうんうんと頷いた。
「ところで隊長殿・・・どちらに行かれるのでしょうか?」
「ふむ!お伊勢さんに行こうと思うのだ」
「お伊勢さんでありますかー!これは楽しみであります!」
「そおだろぉ!そうと決まれば早速準備だ!福田、少し手伝ってはくれまいか?」
福田はビシッと敬礼をし
「は!よろこんで!」
福田は西に連れられて小屋へ案内された。
小屋の中に入ると、オートバイが2台置かれ、その横には側車と思われる物も置かれていた。
「隊長殿!隊長殿は3台のオートバイをお持ちなのでありますね。あの銀色の・・・刃と書かれたオートバイは何でありますか?」
「うむ!よくぞ聞いてくれた!あれはウラヌスだ!」
「ん?そ・・・そうでありますか!では、あのライトが二つ付いた緑と白のオートバイは何でありますか?」
「うむ!ウラヌスだ!」
「は?・・・で、では・・・表に置かれているオートバイは・・・」
「ウラヌスだ」
「・・・」
「ん?どうした?福田」
福田の瞳からはハイライトが消えていた。
「いえ、なんでも・・・なんでもありません!」
「そうか!では福田、あの側車を表に出すのを手伝ってくれないか?」
「了解であります!」