リリカル・マジカル・オレ、自爆   作:ジャー・ジャック・ジョー

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やっと原作入りました。

とりあえず無印が終わってから短編やらを書こうと思ってます。

お気に入り登録してくれた方、ありがとうございます!


オレ、日常?

夢を見ていた。

 

満月に照らされた夜だった。しかし、満月だけではその場所の闇を照らすには不充分だったらしく、辺りは暗く、木の影しか見えない。

 

夢の中では金髪碧眼の男の子がナニカから逃げている。

 

男の子の体は泥だらけで所々に擦り傷も出来ている。

 

息を切らせながらもその男の子は逃げる。ナニカは先程よりも近づいてきている。

 

男の子の顔には怯えがあった、涙も見えた、しかし、その目には諦めの色はなく、生きるために全力を出していた。

 

捕まっちゃだめだ!早く逃げろ!

 

オレは叫んだつもりだったが、声は自分にすら聞こえていない。声が出ていない。

 

逃げている男の子はついに木の根に引っかかり、こけてしまった。

 

だめだ!早く起き上がるんだ!

 

オレが体を動かそうとしても、動かない。

 

その時。

 

(誰か...誰か!)

 

声が聞こえた。頭のなかに響く、そんな感じにだ。おそらくあの男の子の声だろう。

 

(誰か、助けてください!)

 

そうして、オレの意識はだんだん宙に浮いていき、視界がどんどん明るくなり、この夢から引き剥がされる。

 

待ってろ!今助けにいくぞ!

 

そうして、オレは目覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ?今の夢。」

 

目を覚ましたオレはしばらくベッドの上に居ながら、さっき見た夢について考えていた。

 

ただの夢、と捨て置くにはあまりにも気になる。そんな夢だった。

 

まさか、物語が本格的に始まるのか?

 

転生してから7年ほど時間が経ち、精神が肉体に引っ張られすぎて既に忘れかけていたことを思い出す。この世界でオレの物語を紡げばもとの世界に帰れるという契約だ。

 

物語、という指定なのでハートフル日常コメディで過ごそうとしていたが、あの夢のようなことが目の前で起こったらオレは無視できない。それがオレのストーリーがバトルものになる切っ掛けとしても、オレはそこまで非情になれない。

 

ま、目の前で起こったらの話だが。

 

そこまで考えていると

 

「裁くーん!遅刻しちゃうよー!」

 

ママさんの声が聞こえた。

 

時計を見る。

 

短針は8を、長針は12の文字を通り越し、今は1の文字に差し掛かったあたりだった。

 

顔や背中に汗が滲み出てくる。

 

「ち、遅刻するーっ!?」

 

オレは急いで着替え、朝食のトーストをくわえながら玄関を出て、学校へ全力ダッシュを始めた。小学校3年生、中学年にもなったばかりで遅刻なんて先生に怒られるに決まっている。

 

あ、これって転校生とかやってくるフラグかな?パンくわえて遅刻なんてまさにそのパターンだし。

 

 

 

 

 

 

 

曲がり角で転校生とぶつかること無く学校へ無事遅刻した。そもそも転校生などいなかった。

 

パンくわえて遅刻といったら転校生ではないのか。

 

今のオレは小学3年生。クラスはなのは、アリサ、月村の3人娘と一緒のクラスだ。

 

そしてある程度新しいクラスの皆とも馴染めてきた今日の日の4時間目、将来の夢の作文の発表をする授業だ。

 

正直1年生の頃からジジイのところで剣術学んで、ジジイに勝つことしか考えてなかったから将来と言われてもなにも思い付かないのが現状である。

 

「じゃあ、みなさん。書いてきた作文を机の上に出してください。」

 

ん?書いてきた?

 

あれ?これまさか宿題?てっきり今日書くのだとばかり...ってヤバイじゃねーか!

 

あわわわ、書いてねーよ、真っ白だよ!

 

「じゃあ、アリサちゃんから発表ね。」

 

名簿番号1番の隣の席のアリサが立って将来の夢を発表する。

 

しかしテンパったオレには何も聞こえず、オレはただただどうやってこのピンチを切り抜けようと考えていた。

 

忘れました、と言おうか。いや、ここは大学付属の学校だ。遅刻に重ねて忘れ物は、最悪親を呼び出すということになる。この件がもとでパパさんとママさんに怒られてしまうかもしれない。

 

パパさんの目付きで怒られたら普通に怖い。ママさんを怒らせると1週間食卓から肉が消える。

 

なのはの方を見る。付き合いの長いなのはなら今の状況を察して何か助け船を出してくれるはずだ。

 

オレの視線に気づいたなのはは手を振った。

 

やった!オレが宿題を忘れたことに気づいたか!早く!早く助けてくれ!

 

少し手を振った後、なのははまるでN●K火曜日夜7時のアメリカンコメディ番組のように肩を大袈裟にすくめた。そして、唇だけ動かし声は出さずに

 

あきらめて

 

オレは絶望した。

 

「じゃあ、次は裁人くん。」

 

来た!こうなったら即興で言うしかない。そうだ、なのはに頼らなくてもオレにはこの灰色の脳細胞(自称)がある。小学生の作文なんざ即興で言えるさ!

 

「はい!えーと、僕の夢は...」

 

「裁人くん、作文の紙は?」

 

「...忘れました。」

 

...ダメだったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生にこってり搾られた後の昼休み。オレはなのは達と弁当を食べるために屋上に来た。

 

先生の話が案外短く済んだので教室で急いで食べなくても良かったのだ。

 

屋上に着くと、なのは達が話をしている。どうやら将来の夢、今日の授業についてのことのようだ。

 

将来の夢、か...オレは物語を紡ぐとはいえ、何時までの話なんだ?流石に魔法少女というからにはなのはが19歳や25歳まであるなんてことは無いだろう。本編に絡まないサイドストーリーならば有り得るかもしれないが。

 

神の依頼を達成した時、オレはその場でもとの世界に帰されるのか?それとも、ここで死んだ後にもとの世界に帰されるのか?

 

そう先のことを考えると将来の夢は簡単には持てない。この世界で持ったところで、この世界で叶えられるとは限らないからだ。

 

この世界のオレともとの世界のオレは似ているようで違う。人間関係が違う、思想の観点が違う、そして何よりなのはが...

 

いや、待て、なのは?何故1人の友人が挙がる?人間関係の内に入るのでは?いや、なんか違う気がする。何かが...

 

「いひゃいよー!ありふぁひゃーん!」

 

あ、アリサ怒りながらがなのはの頬をつねって伸ばし始めた。

 

オレは急いで、しかし足音をたてずになのは達の元へ行き、なのはの後ろに回り込んで、アリサがなのはの頬から手を離す瞬間に入れ替わるようにしてなのはの頬をつねった。アリサみたいに伸ばしたりはしないが。

 

「もぉ、サイ君やめてよー。」

 

何故一発でバレた。オレはなのはに屋上に入ったところを見られてないし、足音も消した。完璧なスニーキングだったはずだ。普通はその場に居たすずかがやったもんだと思うはずだ。

 

「なのは。どうしてすずかじゃなくて裁人だと思ったの?」

 

「だってサイ君の手だもん。間違えないよ。」

 

そう聞いて少し顔が熱くなる。

 

「裁人君愛されてるね。」

 

「うるせーよ、すずか。」

 

しばらくなのはの頬を弄んでいると

 

「ちょっと、何時までなのはのほっぺをつねってるのよ。」

 

アリサに怒られてしまった。

 

「あ、悪い。」

 

そう謝罪してなのはの頬から手を離すと

 

「あっ...」

 

なのははどこか残念そうな顔をした。

 

その頬はオレがつねっていたからか赤く、瞳は潤んでいた。

 

そして、上目遣いでオレを見て

 

「もっと、触っててもいいよ?」

 

それを聞いた瞬間オレの頭にはモヤがかかったかのように何も考えられなくなった。顔だけではなく、体まで熱くなっていく。

 

オレはなのはの頬に右手を当てた。

 

「んっ...」

 

なのはがくすぐったそうな声をあげる。

 

そのままその手で頬をつねることはなく顎に移動させ、頬の代わりにその親指と人差し指で軽くなのはの顎を掴み、そのままなのはの顔を上に向ける。

 

なのはの頬は先程よりも赤くなり、オレの顔も先程よりも熱い。

 

なのはは目を閉じ、唇をほんの少しだけ前に出す。

 

オレはなのはに顔を近づけ、そのまま...

 

 

「ってなにやってんのよーっ!!」

 

「レバーっ!?」

 

アリサが飛び蹴りをオレの脇腹に食らわせた。

 

地面に2回転がったあと、頭にかかっていたモヤはすっかりと消えて、思考が冴えてくる。

 

何やってたんだよオレ!なのはとキ、キスしようと...そうだ!なのはは!?

 

なのはの方を見るとなのはの顔は赤くなっていた。だが、その顔には羞恥と同時に先程と同じような残念そうな感情が混じっていた。

 

キーンコーンカーンコーン

 

予鈴が鳴り、オレたちは急いで教室に帰るが終始無言だった。

 

 

あっ...弁当食ってねえ...

 

 

 

 

 

 

 

その日の帰り道、オレとなのは、アリサ、すずかで、帰っていていた。

 

無言で帰っていたが、公園に差し掛かったとき

 

「あ、あれ!」

 

なのはが何かを見つけた。

 

「これは、イタチか?」

 

「フェレットじゃないかな?」

 

「怪我をしてるじゃない!」

 

アリサの言うとおりそのフェレットは全体が泥で汚れ、所々に傷を作っていた。

 

「近くに動物病院があったはず!連れていくよ!」

 

オレたちはそのフェレットを近くの動物病院に連れていき

 

「ひどい怪我だね、でももう大丈夫だよ。」

 

という医者の声に安心した。

 

医者にフェレットを預けたあと、塾があると言って急いでいたアリサやすずかと分かれて動物病院から出た。

 

帰り道には空はまだオレンジ色なのに月が浮かんでいた。

 

限りなく満月に近く、満月から少し欠けた月だ。

 

そういえば、昨日は満月だったな...

 

そんなことを考えながら、オレとなのはは歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

夕方、少し月が顔を覗かせている頃、少年と少女が歩いていた。

 

「いてっ!?って何で尻つねってんだよ!」

 

「今日サイ君が私のほっぺをつねったからだよ。」

 

「じゃあほっぺをつねろよ!ほっぺを!」

 

「今日サイ君がなのはにエッチなことをしようとしたからだよ。」

 

「うっ、それはだな...」

 

少年が戸惑っていると、少女は

 

「二人きりの時にしてよ...」

 

蚊の鳴くような声で言った。

 

「え?何だって?」

 

「何でもないよ!」

 

少女は笑顔になり、走り出した。

 

その顔は夕陽のせいか、赤かった。




戦闘に入りませんでした。

見切り発車の計画無しだとこういうことがあります。

ユーノ君?つ、次は出番が多いから(震え声)

実は作者は原作をうろ覚えで書いています。

大筋は覚えているので大筋は崩さず、覚えてる限りで原作から出来るだけ反らさず書くつもりです。



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