リリカル・マジカル・オレ、自爆   作:ジャー・ジャック・ジョー

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オレ、約束

やぁ、昨晩はユーノと一晩を過ごした裁人だよ。エロい意味じゃないよ。てかユーノは雄だよ、フェレットだよ。

 

ユーノには色々なことを聞いた。ジュエルシードのことや魔法のこと。

 

ユーノによるとこの世には魔法なんていうビックリなものがあるらしい。な、なんだってー、それはしらなかったなー。

 

あの時ユーノが出したSOSサインも魔力を使った念話という、いわば機械無しの魔法版トランシーバーだ。魔法便利だな。

 

調べてみるとオレにも魔法を使うための魔力というものがあるらしい。な、なんだってー(以下略

 

使うとその場で自爆だから使えないんすよ、ソレ。

 

でもそんなことを知っているとは言えなかった。何故知ってるのか怪しまれてしまうからな。

 

まぁ、そんなことを話した後、お互いにあの化け物の件で疲れていたので直ぐに寝てしまった。

 

そしてオレは今ユーノを連れて学校に来ている。勿論鞄のなかに隠してだ。これ以上先生に目をつけられるのは怖い。

 

「サイ君!昨日のことはごめんなさい!」

 

「おう、流石に金属は痛かったぞ。」

 

「そっちじゃなくて...」

 

「あ、そっちは謝らないんですね...」

 

そっちじゃないとしたらどれだ?何も思いつかんぞ...

 

「昨日は巻き込んじゃってごめんなさい...」

 

「巻き込んだ?何に?」

 

「あの、ジュエルシードの...「なのは。」」

 

オレはなのはの言葉に割り込んだ。

 

「オレたちはワルイ子友達だったよな?だったら、ごめんなさいじゃないだろ?」

 

その言葉になのはは俺の言おうとしていることに気づいたようで

 

「うん、そうだったね...。これからもよろしくね!サイ君!」

 

なのはは満面の笑顔でそう言った。

 

そうだ、オレとなのはの間に遠慮はいらない。なのはとオレの間に同情なんて必要ない。

 

「おうよ、なのは。」

 

だってオレたちはワルイ子友達なのだから。

 

 

「だけどよー、ケツ金属バットは許されないぞー。今回は許されないぞー。」

 

「サイ君がエッチなこと言うからだよ!」

 

「んだとー!?てか、何でケツばっか狙うんだよ!?」

 

「サイ君はお尻が弱点だからね、どこをはたいても起きないのに、お尻をはたけば1発で起きるんだよ。」

 

なにおぅ!?そんなわけあるかぁ!...ないよな?

 

「と、とにかく!今日の罰ゲームはお前だからな!」

 

「むー...」

 

なのはが不服そうに頬を膨らませる。はっはっはっ、愉悦愉悦。

 

「さて、何をしてやろうか...」

 

オレがどんな悪戯をしてやろうか考えてワルイ顔をしているとなのはの顔がみるみるうちに紅潮し

 

「また、エッチなことするの...?」

 

上目遣いでそう言ってきた。オレの頬も熱を帯びていく。

 

しかし上目遣いでこちらを見るなのはの顔は不安とは違った顔だ、いや、不安はあるのかもしれない。けどそれよりも好奇心と...

 

(ふ、二人とも!何してるのさ!そ、そんなエッチなことなんて...)

 

ユーノの念話がオレとなのはの頭に響く。

 

はっ!ユーノのことを忘れていた!

 

今の念話はなのはにも届いていたようで

 

「サイ君、ユーノ君を持ってきたの?」

 

「ああ、オレの家だとユーノを置いておけないからな。ママさんに見つかるとどうなるか分からん。」

 

(だからあんなに慎重に僕を隠したんだね...)

 

昨日の夜、家に帰ったあとパパさんママさんに見つからないようにユーノを運ぶのは大変だった。玄関開けたらママさん仁王立ちだったんだもの。そのまま爆発で破れたジャージも見つかってメチャクチャ怒られた。けど、何とかユーノだけは隠し通したのだ。

 

「うーん、ウチなら大丈夫かも。」

 

「本当か?なのは。」

 

「うん、家族みんな動物大好きだし。」

 

(僕はどっちかっていうと裁人の家がいいな。でも、毎回隠れるのはちょっと嫌かも...。)

 

「うし、じゃあなのはの家で決定だな。」

 

キーンコーンカーンコーン

 

そこまで決まったところでチャイムが鳴った。オレは急いで自分の席に着き、学校で決められてる朝読書の本を読む。

 

あ、本忘れた。まあ国語の教科書でも読むか...

 

適当なページ選んでっと...『ごんぎつね』か。

 

転生してから教育に関する知識はすべて消えているらしい。じゃないとオレが小学校のテストの順位で下から数えた方が早いなんてことはない。...ないはずだ。

 

という訳でオレは読んだことのあるはずのものも忘れている。だからこの『ごんぎつね』も知らない。題名からして狐のハートフルストーリーだろう。小学校の教科書だし。

 

あ、そういえばなのはの罰ゲームを水に流された気がする。

 

まあ、昼か帰りに言えばいいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ...ごんも兵十も悪くねえんだよぉ...」

 

「もうサイ君、泣き止んでよー」

 

その帰り道、オレは泣いていた。いや、朝から一日中泣いていた。ごんと兵十、二人(?)の間に起きた些細なすれ違いにだ。

 

「ごん、兵十...グスン」

 

「ユーノ君も!?」

 

ユーノはオレの鞄のなかで『ごんぎつね』を読んだのだ、ていうかオレが読ませた。

 

「もう、サイ君お昼ご飯の時にも泣くんだからアリサちゃんも気味悪がってたよ。」

 

「すずかは泣いていただろ?『ごんぎつね』を読んだことがあるって言ってたし。」

 

「読んでない人からしたら不気味だよ...教えてって言ってもサイ君は泣くだけだし、すずかちゃんは読まなきゃダメだって言うし...」

 

当たり前だ、あの感覚は口では説明できない。

 

あ、思い出したらまた泣けてきた。

 

「「ごん、兵十...」」

 

「二人して泣かないでよー!」

 

なのははそう言ってむくれっ面をしたあと、アニメであったら豆電球が点くような、何かを思いついた表情になり

 

「そうだ!ユーノ君、あの頭のなかに声を届ける魔法を教えてよ!アレがあれば学校にいるときでも話せるよ!」

 

どうやら話題を替えにきたようだ。

 

「ああ、念話は凄く簡単だよ。こんな風に魔力を集中させて相手に送って」

 

(こういう風に届けるんだ。)

 

頭のなかにユーノの声が響く。

 

「うーん、こんな感じ?」

 

(ザッ...ザザッ...)

 

しかし今度頭に響いたのは昔のアナログテレビの砂嵐のような、接触の悪いイヤホンから出るような音だった。

 

「うー、出来ないよぉ...」

 

どうやらなのはにはまだ難しかったようだ。

 

「まあ、デバイスがあれば絶対に出来るしそんなに気にするものでもないよ。これから絶対に出来るようになるだろうしね。」

 

「分かった!高町なのは、努力します!」

 

そうなのはは胸を張って宣言する。

 

うーむ、しかし念話か...この場合はどうなるんだ?俺にもできるのか?

 

よし、やってみるか。

 

たしか、こう、魔力を相手に届ける感じで...

 

(ボカンッ!)

 

その場にいる全員に爆発音が聞こえて、なのはとユーノはビックリして飛び上がり腰を抜かす。

 

「さ、さ、さ、サイ君!!今のは何!?」

 

「な、な、な、何で念話で爆発音がなるの!?」

 

あ、そういえば爆発のこと言ってなかった。

 

うーん、もうこの際だから転生以外のことは全部話しちゃおう。

 

「そ、そ、そ、それには深いわけがあるんだ。」

 

魔法の言葉カクカクシカジカでなのはとユーノにオレの『魔力変換資質:自爆』と『超再生能力』を伝えた。体の中に何かエネルギーがありそれを外に出すと爆発すること、そして怪我の治りが異常に速いこと、という風に転生のことを避けて矛盾点が無いように話した。

 

「そ、そんな...じゃあ、裁人はもしかしたら魔法を使えないのかもしれない...」

 

「どういうことなの、ユーノ君?」

 

確かに。オレが言ったのは<魔力が体から出ると爆発する>ということだけだ。それだけでユーノはオレが魔法を使えないという結論に至ったのだ。

 

「普通、魔力が多すぎたり魔法が不完璧だと起こるのは魔力の暴発だ。決して、魔力の爆発じゃないんだ。だから裁人のそれはきっと魔力が爆発するっていうレアスキル、体質のようなものなんだろう。」

 

「じゃ、じゃあ魔法でサイ君と一緒に戦えないの?」

 

「うん、そうなるね。」

 

「そんな...」

 

と、なのはが落ち込んでいる。

 

きっとなのはは今朝のこと、ジュエルシード集めに協力することが出来ないと思っているのだろう。当然だ、魔法がなければそれは危険すぎる。

 

「おいおい、オレの運動神経の良さを忘れたか?暴走前のジュエルシード集めには役立てるぜ?」

 

「うん...そうだね!」

 

そうだ、戦うとは別に戦闘のことだけではない。なのはに任せてオレはのうのうと過ごすなんて出来ない。

 

「けど、本当は関係者以外、なのはも戦わせちゃいけないんだ。危険なことに民間人が首を突っ込むのは危ないからね。やっぱり、僕一人で...」

 

はぁ...こいつは何を言っているんだ?

 

「ねえ、ユーノ君。」

 

「なんだい?なのは。」

 

「一人で何かをしようとするときの辛さは私にも分かる。ちっちゃい時の私がそうだったからね。」

 

「なのは...」

 

「そうだぞ、ユーノ。一人より二人、二人より三人だ。それにさ、オレ達とユーノはもう友達だ。ワルイ子友達だ。」

 

「ワルイ子、友達?」

 

ユーノが少し涙ぐみながら聞く。

 

「うん、ワルイ子友達っていうのはね、お互いにどんなに迷惑を掛け合ってもいい、どんなことでも許し合える。そして、一緒にいると心がポカポカする。そんな大切な友達のことなんだよ。」

 

「だから、オレとなのはに頼れ、ユーノ。オレも魔法が使えないなりにサポートするさ。」

 

「二人とも...グスン、ごめんね...」

 

そして、オレとなのはは互いに顔を合わせニッコリとワルイ、満面の笑顔で

 

「おいおい、ユーノ。ワルイ子友達の間にごめんなさいはないだろ?」

 

「そうだよ、ユーノ君。ごめんなさいじゃなくて...」

 

そう、ユーノにアノ言葉を促す。

 

ユーノは涙を拭い、俺たちと同じ、ワルイ、満面の笑顔で(まあ、フェレットだったからあまり分からなかったが、雰囲気から確信した。)

 

「ありがとう。」

 

「「頑張ろうぜ(よ)、ユーノ(君)!」」

 

夕焼けの中、俺たちは誓った。友達の、ワルイ子友達の約束だ。これが物語の始まり、この先10年以上続く物語の幕開けだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ!サイ君、私にあんな隠し事してたんだから、今日の罰ゲームはサイ君だよ。」

 

「はぁ!?今日の罰ゲームはなのはのはずだろ!?」

 

「罰ゲームって何?まさか、エッチなことじゃ...」

 

「違う!まあ、一種の遊びだよ。相手に何でも命令できるっていう遊びだ。」

 

「やっぱりエッチなことじゃないか!」

 

「何でそうなるんだ!?」

 

「さ、サイ君は、エッチなこと...したいの?」

 

「違う!」

 

「き、君がそんなにエッチな人だったなんて...大丈夫だよ、僕たちは友達じゃないか。」

 

「誰かオレの話を聞けぇぇぇぇぇ!!」

 

結局、公園でお馬さんごっこをすることになった。

 

「裁人...大変だね?」

 

「おまえユーノ、分かっててやってたな?」

 

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