ガールズ&パンツァー Each of the everyday 作:メトロポリスパパ
アウトバーンのパーキングにソアラを停め、縁石に座り込んでいる自動車部の四人。
形容しがたい感情に悶々としていた・・・。
学園長に追いつけなかったのもそうだが・・・その学園長すらあっさりと撃墜し消えた黒いポルシェ・・・。
星野が口を開いた。
「あのポルシェ・・・なんだったんだ・・・」
鈴木も驚きを隠せずに言う
「すごかったね・・・終速300km超えてたんじゃないかな・・・」
中嶋は
「ああ・・・あんな車とドライバーが居るなんて・・・」
土屋は俯きながらボソッと言った
「・・・あのポルシェ・・・リアウインドーに小さくステッカー貼ってたよ・・・」
「え?!」
三人は驚き
「なんて貼ってあった?!」
「『RSFactory』て書いてあったように見えた・・・」
中嶋が腕組みをしながら言う
「RSFactory・・・か・・・ショップっぽいね・・・」
「黒森峰にあるショップじゃないか?」
「そうだね星野・・・明日、帰りまで時間あるから・・・探してみようか」
「そうだな!どんなチューナーが作ったのか気になるよな」
「・・・・・・」
土屋は項垂れたまま地面を見つめている。
中嶋はそれを見て土屋の肩を叩いた。
「土屋、すごかったよな~あのポルシェ・・・悔しい?」
「悔しいけど・・・それより、このソアラをもっと速く走らせられなかった方が悔しい・・・」
中嶋は立ち上がり
「星野、鈴木、土屋・・・あのポルシェの前を・・・走ってみたいと思わないか?」
「!!」
「このままじゃ・・・終われないよな・・・このままじゃ・・・」
星野、鈴木、土屋も立ち上がり頷いた・・・。
翌日・・・。
夕方の帰りの飛行機まで時間が有った自動車部の4人は『RSFactory』なるショップを探してみた。
スマホで検索してみるとあっさりと見つかった。
店の前にソアラを停めて降りた4人。
貸し倉庫のような建物で大きな鉄板の横開きの入り口が有る。
その横にアルミのドアが有り、事務所の入り口のようだ。
4人が辺りを見回していると・・・。
「いらっしゃい」
工場の中から赤いサロペットを着た女性が出てきた。
少しクセのかかった茶髪のショートボブで目鼻立ちのクッキリした大人のカッコイイ女性である。
中嶋が一歩前に出て自己紹介をする。
「はじめまして。突然お邪魔してすいません。私達は大洗女子学園の自動車部で、私は部長の中嶋と言います。で、左から・・・」
「星野です」
「土屋です」
「鈴木です」
キョトンとする女性・・・だが・・・。
「大洗女子学園・・・て確か今年の高校戦車道大会で優勝した?」
「はい、自分達も、レオポンさんチームとしてポルシェティーガーで試合に出てました」
女性が驚く
「そうなんだー!・・・で・・・そのソアラは君たちの?」
「はい・・そうですが・・・」
「よかったら、見せてくれないかな?」
「あ、はい!どうぞ・・・」
女性はソアラの周りを一周した後、膝を付き下回りをのぞき込み
「へぇー・・・エンジンルーム、見てもいいかな?」
「はい」
中嶋がドアを開けボンネットオープナーを引いた。
ボンっという音と共にボンネットが少し開き、女性が隙間に手を入れロックを外し上へ持ち上げる。
「なにこれ!見たことない、いや、見たことあるような・・・このエンジンは何?」
「はい、7M‐Gを元にして一から私達が作った5リッターエンジンです」
「え?!一から作ったの?!ヘッドもブロックも・・・ていうか全部?」
「はい、そうです」
「いや~・・・そう言われてみれば・・・7Mっぽいね・・・なるほど~うんうん・・・いい仕事してるね君達・・・気に入ったよ。立ち話もなんだから、中入ってよ、美味しくないコーヒー出すからさ(笑)」
「ありがとうございます」
女性に案内され事務所に入った自動車部の4人。
「座ってよ、今コーヒー入れるから」
この女性がこの店の店主なのだろうか?
カウンターの前にある丸椅子に座り店内を見渡す。
そんなに大きな事務所ではないが女性らしく小綺麗にされている。
棚にはタービンやブーストコントローラーやメーター等が飾られていて、本棚には雑誌や整備手順書が置かれている。
「どうぞ、インスタントだけど」
コーヒーと砂糖とフレッシュを各自の前に置いて、カウンターに入った女性は自動車部の4人に名刺を差し出した。
「自己紹介がまだだったね、私は『リカコスピードファクトリー』の社長兼メカニック兼経理兼営業のオオタリカコ、よろしくね」
この人が・・・あのポルシェを・・・。
4人がリカコを見つめていると・・・。
「え?なに?どうしたの?」
「あ、いや、その・・・」
4人はコーヒーに砂糖とフレッシュを入れてかき混ぜながら、誰が話を切り出すのかと牽制し合っている。
仕方なく部長の中嶋が話を切り出した。
「私達、昨日の晩、あのソアラでアウトバーンを走っていたんです。で、その・・・学園長の・・・あ、学園長というのは・・・うちの学園長で、その時はフェラーリ512TRだったんですが、2台で走っている時に、ポルシェに撃墜されちゃって・・・そのポルシェが貼っていたステッカーが、こちらの店だったみたいで・・・」
リカコは何となく話を理解したのか・・・
「へぇ・・・走ってたんだ、アウトバーン。そのポルシェは黒いポルシェ?」
「あ、はい・・・そうです・・・そのポルシェは・・・リカコさんが作ったんですか?」
核心に触れる中嶋。
「・・・そうだよ・・・そのポルシェはうちのお客さんの車で、作ったのは私だよ」
次回
黒森峰MIDNIGHT 【ポルシェターボ ACT.2】
よろしくお願いします。