彼女の名前は坂口安吾。フリーターだ。
彼女には異能力がある。『
僕の能力を説明しようか。人々を洗脳して、僕の思うようにできる。効果は5分だけと短いがね。
「太宰さーん。川に飛び込むのやめてくださいよ」
「いいじゃないかー。私は川に行水してたのだよ」
あれは武装探偵社の太宰治と新入りなんとか敦っていったな。
ちょっとからかってやろうか。
「異能力。堕落論」
敦の目の色が消えた。
「ここで、全裸になれ」
ククク。ちょっと楽しい。
「敦くん?どうしたんだい?」
敦は無言で服を脱ぎ始めた。
観衆の目が敦に向き、すぐさま逃げる。
「異能力者か?異能力、人間失格」
「なんだと?異能力者に襲われた?」
「本当なんだよ国木田くーん。なんかわけもわからず敦くんが脱ぎ始めたんだよー」
武装探偵者の社内で、国木田と太宰が話し合っていた。
「そうか。どういう能力だった」
「人に脱がせる能力」
「バカにしてるのか!」
「バカにはしてないよー。敦くんが脱いだから言ってるんじゃーん」
敦くんの体は見事なもので、筋肉があまりついていなかった。まさにもやし。虎になる以外はひ弱だった。
「その肝心の敦は」
「ここ」
机の下を指す。
国木田がそこを覗いてみると中にいるのは体育座りをしている敦の姿。笑いたくなるプークスクス。
「何してんだお前」
「聞かないでください国木田さん……」
「自分の大事なアレをみんなに見せちゃったからだよー。それくらい察してあげなー」
「国木田くん何してるの?」
「乱歩さん……」
国木田と太宰と、敦が何かしてるのかが気になったのか聞いてくる。
敦の近くには泉鏡花も近づいてきて何があったのか聞いてきた。
太宰は起きたことを面白おかしく話してみると、乱歩はふうんと、鏡花は、少し不機嫌そうにしていた。
「乱歩さん。犯人わかりませんかね」
「わかったよ。そのうち探偵社にも危害が加えられそうだからね。異能力、超推理」
少しの間無言の間が続いた。
「……犯人は、坂口安吾という女だ」
一方、坂口安吾の方はというと……。
「クレープうめえええ!!」
クレープを食べていた。
クレープを食べ、住んでいる街の観光をし、スリルを求めてマフィアの溜まり場に行ったり、ギルドという組織から勧誘されたりなど、いろいろなことがあった。
無論断ったが。異能力に襲われたが、なんとか乗り切っていた。
彼女はどこにも属したりしない。面白ければなんだっていい。悪にも善にも加担はしない。中立を保っていた。
「うんめえなあ」
涙を流して、クレープを食べていた。