リリカル・マジカル・オレ、自爆   作:ジャー・ジャック・ジョー

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主人公にとって重要な戦闘手段を得ます。

今回オリキャラが出ますが主人公の師匠というだけで彼自体はストーリーには絡みません。日常描写では出ますが。

今回が終われば時間を少し飛ばして原作に入ります。

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オレ、弟子入り

やあ、前回から定期的に高町家の道場に通わせてもらってる裁人くんだよ。

 

今僕はなのは、アリサ、月村と公園で遊んでるんだ。

 

お馬さんごっこじゃないよ。

 

お馬さんごっこをなのはが始めようとしたらアリサと月村が全力で止めてくれた。なのはは不機嫌そうだった。

 

さて、男子1人、女子3人。男子としては遊びたい遊びができない状況となる。多数決は子供の世界において絶対なのだ。

 

ダメ元で今日の遊びはサッカーがいいと言った。もちろんオレの意見は握りつぶされた。

 

「じゃあ、今日はおままごとで決まりね。」

 

「意義あり!」

 

「却下だよ。」

 

「あはは...我慢しよ?鉤矢くん。」

 

世界は残酷だ。

 

「じゃあ、私がお母さんね!」

 

と、自信満々のアリサ。何に自信があるかは知らないが。

 

「私がお姉さんをやりたいな。」

 

なのはは普段は妹だからか、こういうのでは姉役をやりたいんだろうな。

 

「私は妹がいいな。」

 

月村は誰とも配役を被らせることなく、皆に配慮した意見を出す。めっちゃええ子や。

 

「じゃあ、オレがお父さんか。」

 

残ってる配役で男ができるのはこれくらいだろうと思い、配役を口にすると

 

「はぁ?」「えっ?」

 

なのはとアリサの二人から抗議が出た。

 

「何で私とあんたが夫婦にならなきゃいけないのよ。」

 

「そうだよ。サイ君はペットだよ。」

 

まさかの人外である。

 

おままごとで配役がペットなんて、そんなのクレヨンしんちゃんでしか見たことがない。

 

月村にヘルプを求めて視線を送ると、月村は押しが強い二人に強く出れないのか苦笑いしている。

 

ここにオレの味方は居ないようだ。

 

「じゃあ、サイ君はお馬さんね!」

 

「結局馬じゃないか!」

 

さっきは止めてくれたアリサも今は腹を抱えて爆笑している。月村も笑いを堪えているようだ。

 

オレは馬になった。

 

 

 

「はい、今日の夕食はハンバーグよ!」

 

「わーい!」

 

「いただきまーす!」

 

そんな家族を模したやり取りがなされているなか、オレはおそらく庭であろう場所に四つん這いとなりブルルルルとか時々ヒヒーン!と鳴いていた。

 

そうしていると、横から一匹のネコが通りかかった。

 

少し赤みがかった茶色の毛並みをしたネコだ。

 

こっちを少し哀れんだように見たのでブルルルルと鳴いて威嚇する。

 

「何やってんのよ、あんた。」

 

アリサがこっちにやって来てジト目でこちらを見てくる、が、オレは威嚇を解かずにネコの方を睨みながら

 

「いや、ネコに馬の強さを思い知らせようと...」

 

「ホントに何やってんのよ...」

 

アリサの目がジト目から変人を見るそれになった。

 

「でもどこから来たんだろうね。」

 

「ウチの周りでも見たことないな。」

 

いつの間にかやって来た月村となのはが会話に参加する。

 

ネコはなのはを見てビックリとしたような仕草をしてそのままそそくさと去っていった。

 

「なのは、お前ネコに何かやったか?」

 

「な、何もやってないよ!」

 

「本当か?」

 

「そうだよ!私が何かするのはサイ君にだけだもん!」

 

それを聞いてアリサと月村は顔が真っ赤になっていた。

 

ただの貴方しか苛めません宣言なのに。何か勘違いしているのだろうか。

 

ん?ハタから見たらヤバイか?

 

まあ、でも本人たちにそんな気は無いのだから問題ないだろう。きっと。

 

その後のおままごとでは月村とアリサの猛プッシュによりオレに人権が認められ、なのはがお母さん役、オレがお父さん役になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、高町家の道場にお世話になり続けて数週間。毎週土日の朝に稽古をつけて貰えるようになった。

 

目指すはハートフル日常コメディとはいえ、身を守るものはあっても困らないはずだ。それに、お兄さんに勝てなかったのが悔しかったし。

 

超再生能力の恩恵か筋肉が着きやすく、転生してから体を動かすのは得意だったため直ぐに上達し、剣術が楽しくなってきた。

 

なのはの父の士郎さん、姉の美由希さんとお兄さんは普段小太刀の二刀流を使っている。小太刀だけでなく針とか色んな物を使っていたが。

 

この前は手加減されていたのか。何か悔しいな。

 

オレは一刀流の基本の型と体の裁き方しか教えてもらっていない。

 

オレは士郎さんにその剣術を教えてくれと頼んだ。

 

士郎さんは少し困った顔をして

 

「ごめんね、これは子供に教えるような剣術ではないんだ。」

 

そう断った。

 

それを聞いていたお兄さんが

 

「父さん。」

 

と言って少し抗議したが士郎さんとボソボソと少し話し合ったあと。不満ながらも納得したようで離れていった。

 

その後士郎さんが何か思いついたようで、しゃがんでオレの頭に手を置き、目線を合わせて

 

「ここの剣術は無理だが、君に剣術を教えてくれそうな所を紹介してあげるよ。」

 

そう提案した。

 

オレは顔をパァッと輝かせ、コクコクと首を縦に動かした。

 

 

 

そんなこんながあって一週間後、オレは今士郎さんとお兄さんと一緒に高町家と自分の家から少し離れたある道場に来ている。

 

見た目は少しボロくさいが年期が入っているといえば聞こえがいい。少し町外れにあり、周囲には家が見当たらない。そんなところも何か雰囲気が出てる。扉の脇には

 

[兵法タイ捨流道場]

 

と書かれた板があった。

 

ふふふ、ここからオレの剣術サクセスストーリーが...

 

そんなことを考えていると道場の扉が開いた。

 

中から出てきたのは禿頭で、髭はなく、顔には浅くだが皺が入っていて、背筋はピンと伸び、身長も高い。そして何よりも目を引いたのがその眼光だった。お兄さんと相対した時、あの時の眼光より鋭いものがこのお爺さんから発せられていた。それらも相まってとても若々しく感じられる。

 

何というか、師匠らしい雰囲気である。

 

ここは第一印象が大事だ。好印象を与えるように気持ちよく挨拶を...

 

「何だァ、士郎、このクソガキが入門者か?」

 

ピキィッ

 

「あ?クソジジイ、文句あっかよ?」

 

そうだな、第一印象で舐められないようにしないとな。

 

「有るに決まってんだろ、こんな弱っちそうなクソガキが弟子入りに来たなんてな。」

 

「おぅ、試してみなきゃ分かんねーだろ。クソジジイ。」

 

「ほゥ、言うじゃねーか、クソガキの癖に。」

 

「クソジジイは黙ってろ。」

 

「道場入れよ、クソガキ。身の程を教えてやるよ。」

 

「上等だ、クソジジイ。ぶっ倒してやるよ。」

 

そんなやり取りをしてオレはクソジジイと道場の中に入っていく。

 

「な、恭也。似た者同士だろ?」

 

「そうだね、父さん。」

 

そんな声が聞こえたがクソジジイを倒すことしか頭になかったオレには届かなかった。

 

 

 

道場に入ると壁には木刀や手裏剣等が掛けてあった。

 

中央に堂々とクソジジイが立っている。その佇まいはクソジジイが達人の域に達しているということを表していて、隙が無く、凛としたものだった。

 

オレは壁に掛けてあった木刀の中でオレに合った小さい木刀を選んで手に取り、正眼に構えた。

 

一方クソジジイは見たところ道場で最も小さい、刃渡り20センチ位の木刀を持っていて、オレが正眼に構えた所を見たら、木刀を腰にあて、右足を前に、左足を後ろに、体の正面が横向きになるように構えた。

 

オレとクソジジイの距離は1メートルちょっとといったところである。

 

「ちなみに、だ、オレの剣術は、こんな小さいのじゃなく、普通の刀を使うぞ、クソガキ。」

 

カチンッ

 

「ご丁寧に説明ありがと、よッ!!」

 

オレは飛び出し、間合いに入った瞬間、木刀をクソジジイの右の脇腹に叩きつけようと刀を左に振りかぶり、右に思いっきり振り

 

ガッ

 

「焦んなよ。」

 

抜けなかった。

 

いつの間に抜いたのか、クソジジイの木刀がオレの右手首にあてがってある。

 

そのまま振り抜こうとしても手首を押さえつけられ、ビクともしない。

 

仕方なく後ろに飛び退こうとした瞬間、右の顔面を衝撃が襲った。クソジジイの拳が右の頬に突き刺さるのを感じた。

 

オレの体はあえなく吹っ飛び、壁に叩きつけられる。

 

「今のはここで本来目潰しをする技だったんだがなァ。まァ、若者の未来を奪っちゃいけないわな。」

 

クソジジイがヘラヘラと笑っている。

 

痛みなど、怒りで吹っ飛んだ。

 

オレはすぐさま壁に掛けてあった手裏剣を手に取り、クソジジイの頭めがけて投げた。

 

手裏剣はオレの手を離れ、真っ直ぐとクソジジイのところまで行った。

 

カンッ

 

当然弾かれるが、オレはその間にクソジジイの足下に潜り込み、木刀で足下を払う。

 

「ほゥ、クソガキの割にはやるじゃねェか。」

 

木刀を振り抜いたが、何も当たらない。

 

「それ。」

 

上を向くとそこには既にクソジジイの木刀が目の前まで迫ってきていた。

 

ゴンッ

 

「ガッ...!」

 

あまりの痛みに道場に転がってしまった。

 

しばらくのたうちまわっていると、クソジジイが近付いてきて

 

「兵法タイ捨流は何でもアリだ。普通の剣にしても跳び、蹴り、目潰し、果てには忍術。そんな剣術だ。タイ捨のタイを『体』とすれば体を捨て、『待』とすれば待つことを捨て、『対』とすれば対峙することを捨て、『太』とすればようやく、自性に至る。」

 

「これは一回しか言わねェ。タイ捨を極めんとするなら捨てる覚悟をしろ。今までのことに囚われない、自在を目指せ。」

 

「今日はここまでだ。土日は午前中、平日は夕方に来い。間違っても飯食ってから来るんじゃねェぞ。道場を汚したくねェ。」

 

「...」

 

オレはクソジジイを睨み付けるだけで精一杯だ。

 

「分かったら返事しやがれ、ガキ。」

 

「分かっ、たよ、ジジイ。」

 

オレは息も絶え絶えに返し、木刀を杖がわりにして道場を去っていった。

 

途中で士郎さんが

 

「手を貸そうか?」

 

と聞いてきたが

 

「要らない。」

 

と答えて1人で家まで帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「1人で歩いて帰るたァ、根性あるな。普通は1、2時間気絶してるぞ。」

 

「どうですか、彼。」

 

「ありゃァ化けるぞ、士郎。修羅か鬼か英雄か、今は分からんが、ガキにはそれだけの力がある。」

 

「僕としては平和に育ってもらいたいのですが...」

 

「まァ、それも1つの可能性だ。が、選ぶのはガキだ。」

 

恭也は自分の父とこの好好爺が何を言っているのか、今は分からない。

 

しかし、1人の少年の背中を見つめる2人の目には、期待、不安、喜び等様々な感情が混じっていること。それだけは分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の昼、春にしては少しだけ肌寒い気温のなか、ある公園では1人の少年がベンチに寝ていて、1人の少女がそれを起こそうとしている。

 

「ねぇ、サイ君、おーきーてーよー!」

 

「わりぃ、なのは、ちょっと寝かせてくれ。」

 

「むぅー...」

 

なのははむくれながら裁人の尻をつねる。

 

いつもならこれで反応してくるのに、今日は反応が薄い。

 

「あっ!そうだ!」

 

なのはは何か思い付くと、ベンチで寝転がる裁人の上に寿司のネタとシャリのように、さらに寝転がった。

 

「んぅ...なのは?」

 

「サイ君、凄くあったかいね...。」

 

「あぁ、あったかいな...。」

 

重なり合いながら寝る少年と少女、その顔はどこまでも幸せそうだった。

 

 

 

 




今回は少しだけ長くなってしまいました。

いよいよ次回から原作です。主人公は現状なのはのサポート役しか出来ませんが。

今さらですがこの小説の基本の流れは

ストーリーor日常→ストーリーor日常→主人公となのはの日常(主人公の尻苛め)

となります。

活動報告の方では今後の展開と実は●●みたいなキャラ崩壊話をやります(例としては、ヘルシングのアーカードは実は炒り豆をぶつけると死ぬとかそんなもの)。1話ごとに更新予定ですので、さっきのが大丈夫な方はこちらの方もよろしくお願いします。

では、次回もよろしくお願いします!
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