艦隊これくしょん×デモンベインクロスオーバーです。
西博士エミュが至らないかもしれませんが申し訳ありません、常人に大天才の完璧なエミュは不可能です。

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西博士が着任しました。

意識が浮上する。

浮上して、浮上して、大気圏突破する。

アァイキャン、フラアァァアァアァアイッッッ!!

 

「……おはようございます、ウェスト提督」

「グッモーニング、ポテトガール!」

 

我輩を健気に起こしてくれるポテトガール、吹雪とかいう芋臭い小娘に朝の挨拶をする。

見事な幼馴染属性である、褒めて遣わす。

お兄ちゃん起きて、もうお寝坊さんなんだからぁっ、はぁと!とまで出来ないことを我輩は責めたりしない、素朴が売りの秘書艦がすることである。

この我輩の秘書艦を務める艦娘なのだ、己の持ち味を活かせッ!

何やら冷たい視線と絶望的な距離感で我輩を見つめる芋ガール。

ふむ、これは。

 

「寝ぼけて着替えを始める我輩のビューティフルマッスルを目撃し、きゃー何してるのよ馬鹿!私の前で着替え始めるなんて破廉恥よ!という委員長系幼馴染のモーニングコールパターンであるな!ようしその目に焼き付けるが良い!我輩の鍛え上げたこのセクスィマッスル!パンツから下は追加料金!課金はお小遣いの範疇でするのであぁぁぁる!!」

「執務室でお待ちしております。失礼します」

 

ぬう。

我輩の高度な冗談を理解しないとは不出来な秘書艦である。

ベッドから飛び起き脱ぎだし、この美しい肉体を披露したというのに芋ガールが用は済んだと如く無慈悲にドアを閉じる。

世紀の大天才である我輩の意図を理解せよというのは、長年の秘書艦であっても困難、果てしない旅路の如くだろう。僕も疲れたんだ、パトラッシュ……何だかとても眠いんだ……。

未だサキュバスの如く眠りに誘うベッドからの誘惑を断ち切り、我輩は軍服へと袖を通す。そしてその上には白衣。

今日も、我輩の提督としての一日が始まるのである。

 

 

朝の執務室。

 

「嗚呼……退屈なのである。血肉心沸き踊るような素敵なパーティ、起こらないのであろうか……」

「不吉なこと言わないで下さい。遠征、演習の編成は今まで通りで構いませんね?」

 

我輩の渇望するスペクタクルを一刀の元に斬り捨てるポテトガール。真面目過ぎるのである。

深海棲艦とかいう深海魚のような不細工でつまらん相手を、マッシュポテトのように潰し潰して資源の管理に目を配り続ける日々。

この大天才たる我輩にとっては赤子の手を捻る、ダメ可哀相!それが大人のやることか!というレベルの日常である。

 

「我輩のプァーフェクトなスェッティングに問題などあるはずもない。些事は任せる。我輩は工廠へ行く」

「……またですか。程ほどにして下さいね」

 

知らん。

所詮凡俗のポテトガール、その忠告は取るに足らん路上に捨てられた子猫ちゃんだ。あっ、ダメ見捨てられない。

右手を突き出し退室する秘書艦を押し留めようとするが既に彼女は扉の向こう側だった。

不良の見せた偶の善意を実現しようとしている我輩に対し、その名の如く極寒の対応だ。

おのれ。遠征だの演習だのミジンコより小さなどうでもいい事柄に拘る凡俗はこれだから。

大天才たる我輩を置いて執務室を後にしたポテトガールに悪態をつきながら工廠へと目指す。

世紀の大天才、アドミラルウェストの本領を発揮するのはそこだ。そこしかナッシング。いざ行かん。

今日は何作ろうかなーっ。

 

 

 

鎮守府工廠。

出迎えたその主、工作艦明石は我輩の耽美なご尊顔を見て眉を寄せる。ほう、惚れてしまったか。

 

「……おはようございます」

「おっはー!相変わらずの凡人っぷりであるなぁ凡人ピンク!」

 

凡人ピンクは疲れ切った顔。毎日顔を出して艦娘達の装備改良に苦心する我輩に対していい度胸である。ぷんぷんっ。

おにおこである。答、コロンビア!

そんな凡人ピンクの視線が何かに気づいたように動く。あれは!

 

「……げっ」

「げっ歯類であるか。そいつは雪風の専売である」

 

げっ歯類ではなく兎であった。

いや、島風とかいったか。偶々通りかかった少女に声をかける。

兎耳のような黒耳リボン、中々我輩好みの前衛的な衣服。V字の下着辺りかなりイけているのである。スタンダップトゥザVッ!

 

「前々から思っていたが、その連装砲ちゃん、イエスだね!」

「おうっ……!?やめて、連装砲ちゃんには手を出さないで!!」

 

ぐへへ。

お前の連装砲ちゃん、イイ形してるじゃねぇか。

寸胴ボティの三体は何故か我輩の心を掻き乱す。

へーいカレシィ、いいナオン連れてんじゃねーかよぅ。

哀れ、三体の連装砲は我輩の毒牙に襲われる。痛くしないから!先っちょだけかだら!

 

「やめてー!連装砲ちゃんを返してー!」

「て、提督っ!?装備を勝手に弄られては……!」

 

やはり艦娘の装備は面白い。

隣でV字パンツと凡人ピンクが喚いているが知ったことではない。

妖精さんと呼ばれる小人達が製造する人知を超えた兵器。

アンティークな見た目に反し、人の造る兵器では倒せない深海棲艦を唯一撃沈し得るのだ。

あ、我輩の造ったものは除く。

 

「ふはははは!ここか、ここがいいのか!」

 

その人知を超越した神に選ばれし真の大天才である我輩の手により、三体もの大中小より取り見取りを次々と改良していく。

連装砲ちゃんもご満悦である。アヘっておられる。R-18タグは!?

三対一だなんてモてる男は辛い。何と罪作りな大天才なのであろうか。

 

「ああぁぁあぁぁ……連装砲ちゃんがブサイクになっていく……」

「あ、あのッ!いい加減に」

「何であるか凡人ピンク。今ノリに乗ってる所なのである凡人ピンク。いくら我輩が神の愛を独り占めする天才だからといって嫉妬か、凡人ピンク?嗚呼天才過ぎて辛い。凡人ピンクには辛すぎる我輩の天才っぷりが彼女を苦しめてしまっている。嗚呼!嗚呼!許しておくれ!凡人ピンクーーーッ!!」

 

凡人ピンクに許しを乞いながらも手は止めない。

我輩手の早さには定評があるのだ。いよっデキる男!

 

「……」

「何ゆえ艤装を展開する凡人ピンク!?何ゆえ我輩にそれを向ける凡人ピンク!?そのぶっといのをどうするつもりであるか!いやっ、裂けちゃう!?凡人ピンクが乱心したぁぁああああッ!?」

 

衝撃。

おのれ。人、それも提督であり天才である我輩に向かって砲撃とは。

我輩でなければ死んでいたぞ。ロボット三原則は適用されていないようだ。アシモフさん仕事して!

 

 

 

気がつけばすでに夕方。

我輩は島風を伴って沖へと足を運んでいた。

海上に我輩を支えるのは、水上バイク型特製武装ハンティング・ホラー。

そう、改良した連装砲ちゃんの実戦テストの為この大海原に足を踏み出したのである。

なお近海の深海棲艦どもは大体叩き潰してしまったので、ここは陸地から大きく離れ周囲は一面の海、オレンジ色に染まった水平線に囲まれている。

そして、我輩手製のレーダーに大型深海棲艦を補足。ひぃふぅみぃ……六隻か。ちょいと少ないが良かろう。

お手元のエレキギターを掻き鳴らす。いい音色である。

この生命の源である大海原、ご近所迷惑などありはしない。

ノってきた。ノってきたのである。エレキを掻き鳴らす指に力が入る。暁の水平線、その彼方まで!届け我輩のパトス!

 

「ちょっ、煩い!音で深海棲艦が寄ってき……おうッ!?そんな、姫級が……六隻も!?」

「ぬははははははは!我輩の招待にご足労、痛み入るのであーる!!」

 

戦艦だの空母だの重巡だのの姫級がぞろぞろと姿を現す。

その表情は全て怒りに染まっているようだ。あらやだ起こしちゃった?もう夕方よ、お寝坊さんっ。

 

「的は彼奴らである!さあ!我輩の改良したスーパーウェスト無敵連装砲ちゃん28號海上戦仕様(セイラー)~三つの力が一つになって~!レッツ、プレイィッ!!」

「おうっ!?」

 

我輩の号令にその目を光らせ、三体の連装砲ちゃん達が飛び立つ。

そして天空にて三体が衝突するかの勢いでその身を重ねた瞬間、閃光。

夕暮れの大海原を眩い白光が焼き払う。

さあ、刮目せよ。男子三日会わざればアテンションプリーズ!

 

「いやぁあああ!私の連装砲ちゃんがぁぁあ!!」

「ふははー!合体は男の浪漫!一本では容易く折れても三本あればもしもの時にも安心なのであーる!!」

 

巨体。

八十メートルを超す威容、千トン以上の大質量。その円柱形のボディを見た時から、我輩ずっとこうしようと思ってたんだ。

何故かその形状に心躍る。その砲に、お茶目に顔がついていることに我輩は自身の奥底が燻られ続けていたのだ。この子悪魔ちゃんめ!

そして男の浪漫は合体だけではない。そう、ドリル。機体側面から等間隔に四本も配された極太。ふふっ、こいつでひいひい言わせてやるのである。

この世紀の大天才が生み出した機械仕掛けの神を前にして口を間抜けに開け放っている深海棲艦どもを尻目に、ハンティング・ホラーを駆けさせ一気に跳躍、スーパーウェスト中略の頭上に設置されたコンサートステージに降り立つ。

 

「ようこそ我輩のコンサートへ!砲撃戦、始め!レェッツ、ロックンロォォオオルッ!!」

 

蹂躙。圧倒的な質量と大火力、そして巨大なドリルを以って深海棲艦どもを駆逐する。テストは成功だ!やったよ母さん!

 

 

 

「……ダメだこりゃ」

 

深い闇の中、一人呟く。どうしてこうなった。

幾千幾億の可能性の一つ。私の目的を果たすまで永劫に続くループの中、こんな可能性が現れるなんて。

大体、大導師も九朗君もいないじゃないか。はい、やり直し。さっさと次行こう、次。

邪神たる私はその乱痴気騒ぎを閉じて何度目かも分からない次を始めた。




酔った勢いでやった。特に反省はしていない。気持ちよかった。

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