ハイスクールD×D〜災厄のシスター〜   作:やっぱりマグロ食ってるやつは駄目だな。

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3話

さて、私はあの猫又姉妹を救出してから3ヶ月がたった。私と猫又姉妹は世界中を旅しながら放浪していた。ちょくちょくくる追手の悪魔や賞金稼ぎから逃げながらも私は猫又姉妹ととても楽しい時間を過ごした。

 

……でも、やはり時間――時というのは残酷なもの。とうとう別れの時が来てしまった。

 

「……ごめんなさい、黒歌、白音。あなた達をずっと守る約束が出来なくて…。でも、ここなら大丈夫。この赤髪の男性と隣の銀髪の女性はとても優しい人、必ずあなた達を守ってくれる。これからもずっとね」

 

私はそう言いながら猫又姉妹の頭を撫でる。

 

「な、ナイアは私達を守ってくれるんじゃなかったの!? あの時の約束は嘘だったのにゃ? ……やっぱり、私がお尋ね者になってて追手が鬱陶しいから捨てるのかにゃ?」

 

猫又姉妹、姉の黒歌がいまにも泣きそうで絶望した顔で私を見上げるように見ていた。

 

「それは違うわ。そんな程度の理由で捨てるなら私はここで命を断つ。それに、そんな理由で捨てるつもりだったなら、私はあなた達をあの場で見捨てていたわ。だから、それだけはないと思ってね」

 

私がそう言うと、黒歌は涙目ながらも更に不思議そうな顔をして見てきた。

 

「なら…どうして……?」

 

「……それはね。私が教会の者だからよ。」

 

私がそう言うと、黒歌と白音は少し驚いていた。

 

「やっぱり……でも、それとこれとはどういう関係なのかにゃ?」

 

「まぁ、簡単に言うとね、あなたは悪魔であり妖怪。教会の者達にとって使い魔だろうと妖怪も悪魔も根絶やしにしなければならない状態。そして話はあなた達のいまの状況に戻すけど、私はその"教会"から帰還命令が下された。その命令は絶対。……まぁ、私は教会所属だけれどあくまでも"私が"手を貸してあげているだけだから、正直いって無視をしててもいいんだけど、流石に今回は大事な話の様だからね。無視をする訳にもいかないのよ」

 

それでね?――と、私は続ける。

 

「だから私は教会に戻らなくちゃならない。かといって悪魔であり妖怪でもある黒歌や悪魔じゃないけど妖怪の白音が、悪魔や妖怪を心底毛嫌いしているそんな場所に連れていったらどんな事をされるか分からないからね。だからこそ、絶対に連れていくわけにはいかないのよ。

……だから私は決心したの。あなた達を私の親友に預けようってね」

 

「……親友って、この人?」

 

黒歌が怪しげな目で後ろの人物を見る。赤髪で長髪、更に顔はイケメンでモテそうな男と、銀髪で無口無表情を貫いている美人メイド。そんな2人を睨んでいた。

 

「そうよ。黒歌なら1回でも聞いたことがあると思うけれど、この人の名前は『サーゼクス・ルシファー』。つまり四大魔王の1人よ。隣の銀髪メイドさんは、サーゼクス・ルシファーの『女王(クイーン)』であり妻でもある、『グレイフィア・ルキフグス』。二人とも私の古い友人ね」

 

私の言葉に目を見開き驚く黒歌と白音の猫又姉妹。それもそうだ、私が現魔王と知り合いだなんて言われれば誰だって驚く。

 

しばらく沈黙していた2人だがまたこちらを見てきた。私は猫又姉妹の目を見ると、やはりまだ不安はあるようだ。私の友人ということで安全ではあるのだろうが、この2人の傷はそうそう癒えない。

 

――身体の傷は消えても、心の見えない傷は簡単には消えないのだから。

 

私はそんな2人をいっぱい説得した。この魔王は安心だととか、元々グレモリー家の出身で眷属は家族と言っているほど身内に甘い一族だとか、一児の父でとっても親バカでもあり妹loveの超絶シスコンだととか……そんな話を沢山した。特に親バカで超絶シスコンの所を話すとそうは見えなかったのかとても驚き笑っていた。ちなみに現魔王様たちはとってもフレンドリーで本当に魔王なの?っていうほどおかしな人達って事を話しておくと、黒歌と白音は『え〜…』といった感じで魔王を見ていた。魔王サーゼクス・ルシファーは苦笑し、グレイフィアは当然とばかりの顔をしていた。そんなグレイフィアを見て猫又姉妹は、『あ…本当なんだ……』なんて表情をしていた。

 

それからも、私は黒歌と白音といっぱいお喋りをした。3ヶ月という短い時間だったが、私にとっては一番充実した3ヶ月だった。私はこの世に生まれた時から基本1人で行動していたので、こうして誰かと一緒に旅をするというのが新鮮でとても楽しかった。

……ハッキリ言うと、黒歌と白音、猫又姉妹と別れるのは私にはとってもとても辛い。もっと一緒にいたいと思ってしまう。やはり長い年月を生きても別れというのは悲しいものだ。

 

だが、私は教会の者であり、裏世界では賞金首もかけられている。とても大昔の話だが、ムシャクシャしてやらかした際に賞金首になってしまっている。

 

まぁ、それは1500年も前の話だからな。貼り紙はそうそう貼ってなかったが……。これは私が人間と思われているからであって、もしも、悪魔や妖怪といった異型種だったら、私はいまだお尋ね者だっただろう。

 

まぁ、それ以外でも私の命を狙う者は沢山いるのでね。黒歌の追手の中にも何度か混じっていたしね。

 

それからも私と猫又姉妹は他愛ない話を沢山した。ただ、時間は過ぎるのは早くもう随分と長い事話してしまっていたようだ。……これ以上いるのはよそう。余計別れが辛くなるからね。

 

「さて、楽しいお話はここまでです。――もう、お別れの時間ですね」

 

私がそう言い立つと、突然猫又姉妹は私に抱き着いてきた。

 

「行っちゃだめにゃ! ずっと一緒にいるにゃ! 嫌だにゃ、ナイアと別れるなんて嫌だにゃぁ…絶対、絶対に離れたくないゃぁ!」

 

「わたしも、離れたくないないです! ナイアお姉ちゃんとずっと一緒にいたいです。これからも、黒歌お姉ちゃんとナイアお姉ちゃんと私の3人でずっと一緒に暮らして、そして生きていたいです! だから、離れないでください! 行かないでください! ナイアお姉ちゃん!!」

 

黒歌と白音が号泣しながら私に抱き着いてきた。

 

私はそんな2人を優しく、そして強く抱きしめる。

 

「私だって別れたくありません。…ですが、生きとし生けるもの、別れは誰だって訪れます。それがどんな形であれ必ず。しかし、別れというものは何も一つではありません。そして必ずしも永遠の別れではないのです。別れというのは終わりであり始まり、たとえ今は別れたとしても必ず何処かでもう1度出会う。私はそう思っています。あなた達とこうして出会えたのも運命、そしていまこうやって別れるのも運命なのかも知れません。ですが私はそんな運命を嬉しく思います。……だって、運命というものはわからないもの。私達が永遠に会えないなんて運命があるとは誰も言っていないんですから」

 

私は2人を優しく撫でながら言葉を続ける。

 

「私は2人にまた会えると信じています。たとえ何年、何十年、何百年かかろうとも必ずまた3人で暮らせる日がくる。私はそう信じています――いえ、違いますね。ここは信じるのではなく敢えてこう言いましょうか。

 

――『私達は必ず出会えます。必ず。だからその時は3人でまた暮しましょう。近い年にね』」

 

私はそう言い終えると更に強く2人を抱きしめる。

 

――絶対に会えますように。また、こうして3人で暮せますように……そう、願いを込めながら。

 

「さて、そろそろ時間です。名残惜しいですが私はサヨナラは言いません。必ず会えると宣言しましたから。だからこそ、私はこう言います。――『またね♪』」

 

「「――うん。"またね"!ナイアお姉ちゃん!」」

 

――ふふふ。私は2人の綺麗な笑顔を見ながら、その場を後にし立ち去るのだった。

 

―side out―

 

 

―黒歌 side―

 

「「――うん。またね!ナイアお姉ちゃん!」」

 

私と白音が一緒に精一杯の気持ちでナイアお姉ちゃんに言った。『必ず会える』……か。うん。ナイアお姉ちゃんはたったの3ヶ月だったけど、約束は破ったことは無かった。だから私は信じる。絶対に会えることを!

 

…………と、思っていたんだけどにゃぁ。やっぱり、いまの"この思い"がある限り、私は我慢できそうにないにゃ。

 

「ねぇ、白音?」

 

私が白音の方を向きながらそう言うと、白音は1度こちらを向いて一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに真剣な顔になった。

 

「……やっぱり、行くんですか?姉さま」

 

白音が不安そうな顔で言う。

 

「うん。やっぱり行くにゃ。私はそう決めた。もうこの思いを変えることはないにゃ。……ごめんにゃ、白音」

 

「……正直言って私は反対です。ナイアお姉ちゃんもいなくなって、更に黒歌姉さままでいなくなっては私は寂しすぎて心が張り裂けそうです、死んじゃいそうです。……ですが、姉さまの"思い"を聞いてしまっては、私には止めるしかくなんてありません。むしろ、背中を押すべきなのです。…………ですが、これだけは絶対の絶対に、約束してくださいね」

 

そう言った白音は顔を上げ私の顔を見て目を合わせてきた。私は真剣な目で白音を見る。

 

「絶対に、戻って来てくださいね。"2人で、必ず"」

 

「うん。絶対に帰って来るにゃ。"2人で、必ず"」

 

私と白音は1度強く抱き合ったあと、私は白音から離れ魔王、サーゼクス・ルシファーをみた

 

「魔王サーゼクス・ルシファー様、グレイフィア・ルキフグス様。どうか、妹の白音をよろしくお願いしますにゃ。私は、"あの人"を追いかけなくちゃいけないので」

 

私がそういうと魔王は真剣な目でこちらを見てきた。

 

「本当にいいのかい? 大切な妹さんを一人にして」

 

「本音を言うなら正直不安です、かなり心配です。……でも、白音を連れていくよりかはここの方が安全です、それにその事に関しては白音も承諾済みです。だからこそ、こうしてお願いします。白音を、たった1人の大切な妹をどうかよろしくお願いします。」

 

私は深々とお辞儀をする。しばらくそのままの体制でいて、顔をあげた。そこには、満足そうな顔の魔王とその女王がいた。……どうやら私は満足のいく答えを出せたようだ。

 

そのあと私はまたお礼を言ってから、白音にもまたねと言い"あの人"の後を追った。

 

"あの人"の匂いを辿りながら私は全力で走った。

 

しばらく走っていると目的の人物である"あの人"を見つけた。

 

"あの人"は私に気づくなりかなり驚いた顔をしていた。

 

息切れしながらも私は、"あの人"――ナイア・ルラトホテップ。ナイアお姉ちゃんに話をした。ナイアお姉ちゃんに付いていく話を……

 

最初は驚愕し驚きつつも、白音を置いてきた私を叱っていたナイアお姉ちゃんだったが、私の思いを聞いて黙ってしまった。

 

私の思いそれは――――

 

『白音を守れる程の強さを身に付けること』

『大切な家族を守るためもっともっと強くなる事』

『強くなって、白音そしてナイアお姉ちゃんを守ること』

 

私の全思いをぶつけたあと、私はナイアお姉ちゃんの返答を待った。断られたら元も子もないけれど、たとえ断られようとも私は絶対にこの思いを変えることは無い。だからこそ、この"思い"――いや、"信念"が満たされるまで私は絶対に白音の元には帰るつもりは無い、ナイアお姉ちゃんに断られたとしても、悲しいけれど私1人でも旅を始めるつもりだった。

 

正直、一緒にいたいので断られないことを願うが厳しい顔で悩んでいたので、ダメかな……なんて思っていたが、返事はOKだった。

 

呆気に取られていた私だが慌てて意識を覚醒させ理由を聞いた。

 

本当なら断ってボコボコにして無理矢理にでも白音の所へ返すつもりだったが、覚悟と思いを聞いて連れていく事に決めたそうだ。それに、『貴女はどうせ、白音の元へ帰したとしても完治すればすぐにでも旅に出そうだからね。一人にするより傍に置いておこうと思っただけよ…………それに、一緒にもいたいし』そう言ってくれた時は、内心でやっぱりバレてたかなんて思いつつとても嬉しかった。それに、最後の小さな声でボソッといった言葉には嬉しさが隠しきれず、あまりにも嬉しさに飛びつき抱きついてしまった。最初は顔を赤くして恥ずかしがってたナイアお姉ちゃんだけど、私の甘えように苦笑しながらも、優しく撫でてくれた。

 

しばらくナイアお姉ちゃんの至福のナデナデを堪能しながらも、これからの旅の注意事項とうを聞かされた。

 

全て聞き終わった私は、もう1度ナイアお姉ちゃんが本当にいいのか?と聞いてきたため、思いは変わらないよ…といった。その言葉に苦笑しつつも諦めたようで『さぁ、出発するわよ。着いてきなさい、貴女を強くしてあげる』そうニヤリと不敵なのに綺麗な笑みを浮べながらそう言った。そんな問に私は『はい! 師匠!』なんて軽くふざけながらナイアお姉ちゃんの後を追うのだった。

 

白音、黒歌お姉ちゃんは絶対に強くなって帰って来るからね。だから、私の帰る場所である白音も、必ず元気で待っててね!!

 

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